ダイ(ダイの大冒険)

登録日:2012/07/01 Sun 12:54:16
更新日:2024/04/18 Thu 09:58:31
所要時間:約 10 分で読めます




漫画『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の登場人物。
CV:藤田淑子(1991年版)/種﨑敦美(2020年版)

目次

【概要】

おれはダイ!
この島でたったひとりの人間だっ!!

本作の主人公。モンスター達の住まうデルムリン島に住む少年。
赤ん坊の頃にデルムリン島に流れ着き、鬼面道士のブラスに拾われた。
島のモンスターはみんな友達であり、育ての親であるブラスを「じいちゃん」と呼んで慕っている。
ブラスからは魔法使いとしての修行を受けていたが、本人は勇者に憧れていた。
後にレオナとの出会いから不思議な力に目覚め、更に魔軍司令ハドラーを退けたことから魔王軍に危険視される。

本当の名前は「ディーノ」。アルキード王国の古語で「強き竜」という意味の言葉。
ダイの名は、デルムリン島に流れ着いた際、ゆりかごのネームプレートの「D」の文字だけが辛うじて削れずに残っていたのを見たブラスが、最初の一文字だけでも実の親が名づけた名と同じになる様に慮った事から付けられた。
なお、メタ的な意味での名前の由来は「ダイナソー(恐竜)」から。


【人物】

たとえ世界中の人があきらめたって……
おれはあきらめないっ…!!
絶対にあきらめないぞっ!!!

モンスターに育てられたという経歴から差別意識を持たず、好奇心旺盛で非常に優しい正義感に厚い人物。
一見ポップから「勇気の塊」と評される程の勇敢な人物のようだが、魂の本質は「勇気」ではなく純粋であるとされる。
その性質はポップといった仲間は元よりバランヒュンケルクロコダインなどにも強い影響を与えており、特にポップとはお互いが最高の相棒と称している。
アバンの修行が中断した為に当初は心身ともに未熟な面があったものの、内に秘めた力と強い精神力により急速に成長していく。
ただある時点から、強くなりすぎた力が「敵ではなく、守るべき人間に恐れられた」事で苦悩し始める。
その上に『普通の人間ではない』己の出自や、人間がこれまで行ってきた異端への迫害を知り更なる葛藤を抱え込む。
しかし仲間に支えられ、また初めは敵として出会った生き別れの父・バランに背中を押されてそれらを乗り越えていく。
純粋な人間ではないという事による苦悩や様々な人物との出会いによって成長した彼が大魔王との会話、そして「余の配下になれ」という問いに対して出す答えは必見。

ブラスから一通り教育は受けているため、絶海の孤島に暮らしていた割には知識面ではさほど不足はないので島外に出ても一般常識にカルチャーショックを受けるような場面はなく、ブラスが流暢に人語を話せた事もあって言葉が不自由という事もなく、島外の人間とのコミュニケーションにも困っていない。*1
とはいえ、勉強そのものはあまり得意ではない様子で、文字の読み書きは積極的に取り組んでこなかったようで、アバンの書の解読も早々に諦めて読んでもらっている。*2
この手の主人公にしては珍しく色恋沙汰に鈍感な面は見られず、ポップとマァムの仲を察したりしている。
その一方で、人間関係のこじれを嫌って関係の変化を先送りにしようとしており、そういった事柄から逃げている面もある。
ヒロインであるレオナとは相思相愛で、周囲からも半ば公認されているが、最後まで互いに明確な告白をする事がなく関係が進展しなかった。


【戦闘能力】

物語最序盤で受けていた教育は実は魔法使いの物
これは物語に憧れてかダイは勇者になりたがっていたものの、ブラスは勇者になるのは無理だと考え、ならばせめて勇者を支える魔法使いになって欲しいという願いから。
但しあくまでも本人は勇者になりたがっており、魔法の修業は嫌々やっていた。どっかの盗賊適性勇者様とは対照的な境遇である。
尤も、あくまで魔法使いになるのが嫌だったというだけで魔法そのものを忌避していたわけではなく、デルムリン島を出てからは必要性を感じてメラの訓練を行ったり、紋章なしでライデインを使う必要が生じた際にはポップの指導を受けて特訓したり、マトリフに呪文の伝授を頼んだ事もある(断られたが)。
アバンによる教育で、次第にその資質を開花させていく事になる。

本来竜の騎士は成人になってから完成するのだが、まだ子供であるダイは、人間の血を強く受け継いでいることもあって竜の騎士の戦闘形態たる竜魔人化は使いこなせない。
紋章の力を発現している最中は高位の呪文も使っているものの、専ら剣技や闘気で戦ったり特別魔法力が高い訳ではない為、各系統の極大呪文はバギクロス以外は使用していない。
また、若くて未熟だからかギガデインは使えないままだった。
逆に言うと成人になってから完成する竜の騎士の力を不十分だとしても使えていたというだけでも十分驚愕に値するようで、
バランはまだダイが完全に竜の紋章の力を使いこなせていなかった初戦の時点でも「その年齢では竜の騎士の力をここまで使えるとは良き師、良き戦いに恵まれた」と感嘆している。

武器

  • パプニカのナイフ
ダイの最初期の武装でレオナから貰ったもの。
「太陽・海・風」というパプニカ王国の象徴たる宝玉が誂られた、本来はパプニカ王族のみが帯剣を許される秘宝である。そのため、フレイザード編ではダイとレオナの関係を示す身分証明としても使われた。
これでクロコダイン等と戦っていたがはがねのつるぎを手に入れたのを機にセカンドウェポンとなり、バランとの二戦目では唯一手元にあった武器として使われたものの覚醒したダイの力に耐えきれず消滅した。
後に王家に残っていた最後の一振りである「太陽」を譲り受ける。
最終局面までセカンドウェポンとしてダイの腰にあったが、バーンとの戦いでは流石に使い所が無いという事で、レオナに返却された。
後にこのナイフがバーンの弱点を暴き出す事になる。

ナイフとは言っても、作中デザインに忠実であることを売りにした実寸大グッズが全長約45cmなので、短刀の域は超えている。
単行本解説のステータス表によれば、『太陽』と『風』の攻撃力はそれぞれ24と20で、同じナイフながら個体差があるらしく、ナイフと言う名称相応の低い攻撃力である。
ただし、パプニカのナイフは魔のさそりの硬い甲殻であろうと易々と切り裂けたのだが、「てつのやり」*3では掠り傷一つつけられなかった。
パプニカのナイフの攻撃力が低めに設定されているのは、チウのように*4ナイフ故のリーチの短さを加味した結果と考えられる。

  • はがねのつるぎ
クロコダインのロモス侵攻を食い止めた際、ロモス王シナナから贈られた物で、魔力も持っておらず材質も平凡な只の剣。
序盤のダイの主武装であり、ヒュンケル戦、フレイザード戦と目立たないが地味に貢献度は大きい。
しかし、フレイザード戦後は刃こぼれが目立つようになり、超竜軍団がベンガーナ王国を襲撃した際に金属疲労で折れてしまった。
その後レオナがベンガーナで二本目を購入してバランとの初戦で使っているが、二戦目では手元になかったため使われず、覚醒したダイの力に耐えきれないためかそのままリストラされた。

本家『ドラクエ』には出てこないオリジナルアイテム。
その名の通り頭にハンマーがくっついている兜。
攻撃力はパプニカの武器屋で最強だが、戦闘中の姿はかっこ悪い。
また、ダイ達にこれを薦めた武器屋のおやじもウケ狙いだったらしく単なるジョークグッズの可能性もある。
後にチウを励ました時に「頭突きや体当たり専門の武闘家なんてカッコいいと思うのか」と逆に問い返されて言葉に詰まったことからも、
ダイは序盤は結構使っていたけど頭突きをあまりカッコいいとは思っていないようだ。

  • ドラゴンキラー
装備新調のため訪れたベンガーナ王国のデパートにて偶然入荷していたが、一品限りということで通常の商品ではなく、オークション形式で出品されていた。
レオナも競りに参加するが予算オーバーで落札に失敗。
結局ゴッポルという商人が18000Gで競り落としたが、直後に魔王軍の超竜軍団が襲来。
逃げる時にゴッポルが落としたものをダイが装備し超竜軍団を撃退するという活躍を見せた。
しかし、その直後に現れたキルバーンに投げつけたことで、キルバーンの体内を流れる高温強酸の血液によって跡形もなく融解してしまった。

  • 覇者(はしゃ)の剣(偽)
ロモス王国の国宝である覇者の剣の贋作。対ザムザ戦で使用。恐らくは鎧の魔剣などと同じ金属で出来ていると思われる。
偽物ではあるものの、パプニカのナイフ程度の武器では瞬時に消滅してしまい、鎧の魔剣でさえ一度使った後完全に消滅してしまったダイ竜闘気(ドラゴニックオーラ)を用いた攻撃にも一撃分は持ち堪えたので、かなり良い武器ではあったようだ。
オリハルコンを原材料とした本物の覇者の剣ほどではないものの、十分に名刀といえる一品。

  • ダイの(つるぎ)
…こいつはダイのために生まれたこの世でたった一本の剣だ…
したがってその名前は…

“ダイの剣”以外に考えられない…!!!

竜の騎士に完全覚醒した後、普通の武器ではダイの力に耐えられないという弊害が発覚した為に魔界の名工ロン・ベルクによってオリハルコンで作られたダイ専用の剣。
一種のインテリジェンスソードであり、独自の判断で行動する。ラスボスである大魔王バーンとの戦いの最後の最後で、これが決定打の一角を担った。
この剣自体が強力過ぎる為、ダイの剣が自らの意志で自身を封印しており、『この剣が必要な場面』まで抜く事が出来ない仕方ないとはいえ微妙に困った剣。
そして知らず知らずの内に剣の力に頼っていたダイは、当初は中々自由に抜く事は出来なかった。後半はそんなこと言ってられない相手ばかりだったので普通に抜いているが
威力は折り紙付きで、初披露の際は一振りで鬼岩城の腕を肩からバターを切るように斬り落とし、竜闘気を込めた一撃は鬼岩城を縦に真っ二つぶった斬って崩壊させる程。
バーンとの初戦で一度折られたが、剣自体をこれ以上強化する事は不可能だった為、剣の修復に伴い鞘の方が強化された。
これにより魔法剣にしたこの剣を鞘に納刀し10秒間チャージする事で、その魔法を最大のものに強化するという特性を持つようになる*5

ゲーム的パラメータ上での攻撃力は+150。各シリーズの最強装備と比較しても引けを取らない。
…というよりもゲーム上でこれより強力な武器はルビスの剣、9版ロトの剣、流星の剣とその強化版二本の5つしか無い、DQシリーズ屈指の強武器である。
しいて言えば、ダイの剣そのものは特殊能力のない本当にただ単純に硬くて切れ味のいいだけの剣というのが劣るところだが、作中氷河に閉じ込められたダイを守ったりしているのでフバーハを発動させるような特殊能力があるのかも。

なお、材料のオリハルコンは、読み切り版でロモス王から下賜された「覇者の冠」(後述)を鋳つぶして得たもの。
この「覇者の冠」に比べて、剣の方は分量がかなり多い様に見える為、ファンからはしばしばネタにされる。
最終話では、主たるダイが行方不明でも生きて輝いたまま大地に突き立っており、ダイがどこかで生きていることの「生き証人」になっている。

  • 真魔剛竜剣(しんまごうりゅうけん)
柄尻に竜の頭を模した意匠が施された竜の騎士専用の剣。
代々の竜の騎士が受け継いできたオリハルコン製の刃を持つ片刃の大剣で、伝説の刀匠ロン・ベルク曰く「神が作ったといわれる地上最強の剣」
バランの死後、大魔王バーンとの最終決戦で現れるも鬼眼王バーンの肉体に耐え切れず砕け散った。
尤も自己修復能力があるので、おそらく本編後のダイはこれを所持していると思われる。

防具

  • 布の服
デルムリン島からロモス城でのクロコダイン戦まで使用していた青色の衣服。
明確に何を装備していたかとは言われていないが、バランとの二戦目では騎士の鎧がなかったので実質布の服だけでバランに挑んでいる事になる。
  • くさりかたびら
地底魔城に乗り込む前にバダックから貰ったもの。
使い古しだったため、夜なべして直して装備した。
  • 鋼のプロテクター
ロモス王から貰った装備の一つ。
ヒュンケルとの二度にわたる激戦でボロボロになるも、バダックによって新品同然に修理してもらい、騎士の鎧にバトンタッチするまで使用された。
  • 騎士の鎧
ベンガーナで購入した鎧。ダイが装備した防具の中で唯一の全身を覆う鎧。
防御力は高くなったが、子供であるダイの体格には合っていなかった事もあり、階段を降りるのにも苦労するほど動きづらく持ち前の身体能力を活かせなくなったため、分解してパーツのみを纏う事で軽量化した。
しかしバランとの初戦で損傷してからはダイが記憶喪失になっていた事もあり使われず、そのままお役御免になるなど使用期間は短かった。
  • 魔法の闘衣
バラン戦後にレオナから贈られた、パプニカ謹製の魔法耐性が高い布を法術を込めて編んだ闘衣。パプニカが復興中で用意できなかっただけと思われるので、そんなのがあるならベンガーナに買い物に行く必要あったのか?とか言ってはいけない
バトル漫画の宿命で下半身がすっぽんぽんになりはしないが、全開の竜闘気の余波にも耐えられる衣装及び武装をダイに与えるべく生み出された。
攻撃魔法などのダメージを和らげる効果があり、激戦の中でも目立った損壊が見られない耐久性を発揮して、ダイも最終決戦まで使用した。
騎士の鎧の際に生じた下手な重装備はダイの身体能力を殺してしまうという問題点の反省からか、これまでのダイの防具と比べて金属部は肩当てくらいしかなく非常に軽装。
そもそも竜闘気があるなら重装備は不要であり、特に竜闘気が集中する腕部を下手に覆っても竜闘気によって燃え尽きてしまう、という判断もあったのかもしれない。

道具

  • 魔法の筒
誘拐されたゴメを助けるためにブラスから授かったもの。
「イルイル」の呪文で対象を筒の中に入れられて、「デルパ」の呪文で対象を筒から出すことができる。
対象は魔物だけではなく人間を入れることも可能。*6
  • 覇者の冠
ロモス王から授かったロモス王国の秘宝。
本来防具扱いすべきだが、ダイはこれを装備する場面がなかった。
ダイが天狗にならないようにブラスが隠してしまい、以後ダイがデルムリン島を出立する時も存在を忘れ去られた置き去りにされてしまった哀しい防具。
これがオリハルコンで出来ている事が後付けされた発覚した事で再びスポットライトが当たり、ロモス王の快諾の上でダイの剣の材料に使われる事になった。
  • アバンのしるし
アバンが教え子たちに卒業の証として贈る青く透き通った涙滴形のペンダント。
『輝聖石』という貴重な石を磨き上げて呪法で凝縮したものであり、その製法はアバンしか知らない。
完成させるには時間がかかるが、呪文の効果を増幅させる「輝石」と、魔法力を蓄積する「聖石」の特性を併せ持ち、聖なる力を高めて邪を退け、敵から受けるダメージをある程度減らし、持ち主の力を高める効果がある超一級品のアイテム。
ヒュンケルがグランドクルス発動の触媒にしていたりとチェーン部分も含めて地味に耐久性も高い。
  • 涙のどんぐり
チウから貰った回復アイテム。雀の涙ほどの回復効果を持つ木の実。
  • 夢見の実
メルルから貰った木の実。
短時間で睡眠に就くことができ、疲労回復ができる効果を持っている。
「美しい心を持つ者なら、自分が一番見たい夢を見ることができる」という言い伝えがある。
ダイはこの実を食べた後、記憶にほとんど残っていない母ソアラの夢を見ており、その夢の中でソアラは、戦場に向かうダイをバランと共に見送っている。
この描写は後の双竜紋の覚醒の伏線となっている。

呪文

上述の通り魔法使いの教育を受けていた為、粗方契約は済ませているらしい。
しかし魔法の扱いが下手だったのと勇者になりたかった事から、熱心さが足りなかったのかコツが掴めなかったのかは不明だが、最初は紋章発現時しかロクに呪文は使えなかった。
見れば分かる様に竜の騎士なだけあって、呪文の才能自体はある。そもそも才能がなければ粗方契約すらできないので当然っちゃ当然ではある。
必要性を認識してからは積極的に覚えようとしていくが、それでも結局は使える呪文はあまり増えなかった。
本作においては、基本的に必要に迫られて必死に求めた結果として呪文に目覚めたり、その呪文専用の訓練を経て習得することが多い。
闘気技が使えるようになったり、ロンベルクから前述したダイの剣専用の鞘を授かって、高等呪文を代替する手段を複数得たことが原因と考えられる。

  • メラ
彼が最初にまともな威力を持って発動出来た呪文。
手の平から上手く飛ばす事が出来なかった為、炎を出した直後にそれをバレーのレシーブのよろしく叩く事によって相手にぶつけていた。
  • ライデイン
紋章が発現した時は当初から無条件で使えていた。
ヒュンケルとの初戦で叩きのめされた後に、ポップの補助やアドバイス等を受けつつ修行して習得した。
その後は要領を掴めたのかポップの補助や紋章無しでも使用出来る様になった。
  • トベルーラ
空を飛ぶ飛翔呪文で、当初は竜の紋章の力で使用していたが、紋章無しでも使用出来る様になる。
ライデインもそうだが本作では難度の高い呪文らしく、ここから呪文の才能そのものはあることが分かる。
  • バギクロス
バギ系の最大呪文。
腕を頭上で交差させ、そのまま下へ振り下ろし、真空の刃を発生させる。
デルムリン島でのキラーマシーンとの戦闘の際、竜の騎士に覚醒して使用し、周囲を驚かせた。
キラーマシンを吹き飛ばしたが、装甲にダメージを与える事はできなかった。
  • ヒャダイン
ヒャド系の中位呪文。
ヒャダルコやマヒャドが単純に吹雪を吹きつけるのに対し、ヒャダインは連続した魔法力の輪でより冷気を圧縮しているような演出となっている。
ハドラーの放ったメラゾーマにこの呪文をぶつけて相殺した。
旧アニメ版ではベンガーナでのヒドラ戦でも使用。ヒドラの首二つを氷漬けにし、蹴り飛ばした。
  • ベギラマ
ギラ系の中位呪文。
デルムリン島でのキラーマシーンとの戦闘の際に使用し、キラーマシンへのとどめの一撃となった。
またフレイザード戦後、凍ったレオナを救うべく魔弾銃の弾丸に詰め使用した。
  • イオラ
イオ系の中級呪文。
ベンガーナで竜2匹を仕留める際に使用。ポップによる重圧呪文(ベタン)やダイによる徒手空拳で予め竜達弱らせたのを考慮しても、一発でまとめて仕留める強烈な威力を発揮した。
  • 竜闘気砲呪文(ドルオーラ)
竜の騎士最強の呪文で竜闘気を魔法力で圧縮して放つ。国一つを消し去る程の威力を有する。
これは魔法力を放つものではないのでマホカンタでも反射出来ず、光魔の杖で圧倒的な力を持つ老バーンですらこれの連発(レオナのシルバーフェザーによるサポート有り)で沈めた。
但し消耗も激しく、ダイ及びバランも二発が限界だった上に、連発したダイは回復が遅れる等の症状が出ている。


使用技

  • 大地斬、海波斬、空烈斬
アバン流刀殺法の技。
因みに名前こそ変わるものの、アバンは武器を問わず使用可能な模様。
大地斬は無駄のない動きで強烈な一撃を与える「力」の一撃で、中盤では鬼岩城を一撃で破壊する程のパワーを持った。
海波斬は素早い斬撃で火炎等を切り裂いて攻撃するもので、一振りで海を割る程の斬撃を放つ。
空烈斬は敵の核や魔法等を心眼で捉え、光の闘気で打ち抜く技。形無き物を倒す事にも向いているが、作中では岬をぶち抜ける位の威力もある。
しかし一番難しい技で、アバンの教えを受けたヒュンケルもコツは知っていたが、当初はアバンへの憎しみの心が強かったため習得までには至っていなかった。

  • 魔法剣
剣に魔法を纏わせて攻撃する。本作においては竜の騎士のみの特権。
劇中ではメラ、ライデイン、ギガデインを纏わせていてどれも強力な一撃となっている。

アバン流究極奥義にして、ダイやこの作品を代表する技。
上述の3つが使える様になって初めて真の威力を発揮し中盤までは強力だったが、実はこの技単体では終盤戦でハドラーから酷評される不遇の技だったりもする。
もっとも、バランも「人間が使う技としては強力」と一定の評価を下しており、
独特の構えこそ要するが、形態の使い分けや派生の余地、条件を整えればちゃんと強敵にも通用するポテンシャルと、確かに優れた技ではあるだろう。
遠距離のA(アロー)、短距離のB(ブレイク)の2パターンがある。

  • ライデインストラッシュ
魔法剣とアバンストラッシュの複合技。
アバンストラッシュを放つ前に刀身にライデインを落とし、威力を高める。
ヒュンケルの鎧の魔剣に対抗するために編み出された。
ダイの得意技を複合した技であり中盤までのダイの最強技と言える代物だが、実際に活躍したのはヒュンケル戦とバラン戦くらいであった。

  • ギガブレイク
ライデインを使った不完全版を、超魔生物となったハドラーからの撤退戦で一度だけ使用している。
ハドラーに追い詰められた時、「一瞬で闘気と魔力を爆発させられる技を」と必死に考えた結果、咄嗟に繰り出した。
反目していれど、ダイにとって父バランはやはり大きな存在であることを認識させた技。

  • アバンストラッシュX(クロス)
バーン戦の後に考案した技で、ストラッシュの進化系。
アローとブレイクを絶妙のタイミングで被せることで五倍以上の威力が発揮される。
威力は絶大だが、敵も自分も激しく動き回る戦闘において、タイミングを合わせるのは至難の業。
ヒュンケルをして不可能と謂わしめる程の難度で、実質竜の騎士の戦闘センスと実力がなければ、実戦で使うのは不可能。
ハドラーに真竜の闘いで大ダメージを与え、バーン戦でも反撃のキッカケとなった技。
ダイの自己評価からして、ギガストラッシュと比べると威力は落ちる様だが、低威力のアローと見せかけて相手の油断を誘うフェイントとしても有効。

  • ギガストラッシュ
ギガデインを纏わせた剣を「ギガブレイク」と「アバンストラッシュ」の長所を複合して相手に食らわせるダイ最後の大技。
バーンパレスにおけるハドラー戦の決着の一撃となったが、真の姿になったバーンの天地魔闘の構えには通用しなかった。
ダイ曰く自身にとって最強の技だが、ギガデインを使えないので魔法強化のチャージが必要になり、即座に使えないという欠点がある。
その点ではタイミングを合わせる難度はあれど発動に時間がかからないアバンストラッシュXと特性が真逆と言え、終盤であちらに活躍を譲ったのも致し方ないところではある。
後に本編にも勇者専用の技「ギガスラッシュ」として登場している。

特殊能力

  • 竜の紋章
竜の騎士たる所以で、紋章発動時は強力な闘気「竜闘気(ドラゴニックオーラ)」が使用可能になる。
当初はピンチの時に無意識下で発動していたがバラン戦をキッカケに自分の意志で使用可能になった。

バラン戦にて、紋章の共鳴による精神攻撃から逃れる為に右拳に紋章を移す。これは唯一人間との混血であるダイが起こした奇跡であるとされる。
同時に、右拳にパワーが集中することで右手の攻撃がバランに対抗出来る程に強力になったが、パワーが強すぎて通常の武器は耐えきれずに本気の一発で朽ちていくという弊害をもたらすことになった。

ダイのステータスは各ゲームの勇者にも引けをとらないが、この竜闘気を利用すればそれが更に倍化し、恐ろしいまでの戦闘力を発揮する。
後述の双竜紋共々、最終的に紋章は額に戻っているが、その後は額と拳のどちらで紋章が発動するのかは不明。まぁ、紋章を移動したきっかけからしてわざわざ拳に移す必要はないのかもしれないが。

  • 双竜紋
死んだバランの力を受け継いだ事によって左手に発現した第二の竜の紋章。
本来竜の紋章は竜の騎士が戦いの果てに代替わりする度に受け継がれていく能力だが、バランが人間の女性と結婚し子供を授かってしまい、その子に新たな竜の紋章が宿るという現象から生じた規格外の副産物。つまりはゲームのバグのような現象。
これによって更に肉体の強化が進み、竜魔人にしか打てないドルオーラを生身の状態で放つ事が可能になり、戦闘力は通常の竜魔人にも勝る。
気絶していたレオナは見ていなかったが、魔力炉と同質かつ大規模な心臓部とそれを取り巻く外郭の隔壁というバーンパレス基部を、双竜紋を得た後のダイは大地斬ですらないただの斬撃一太刀で易々と両断せしめている。
更に、後述する闘いの遺伝子も受け継ぎ持前の戦闘センスに上乗せされた為、戦局の対応力も増している。
その領域はバーン曰く「神々すらも予想だにしていなかったであろう超戦闘能力」「天を左右できる力」
大魔王と正面から互角に渡り合える力を得た反面、この能力が覚醒したことでダイは完全に人類の範疇からも逸脱したイレギュラーと化してしまう。

  • 闘いの遺伝子
歴代竜の騎士の技術や経験を、我がことのように認識し扱える能力。
本人は初めて使う(見る)技であっても、歴代竜の騎士の誰かが経験していれば、そこから最適な対処法を弾き出すことができ、身に着けるのに長い鍛錬が必要な技でも、歴代の誰かがマスターしていれば、最初からたやすく操ることができる。
分かりやすく言えば過去の先人達の技術の完璧なラーニング。
ダイの紋章は新たに生まれたもの故にこの機能を持たなかったようで、バランから正式な紋章を受け継いだことで獲得したのだが、
よくよく考えるとダイは序盤の頃から紋章の力を発動させたときに強力な呪文を使ったり、ヒュンケル戦で無意識に魔法剣を編み出したりしているので闘いの遺伝子の片鱗は当初からあったのかもしれない。

  • 竜魔人
竜の騎士の最強戦闘形態。混血であるダイにはこれが不可能だったが、双竜紋を額で一つにする事で発動した。
単なる紋章二つ分のエネルギーが加算するだけでなく、本来同時には存在し得ない二つの紋章が一つに融合する、その共鳴によって前人未到の現象を引き起こした。
本来肉体が竜に近付き異形と化すのだが、双竜紋を一つにする異例の変身である事に加えて、混血である彼は額の紋章が巨大化している程度で人間の形とある程度の理性を保っている。
竜魔人化による身体スペックの向上だけでなく、ダイの中で押さえ込まれていた凶暴な魔獣性(殺意)までもが覚醒し、劇中ではあのバーンが完全無欠とまで表する程の強さを見せている。
双竜紋が覚醒した時点でこの変身は可能になっていたが、二つの紋章をフルパワーで使いこなすのは難しい上、竜魔人は唯一の肉親と殺し合った忌むべき姿。
そのためダイはギリギリまでこの変身を行おうとせず、レオナやポップ達にも見られまいと苦悩していた。
いざバーンとの戦闘になっても、理不尽で暴力的なその力を振るいつつダイは涙ながらに叫ぶしかなかった。
「こんなものが正義であってたまるかっ!!」


【来歴】

竜の騎士バランとアルキード王国の王女ソアラの間に生まれた混血児であり、本来の名前は「ディーノ」。
しかし、その誕生は周囲に喜ばれる事は無く、バランがテラン国内でアルキード軍に降伏した際に、実の祖父であるアルキード王によって幼くして流刑されるという残酷な決断が下される。
ところがその航海の最中に船が難破、デルムリン島に流れ着き、そこに住んでいた魔物達と人間の言葉が喋れる鬼面道士ブラスによって育てられた。
パプニカ王国の王女であるレオナ達が島にやってきた事から彼の大冒険は始まる。
レオナを救った事が縁となって師匠アバンと、親友ポップと出会い、後に最大のライバルとなるハドラーとの戦闘を経て、魔王軍を倒す為の旅に出ることになる。
マァムやクロコダイン、ヒュンケルといった仲間達と出会い、順調に旅をしていたが、魔王軍の将軍バランと遭遇。
自身が一世に一代しか現れない竜の騎士と人間の王女との混血であること、バランこそがその竜の騎士であるという事を知る。
その後、バランの策によって強制的に記憶を消されてしまうが、ポップの命懸けのメガンテによって復活。
竜の紋章によってバランを撤退に追い込んだ。
この頃から圧倒的な強さで魔物を倒す様は他の人間達から恐れられる事となり、苦悩していく。
その後は刀鍛冶ロン・ベルクや北の勇者ノヴァとの出会い、そして最大の敵である大魔王バーンとの戦闘で一度死に掛け、マザードラゴンに導かれかけるもバランの魂による叱咤もあり復活する。
バーンパレスでは、最強レベルかつ実力が本当に拮抗した者同士の戦いでしか現れない「真竜の戦い」をハドラーと繰り広げ、大魔王バーンとの決戦では心が折れかけるもポップの勇気で再び立ち上がり、今までの旅路の中で築いた絆が奇跡を起こす事になる。


【余談】

因みに彼は12歳という設定だが、それは島に流れ着いた日が元になっている上、デルムリン島には暦が無い為、『だいたい春頃』が誕生日といういい加減な決め方をされている。
実父であるバランは、おそらく彼の正確な生年月日を知っていたと思われるが、作中で判明する事は無かった。




…おれが…本当にログインできない時…本当にあきらめてログアウトしそうな時…

いつも項目の追記をしてくれた奴…

ネタを修正してくれた奴…

最高の友達…アニヲタ…!!

君に出会えて…良かった!!!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ダイの大冒険
  • 主人公
  • 竜の騎士
  • 藤田淑子
  • 純真
  • 王孫
  • 勇者
  • アバンの使徒
  • 12歳
  • 本当の名前はディーノ
  • ディーノ
  • 強き竜
  • 双竜紋
  • 太陽
  • 王子様
  • ダイ
  • ハーフ
  • 野生児
  • 竜魔人
  • 種﨑敦美
  • 竜の紋章
  • 小さな勇者
  • 混血児
  • ダイ君
  • 声優の本気
  • 勇者ダイのパーティー
  • 黄金の精神
  • 数奇な運命を背負った男
  • 勇者一行

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月18日 09:58

*1 しいて言えば、初対面のお姫様であるレオナに失礼な態度を取っていたが、これはレオナが初手でダイを馬鹿にしてしまったのも大きい。

*2 アバンの書を何とか読もうとしており、全く文字が読めないわけではない。実際ブラスも文字を読む事はできた事から全く教えてなかったとは考えにくく、アバンの指導の中には黒板に文字を描いて教えるものもあった。また、原作においてはアバンに師事する前のでろりん戦にてずるぼんから聞き出した偽勇者一行の弱点を平仮名でメモっている描写があり、カナ文字程度なら読み書きができた模様。

*3 本作が主に参考にしたであろうDQ3においては攻撃力28

*4 ステータスにおいて、チウのちからは80で、素手の武闘家の場合も通常はちからの数値がそのまま攻撃力になる。だがチウの場合は攻撃力は50と大幅に減少しており、「手足が短すぎて折角の腕力を活かせない」という設定を反映していることが窺える

*5 ライデイン→納刀を経てギガデイン

*6 1991版では金色、2020版では青色になっている