チャンネルDDD

登録日:2014/03/14 Fri 09:29:09
更新日:2024/02/02 Fri 15:02:34
所要時間:約 8 分で読めます





This is Channel!



D・D・D!!!


チャンネルDDD(デー・デー・デー)とは、テレビアニメ版『星のカービィ』に登場する架空の放送局である。

概要

デデデ大王が設立した、プププランド唯一のメディアでもある国営テレビ局。
スポンサーがどうなっているのか不明だが、恐らくホーリーナイトメア社であろう。
劇中で何らかの放送が始まる際には高確率で「This!is!channel!D・D・D!」の掛け声(エスカルゴン)と共に逆光差すデデデ城のシルエットからDの文字が飛び出すという映像演出が入る。
ちなみにこの演出はMAD動画でもよく使われる。


第6話から初めて登場した。
放送開始にあたり、カービィを含めた全住民にテレビが無償配布された辺りに気合の入りようがうかがえる。
このチャンネルDDDが設立された目的はデデデ大王曰く
  • 意味ないけど健全な娯楽
  • 嘘だけど迅速なる報道
  • 無駄だけど楽しいCM
をタダで村人達に楽しんでもらうため。
突っ込みどころ満載だが、受信料を徴収している場面は特に見受けられず、随分と良心的なサービスである。

…が、あのデデデ大王が仕掛けたものとあってか、当然裏に何もないはずが無い。
その実態は100%デデデ大王寄りのプロパガンダ政権放送。
カービィを馬鹿にしたり、独裁政治を美化したりと、ロクな内容じゃないコンテンツが大半を占めている。

一応天気予報なども放送してはいたが、まともな観測などしておらず、明日の天気でさえも「南から湿った風、北から空っ風が吹くので明日は雨のち晴れ、もしかすると曇りまたは雪」と超適当に予測している。*1
放送開始から最初に流れたお笑い番組を例にとってもデデデ大王がカービィのボロぬいぐるみと腹話術もどきを繰り広げ、最終的にボコボコにするコント」と、最初からカービィを貶める目的しかないことが分かる。
そもそも村人はともかく、我々の感性にはどこに笑い所があるのかさっぱり分からない。
その他の番組やコマーシャルはどこからどこまでもデデデ一色。
あれもデデデ、これもデデデ、それもデデデ、後はたまにエスカルゴン、ワドルディ、ナイトメア社を挟む程度…
典型的な独裁者としての自己顕示欲が如何なく発揮されているといえよう。



<デデデデ~♪

デデデデ~♪>

\デデデデ~♪/\デデデデ~♪/\デデデデ~♪/


そして、ププビレッジには当然チャンネルDDD以外に局が存在しない。海外のチャンネルも受信していないし、観れたとしてもデデデが許さないのは明白。
つまり村人達は半ば強引にこのチャンネルを見せられているのである。
視聴率はおかげで高い方だとか。

ただし、ニュースや報道番組を除けば大半は再放送なので飽きながら見る村人も少なくない。
38話の空前のパピー・ポッティーブームにより、デデデ以外は見ておらず視聴率は0%を記録。ボルン曰く「極めて有害」。
ガスに至っては同じお笑いコント番組を204回も見ている。
むしろよく続けて観ていられたな
逆に57話冒頭で起きた料理番組の事故によりパイまみれになったデデデのハプニングを取り上げられ、普段は見ないフームまで鑑賞しており、ほぼ視聴率は100%を記録していた。

これはエスカルゴンがデデデを馬鹿にするような内容だったため、激怒したデデデにより打ち切られた。

その上

「これだから双方向テレビは便利ZOY☆」

なんとデデデが配布したテレビには監視カメラが仕込まれていて、
村人の視聴状況はリアルタイムで筒抜けにされている。何がプライバシーじゃあい!!
これにより、視聴者のコメントにリアルタイムで反応することができる上、視聴率も完全に捕捉できる。0.001%単位まで狂いなく。
それにより、テレビを見ている村人の反応に答えるような場面がある。

(例)
ガ「どんだけ日焼けすればああなるのかな?」
D「1時間ZOY」

今でこそデータ放送で参加できる番組も広まったが、
アニカビが放送されたのはまだブロードバンドすら広まっていない2001年である。
正に時代を先取りした仕様と言えよう。


ただのテレスクリーンだろというツッコミは無しで。
(分からない人はリンク先を読むか「1984年 ジョージ・オーウェル」or「1984年 映画」でググろう。
「Macintosh CM」でも可)
本物と違ってスイッチを切れるだけまだ良心的なのかもしれない。いや、カメラは動いてるかもしれないけど。
ただスイッチを切っていても、デデデが何かしらの報告を行う際は強制的にスイッチが入る事があるので油断はできない。
まぁその報告もイベント告知が殆どだけど…


デデデの気まぐれにしては珍しく一発ネタではない。
配布したテレビ自体は散々馬鹿にされながらも定着しており、その後の回でも頻繁に登場する。
時にはチャンネルDDDが事件や騒動の発端になることもしばしば。



主なラインナップ

番組

  • 天気予報(天気予報)
前述の通りロクに観測した訳ではないので適当。
主婦「明日の天気が分かるなんて凄いわ」
ダメだこの愚民…

  • デデデとカービィ アホどっち?(エンターテイメント)
デデデがカービィの人形で腹話術をしてカービィを馬鹿にする爆笑コント。カービィの返事にデデデは「ポヨ」としか答えない。なお後に14話で同じ映像が使われている。

  • スーパーデデデマン (超人気過激アニメ)
元ネタは「スーパーマン」

  • デデデだョ!全員集合 (バッカバカしいバラエティーショー)
元ネタは「8時だョ!全員集合

  • DR (愛と感動と恐怖の医療ミスヒューマンドラマ)
元ネタは「ER緊急救命室」

  • デデデのキッチン きみには食えるか? (ゲテモノだらけの料理番組)

  • デデデふしぎ発見! (楽しいクイズバラエティー)
元ネタは「世界・ふしぎ発見!」

  • ゴールデンムービーシアター 知られざるSF映画特集(特番)
    • スタートリックIX (SF映画)
      元ネタは「スタートレック」
    • ガッジラ2 (怪獣映画)
      元ネタは「ゴジラ」
    • 風と共に猿の惑星 (本家より面白い)
      元ネタは「風と共に去りぬ」と「猿の惑星」
なお「デデデとカービィ アホどっち?」以外の番組は「今夜のゴールデンタイム」での紹介に留まっており、詳細は不明。
※また、チャンネルDDDでは映画は放送されてない(実はナイトメア社の電波をジャックしている)。


以下、実際にエピソードの中心となった番組
  • COOK OOSAKA'S ALL ABOUT HOW TO COOKING(34話)
デデデ城に泊めてもらったコックオオサカによる料理番組。

  • デデデワイド(37話)
よくあるお昼のワイドショー。

  • 特別公開討論番組 明日まで語ろう(37話)
元ネタは「朝まで生テレビ」

  • 星のデデデ(49話)
  • 星のフームたん(89話)
アニメでひと儲けを企んだデデデ主導のアニメ番組。
……が、どちらもアニメとしての出来は駄作もいいところであり、それぞれ制作環境、モラルで大いに問題を抱えている。

  • パイで処刑でショー(57話)
  • デデデで1分クッキング(↑の発端)
番組内で起きたアクシデントが原因で打ち切られた。

  • 直撃!晩ごはん(59話)元ネタは「突撃!隣の晩ごはん」

元ネタは「王様のブランチ」



コマーシャル

謳い文句付きで記述。

  • 何もかも清潔に美しくデデデ石鹸
  • デデデも10キロ減量!デデックスII (健康器具)
  • ゴキブリ退治にはデデデキラー (殺虫剤)
  • オムツはデデデダイパー お母様も大喜び☆
  • 大王は~歯が命~♪人民共もこ~れ~で~…白い歯をゲットぞい!(歯磨き粉「デデデスペシャル・トゥースペースト」の後の展開を考えると全く説得力がないCMソング)
  • 愛と希望のデデデーランド
  • あの日会った王女の香り デゲローナ・ソフトピンクの香り
  • ドリームライフを演出するホーリーナイトメア社
  • 技術のエスカルゴンテクノロジー
  • 無いよりマシのワドル堂本舗
  • みんなで借りよう デデデローン
  • たまに真っ白 デデデ石鹸
  • 時に激安 デデデ電機
  • よく詰まる デデデ便器
  • いつも伸びてる デデデそば
  • デデデ回転寿司本舗
  • デデデ商事
  • ナイトメアアパレル


悪の道具

事件や騒動の発端になると書いたが、その原因はデデデが悪事や気まぐれを為すための道具として活用しているのが非常に大きい。

初めて村にテレビを導入した時の悪だくみ(第6話)がまさに好例。
その全貌は村人達をテレビに釘付けとしてから、スタジオで暴れる大魔獣の映像を現実に現れたかのような撮影トリックで錯覚させ、カービィを追放したくなるよう洗脳する……という非常にえげつないものであった。
そう、初めてのテレビを楽しむ村人達にとって「流れてくる情報の真偽を疑う」概念が無い。
テレビの情報を真だと思い込んでしまうので、例えば映像の中の自宅が潰されそうだと思えば、外に出て現実との齟齬を多少疑ってもまんまと逃げ出す。
ゲームと違って(魔獣などの外的戦力を主に)戦うだけが全てではない、アニメデデデの社会的な悪党っぷりがよく表れた計画といってもいいだろう。

結局、カービィ達の活躍で虚偽は暴かれたが、何だかんだで定着したのをいいことにその後もデデデの無駄に高い行動力を支えている。
中には捏造した映像でカービィを犯罪者に仕立て上げる、特定の人物を笑い者にして名誉棄損、やたらと当たる占い番組で神権政治を目論む、事情あってゴミ溜めと化した民家を公共の電波で晒し上げるなど、生々しい活用法が多い。
何かしらの催しの告知や、弁当コンペの開催お知らせなど真っ当な形で使われることもあるが、やはり上記のインパクトが強烈。

また、チャンネルDDD絡みの要素も社会風刺の面が強く、上記のようにやらせ、捏造、偏向報道、悪趣味なバラエティー番組、素人の悪意ある晒し上げ*2といったテレビの負の側面が色濃いのも特徴的である。


余談

チャンネルDDDの象徴として馴染み深い、赤く小さなテレビは
MOTHER3』をプレイ済みの人だと「しあわせのハコ」に見えなくもないとか…



Thui ki Shusei!

A・NI・WOTA!


出典:テレビアニメ『星のカービィ』ア・ウンエンタテインメント スタジオザイン 任天堂 ハル研究所 中部日本放送 電通
6話:2001年11月10日
(c)Nintendo/HAL Laboratoly.inc・CBC. All Rights Reserved.
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最終更新:2024年02月02日 15:02

*1 そもそもアニメのプププランドは南国なので異変でも起きない限り雪が降るなどあり得ない

*2 ただし素人とは言ったが立場的に一般人ではない場合もある。羊の暴行を信じてもらえずオオカミ少女呼ばわりされたフームは大臣令嬢だし、上記のゴミ家晒し上げで被害に遭ったのはボルン署長の奥さん、サト夫人。なお後者は捨てられていたゴミをボルンが頻繁に持ち帰った為、いつしか片づけられない状況にまで陥ったという同情したくなる背景を抱えていた所で、デデデ達が嗅ぎつけテレビで晒し者にした。