心滅獣身

登録日:2011/07/19(火) 20:26:59
更新日:2024/03/13 Wed 11:02:25
所要時間:約 6 分で読めます




※推奨BGM:次回!

逃れられない運命が、輝きを闇へと誘う。
やめろ鋼牙、怒りに心を任せるな!

次回!『心滅』

猛り狂う、獣の咆哮!


















心滅獣身とは、特撮番組『牙狼-GARO-』第23話『心滅』にて登場した、牙狼の変体の一種であり、いわゆるヒーローが変身していられる時間制限を過ぎた状態の事である。


【概要】

ウルトラマンなど変身に時間制限があるヒーローはいるが、どれも時間切れになる前に敵を倒している。
たまに時間切れになった時には、変身が解除される、動けなくなる、死ぬなどがあるが、『牙狼-GARO-』では、装着時間を過ぎたにもかかわらず装着を解かなかった場合、鎧が纏う魔戒騎士の心の制御を外れ心と身体を蝕み、やがて暴走するという設定がある。

つまり、変身時間を超過したら暴走するパターンである。

牙狼を初めとする騎士が鎧を装備していられる制限時間は99.9秒(これは人間界での鎧に対する人類の制御限界時間との事)。この時間を超過した場合、腰の紋章が反転し、鎧に心を喰われ始める事になる。これが「心滅」
その後、魔戒騎士の証である魔戒剣を手放し、鎧がフリーザ様の第2形態の如く肥大、全体的に棘々しさが増して大きな獣のような姿になり能力が飛躍的に上昇する。これが「獣身」。

心滅獣身したら腰の紋章を突き、すぐに鎧を強制解除しなければ、鎧に魂を食われて二度と戻る事ができなくなる。

但し、心身共に強靭で心に大きな闇を抱えた者の場合心滅獣身に陥っても自力で鎧に打ち克ち制御を取り戻すことが有る。
この際鎧を構成する金属が『ソウルメタル』から『デスメタル』に反転、闇に堕ちた魔戒騎士である『暗黒騎士』が誕生する。
ただしその為のノウハウはメシアが力有る魔戒騎士を惑わし暗黒騎士の道に導く為に作った「闇の魔導書」に記された手順をこなさなければならない。
つまり「ただ単に心滅獣身で闇落ちした場合は暗黒騎士にはなれない」。


【『牙狼-GARO-』において】

主人公の鋼牙コダマ戦で怒りに身を任せ鎧の時間制限を考えずに戦った結果、変異してしまう。
この時の鋼牙は、父の敵であるバラゴにカオルを浚われた事、そのバラゴにとの二人掛かりでも歯が立たなかった事、既知の間柄であった邪美をコダマに殺されていた事(その後、『白夜の魔獣』にて完全には死んでいなかったと判明するが)などから自分を見失っていた。

前半でフルボッコにされた分、逆にコダマをフルボッコにした後にバラバラに引き裂いて惨殺するという凄惨な描写から、その戦闘力は凄まじいものがある。
そしてそのままの状態でバラゴのいるビルまで登るが、止めに来た零によって強制解除される。

また過去にバラゴも、ホラーに対する強い憎しみから心滅獣身を経て暗黒騎士キバとなっている。


【『牙狼-GARO- 魔戒ノ花』において】

第24話『稀人』にて8年ぶりに再登場。
復活を果たし、あらゆる時代に向けてホラーを飛ばさんとするエイリスの本体と闘う中、鎧越しからの接吻を受け装着時間を吸い上げられた雷牙が変異してしまう。
登場する際はエイリスの花の登頂部の球体から紅蓮の炎が飛び出し、そのまま心滅獣身の姿を見せつける。
最終話『天命』で、仲間に牙を剥く牙狼を止めんとクロウエイジはそれぞれ鎧を纏い、腰の紋章をめがけ刃を抜く。
エイジの術すらも焼き尽くし、今にも鎧ごと打ち砕かんとする雷牙を救ったのは少年の頃に会った魔戒法師アカリの鈴だった。
エイジの恋人の形見であるモノを託されたマユリの手元から零れ落ちた、その音色はホラーの陰我に囚われかけた雷牙の心を救い出す。
父、恩師、仲間、少年の記憶、そして「あなたは一番優しい魔戒騎士になれる」と微笑み励ましてくれた憧れの人…その音色に込められた想いは、心滅獣身を保ったまま金色の光と共にエイリスの胎内に再び向かい、奇跡の変化をもたらすことになる…。


【『牙狼-GARO- 炎の刻印』において】

第12話『暁月-BLOOD MOON-』にて登場。
メンドーサの策略により火炙りにされる母・アンナの姿を見せられたレオンが暴走、心滅獣身に陥ってしまう。
今までの心滅獣身と異なり、両の拳まで牙狼の顔が施された姿となっており、まるで地獄の番犬ケルベロスを思わせる。
メンドーサが召喚した古のホラー・ブラッドムーンに獣のごとく襲い掛かる様だけでなく、アンナがレオンを生み落した際に施された刻印の力も関わっているのか、咆哮と共に放たれる炎も半端なく、ヴァリアンテ国の首都たるサンタ・バルドごと守るべき民を焼き尽くす姿
ガロを『光の騎士』として信じ彼と友情を育んできたアルフォンソまでも『レオン!!私はお前を認めない、絶対に!!』と怒りと絶望に満ちた叫びをあげるほどだった。
ヘルマンの頼みを受け、アルフォンソはガイアの鎧を纏い、エマの援護もあってか死闘の末ガイアの剣をガロの紋章に突き付け、上空に何度も蹴り上げて解除。暴走しメンドーサを喰らったブラッドムーンを倒すため、ヴァリアンテの民を守るためにアルフォンソは自身に流れる黄金騎士の血にすべてをかけガロの鎧を纏い立ち向かうことになる。

この後、アルフォンソは母との無言の離別を交わし、レオンは第12話ラストで身投げて後、第13話『彷徨-BURNING ASHES-』でララのいる村に流れ着き第18話『幻炎-SCAR FLAME-』に至るまで『耕す者』としてリハビリすることになる。


【『牙狼 紅蓮ノ月』において】

第二話『縁刀』の回想シーンにて登場。
炎に纏わる蛾のように火羅(ホラー)の群れと共に出現、星明の手で紋章を突かれ武装解除。
その中身はなんと幼い雷吼で、一糸纏わぬ状態で星明と金時の前に姿を現す。
ザルバと星明の会話によると「どんな魔戒騎士でも鎧を着けたままでいれば身も心も鎧に喰われ二度と元に戻れない」と言われているが、
牙狼の鎧があたかも雷吼を選び、彼を守らんと心滅獣身のまま戦った様から星明が彼を育てんと決心させている。

なお、幼い日の記憶のない雷吼はこの心滅獣身が身に焼き付いており、火羅に憑依された葛城久頼の父・千晴を殺したのではないかと罪悪感に苛まれていた。
(実際は自身が生き延びるためホラーに憑依され千晴を喰い殺した久頼がその罪から逃れるため刀を持つ者が父を殺したと思い込んでいたのだが)

最終話『月討』にて再び登場。
ルドラと雷吼=牙狼・陣と袴垂/藤原保輔=斬牙の戦いの最中、結界が破られ時の流れが入り込んでしまい、両者の鎧装着時間が過ぎる。
身動きできずに白蓮の華に立つ菩薩にも似た姿となったルドラに捕らえられた雷吼は、
その内部で蘆屋道満と対峙するが、「なぜ貴様はそのように愚直でいられる…?源の家に生まれ、捨てられ、なのになぜ光など信じる?輝きを失わぬ!?この世の本質は闇!光など…救いなど…未来永劫必要ない!!」と憎悪に満ちた呪詛を浴びせられる。
同時に雷吼が今まで討滅してきた火羅の顔が現れ、彼を闇に誘っていき、心滅が訪れる。
白蓮の華を裂き、どす黒い闇が鎧の半身にこびりついた心滅獣身となるが、雷吼は既に一度心滅を解いており、
闇に虐げられ喘ぐ全ての魂、京、すべての民、そしてルドラに取り込まれた道満の魂をも救うために吼える。
その心を認めた星明もレオタード姿から白い烏帽子姿に変化。白い花弁にも似た気を放ち、龍にも似た炎を帯として纏い、背中に翼を生やしルドラの闇に飛び込んだ。



【製品化】

放送当時、バンダイからイクイップ&プロップの商品としても発売されており、かなりの大サイズ。
サイズのせいで高いし、前述のとおり良い意味で使われた形態ではないので、発表当時から「え、これが出るの?!」と驚きの目で見られていた。
実際禍々しい上にエッジの利いた造形で取り扱いに少々苦労するのだがクリーチャー萌えならば琴線に触れるものがあるだろう。
なおプロップ商品として最終話の牙狼の鎧を召還する為に力を使い尽くし損傷を受けたザルバが同梱されている。

今ではちょっとしたプレミア品になっている。入手しようものなら心滅する覚悟がいるだろう。


【余談】

パチンコ版牙狼では全回転の一つとして搭載。
もちろん魔戒チャンス(ラッシュ)確定である。
また、『CR牙狼FINAL』では絶狼の心滅獣身形態も披露、同じく心滅獣身となった牙狼と激闘を繰り広げた。

しかし「CR牙狼魔戒ノ花」では心滅がメインという事もあり、激アツに格下げされた……


追記・修正は鎧を強制解除してからお願いします。

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最終更新:2024年03月13日 11:02