登録日:2011/05/25(水) 14:39:49
更新日:2024/04/19 Fri 17:04:05NEW!
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マリク・イシュタールとは
遊戯王のバトルシティ編から登場する人物であり、
千年アイテムの一つである千年ロッドの所有者で
イシズの弟。
この項目では表人格と裏人格の概要を記す。
裏人格が主になっているとか言ってはいけない。
CV:岩永哲哉
【表マリク】
バトルシティ編にて初登場したエジプト人の少年。通称「ナム」。
当初は章のボスだと思われていたが別にそんなことはなかったぜ。
白髪、或いは銀髪なことを除けば(カズキングダム基準)普通の髪型をしている。
この章の重要人物なのだが、後記の事情であまり目立たない……。
6年前に王様(
闇遊戯)に父親を殺され(と思い込んでいる)、王様に並々ならぬ恨みを抱いており、
カード強奪集団である
グールズを結成、
オベリスク以外の神のカードを強奪した。
……恨みを抱いてカード強奪集団を作るというのは一見飛躍している話に思えるが、
本作の設定では「ファラオの証を指し示すのは3枚の神のカードである」とされている。だいたいペガサスのせい。
表マリクの最終目的は「自分が新たなるファラオとなり、墓守の一族の宿命を打ち破る」ことであったことを鑑みるに、
彼が目的を達成するためには、M&Wでの高みを目指す必要があったのだろう。
そもそもカード集めたら王様認定されるとかいう設定がおかしいと思う人もいるかもしれないが、この世界ではよくあることなので気にしてはいけない
背中には王の記憶の手がかりとなる碑文が痛々しく刻まれている。
そして、これを王に託したとき、一族の血は掟により滅ぼさなければならない。
遊戯…というか闇遊戯を殺したがっているのは上記の
復讐のほかに、この掟の存在から自由を手に入れるためでもある。
目的が果たされなかった際はリシドに自らの抹殺を頼んでおり、覚悟は相当な物であった事が分かる。
遊戯を殺し、自分が王になる為にバトルシティで暗躍。
グールズを差し向けたり、
バクラと接触したり、
城之内や
杏子を千年ロッドで
洗脳して遊戯と決闘させたりした。
冒頭のセリフは城之内たちに初接触した時のもの。通称「ナムナム詐欺」
その後、トーナメントでの城之内と
リシドのデュエルの際にリシドをマリクに仕立て上げる為、
彼に
ラーの翼神竜のコピーカードを使わせるが、それがラーの逆鱗に触れた為にリシドが昏睡状態に陥り……。
またアニメではマジキチすぎて出せなかったと思われる「御伽の父親」の代わりに(どれくらいヤバいかは単行本を読もう)、
千年パズルが一度壊れてしまう展開のために(バクラがパラサイトマインドするところ)導入されたオリ展開で、
バンデット・キースを洗脳して
表遊戯とデュエルさせてたりする。
バイクが好きな男の子らしい一面も持っており、幼少期に憧れていたオートバイを移動手段に使っている。
【闇マリク】
マリクに眠るもう一つの人格であり、真に千年ロッドに選ばれた人物。表が読めていなかったラーのテキスト全文を把握している。
こんな奴を選ぶ千年アイテムって……。
こちらの人格が目覚めると、髪の毛のボリュームが心なしか増えると同時に異常に逆立ち(通称ウニ)、額からウジャド眼の模様の光を発する。
千年アイテムについてる目みたいなアレと言えば分かりやすい。闇遊戯のものは彼の心の領域を超えた者にのみ見えるものだが、闇マリクのものは不明。
原作終盤やアニメ版では更に顔の端に血管が浮き上がっており気持ち悪い不気味。
だが慣れるとキモカッコいい。
サ行の発音のふつくしさには定評がある。
ウジャド眼のこともあり勘違いされがちだが、この闇人格は闇遊戯(アテム)やバクラの様なもう一つの魂と言う訳では無く、完全な二重人格である。
つまり、儀式の苦しみから逃避するためにマリクが生み出してしまったもので、本物の精神疾患の症状である。
この裏人格こそがマリクの父親殺害の犯人であり、リシドとイシズはこの人格を知っていたが、表マリクはこの人格を知らなかった。
マリクと痛みを分かち合うリシドの存在によって、精神は安定を保たれた結果、闇マリクは表に出られなかった。
……先代までのイシュタール家の者(例・マリクの父親)が同年齢時に碑文を刻まれた際に、
このような人格を生み出していない(仮に生み出していたとしてもここまでの被害を出していない)ことを考えると、なんだか表が更にヘタレに見えてしまうのは密に、密に。
あるいは、父の施術がよほど下手だったからなのかもしれないが。
ただまぁ、闇の人格が完全覚醒したのは父親のリシドへ行った死の制裁が理由なので、やっぱり父親が原因…なのかも?
無論それらも数千年に及ぶ因習が原因であろうが。
背中に碑文を刻まれた時の苦しみで生まれた存在なので実年齢は6歳。
闇マリクの性格を一言で言うならばマジキチであり、残虐非道な破壊的願望の塊の様な人物で、相手を痛め付ける事を好むドSであり、苦痛を楽しむドMでもある。
言うなれば、
ゼノギアスに登場した「
イド」に似た存在である。
上記の様な性格な為、闇マリクが行った全ての決闘は闇のゲームであり、
本人の決闘の実力も作中でもトップクラスであり、
舞や凡骨を昏睡状態に、バクラを行方不明(実質殺害)にしたりした。
戦績は三勝一敗と割と良い方。
ただ、「カードゲームとしての実力で勝てたのは闇バクラ戦だけではないか?」との指摘もある。
というのは対戦経過が、
舞戦:舞に所有権を奪われ召喚されたラーを「千年アイテムに選ばれた者が古代文字を読み上げなければ召喚しても使用出来ない」という後出しルールでブン捕って実質勝利。
何か色々おかしいが遊戯王ではよくあることである。
(手札にある時、テキスト欄に何も書いてない…というかテキスト欄がそもそもないのに、それを変に思う事もなく使用する彼女も彼女だが)
バクラ戦:バクラに助言していた表マリクの誤解(ラーは墓場に送られると無力化する、という誤解。実は墓場からの復活時向けの能力があることを表マリクは知らなかった)まぁOCGでは表マリクの方法では無力化できるが。
エキシビジョンマッチ:準決勝の順番、相手を決めるための変則4人デュエル。
海馬の破壊輪により城之内がまず脱落……とほくそ笑みながら、自分が使ったカードをその城之内に逆利用されるという形で最初にライフ0になった。
「俺のライフが0だと!?」
勝敗は関係ない上、凡骨が闇マリクと闘うために心中プレイを行った結果ではあるが。
凡骨戦:闇のゲームはモンスターが受けた苦痛をそのまま受けるのでバイサーデスで痛めつけ、ラーで凡骨の精神を焼き払って勝利。
(余談だが、この際のアニメ版の凡骨の伝説の叫びは「イワーク」として未だ語り継がれている)
この時凡骨は「ギアフリードで攻撃」と言いかけており、精神へのダメージによってそれを言い切る前に凡骨の意識が切れたために攻撃が無効になっている。
なのでもし凡骨の精神力があと数秒耐えて「攻撃」と言いきれていたら、マリクはダイレクトアタックを受けて敗北していた。
しかも勝った後プレッシャーからなのかゲロンチョしてしまった。
更に原作では何の宣言もアクションも無く無断でしれっと手札を増やしていた。
とはいえ結果的に試合全体で舐めプした挙句に神のカードを使い、自分に有利なルールを強制までしたのにそれでも負けかけたことを考えるとやっぱりかなり情けないような……
ただし、闇マリクのデッキはあくまで「闇のゲームで相手の精神をゆっくりじわじわいたぶり苦しめ、その愉悦に浸りながら勝利する事」を重視した、
言うなれば変則的なジャッジキル狙いとでも言うべき組み方をされており、勝利への考え方が通常の遊戯王OCG的な考え方とは少々違っている。
リアル闇のゲームでもしない限り同じ環境で戦えない都合上、OCG目線で絶対評価は難しいだろう。
実際に舞・城之内には精神を破壊して勝利できているため、このコンセプトは概ね成功していると言っても過言ではない。
そもそも彼の闇のゲーム自体一方的に押し付けられる理不尽なものであり、この時点でマリク側に大幅な有利が発生している前提もまた忘れてはならないが。
また城之内戦で語るところを見ると、必ずしもラーを召喚する事にも拘ってはいない様である。
王様にも闇のゲームを当然の様に展開。
互いの表人格を賭けて決闘し、表マリクの命をチラつかせながら精神的に追い詰めていくも、遊戯が海馬から託された
デビルズ・サンクチュアリ、そして
ブラック・マジシャンと
ブラック・マジシャン・ガールによる連携攻撃によって切り札のラーの翼神竜を融合した自分諸共破壊されてしまい、それがきっかけとなって最終的に生きる希望を持った表人格と立場が入れ代わってしまう。
自身が生け贄になりながらも「一ポイントありゃまだ決闘に勝つ可能性も残されている」「復讐を果たせ」と見苦しくも説得しようとするが、
呪縛を乗り越えた表マリクがサレンダーしたので闇のゲームのルール通り、闇に食われてしまった。
その死に際の圧倒的なまでの小物っぷりは必見。
一応、これらの事実を考慮したうえで実力に関して敢えて語るのなら、
表にしろ闇にしろ「最終的には神のカードを使えば勝てる」と言う思想があるため、デッキコンセプトが勝利より神のカードを活かす事を重点に置いている部分が
弱点と言える。
オシリスの弱点を見過ごしたり、特に城之内戦の内容が最も如実に表れている。
……良く考えたら表の方も勘違いで相当な罪重ねてるということについては言わないであげよう。
(グールズは闇マリク関係無しで表マリクが作った組織である)ただ言動からして、闇マリクの方が精神の内側から何かしら影響していた疑いはある。
記憶編で明る過ぎね?とは言われるが表マリク本人も罪を認め反省しており、罪を償うつもりはあり、というより作中の見えていないところで何かしらの形で償っている可能性が高い。
なにしろ表マリクがグールズの首領として犯した罪があまりにも重く、その被害者は先進国の企業・民衆を含めて多岐にわたると予想できるからである。
千年アイテム関連の事は話せないにせよ、裁判所等で何かしらの法的な決着をつけなければ被害者集団が納得しないだろう。
仮にそういうものが一切なかった場合KCは罪を償う気もないグールズの首領をバトルシティの準優勝者と認めている事になり、
そんな事になればKCの今後の運営や取引等におおいに悪影響があるはずである。
さすがの社長もそれらの問題を吹き飛ばして全速前進できるかといったら微妙なところであり、そういう問題が出てこないところを見るに表マリクが何かしらの形で償っていると考えるのが妥当だろう。
また、表マリク本人も遊戯たちが仲間を傷つけ続けた自分を助けようとしている点について疑問を抱いていたため、
表マリクが罪を闇マリクに押し付けた、というよりは、
遊戯たちが闇人格が出てから(イシズ等から事情を聴いたとはいえ)なぜか表マリクを許した。というべきかもしれない。
原作を見る限りでは「リシドの一件があった後、真のマリクとして闇マリクが出現したため、城之内たちの怒りの矛先が(一時的に)闇マリクへ行く」
→「マリクが別人格だと判明。舞が罰ゲームを受ける」→「イシズからイシュタール家の惨劇を聞き、彼女からマリクを闇から解放してほしいと頼まれる」
というプロセスを踏んでいるため、怒りの矛先がうやむやになった後、さらに舞たちの一件があった結果、
一応復讐と言う面目があった表マリクより、無差別にヤバイ闇マリクが遊戯たちの怒りをさらに買ったのがその理由なのかもしれない。
一応この件の原因となった墓守の因習等が、元を辿れば
ゾーク様が原因であるという考え方に至ったのかも知れないが。
また、闇のゲームでは己の心を誤魔化すことは出来ないため、反省の意思が物的証拠を伴って視覚化されていた(改心の確固たる意志がなければ、サレンダーカードによる闇マリク=心の闇の消滅が成立しないはずである)というのも大きいかもしれない。
ん? シン様が意味深な言い方したのが全部悪いんじゃない? ごもっとも。
まず間違いなくBC編後はグールズは解散しているだろうが、ゲーム等でその後キースがリーダーになっているという展開があったりするものも。
ちなみにアニオリの乃亞編ではほとんど出番なし。
遊戯達がいなくなった上にバクラも消していた=邪魔者がいない絶好の機会にもかかわらず、リシドを探すでもイシズに洗脳を仕掛けるでもなく、大人しく留守番。
最終的には退屈を持て余して外に飛び出し、千年ロッドの力でロボット相手に暴れるわ、管制施設を破壊するわ、とまんま子供であった。さすが6歳児。
というかツメの甘さでは主人格を笑えた立場ではない。
遊戯達がバーチャル世界に囚われている間は誰も敵がいなかったため、リシドを探し出して抹殺するならこれ以上ないチャンスだったのだが……。
【名言】
(死と破壊の神、ラーの眠りしデッキよ……我に王の力を!)
「お前のように1枚の伏せカードにビビッちまう臆病デュエリストとは違うんだよ!」
「ボクは勘が鋭いんでね!」
「モンスターではない、神だ!!」
「すまない!」
「まさにDEATH☆GAME!」
「ししゃしょしぇい(死者蘇生)!」
「アァア……♡ アァア↑↑ーーアァア↓↓アァ↑ーアァ↓アァァ↑↑ーー!!」(顔芸)
「破壊こそ快楽だ。そこにオレの支配する世界が誕生する…真の闇世界がな」
「気持ちいいよ……敵が罠に嵌った瞬間はな! ハハァ!」
「オレは闇も好きだが、孤独も大好きでねぇ」
「ワンタン(ワンターン)あれば充分だ!」
「んまぁ、それはお前ってことになるだろうけどな」
「ぅわんたぁんきる(ワンターンキル)…このオレの1ターンでキサマは死ぬんだよ」
「ハハハハ、急げ急げ! みんなくたばっちまうぞ!」
(城之内……キサマも闇行き決定だ……フ、フフフ)
「オレが殺しの風景で飾ってやるよ…城之内(6歳児渾身の一発ギャグ)」
「苦痛にもがけ……あがけ!その度に全身に快感が走るぜぇ うへぁぁぁ」
「ククク……さあ、キサマも十分に手札を補充しなぁ! 神頼みをしながらなぁ!」
「灼熱の翼で死の抱擁を受けな!!」
【デッキ】
表マリク本人が直接決闘しているシーンは、実は作中一度もない。
しかし、彼がデッキを組み、実質的にプレイングも行っている「遊戯vs人形」戦から、
彼の決闘者としての実力はある程度窺い知ることができる。
「人形」が使用したデッキは、神のカード・オシリスの天空竜の召喚と
その高い攻撃力の維持(=手札枚数の確保)に重点を置いた構築。
①無限の再生能力を持つリバイバルスライムへと
②ディフェンドスライムの効果により、相手の攻撃全てを強制誘導し
③生還の宝札でドロー
④無限の手札により手札枚数制限もない
⑤オシリスの天空竜の攻撃力は無限に上がり続ける
という「ゴッド5」コンボを披露し、一度はあの闇遊戯の心を折るほどの高い実力を見せつけた。
千年ロッドの力もあり、ペガサス理論なら随一の強キャラと言える。
純粋に原作リバイバルスライムと生還の宝札が壊れカードだっただけという説もある。
他にも、スライム増殖炉と悪夢の鉄檻のコンボによる生贄の用意と手札補充の同時進行など、
理に適った戦術を多数見せており、カードの性能を活かす術に長けていることがうかがえる。
更には、低攻撃力のヒューマノイド・スライムを敢えて攻撃表示で出して罠を警戒させ、
融合コンボのためのターンを稼ぐトリッキーなプレイングや、
遊戯のマジカルシルクハットの1/3の確率の標的を一発で当てる勘の鋭さなど(これに成功した敵キャラは原作では地味に彼のみである)、
遊戯の策を悉く打ち破りゴッド5コンボを完成させる等、決闘の腕は決して低くなくむしろ相当に高いことが描写されている。
結果的には闇遊戯の奇策により敗北を喫したが、逆に言えばこれは、
表マリクの作り出した盤面の正攻法での突破は不可能だったという証左でもある。
ちなみにこの時、器や水についていろいろと語っていたので、後述の件を含めて
スライム関連を好んでいるのは表マリクと見ていいだろう。
ひょっとすると彼の本来のデッキにも沢山投入されていたのかもしれない。
逆に弱点としては、上述の通り「神を出せば勝てる」と思っている節があるため、戦略外の奇策に弱い点、
攻めを重視したプレイングや思考回路のために、相手の罠にはまりやすい傾向がある点が挙げられる。
作中でも不測の「融合解除」により一時劣勢となっていた。
マリク「ボクは相手のターンを恐れない… 次の自分のターンでいかに相手を攻め込むかで戦略をたてるタイプでね…」
???「次のターンなどない!」
「遊戯vsバクラ」戦では、強固なロックを敷くバクラに対して逆転宣言した遊戯の切り札を正確に言い当て、優れた洞察力の片鱗を覗かせた。
他に表マリクが指示を出していた決闘としては「遊戯vs洗脳城之内」が挙げられる。
洗脳城之内戦でのデッキはベースが城之内のものだが、
ファイアーボールやデス・メテオ、ライトニング・ボルテックスなど、BCルールでは禁止とされているバーンカード、除去カードが含まれている。
本来ならば遊戯に完勝できた筈だが、途中から城之内の意識が目覚め始め、
意図的なクソプレミを連打表マリクの意思に逆らい始めたため、決闘はあらぬ方向へと進んでいく。
表マリクはレギュレーションを破っているわ、城之内は言うことを聞いてくれないわというカオスな試合なので、表マリクの実力を測るには聊か不適切かもしれない。
どうせなら中途半端に城之内のカード残さないでフルバーンにしろとツッコんではいけない。
こんな表マリクだが、闇マリク曰く「ぬるい」らしい。恐らく相手を苦しめるギミックが足りないということを指すのだと思われるが。
また、(グールズを結成しイシズと決別する前の話なので、現在の力関係は不明だが)幼少期、イシズには一度も勝てなかったという。
現世と冥界の逆転デッキを使うイシズが大人気なさすぎるだけの可能性もある
一方闇マリクはいわゆる【ロックバーン】の亜種を使用。
守りを固めつつ効果ダメージ(の、苦痛再現)でじわじわとライフと精神を削り、その傍ら原作仕様のラーを墓地に送り、
魔法カードのサルベージカードで死者蘇生を何度でも、何度でも、な ん ど で も 使い回し、最終的に
1ショットキルに持っていく戦術をとる。モンスターは悪魔族を中心に組まれている。
ラーを切り札として構築されており、情報アドを生かして暴れまわったが、「死者蘇生を使いまわす=ラーを何度も蘇生して戦う」という基本コンセプトを見ればわかる通り、ラーの攻撃が防がれることは事前に織り込まれている。
つまり本来は
ラーの存在とそのインパクト、絡め捕るようなロック戦術で物理的・精神的に相手を牽制し続けて疲弊させ、最終的に消耗しきった相手をラーで殴り殺すという非常に性格の悪い構築となっている。
以上のように無限ドローやコスト踏み倒し、相手プレイヤーの精神の破壊など戦略自体は結構現実的な内容を用いており、
実は遊戯王の登場人物の中では社長に次いでかなり理にかなったデッキを使っている。
彼の使っていたマキュラやラヴァ・ゴーレムがガチカードである辺りもその説を裏付けている。
ちょっと無駄が多いのはご愛嬌。
まあ闇マリクのほうは闇のゲームで相手を苦しめる事を前提に作られているのでそこら辺の無駄は仕方がないと思われるが……。
より正攻法での勝利に特化したデッキを構築しようと思えばできる可能性もあるが、闇マリクはそんなことをする性格ではない。
バトルシップまで表が持ってきたカードを使うしかない以上、表と闇で使用カードはある程度共通しているはず。舞vs闇をどこまで観ていたかは不明だが、ここで使われた拷問モンスター等は表のデッキにも入っていたとも考えられる。
GBAの「
破滅の大邪神」において一応表のデッキが登場している(それ以前の作品となると表が登場しないか、カードプールの都合で再現度が低い)。
非OCGのゲームなのであまりあてにはならないが、その中には
マキュラ等のような闇マリクの使ったカードもそこそこ見受けられるため、案外共通しているカードは多いのかもしれない。
なお「
最強カードバトル!」で登場した時は【墓守】を、裏大会では闇人格が組んでいたデッキのスピードルール対応型を引っ提げてくる。
◆主なしもべ達
ほとんど闇マリクのモンスターである。
ただし、前述の通りDM8で表マリクが共通して使用しているモンスターもいる。
・ラーの翼神竜
マリクと言えばこのカード。
OCGでは
コピー品別物と化し、仕事がなくなる事態に陥ったが、残りの2形態が登場してだいぶマシになった。
ウレル ラー。
ヲー
後に
デュエルリンクスで稼ぎの神となる。
・オシリスの天空竜
表マリクが人形に持たせて使った神のカード。
遊戯を打つ手なしの瀬戸際まで追い詰めるが、自らの効果を逆手に取られるという
ドジまさかの奇策で攻略された。
「モンスターではない 神だ!!」
・万力魔神バイサー・デス
拷問用モンスターその1。万力で頭を潰しに来る。
闇のゲームを用いた拷問のみならず無敵能力を持つ壁としても活躍を見せた。
ラヴァゴーレムを蘇生すれば勝てたと先述した箇所であるが、コイツを蘇生して持久戦に持ち込む戦術もアリだっただろう。
残念ながらOCGではあんまり使いどころがない。なお、《機械複製術》とコンボしていることから分かる通り原作では機械族なのだが、なぜか悪魔族へ変更されている。謎。
・バイサー・ショック
拷問用モンスターその2。
手足を拘束して電撃。ちなみに闇のゲームの場合、ダイレクトアタックが決まると手足が拘束されたまま=カードが使えない。
OCGでは上級モンスター。その独特の効果から様々なコンボを実現できる。
意外かもしれないがバイサーデス共々DM8にて表マリクのデッキにも使用されている。
もしかすると拷問目的で使用するのはあくまでも闇人格の趣味で、
表的には壁のバイサー・デス、バウンスのバイサー・ショックで使っていたのかもしれない。
・ホールディング・アームズ&ホールディング・レッグス
さすがにガチの拷問はまずかったらしく、DMではこっちに変更されている。
上記の拘束状態は2体が場に揃う事で出現する「ウジャトの石版」が担当。
またバイサー・デスが担当した機械複製術増加コンボのデュエルでは別途でプラズマ・イールというモンスターが登場している。
・地獄詩人ヘルポエマー
攻撃力2000のハンデス要員。当時のカードプールだと普通にアタッカー入りなのだが……。
永続的なハンデスは魅力的で、打点やレベルによってヘルウェイ・パトロールやトランスターンの恩恵で比較的楽に出せるが
基本的に自爆特攻かアドバンスセットでの撃破頼みなのは少し歯痒い。
なお原作ではATK2000ハンデス効果付きなのにあろうことか☆4モンスター。明らかにオーバーパワーである。
・レジェンド・デビル
城之内戦で攻撃を誘発するために召喚。この縁か、最強カードバトルのマリクデッキには専用台詞つきで投入されている。
なお、OCGではジャンプ掲載時の攻守だが、コミックスではデュエルの展開に影響するためかつじつま合わせに攻守が逆転されている。
・溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム
攻撃力3000を誇る、OCGでも最強の除去担当として名を知らしめる送り付けモンスター。
しかし闇マリクにとっては拷問用でしかない。城之内ファイヤー!!
原作ではバーンは700ポイントだが、ライフ4000ルート下ではOCGの1400に相当するため十分に強い。
・ボーガニアン
拷問用モンスターその3。ターンごとに300バーン。
ちなみにOCGでは600バーンに倍加。
・リバイバルスライム
人形も使っていた壁役。メタルリフレクトスライムとの合わせ技で遊戯の攻撃を防いだ。原作ではノーコストで瞬時に再生する無敵の壁モンスター。
・ギル・ガース
城之内戦で召喚。
下級で攻撃力1800と悪くないのだが、何故か攻撃しないシーンがあったりと活躍できていない。
・ジュラゲド
別物にされたラーの翼神竜の効果を少し引っ提げてOCGにやって来た悪魔族。
攻撃力1700とそこそこで、闇遊戯戦序盤のアタッカーを担当。
・ドリラゴ
出所不明の効果を引っ提げてOCGにやって来た機械族。正直使いづらいけど。
あの「ゴリラ語」の空耳の元ネタはコイツ。
・処刑人-マキュラ
遊戯王OCGをジャンケンゲームに変貌させた戦犯。原作出身のやべー奴。舞戦でのアタッカー担当。
漫画では「
発動する罠カード以外の手札を全部捨てる」というコストがあった。が、OCGでは後述の《命の綱》に移植されている。
明らかに効果とデメリットの釣り合いが取れていない……。
前述の通りこのカードはDM8にて表マリクのデッキに採用されている。
・ニュードリュア
道連れ効果を持つ下級モンスター。
こいつの能力はなかなか使えるんでねぇ! とは表も裏も共通認識。
攻撃力も1200と、この手の効果を持つモンスターとしては中々のもので、昔のOCGでは活躍が見られた。
ちなみにこいつもDM8にてマリクデッキに採用されていたカードである。
◆・魔法・罠カード
・死者蘇生
説明不要。制限カードのコレをひたすら使い回すギミックを組んでいる。
ししゃしょしぇい!
拷問用カードの一つ。相手モンスターを拘束し、中の刃で体を削ってバーンダメージを与える。
舞戦では「救出劇」で回避された。
その後5D'sで再登場、ジャックのマルチ・ピース・ゴーレムを拘束……したかったが大きすぎたため、上に乗っかっていた。
「拷問」と言う表現がまずかったのか、アニメでは「スクラッチ・ホイール」と言う名前で出された(GX以降は元に戻ったが)。
昔のOCGでも前述のラヴァゴと合わせて【ロックバーン】で活躍し、両者の相性も良い。
人形に持たされていたぶっ壊れドローソース。
ドローが強制効果であるという穴を突かれて敗因となった。
原作・アニメでは3枚ドロー・強制効果だったが、OCGでは1枚ドロー・任意効果に変更。それでも禁止カードだけど。
・命の綱
戦闘破壊されたモンスターを蘇生。マキュラとのコンボで使用した。
ちなみにOCGではマキュラの持っていた手札コストがなぜかこっちに移動している。
いや、確かにマキュラのテキスト無視すればセリフ群は「命の綱」のコストに見えなくもないけどさ……
なぜこんな平凡な効果のカードに移した……
・メタル・リフレクト・スライム
攻撃してきたモンスターより弱い壁を作り出す意味不明カード。リバイバルスライムと融合して
神・スライムになってからが本番。
OCGでは守備3000で固定されたが、それよりもレベル10をぽんと出せることが重要。
エクシーズ召喚実装後・及び闇マリクデッキ関連の強化カード登場後は評価が上がった。
・棺桶売り&邪神の大災害
相手の墓地にカードが行くと枚数×700バーン&攻撃宣言時に場の全カードを全部相手の墓地送り。
このコンボで城之内を抹殺するつもりでいたが、テキストを読む限り出来ません。(大災害の処理時に棺桶売りが墓地送りになる)
こちらは火力が高すぎた為、ボーガニアンとは逆にOCGではモンスター限定かつ300バーンにダウン。
邪神の大災害も魔法罠限定になったが、《大嵐》に次ぐ全体除去として愛用されていた時期もある。
・闇の護風壁
そのターンのダイレクトアタック阻止。
え?「攻撃の無力化や和睦の使者とかでいいだろ!」だって?
・暗黒の魔再生
攻撃宣言時に相手の墓地の魔法を使用。
社長が使った《機械仕掛けのマジックミラー》と似たようなもん。
・ゾンビの宝石
相手の墓地に送られた魔法を奪い、1ドローさせる。
汎用魔法ならともかく、狙える魔法カードは相手頼みなので注意が必要。
・機械複製術
500以下の打点を持つ機械族の同名カードをデッキから2体までリクルートできる汎用カード。
拷問用モンスターを展開して城之内を苦しめるのに利用された。
が、原作では「対象を取り続ける永続魔法」だったのが災いし、天使のサイコロによる対象の強化という奇策で突破された。
その後のシリーズでも時々見かけられる。
OCGの方でも定期的に暴れる。中には原作仕様ならば防げていた悪用法(カードガンナー等)も……。
・左腕の代償
手札全てを墓地へ送る代わりにデッキから魔法カードをサーチする魔法カード。
アニメでは罠カードで、わざわざ相手ターンに使ったために、エクスチェンジで死者蘇生を奪われてしまう。
OCGでは「魔法・罠カードのセット不可」「(このカードを除く)手札2枚以上を全て除外」と制約が重くなったが仕方ないだろう。
・隠れ兵
相手の召喚時にレベル4以下のモンスターを特殊召喚。
5D'sではチーム太陽が防御モンスター「手をつなぐ魔人」召喚に使用した。
OCGでは闇属性限定に。
・悪夢の魔鏡
手札1枚捨てて攻撃阻止+1000バーン。
これでラーを捨てて蘇生に繋いだ。
・魔法石の採掘
手札を2枚捨てて魔法をサルベージする、かつてOCGでは先攻1ターンキルコンボパーツとなったために制限カードにまでなっていたカード。
死者蘇生の使い回しコンボの一環だが、そのままではやや効率が悪い。
ただ、どうせ普通に召喚すればモンスター3体分のコストがかかるラーなら同じ事であり、すぐに使える魔法である利点、ラーさえ蘇生できればワンキルでチャラという計算だろう。
まぁそれでも魔法サルベージ自体が魅力的だが。
・闇からの奇襲
そのターン召喚・特殊召喚したモンスターをもう一回呼び出してエンドフェイズにバトル。
どういう処理なのだろうか。
なお、このカードのソリッドビジョンの演出を把握していなかった闇マリクが
過剰な演出を遊戯のソウルテイカーと勘違いし、闇に呑まれて「おおおおおお!」とか苦しんだり
闇から現れて嬉しそうに高笑いしていたのは未だにファンの間で語り草。
本人相当恥ずかしかったんじゃなかろうか。
【ネタ】
闇マリクは王様、社長、凡骨にも負けないネタキャラであり、最大の特徴は何と言っても
顔芸である。
原作ではそれ程では無かったのだが、アニメではこれでもかと言う程顔芸を披露し、
遊戯王は元より、アニメ屈指の顔芸とキャラと化した。
大体、加々美んのせい
それもあってか、文庫版の表紙でもKAO☆GEI!
顔芸=闇マリクとイメージする者も多いだろう。
その顔芸魂は後の後輩にしっかりと受け継がれ、バクラ、凡骨、斎王、アキ、パラドックス、ベクター、伊集院を始め、多くの者が彼の魅力に憧れ弟子と化し素敵な顔芸を披露している。
その弟子の総数 顔芸の項目でも2018 4月20日現在40人も確認できる。さすが顔芸芸人の太陽!
特にパラドックスは顔芸、合体と闇マリクをリスペクトした様な事もしている。
ではその素晴らしい顔芸をご覧頂こう。
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この顔である。
なおこのAAの顔は、アニメ版のバクラ戦における「俺だけが神の特殊能力を解読できるのだ」のシーン。
このインパクトのせいなのか、ゲーム版でももっぱら闇マリクが主に登場し、
中にはマリク・イシュタールの名前で外見が闇マリクな物もある程。
表マリク涙目。
2019年12月から放送されているCMで、闇マリクはまさかの再登場を果たした。
担当声優の岩永氏にも表裏どちらの人格も気に入られており、特に城之内が死す話題がバズると大体「私がやりました」等と反応する。
追記・修正は素晴らしい顔芸を披露し、弟子を増やしながらお願いします。
最終更新:2024年04月19日 17:04