シリウス戦役

登録日:2012/05/24(木) 13:46:46
更新日:2024/02/05 Mon 22:35:53
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シリウス戦役とは、大河SF小説『銀河英雄伝説』作中で、地球統一政府と宇宙に進出した殖民惑星の間で発生した架空の戦争。


13日戦争の後地球統一政府が誕生し、一時の平和が訪れたが人類の宇宙への進出によってそれは終焉を迎えた。

西暦2484年
全人類統一政府のもと外敵が存在しないにもかかわらず宇宙軍が成立する。そして、その後宇宙軍は際限なく肥大化しその組織内部は著しい退廃を続けていた。

西暦2630年
このころには地球は資源が枯渇し、金融と資本のみが殖民惑星の産業を支配した。そして肥大化した宇宙軍を使って殖民惑星から利益と資源を独占的に吸い上げていった。
だがそれに反発した殖民惑星は団結して自治の確立を求め、これに対し地球側は自らの既得権益を守るために反地球派の急先鋒だった惑星シリウスに、人類を支配しようという意思があると宣伝して殖民惑星の団結を弱めようとした。しかし、これは地球にとって思ってもみない方向に向かった。

シリウスは地球に対抗する力があると地球自らが宣伝してしまい、その結果皮肉にも殖民惑星の勢力がシリウスのもとに集うことになったのだ。


―――開戦

西暦2689年
地球政府はシリウスに対して警備隊の合同演習と重火器の供与を口実に先制攻撃を行い、シリウス星系首星ロンドリーナを制圧し徹底した掃滅と略奪、虐殺を行った。

この時の戦いで逃げ延びてきた敗残兵は、ラグランシティに武装したまま逃げ込んだ。それを口実にラグランシティの豊富な資源をねらう地球軍の侵攻を数度は回避できたが、結局侵攻され、ブラッディ・ナイトといわれる地球軍による虐殺と略奪、破壊が行われた。ラグランシティの住民90万人以上が死亡、損失は150億クレジットにも及んだ。

さらにこの後、地球軍は敗残兵掃討を行ったため35万人程が亡くなったが、それから奇跡的に生き延びた放送記者のカール・パルムグレン、鉱山の会計係ウィンスロー・ケネス・タウンゼント、薬草学の学生ジョリオ・フランクール、音楽学校生徒のチャオ・ユイロンの四人は西暦2691年に集まり、反地球戦線の中心となった。

四人は反地球戦線の指導者、反地球軍の再編成、戦線を支える財政基盤の構築、当時の地球軍三提督を共倒れさせるなど適材適所で力を発揮する。
後に彼ら四人は「ラグラン・グループ」と称される。


西暦2703年
三人の提督がそれぞれ三人を狙ってると嘘情報を流し、二人が死んだところで殺された二人の部下に残った一人を殺させ謀殺された後、著しく弱体化した地球軍をフランクールが指揮する黒旗軍(ブラック・フラッグ・フォース)が次々と撃破。
特に第二次ヴェガ星域会戦で六万隻を擁する地球軍は、補給線を断たれ、兵糧攻めにあって餓死寸前のところを狙った僅か八千隻の黒旗軍に破れた。


西暦2704年
この時点で地球軍は太陽系すら維持できず、アステロイドベルトを防衛線としていた。
ことここに至り、地球政府は講和を模索するが、黒旗軍司令官フランクールはこれを拒否。
「地球に残された選択肢は、滅亡するか滅亡させられるかだ」と宣告。地球側にはもはや和平交渉すらも許されなかった。
この時期、ラグラングループ内でも地球に対し即時全面攻撃を主張する者と、持久戦を主張する者がいたが、最終的に彼らは折衷案を採用。
地球の補給を二ヶ月間完全に断ち、その後全面攻撃を掛け地球に無差別攻撃を行った(事実上の大量虐殺)。
ポプラン曰く「この時の攻撃は地球の地形すら変えるほどだった」と学校で習ったとのこと。

なおこの時地球政府の首脳はヒマラヤ山脈の地下深くに建設されたシェルターに避難しており、地上の地獄絵図を肴に酒を飲み談笑していた。
しかしこれを知って激昂したフランクールに大量の水をシェルターに流し込まれ全滅。
地球政府は事実上壊滅した。停戦命令をうけ虐殺を止めさせたフランクールの両目からは、激情の滴が流れ落ちていたと言う…

以上が学校やVTR教本で世間に公開されている情報である。
ユリアンはバーラト和約が締結されたのち、寄り道してから地球に向かう長い船旅の中でポプランと見た。
なおこれが事実なら、「人間ってマジで変わんねぇな」と言った感想を抱いたのだった。



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最終更新:2024年02月05日 22:35