.hack/AI buster

登録日:2010/02/21(日) 04:47:39
更新日:2022/09/07 Wed 09:31:02
所要時間:約 5 分で読めます





「わたしを、けすの?」

「AIが、人を装い、しゃべるな」

「わたしを、けすの?」

「プレイヤーを惑わす『くずデータ』を消す。誤り(バグ)を修正する。デバッグする。それが、われわれ〈碧衣(へきい)の騎士団〉の責務だ」

「くず・・・・・・わたしは」

あらすじ
全世界で2000万人が日夜プレイする驚異のネットゲーム「The World」。その広大な世界を渡り歩く孤高の重槍使いアルビレオ。彼は視覚・聴覚・会話すべてが閉ざされた少女に出会う。その時から一切の「ルール」が封じ込まれた!中断も不可能。これはゲームに仕掛けられたイベントなのか!?
(裏表紙から抜粋)

概要
本作は全二巻からなるライトノベルである。
時間軸としてはSIGNより少し前にあたり、オルカとバルムンクの知名度もそう高くなかった頃の話(一巻のラストで二人はフィアナの末裔と呼ばれバルムンクは羽根付きになる)。

内容は、一巻がアルビレオ視点のリコリスの話、二巻の前半分でほくと視点とSIGNの話、残り半分は短編(外伝に近い)となる。


キャラクター

【アルビレオ】
本編の主人公PC。
職業は重槍使い。
高レベルプレイヤーの男キャラ。
武器は神槍ヴォータン。
キャライメージは軽装備のフリーナイト。
浅黒い肌、右目が青で左目が黄色のオッドアイ(・ω・)
パーティは組まない(ソロ)主義だが、初心者呪紋使いのほくとに強引にメンバーアドレスを交換させられパーティを組まされる。
これまで一度もパーティーを組んだことがなく、ほくとのメンバーアドレスが初めて交換したアドレスだった。
リコリスと出会い、ログアウト不可になったことからほくとと共にイベントクリアのために奔走する。

【リコリス】
推定一二、三歳の少女型NPC。
目が見えない・耳が聞こえない・声が出せないと一部の大きいお友達が歓喜しそうなキャラ。
アルビレオが異常性癖者じゃなくて本当に良かった。

正体不明のイベントクエスト専用キャラで、アルビレオに.cyl拡張子のついたバグのようなアイテムを要求する。
渡す度、閉ざされていた感覚が蘇る。

【ほくと】
職業は呪紋使い。
推定一五歳前後の魔女っ子。
トンガリ帽子とエルフ耳、ビキニみたいなきわどい服装とかなりエロく大きいお友達が(ry
ゲームをはじめて一週間らしくキャラレベルも基本も初心者そのもの。
何かと変な発言をしてはアルビレオの頭痛のタネになっている。

【オルカ】
【バルムンク】
.hack//の重要キャラ。
バルムンクはβ版からのプレイヤーだが、オルカは正式版から始めた。
定期イベントのタウン襲撃イベントで知り合い、ザワン・シン攻略の仲間としてアルビレオを誘う。
この頃はフィアナの末裔ではなく単なる高レベルプレイヤー。
バルムンクも羽根無しだった。

【W・Bイェーツ】
β版テストプレイヤーの一人でヘビーユーザー。
イベントに現れては詩を作りBBSに書き込んでいる自称・ネットの吟遊詩人。

以下、ネタバレ
























この物語は、

アルビレオは一般プレイヤーを、

リコリスは自分の存在を、

ほくとは初心者を、

それぞれ「演じた」物語である。


〈碧衣の騎士団〉の騎士長であるアルビレオ=度会一詩はプレイヤーからの通報(実はモルガナからのメール)で放浪AIのリコリスを削除しようとするが失敗し逃がしてしまう。
ダンジョン内で再会するが、再度逃走される可能性があったため一般プレイヤーとして検証しようとした。
これまで頑ななまでにメンバーアドレスを交換しようとしなかったのも、一般PCと管理者側PCとの線引のためだった。
リコリス自身は逃走のさいに自分のプログラムを分割して飛ばしたため、アルビレオのことを覚えていなかった。
ちなみに、.cylの拡張子アイテムは単純な逆さ読みであり、
『eciov.cyl』→リコリスの声
『rae.cyl』→リコリスの耳
『eye.cyl』→リコリスの目
となっていた
『yromem.cyl』→リコリスの記憶で全てを思い出したリコリスをアルビレオは再び削除しようとする。
その瞬間リコリスの記憶の断片を見せられ、リコリスとの会話でThe Worldの謎の一部を知ることになる。

その後、リコリスが神槍ヴォータンに刻んでいた最後のセグメント『setaf.cyl』→リコリスの運命を受け入れ草原に咲くヒガンバナに似た一輪の赤い花になった。




「おれには重すぎた。できすぎたシナリオだったよ」

赤い花は、もうターゲットできない。

無意味な背景だ。

メールを書こう。

オルカにおめでとうを。バルムンクには、限定モデルのPCのことを。

ほくとには、なんと書こう。

あの、かしましいWeb詩人には。

「書くさ」

アドレスは、ある。

リコリスがくれた思い出だ。

「さよなら」

そして、ログアウトした。



その後、リコリスの死とThe Worldの神に対する不信感を吹っ切ろうとするも根底では割り切れないでいた。

そんな中、不正プレイヤーの捜索途中に容疑者である司を発見。
近付こうとするも、猫PCと鉄アレイのモンスターが現れ戦闘になる。
削除しようと槍を突き立てた刹那、相手の触手により神槍ヴォータンを砕かれ、同時にアルビレオ=度会も倒れる。
意識を取り戻したのは、救急搬送される救急車の中だった。

そして、長期入院の末に健康上の理由でCC社を退社する(実際は黄昏事件の責任を問われ事実上解雇)。
この後任として後輩の神威(度会の部下・コピー取りをさせられていた当人)が騎士団団長に就任。「黄昏の腕輪伝説」などで放浪AI狩りに躍起になっていたのはこれが原因。
一部のシーンにアルビレオの姿が映っているのも、彼女の精神的支柱が彼であった事を示しているのかもしれない。

一応「アルビレオ」としてのPCは管理者権限等を剥奪された上で、一般PCとしてThe World上にはまだ存在しており、神威と会っている描写がある。


.hack//Link」では、この時代も冒険でき、アルビレオ、ほくと、リコリスはグランホエールに乗船できる。
また、アルビレオはユニゾン可能で、Xthフォームにもなる。
神槍ヴォータン(真・神槍ヴォータン)は「本来のデバッグ機能を失った(要するにヴォータンのレプリカ)」とは言っているが、実はバグモンスターやAIDAに対して異常な攻撃力を出す。

クリア後はW・Bイェーツも拝める。

またFスキットでは、警戒する司に対して真剣にミアの猫種を聞いたり、公式なのにキャラが盛大に壊れている。

アルビレオの親密度を最大にすると…



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最終更新:2022年09月07日 09:31