時械神メタイオン

登録日:2014/1/24(金) 2:40:02
更新日:2024/01/12 Fri 20:46:52
所要時間:約 9 分で読めます





出たな、時械神メタイオン!
君のエースモンスター!

遊戯王5D'sラスボスZ-ONEが使用する「時械神」の一枚。
アポリアからはZ-ONEの切り札として考えられていたが、実際は数ある時械神のうちの一枚に過ぎなかった。

〈アニメ版〉

《時械神メタイオン》
効果モンスター
星10/炎属性/天使族/攻0/守0
このカードの効果及び戦闘による破壊を無効にする。
表側攻撃表示のこのカードのプレイヤーへの戦闘ダメージを0にする事ができる。
このカードが戦闘を行った場合、バトルフェイズ終了時に相手フィールド上に存在するモンスターを全て持ち主の手札に戻す。
その時、戻したモンスター1体につき300ポイントのダメージを相手プレイヤーに与える。
このカードが自分フィールド上に存在する場合、自分はモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を行えない。
自分のスタンバイフェイズにこのカードはデッキにもどる。


主な効果は三つ
一つはカード効果及び戦闘による破壊の無効化
つまり戦闘では破壊できず、カード効果ということで効果モンスターは当然魔法・罠カードでの破壊も無意味。
じゃあ戦闘によるダメージを与えりゃいいじゃんと思うが、そうしようにも二つ目の効果「戦闘ダメージを0にする」が邪魔をする。
この二つの効果により表側攻撃表示だと破壊出来ず、戦闘ダメージも与えられない強力な防御力をもつカードになっている。墓地に送るは勘弁な!

そしてコイツの最大の目玉は三つ目の効果
このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、フィールド上のモンスターを全て手札に戻す
戦闘=全モンスターバウンス、これだけでもどこぞの鬼畜モグラもびっくりな能力なのにさらにこのカードは戻したモンスター数×300ポイントのバーン効果まで発生するのだ。

これら三つの効果により驚異の星10で高い破壊耐性にバウンス&バーンという、ラスボスが使うに恥じないスペックをもつモンスターに仕上がっている。
戦闘ダメージこそ発生しないが、攻撃さえすれば相手のフィールド上をがら空きに出来る上にバーン効果まで付いてくる。本編ではこの効果を活用してアポリアを苦しめた。

欠点としては自分のスタンバイフェイズがやってくる毎にデッキに戻ってしまう点。
時械神自身はその効果で相手に戦闘ダメージは与えられないので、相手にガン待ちされるのに弱い。実際Z-ONEと対戦した遊星もむやみにモンスターを出さず、時械神が相手の手札から無くなりきるのを待っていた。
また、基本的に場に一枚しか出ない為、遊星の過労死要因「くず鉄のかかし」も苦手としている。

Z-ONEはこれらの弱点を他の時械神やサポートカードで補っている。

【アニメでの活躍】

初登場は146話でのアポリアvsZ-ONE。
Z-ONEのエースモンスターとして、永続魔法「虚無界アイン」の効果でリリースなしで召喚された。
バウンスとバーン効果をもつメタイオンは五枚で一枚のカードになるアニメ版機皇帝には最悪の相手であり、機皇帝ワイゼルをバウンスし、アポリアのライフを削った。
しかしアポリアはこのカードのバウンス効果を逆手にとり、逆転の一打を試みるが…

その後の不動遊星とのデュエルでも時械巫女(時械神用のダブルコストモンスター)をリリースして召喚された。
しかし遊星はZ-ONEとアポリアとのデュエルで時械神の性質を見抜いており、「時械神は戦闘をせずにいなくなるのを待てばいい」という対策を行った為大した出番もなくデッキに帰っていった。
その後は後続の時械神に出番を譲っていたが、最終局面にて「究極時械神セフィロン」の効果でデッキから 攻撃力4000というとんでもない数値で特殊召喚されたが、スターダスト・ドラゴンとの戦闘からセフィロンを守るためセフィロンの効果で除外された。

鳴り物入りで登場したわりに最終決戦では大した出番もなかった(アポリア戦でも1ターンしか出ていないが)と考えるとある意味不遇なカードなのかもしれない。

そして2011年4月号のVジャンプにて付録カードとしてOCG化が決定。
しかしこのカードは原作で強力な効果を持つラスボスが使う神と名のつくカードという不安要素の役満状態。
その為この段階でデュエリスト達の脳裏に浮かぶのは数々前例たちであった。
そして…


〈OCG版〉

《時械神メタイオン》
効果モンスター
星10/炎属性/天使族/攻 0/守 0
このカードはデッキから特殊召喚できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):このカードは戦闘・効果では破壊されず、攻撃表示のこのカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
(3):このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に発動する。
このカード以外のフィールドのモンスターを全て持ち主の手札に戻し、戻した数×300ダメージを相手に与える。
(4):自分スタンバイフェイズに発動する。
このカードを持ち主のデッキに戻す。

マリク「なん…だと…!?」
アポリア「少年、これが絶望だ」

まさかの 効果ほぼ据え置き
それどころか「虚無械アイン」の効果も内蔵したため、実質的には強化されてる
代わりにデッキからの特殊召喚が不可能になったが、リリース軽減の効果の代償と考えればおつりが来るレベルである。

(ちなみに言うと、ラスボスのカードでOCG化に伴い明確に強化された前例として、アルカナフォースEXーTHE LIGHT RULERが居る。)

攻撃をする必要はあるが、相手フィールドの全体除去が行えることが最大の魅力であり、バーン効果のおまけもつく。しかもバウンスなのであのスタロなんかにも引っ掛からない。バウンスが如何に厄介な物かは どこぞの青いバウンスのおかげで周知の通りである。
この効果のおかげで現環境で主流となる大量・複数展開のデッキに対しては無類の強さを誇り、特にシンクロ召喚エクシーズ召喚など一度バウンスされると再度出すのに手間がかかるカードを多用するデッキにはこのカードが非常によく刺さる。 ぶっちゃけシンクロキラーの機皇帝よりはるかにシンクロモンスターに刺さる

OCG化に際して自分フィールドのモンスターもバウンスの対象になるようになってしまったが、自分のカードを戻してもダメージは全て相手に行くので能動的にダメージを与えられるようになったと考えればこれも強化された点と考えるべきだろう。

勘違いされやすいがバーン効果については「手札に戻した数」ではなく「フィールド上から戻した数」を参照するのでシンクロモンスターやエクシーズモンスターなどエクストラデッキに帰るカードもしっかり戻した数に含まれる。
また、デッキからの特殊召喚制限があるためリクルーターを介して召喚することは出来ないが、特殊召喚自体には何の制限もかかっていない。早い話が最悪墓地に落ちても使い回せる。次のスタンバイフェイスにはデッキに帰っちゃうけど

攻撃面ばかりに目が行きがちだが、壁としても非常に頼もしい。
というのも表側のこいつが場に突っ立っている限り、破壊耐性+戦闘後バウンス&バーン効果のおかげで相手は攻撃を封じられているも同然となるため実質的に相手のバトルフェイズをスキップ出来るに等しいからだ。

そしてこいつは そうは見えなくても天使族。神の居城ヴァルハラをはじめとした天使族サポートカードの恩恵を受けられるのも地味に嬉しいところ。

自分のターンでは相手の場を空にする最強の矛として、相手のターンでは破壊耐性をもつ最強の盾として働いてくれる一枚である。

ただしこのカードも完璧ではなく、弱点も往々にして存在する。
まずは除外とバウンス。高い破壊耐性を誇る時械神であるが、除外やバウンスに対しては何の耐性も持たないので注意が必要となる。
次に効果の無効化。特に「スキルドレイン」や「月の書」は天敵とも言えるカードであり、前者の前ではただの攻守0のバニラに成り下がるし、後者の前では自慢の鉄壁も無に帰する。
またこいつのバウンスはバトルを行う必要があるため攻撃を無効化するカードにも弱い。アニメで遊星が時械神対策に使用した「くず鉄のかかし」、バトルフェイズそのものを飛ばす「威嚇する咆哮」、レベル4以上の攻撃表示を封じる「レベル制限案B地区」などが該当する。

とまぁ弱点も多いカードではあるが、絶体絶命のピンチを挽回する機会を生み出すだけのパワーをもつカードでもあるのも事実である。
とにかくどんなデッキにも無理なく入れられ、刺さる範囲も広いので、サイドデッキに仕込んでみるのもいいかもしれない。
真六武衆から甲虫装機征竜魔導と面白いくらい色んなデッキのメタカードとして働いてくれるだろう。

そして、ゲーム『タッグフォース6』では、残りの時械神も、同じように強化されて実装された。頑張りすぎだろ、スタッフ。
しかも、効果はバーンダメージが半分くらいになっただけで他は大体そのまま。
LPを半分にするミチオンとか、そっくり実装している。1手目にいきなりミチオンに出てこられた日には、一気に4000が消し飛ぶわけである。
さらに、使い手のZ-ONEのデッキには時械巫女などのサポートカード多数なので、意外とよく回る。まあ、まともな戦力が時械神だけなので、『くず鉄のかかし』一つで概ね死ぬけど。

【相性のいいカード】

説明不要の強力なサーチ&ドロー。デッキに戻ったこのカードを回収出来る上、メタイオンは特殊召喚で呼び出すことは少ない為にデメリットの効果を受けにくい。
  • 光神化
元々攻撃力0な上破壊耐性のおかげでデメリットが実質0で利用できる。
ただし、メタイオン自身がリリース軽減効果を持っているのでわざわざ使う機会は少ない。
手札から特殊召喚したこいつをメタイオンで手札に戻すことで効果の再利用が可能になる。
デッキの一番上がメタイオンだった場合は2000ものバーンダメージを与えることが出来る。

この他、全力で相手のライフを削ることだけを狙うフルバーンデッキや相手の足止めをして時間稼ぎをする必要のあるエクゾディア終焉のカウントダウンなどの特殊勝利デッキとも相性がいい。


【余談】

当時の遊戯王のトレンドだった「シンクロを交えた大量展開」「除去」「1ターンキル」に対しことごとくメタを張った性能になっている。「メタ」イオンだけに。
公式サイトより信頼されてる某wikiサイトでは「OCGの現環境に対する皮肉」とまで言われてしまっている。
デュエルそのものを憎悪していたZ-ONEの切り札にこれ以上ふさわしいものはないだろう。

時械神達は全て「無機質な鎧に乗り移った天使」という設定である。胸部の鏡状の部分に顔が映っているのはこのためである。

時械神達の名前は何れも生命の樹の守護天使を元にしており、こいつの元ネタは「メタトロン」である。
???「そんな効果で大丈夫か?」

時械神によって映る顔が異なるが、メタイオンの顔を一言で表すなら キモい
キモカワイイとかではなくて 純粋にキモい
初登場回ではラスボスがどんなカードを使うのかと楽しみにしていた視聴者に強烈なインパクトを与えた。

実は本編登場前からジャンプ本誌などでその姿は公開されていたが「胸部の鏡状の部分に顔が移る」という性質のせいで格好のコラ素材にされてしまったのは言わずもがな。
その顔のキモさと相まって半分ネタカードとして扱われてしまっている。

同じくZ-ONEの使用する他の時械神もOCG化され、こちらも調整が施されてかなり扱いやすくなっている。というかミチオン&サンダイオンの問題児コンビがほぼそのまんま。
コンマイはこのZ-ONEへの愛情を少しでもアポリアに向けてあげるべきと思わずにはいられない。
OCG化されない絶望よりも産廃として出される絶望の方が深いのである。


未来に追記・修正などないのです…
あるのは全消しだけ…それはアポリア、あなたが一番よく知っているはず…

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最終更新:2024年01月12日 20:46