パワーレンジャー・ライトスピードレスキュー

登録日:2012/09/24(月) 21:52:21
更新日:2024/02/27 Tue 10:49:30
所要時間:約 6 分で読めます






Light Speed Rescue!!



パワーレンジャー・ライトスピードレスキューとは、日本のスーパー戦隊シリーズを海外展開したパワーレンジャーシリーズの第6作目。
救急戦隊ゴーゴーファイブ』がベース。



【概要】

ゴーゴーファイブのリメイク作だが、日本とは違い兄弟の設定は無い(人種をバラけさせる必要があるため)。
そのため、父親から半ば強引にゴーゴーファイブの使命を課せられた巽兄弟とは異なり、
スカウトされた若者たちが自由意志でレンジャーに加わっているといった形になっている。

また日本にはいない6人目の戦士、タイタニアムレンジャー(見た目は銀色のゴーゴーファイブ)が登場している。
当初『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』とは異なり、過去作との繋がりのない世界観となっているが後のシリーズでは繋がっていることになった。

日本では傑作選扱いとして全40話中24話しか放送しておらず、またこの作品で日本の吹き替え版の制作が一旦終了している。

何気にシリーズ初となる地球人が地球の科学で戦ったパワーレンジャーである。



【あらすじ】

旅人が砂漠の遺跡の封印を解き放ち、5000年前に封印されていた恐るべきデーモン達が蘇ってしまった!!
デーモン達は女王、クイーン・バンシーラを完全復活させる為にかつて自分達が支配していたマリナー・ベイを攻撃する。
しかしこの事態を予測していたキャプテン・ミッチェルは市民を守るためのレスキュー組織「ライトスピード」を密かに結成し、海底基地アクアベースを建造。
5人の勇敢な若者をパワーレンジャーに任命し、デーモンに立ち向かうのだった。



【パワーレンジャーたち】


■レッドライトスピードレンジャー/カーター・グレイソン

笑顔が爽やかなイケメン。
休日にもトレーニングを欠かさないストイックな人物でもある。
マトイ兄さん程の暑苦しさは無いが、彼もまた人の命を救う事に誰よりも使命を燃やす勇敢な消防士である。
幼い頃に自分を助けてくれた消防士に憧れている。どっかで聞いたような設定である。
ジープ(?)でドリフトを決める高いドライビングテクニックの持ち主。


■ブルーライトスピードレンジャー/チャド・リー

水族館のイルカショーで活躍する人気者で、武道家の側面も持つ。
良くも悪くも慎重で落ち着いた性格の持ち主であり、正反対の気質のケルシーとはお互いに良い刺激を受け合っている模様。
新撮カットでは、他のメンバーと比べて素手での戦いを好む傾向がある。
武道家としての活躍やケルシーとの名コンビぶり、人魚とのロマンスなど印象的な見せ場が多いが、日本語版では主役エピソードがことごとくカットされて霊圧が消えている


■グリーンライトスピードレンジャー/ジョエル・ローリングス

「スカイ・カウボーイ」の異名を持つ航空ショーの人気パイロット。テンガロンハットがトレードマーク。
お調子者な性格のコメディ担当で、理知的な女性のミス・フェアウェザーにアタックするも全く相手にされない…と、陽気な黒人キャラのお手本のようなキャラ。
とはいえ彼自身はミス・フェアウェザーへの想いにとても真剣であり、なんやかんやで決める時にはしっかりと決める。
また、モビルアーマービークル登場回ではパイロットらしくカーターに飛行機の飛ばし方をレクチャーしていた。


■イエローライトスピードレンジャー/ケルシー・ウィンズロウ

様々なスポーツに長けるアスリート。
チャドとはよくコンビで活躍しており、拳法を教わったりもした。
アクアベース内をローラースケートで移動する困り者。
あまり深く考えずに勢いで突っ走るタイプだが、その分ここぞという時の爆発力は中々のもの。

日本のイエローは男性のダイモンだったが、こちらでは女性蔑視防止のため女性に変更されている。


■ピンクライトスピードレンジャー/デイナ・ミッチェル

メディック。キャプテン・ミッチェルの娘。
他のメンバーとは異なり、最初からアクアベースにいた。カーターをスカウトしたのも彼女。
モデルとしてスカウトされたことも。

ライアン絡みの展開を中心に、原典の特徴であった「家族の物語」は彼女らミッチェル親子に引き継がれている。


■タイタニアムレンジャー/ライアン・ミッチェル

デイナの兄でありキャプテンの息子。
10歳の頃、交通事故で家族と共に死の危機に瀕した際にダイアボリコに拉致され、デーモンに「お前の父は自分と娘を助けて欲しくてお前を差し出した」と嘘を吹き込まれて*1育てられていた。
そして、20歳の誕生日にアクアベースから盗み出したタイタニアムモーファーで変身してレンジャー達の前に姿を現した。
その後拉致の真相を知った際は、デーモンの嘘を信じて悪に手を貸したことを自覚して自己嫌悪に落ち入り、ライトスピードに迎え入れようとしてくれたキャプテンの誘いを断ってマリナー・ベイを去ろうとする。
しかし、トライカー・デーモンズ(三魔闘士)の羽爆弾から子供を救うために走る中で己の中に残っていた善性に気づき、父から託されたタイタニアムモーファーで再び変身。
トライカー・デーモンズを圧倒的な強さで蹴散らしてレンジャー達の窮地を救い、ようやく仲間に加わることとなった。

シリーズ初の、原典を持たないパワレンオリジナルの戦士
流用映像が使えないため、初期メンバーと比べるとあまり出番は多くないが、その分変身して戦った際は多くの印象的な活躍を繰り広げ、他の5人に負けない個性を発揮した。
後半にはバンシーラ再封印の方法を探すために一時離脱するが、その後も時折登場しており、最終章で再び合流。タイムフォースでも初期メンバーと共に客演した。
そのレアな立ち位置もあって、ファンからは中々人気の高いキャラである。

日米共同でデザインが起こされており、実際のスーツ製作は日本で行われた。



■ウィリアム・ミッチェル

アクアベースの司令官であり、ライアンとデイナの父。
10年前の事故の際、ダイアボリコに嵌められてライアンを拐われたことを深く悔やんでおり、彼やデイナのことは何かと気にかけている。
かつては優秀な消防士であり、有事の際には自ら現場で救助にあたることも。
お察しだとは思うが幼い頃のカーターを助けたのはこの人。


■ミス・フェアウェザー

パワーレンジャーの武器開発を一手に引き受ける才女。
当初はジョエルのアピールをスルーしていたが…?



前作のパワーレンジャー。
トラキーナの復活を知り、移住先のミリノイ星からギャラクシー・サーベルを手に地球に帰還する。
ピンクは蘇ったケンドリックスが復帰。



【デーモン】

本作の敵たち。5000年前に魔術師によって封印されていた悪魔たち。原典での災魔一族
ごく一部の個体を除いて水が苦手なため、水中に建設されたアクアベースに直接攻め込むことはできない。
レンジャー側の設定変更もあってか、こちらの家族関係も変更されている。


■ダイアボリコ

ジルフィーザ。
基本的には日本語版と同じ役回りだが、ライアンに関わる展開においてミッチェル親子との因縁が特に強調されている。

オリジナルの最終決戦ではカーターを道連れにしようとする女王の前に彼の魂が姿を現し
カーターを助け女王にトドメをさすことで、利用された無念を晴らすオリジナル展開が。


■ローカイ

コボルダ。
設定が「弟」から「親友」に変わった以外は大差なし。


■パイプラ

ディーナス。
顔出しキャラ故に出番の大半は新撮カット*2
女性ながら、幹部の中でも特に現場主義であり、重火器とバリアで武装したスーパーカー「ヴァイプラリー」を駆って幾度もレンジャーと激突した。
バンシーラ復活の生贄になったが、翌年のタイムフォースで復活している。


■ジンクサー

ピエール。こちらではVSシリーズを待たずに本編内でお亡くなりに。
クイーンから面と向かって「消耗品」と言われても尽くす。ドMなのか社畜根性が染み着いているのか…
ダイアボリコとオリンピアスが袂を分った際は、ダイアボリコ側についたふりをして密かにオリンピアスの面倒を見る忠君ぶりを見せた。


■インパス/オリンピアス

ドロップ/サラマンデス。
他のデーモンとは異なり、バンシーラの実の子供。
日本語版だと話が飛んでる関係で唐突にリストラ宣告されたり、気がついたら異世界から帰ってきたりと扱いが雑。


■クイーン・バンシーラ

大魔女グランディーヌ。
基本的な役回りは変わらず。
部下に対して面と向かって「消耗品」発言するなど少々頭が残念。
そりゃ最後はああなる。


■バットリング

インプス。
雑兵。終盤、アクアベースに潜入して基地を破壊しメガゾードを奪う快挙を成し遂げる。
だがやられ役の運命からは逃れられなかった。


■トラキーナ

前作のラスボス。
死んだはずだがしぶとく生き残っていた。
レンジャーへの復讐を目論む。


■サイボーグレンジャー

レンジャーに代わる戦力として軍に開発されたアンドロイド達。
黒いブーツとグローブ、胸のエネルギー砲、頭のアンテナ以外はレンジャーそっくりな見た目だが、レンジャーと違って戦闘のみを想定しているらしい。
しかし暴走してしまい、レンジャー達に全機まとめて破壊された。

アンドロイドなのに「サイボーグ」レンジャーなのは突っ込んではいけない。



【装備】

基本的には同じ仕様なので、違いがある物だけ説明。

■レスキュー・モーファー

ゴーゴーブレス。
「ライトスピードレスキュー!」のかけ声で変身する。
防火服を羽織るように変身した原典に対し、こちらの変身はエンブレムが前面からレンジャーに迫り、
それを通過すると変身といった仮面ライダー剣みたいな変身。


◼︎レスキューローバー
レンジャーの足となる黄色い大型ジープ。
見た目は普通の車だが、レンジャー専用の特別製の模様。


◼︎ライトスピードサイクル
ファイヤーコマンダー。
赤いものが1台だけだった原典と異なり、5人全員のものが用意されている。
アタッカーポッドは後付けのオプション装備として登場しており、こちらは原典と同じくレッド用のみ。専用車を持たないライアンがこちらに乗り込んだこともあった。


■トランス・アーマー・サイクル

パワレン恒例のレッドレンジャー強化装備「バトライザー」。
名前のまんま、変形してアーマーになるバイク。
デビュー戦ではほとんど一歩も動かずに怪人を完封する圧倒的な強さを発揮したが、終盤の登場だったので出番は少なめ。


■モビルアーマービークル

レッドレンジャー専用の、強力なミサイルやステルス機能が搭載された飛行メカ。タイムスリップも可能。
最終回では奪われたオメガメガゾード(ビクトリーマーズ)を破壊するため、特攻して失われた。


■メガバトルアーマー

ブルーとグリーンに与えられた強化装備。
開発にはフェアウェザーの兄、クラークが協力。ジョエルがクラークを恋敵と勘違いして一悶着あった。
ブルーは冷凍砲、グリーンは回転ノコが武器。


◼︎タイタニアムモーファー
タイタニアムレンジャーの変身アイテム。
ソーラーパネルを模したブレスで、「タイタニアムパワー!」の音声コードを入力してから側面のボタンを押して中央のカバーを開くことで、スーツが装着されて変身が完了する。
スーツの高すぎる性能が変身者の肉体に激甚な負荷を与えるため、デーモンの元で修行したライアンでなければ変身を維持することすらままならない。


◼︎タイタニアムレーザー
タイタニアムレンジャーの専用武器。
斧に変形する大型ビームガン。



【巨大メカ】

シリーズの慣例に従い、構成マシンは「○○ゾード」、巨大メカは「○○メガゾード」と呼ばれる。

■ライトスピードメガゾード

ビクトリーロボ
見た目はあんまりライトスピード(光速)っぽくないが、恐らく「レスキューメガゾード」は既にVRVロボに使われているのでこうなったのだろう。
一応、「ライトスピードが開発したメガゾード」だと思えば筋が通らなくもない。
余談だが、原典のテーマソング「緊急合体!ビクトリーロボ」の歌詞には「光の速さでつながれ」というワードがあったりする。


■スーパートレインメガゾード

グランドライナー
流用しているフィルムの都合で、わざわざ日本の東京からアメリカまで飛んでくる。


■マックスソーラーゾード

ライナーボーイ
こちらではライアンの専用機として開発されており、新規のコクピットセットもある。
ライアンが一時離脱した際にはバトルブースター(Vモードブレス)で遠隔操作できるようになった。
ライトスピードメガゾードと合体してライトスピードソーラーゾード(マックスビクトリーロボ)に。


■オメガメガゾード

ビクトリーマーズ
大破したのを修復した直後とはいえ、小型メカの特攻に敗れ去った。
EDではなぜかこいつの合体バンクが流れる。


■ライフフォースメガゾード

マックスビクトリーロボ(ブラックバージョン)
原作では諦めない心と家族の絆で災魔に勝利した奇跡のロボ。
こちらでは乗り手の生命力をエネルギーに替えて活動。巨大化したダイアボリコとオリンピアスを撃破した。
…が、ジンクサーのカードでバットリングが潜入しており、アクアベースに侵入されてしまい機体を奪われた。
そして脱出したレンジャーの潜水艦による魚雷で破壊されるというまさかの最期を遂げた。



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最終更新:2024年02月27日 10:49

*1 実際は、ウィリアムはダイアボリコの申し出を断ったが、力尽きたライアンが谷底に転落した際に「彼を助けてくれ!」と叫んでしまい、そこにつけ込まれてしまった

*2 顔が見えにくい引きのカットや背後から映るカットは流用映像が使われていることもあった