絵本入り込みぐつ

登録日:2014/01/12 Sun 22:44:48
更新日:2024/04/21 Sun 10:48:25
所要時間:約 5 分で読めます





『絵本入り込みぐつ』とはドラえもんのひみつ道具の一つ。


名前の通り絵本の中に入って、物語の中を三次元で鑑賞できる道具である。
絵本の絵だけでは分かりづらい描写や文章だけではピンと来ないシーン、そして後日談をこれを使うことにより、明確に鑑賞することが出来るのである。

【使い方】
この靴を履いた状態で鑑賞したいページの上に乗り、物語の中に入る。
物語の中では空中浮遊が出来るのであらゆる角度から物語を堪能できる。
但し、靴を片方でも無くすと絵本の中から脱出出来なくなるので注意が必要。

なお作中では昔話・童話の絵本しか入ってないため、漫画や小説、歴史書の中に入れるのかは不明。
また絵本の中の小道具を持ち出すことが出来るかどうかも不明。(実際のび太は絵本の中の宝石を持ち帰ろうとしたが、ドラえもんに止められた。)



これだけ聞くと子供騙しな道具に思えるが、この道具にはもう一つの使い道がある。それは………




アナザーストーリーを作ることができる




絵本の中の登場人物や小道具に干渉して物語のチャートを弄ることが出来るのである。
例えば勧善懲悪のストーリーを主人公が悪役に負けるようにしたり、バッドエンドの物語をハッピーエンドに持ち越したり。
他にも主人公と共闘したり、読者とヒロインが結婚するラストにしたり等……………


斜め上にぶっ飛んだ展開になり、弄り方によっては元の物語より更に面白くなる。
しかし「お話のイメージが壊れちゃう」とあまり良く思わない人もいる為、実際のところ賛否両論。


【作中での活躍】
ドラえもんが知り合いの女の子ベソ子に「人魚姫」の絵本を読んであげたがバッドエンドで泣き出してしまった。
そこでドラえもんはこの道具を使って絵本の中に入り、
魔女との取り引きのシーンで「足ぐらい、ただでやればいいのに。かわいそうに。情け知らず。けちんぼ。」と魔女を諭し薬をタダで入手した。
次に王子様のプロポーズのシーンで「おん知らず。うわき者。」と諭し、人魚姫は王子様と結婚する事になった。
何とかハッピーエンドになった人魚姫の絵本をのび太に読んでもらったが、今度は「お話ちがう、わ〜ん。」と泣き出してしまった。



  • のび太シンデレラ(32巻)
のび太は「浦島太郎」の絵本を見てラストシーンの続きが気になった為、この道具を使って浦島太郎の絵本の中に入った。
浦島太郎は入水自殺をしようとしたが、のび太とドラえもんに止められる。
そしてタイムふろしきで青年の姿に戻し、タイムベルトで太郎が生きていた時代に帰してやった。
次にのび太は「シンデレラ」の絵本の中に入った。
ところがキーアイテムのガラスの靴を壊した上に、絵本入り込みぐつを片方落としてしまう。王子様はのび太が失くした靴を拾いお話を続行する。
こうしてシンデレラのお話は「王子様はのび太と結婚しました。」というラストになってしまった。



のび太は「シンドバッドの冒険」の絵本の中に入り物語を堪能していた。
その後、しずかちゃん・ジャイアンスネ夫を誘い絵本入り込みぐつを使わせた。
ジャイアン・スネ夫は「ジャックと豆の木」(劇場版。原作では「西遊記」)、のび太・しずかは「ピノキオ」の絵本の中に入った。
ジャイアン・スネ夫が帰還した後、絵本のページをバラバラにしてランダムに纏めてしまった。
そうした為ピノキオのサメの体内から脱出するシーンの途中で嵐が吹き荒れて、ピノキオとゼペットじいさんが離れ離れになってしまい、
ゼペットじいさんは人魚姫に助けられるというトンデモ展開になってしまった。
他にも「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家に「白雪姫」の魔女が訪ねてきたり、「一寸法師」と「親指姫」がコンタクトしたり、
「舌切り雀」のお婆さんとお化け(+オバケのQ太郎)がランプの魔人に怖気付いたり………

のび太はこのトンデモ展開で大笑いしたが、しずかは「お話のイメージが壊れる」と幻滅してしまう。
しずかはのび太を残し、先に絵本から脱出しようとしたが、たまたま通りかかった魔法の絨毯に乗ったシンドバッド(大長編では出身作品不明のホウキに乗った魔女)に衝突されて墜落、靴を片方落とした上に、奴隷商人に捕まってしまう。
それに気付かずにのび太・ジャイアン・スネ夫が脱出した後、絵本がママに燃やされてしまう。
困惑していたのび太とドラえもんだったが、「アラビアンナイト」は事実に基づいた話という手がかりを元に、のび太達はタイムマシンで7世紀の中東へ旅立った。


なお作中でドラえもんが「絵本の中と現実の過去は別物」と言っていたが、過去の中東を旅している内にしずかと再会して救出に成功した。
いかにもご都合主義な感じだが、どうして絵本の中と現実の過去が繋がっていたのか今でも議論されている。
有体に言えば、ドラえもんの世界では「シンドバッド」なる人物が牛若丸や関羽などと同じく実在しており、たまたましずかがいた時代が史実通りの事を史実通りにやっている場面だったから、とかそういう事なのだろう。

【その他媒体での活躍】
ドラニコフ悲恋三部作第1章。(2巻は現代劇、3巻はかぐや姫の話がモデルだがドラスぺ世界ではかぐや姫は実在の人物(宇宙人)という扱い)
極寒のロシアに住むドラニコフは『人魚姫』の絵本に出てくる美しい海に憧れており、ドラえもんとのび太が「絵本入り込みぐつ」で絵本の世界に連れて行く。
絵本の中で出会った人魚姫が、失恋により海の泡になるのを嫌がったドラニコフは大泣き。
見かねたのび太が「絵本入り込みぐつ」をもう1足使って現実世界に人魚姫を連れて行こうと考え、ドラニコフもそれに同意する。
しかし、そんなことをしたら「人魚姫」の絵本自体が無くなってしまうことと、人魚姫が本当に好きなのは自分ではなく王子であることを知ったドラニコフは、
「記憶取り出しレンズ」を用いて王子の誤解を解き、王子と人魚姫を結ばせた。(隣国のお姫様も「まあそれなら…」的な面持ちで身を引いてくれている)

絵本の世界から戻ったドラニコフは、結末が変わった最後のページを見て涙を流す。
その理由は前とは違う、温かなものだった。

知育ゲームである同作において、キーアイテムとして登場。
架空の絵本「ネイロひめものがたり」に入り込み、絵本の舞台である「ネイロ国」でストーリーが展開。
投獄されたのび太・ドラえもんと、脱獄したミニドラ・オリジナルキャラの冒険が描かれる。

【派生道具】
  • 歴史の本入り込み靴
日能研『ドラえもん社会科おもしろ攻略 日本の歴史15人』に登場。
歴史の本専用の絵本入り込みぐつだが、のび太が逆さに本の上に投げてしまったせいで、逆に偉人たちが現代に飛び出してしまった
仮にこの性能が通常の「絵本入り込みぐつ」にもあったとしたら、鬼とかドラゴンとか魔王とかが出てくるのだろうか…。
また、飛び出した偉人たちはショックで記憶をほとんど失っており、のび太と一緒に勉強することとなった。
まあ記憶がそのままだったら清盛と頼朝がどつきあいになったり、吉宗が家康にひれ伏したりするからな
ところで偉人たちは元の時代に戻る時に歴史の本入り込みぐつを使っているのだが、戻ってきた様子はない。ドラえもんが残り14足も用意したのだろうか。
登場した偉人は以下の通り。
●卑弥呼(弥生時代)
●聖徳太子(飛鳥時代)
●聖武天皇(奈良時代)
●藤原道長(平安時代前~中期)
●平清盛(平安時代後期)
●源頼朝(鎌倉時代前期)
●北条時宗(鎌倉時代後期)
●足利義満(室町時代)
豊臣秀吉(安土桃山時代)
徳川家康(江戸時代前期)
●徳川吉宗(江戸時代後期)
●西郷隆盛(幕末)
●伊藤博文(明治時代)
●犬養毅(大正時代・戦前)
●吉田茂(戦中・戦後動乱期)
15人の偉人、と聞くと某特撮みたいだが、カブっているのは卑弥呼だけである。秀吉と家康は本編には出てないし

なお、吉田茂の「バカヤロー解散」の記述では吉田首相が「バカヤロー」と怒鳴っている様子が描かれているが、実際は小声で「バカ野郎…」と呟いたのを偶然マイクが拾ってしまっただけであり、怒鳴ったわけではない。


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最終更新:2024年04月21日 10:48