聖鎧亜キング・アルカディアス

登録日:2011/06/11 Sat 10:20:56
更新日:2024/04/15 Mon 22:56:27
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神に叛きし者達の王と、神のしもべ。


二つの相反する存在が今ひとつになる!
*1


聖鎧亜キング・アルカディアス》とは、デュエル・マスターズのクリーチャー。
極神編第3弾「超絶VS究極(ドラゴニック・ウォーズ)」に収録されたカードの1枚。このエキスパンションは様々な多色カードを輩出した極神編の中でも特に多色の割合が高く、なんと60枚中52枚が多色。
このカードはその目玉のスーパーレアということもあって多色の進化クリーチャーである。


【解説】

聖鎧亜キング・アルカディアス SR 文明 (7)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド/ロスト・クルセイダー 9000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化−自分の多色クリーチャー1体の上に置く。
W・ブレイカー
相手は、多色以外のクリーチャーをバトルゾーンに出す時、バトルゾーンに出すかわりに墓地に置く。

「相手は多色クリーチャーしか場に出せない」という単純明解にして凶悪なロック能力を持つ。
単色クリーチャーは出そうとしても置換効果で墓地に送られる

ややこしいが、「出ると破壊される」のではなく、「そもそも出ない」ため、cip能力やpig能力もトリガーしない。
つまり、墓地送りを覚悟で「オルゼキア」などで除去しようとしても無駄になる。
S・トリガーを持つ単色クリーチャーやシノビなど、反撃として有用なクリーチャーも腐り果てる。
バトルゾーンに出ないので、場に存在するトリガー能力(ミスト・リエスなど)も誘発しない。

また「召喚」のみならず「場に出す」行為全般が制限されるので、あらゆる踏み倒し、超次元クリーチャーを呼び出すことも不可能となる。
実質、手札にある単色クリーチャーはマナゾーンに埋めるか、コストとして捨てるくらいの用途しかなくなる。

聖霊王アルカディアス」のバリエーションではあるが、「ゴッド」のしもべである「ロスト・クルセイダー」が追加されており、文明は光と闇。

多色環境を助長するどころか、単色クリーチャーの存在意義を消失させうる強力な効果で、のちに殿堂入りを経てプレミアム殿堂まで昇格した。
エンペラー・キリコ》や《邪神M・ロマノフ》と並び、デュエマの歴史に名を残す最凶の進化クリーチャーという呼び名も高い。


以上のようにバトルゾーンの制圧力は歴代のロックカードも平伏するほどの実力者で、使用制限がかかるまでの間はデュエマの環境を支配していた。
戦国編になると構築済みデッキで妻のクイーンとともに再録されたため、レアリティの割に案外手軽に入手できた。

また、エンジェル・コマンドを種族に持ちながらも、進化条件は「多色クリーチャー1体」のみという異例の緩さ。
さらに7コストという手軽なコストを考えるとその強さも頷ける。
当時は《腐敗無頼トリプルマウス》や《無頼聖者スカイソード》から流れるように進化することは主流であった。
というか別に多色ならば何でもよく「ロマネスク」を進化させてデメリットを打ち消すこともできた。

除去に対する耐性は一切ないので、弱点があるとすればそこを突くこともできるが、単色のクリーチャーは出すことを封じられるので、対策になるのはほぼ呪文のみ。
さらにバウンスでは時間稼ぎにしかならず、破壊やマナ送りしようとなると文明が限られる。
一応多色クリーチャーによる除去はできるが、当時の環境では《戦攻龍機ドルボラン》くらいしかいなかった。
8マナと重くバウンスでしか対処できないのでほとんどの場合一瞬の時間稼ぎにしかならず、実用性はそこまで高くはなかった。

同様に、ハンデスなどによって場に出る《斬隠蒼頭龍 バイケン》は置換効果によって場に出るため、条件さえクリアすればバウンスを放ちながらバトルゾーンに出ることはできる。
だが、そもそも不用意にハンデスを撃たなければ済む話であり、やはり現実的な対策ではない。

現在では多色の除去呪文、除去を内蔵した多色クリーチャーもそれなりに登場しており、対抗馬は充実したと言える。
もっとも、プレミアム殿堂している現状ではいらぬ心配なのだが……。
総じて、このカードが存在する=あらゆるデッキに「単色クリーチャーに頼らない除去手段」を多めに積むことを要求する時点で、デッキ選択の幅を狭める意味でも禁止は仕方ないと考えられる。


【その後】

プレミアム殿堂後は特に音沙汰はなかったが、あるエキスパンションのフレーバーテキストでは後述の妻クイーン・アルカディアスに「王は天に召されました」と言われ、公式的に死んだことにされてしまった。
そんな妻は一切の制限がかかっていない。デュエマではやはり呪文よりもクリーチャーの方が大切なのである。

なお、同じフレーバーでは「私は王家を守り抜いてみせますわ」という妻の決意も語られている。よい奥さんをもらったものである。

2016年には1月30日発売の「超ブラック・ボックス・パック」にて再録。
前回のボルバルやサファイアと同じく温泉枠・プレミアム枠での再録だと思われていたが、通常枠・DM-26の通常イラストでの収録がなされた。
また、DMTV公式twitterにより、次世代WHF2016大阪で「さらに禁断の衝撃特報がある」と発表されたことで物議を醸したが、
WHF大阪でもその次のWHF福岡でも殿堂解除の知らせはなかった。よかった


2017年には、なんと「アルカディアス鎮魂歌(レクイエム)」なる構築済みデッキが発売。
またしてもキングの殿堂解除がささやかれたが、さすがにこんな凶悪なカードの規制が緩められることはなく、「闇鎧亜キング・アルカディアス」に転生したという形となっている。
ちなみに、闇鎧亜に転生した経緯はDM初期の時代に一瞬だけ登場した闇道化に操られた結果であり、かなり悲惨な背景ストーリーとなった。

ちなみに、エンジェル・コマンドが切り札のクロニクルデッキが出るのは2年連続である。


【関連カード】

王と后が揃う時、あらゆる伝統はその力を失うだろう。

聖鎧亜クイーン・アルカディアス VR 光/闇文明 (6)
クリーチャー:ロスト・クルセイダー/エンジェル・コマンド 9000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化-自分の多色クリーチャー1体の上に置く。
相手は多色ではない呪文を唱えることができない。
W・ブレイカー

キングの妃。
キングからコストが1下がり対象が多色以外の呪文となった。こちらも相手のみに制限を掛ける。
これとキングの並びは俗にキングクイーンロック/夫婦ロックと呼ばれ、あらゆる単色カードを否定する非常に強力なロックとして名を馳せた。
単体で見ても登場当時のメジャーなS・トリガーや各種超次元呪文は単色の物が多かった為、長らくそれらのメタカードとして活躍した実績を持つ。
能力自体は2021年以降の環境においても通用する物だが、そうなると同じロック性能に加え他にも強力な能力を多数有する非進化クリーチャー《聖魔連結王 ドルファディロム》の壁が厚い。2コスト軽いこと、色が少ないことを差別点にしたい。


邪帝右神 ブロック・パーティー R 闇文明 (6)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ OMG/エンジェル・コマンド 9000+
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーは自分のシールドを1枚ブレイクする。
W・ブレイカー
右G・リンク

邪妃左神 バンバーシュート R 闇文明 (5)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ OMG/エンジェル・コマンド 5000+
このクリーチャーまたは自分の他のクリーチャーが破壊された時、ゴッドを1体、自分の墓地から新しいシールドとして自分のシールドゾーンに裏向きにして加えてもよい。
左G・リンク

夫婦ともにゴッド・ノヴァOMGとして復活。但し能力は一切共通点が無いし進化元にも取れない。
闇単色の非進化エンジェル・コマンドに転生したことで《ウェディング・ゲート》で出すことが可能となった。
「再婚」と称して同時召喚も再現できるため、洒落た趣向である。リア充爆発しろ
詳細はそれぞれの項目を参照。


闇鎧亜キング・アルカディアス P 光/闇文明 (7)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド/ロスト・クルセイダー 9000
進化:自分の多色クリーチャー1体の上に置く。
W・ブレイカー
相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。
相手の多色ではないクリーチャーを召喚するコストは5多くなる。

「アルカディアス鎮魂歌」に収録された、闇に堕ちたキング。元から闇持ってるじゃんとか言うな
能力の形質は大きく変わり、単色クリーチャーも一応出せるようになった一方、コスト踏み倒しを縛るようになった。
但し場に出す行為自体は制限しないため、cip、pigの発動を許すという弱点がある。
総じて元のカードからは大きく弱体化している。そもそもプレミアム殿堂のカードから弱体化させるなと言うのが無茶だが。



王よ!我ら王家の者以外は皆殺しにしてしまいましょう!

闇鎧亜クイーン・アルカディアス P 光/闇文明 (6)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド/ロスト・クルセイダー 9000
進化:自分の多色クリーチャー1体の上に置く。
W・ブレイカー
相手は、コストを払わずに呪文を唱えられない。
相手の多色ではない呪文を唱えるコストは5多くなる。

王妃は王妃でやっぱり闇堕ち。
矢張り制限が緩和されている一方、夫になぞらえ呪文の踏み倒しは完全に禁じるようになった。
S・トリガーの呪文を完全に封殺できるため、元クイーン、及び闇キングよりは使い出がある。


闇鎧亜ジャック・アルカディアス P 闇/火文明 (4)
クリーチャー:スピリット・クォーツ/ロスト・クルセイダー 1000
S・トリガー
スレイヤー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、バトルゾーンにある相手のコスト4以下のカードを1枚選び、持ち主の墓地に置く。

キングとクイーンの息子。
しかし種族はエンジェル・コマンドでなくスピリット・クォーツとなり、文明も闇と火。
能力もロックを仕掛ける両親とは異なり防御札としての性質が強い。
カード指定除去は汎用性が高くコストも手頃なため、手打ちしてもS・トリガーとしてヒットしても相応の活躍が見込める。
特に強力なフィールドが増えてからはそれらのメタカードとして注目されるようになった。
除去を放った後もスレイヤーによって相手クリーチャーの攻撃をけん制できるなど、中々ユーティリティ。
「デュエル・マスターズ プレイス」には闇堕ち以前の姿と思しき《聖鎧亜ジャック・アルカディアス》が登場している。


鎧道接続キング・マルバディアス SR /闇/自然文明 (7) 
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド/デーモン・コマンド/アンノウン 9000
EXライフ
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から、コスト6以下のディスタスを2枚まで出す。残りを好きな順序で山札の下に置く。
相手の、多色ではないカードの使うコストを2多くする。

レジェンドスーパーデッキ 「禁王創来」に新規収録されたディスペクター。
よりにもよって聖鎧王家を狂わせた怨敵のマルバスことアルカクラウンと魔合成されており、
見た目も両腕両足にアルカクラウンが『接続』させられると言う、自分の手足として置いたばかりにアルカクラウンの思うが儘となってしまったキング・アルカディアスに対する特大のディスペクトとなっている。

キング・アルカディアス由来の単色メタは多色以外のカードのコストを2増やすと言う形に調整され、
場に出した時の山札の上からめくった5枚の中からコスト6以下のディスタスを2枚まで踏み倒す能力はアルカクラウンの能力をディスタスを参照する形に調整したもの、とイラストとは打って変わって両者の物をリスペクトした能力となっている。
上手くササゲール持ちを出せれば更なる展開が狙え、単色限定ではあるがコスト増加で相手の動きも制限出来るとまずまずのスペック。


デュエル・マスターズ プレイス

聖鎧亜キング・アルカディアス SR 文明 (7)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド/ロスト・クルセイダー 9000
進化-多色クリーチャー
W・ブレイカー
相手の多色でないクリーチャーがバトルゾーンに出る時、かわりに墓地に置かれる。(自分の《聖鎧亜キング・アルカディアス》のこの効果は、各ターン中1回のみ発動する)

DMPP-09「武者聖戦伝 -ARCADIA OVERDRIVE-」にてついに参戦。
能力は流石にTCG版の再現は許されるはずもなく、置換効果によるロックは各ターン1度のみの発動という制限を与えることによって劣化させる形で調整している。
そのため、単色クリーチャーも1ターンに2体以上出せるような状況ならば何とか出すことは出来る。ただし、その場合でも1体目は必ず犠牲になるのだが。

こちらでも本家のTCG版よりは劣化しているが《聖鎧亜クイーン・アルカディアス》や《光神龍スペル・デル・フィン》と組み合わせたロックは可能であり、かつてよりは劣るとは言ってもなかなか凶悪なロック性能を発揮する。
しかし、やはりTCG版からの劣化していることに加えて、DMPP-09時点のゲームスピードがTCG版で登場した時期よりも高速化していることやTCG版で共に猛威を振るったサポートカードがデュエプレで投入されていないという事情もあって、TCG版のように環境で大暴れするには至っていない。

後に本家でもプレイス版の能力を持った《聖鎧亜キング・アルカディアスP'S》としてカード化している。


【余談】

  • 初出のDM-26ではシークレットカードとしてアルトアート版が存在し、そちらは黄金の鎧に顔が完全に隠されている。
    天使の翼が生えており、より正統派なアルカディアス系の見た目となっている。

  • 「特定のクリーチャーがバトルゾーンに出るかわりに墓地に置く」という能力を持ったクリーチャーは、キング以外にも《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》や《龍世界 ドラゴ大王》等いくつか出ている。
    しかし、VANは11マナ、ドラゴ大王は10マナと、かなり重いコスト設定になっているので、単色/多色にドラゴン/非ドラゴン色々と運用上の条件が異なるとはいえ、やはりキングのマナコストは軽すぎたという他ないだろう。

  • 進化という点で後の非進化超大型ロッククリーチャーよりアクセスしにくい部分こそあるが、逆にこのカードは「コスト7」という非常にアクセスがしやすいコストでこのロック性能があるのが現在でもプレミアム殿堂たらしめるのだろう。
    また進化をメインにした2021年のシリーズ『王来篇』にて、バジュラモモキングRXの存在により時を経て再び実践級になったのはDMプレイヤーでは有名な話であるが、このカードもまた、プレ殿から解放されたなら同様に最速三ターンで出せてしまう。バジュラですらアレなので、このカードが解除されるのはまた遠のいてしまっている。



追記・修正は王様の支配に2年間耐えきった人でお願いします。

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最終更新:2024年04月15日 22:56

*1 画像出典:Twitter イラストレーターいけだcpt氏 @ikeda_cpt 2021年5月31日投稿 https://twitter.com/ikeda_cpt/status/1399327297740673024?s=20&t=bPa7zZp-ZPZmUPgprdDCOQ