中断セーブ

登録日:2011/09/08 Thu 00:42:26
更新日:2023/11/08 Wed 17:07:43
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中断セーブとは、ビデオゲームにおいてセーブポイントがない場所やステージの途中でゲームを中断したい時に用いられるセーブ機能である。


定義

元来あらゆるセーブ機能はゲームを中断するためにあるのだが、多くはセーブできるタイミングが決まっている。

その中で特に中断セーブと呼ばれるのは、中断セーブ以外にいわば通常のセーブ機能があり、なおかつその「通常のセーブ」が使えないタイミングにおいて使用できるものを指すことが多い。主にプレイヤーの任意で使用するものを「中断セーブ」、プレイヤーの意思に関わらず自動的にセーブされるものは「オートセーブ」と呼ばれる。
通常のセーブ機能を自動化したものもオートセーブと呼ばれるため、本項目では区別のため「オート中断セーブ」と呼ぶことにする。


中断セーブの役割

まとまった時間を用意できないプレイヤーでも少しずつゲームを進められるように、また都合が悪くなった場合にも心置きなくゲームを中断できるようにとの配慮から生まれた機能である。

プレイヤー側としては難所の前に保険を掛けたり、目当てのアイテムが出るまでマラソンしたりと、いいように使われる場合も多い。
目的によってはこういったテクニックが半ば必須になるゲームもあったりする。

逆にそうした行為を防止する仕様で実装されていることもある(後述のFEシリーズやマリオパーティ2など)。


中断セーブの特徴

  • ジャンル
主にRPGや戦略/戦術シミュレーションといったセーブポイント間のプレイ時間が長い作品に多く見られる。
ほとんどは一人用モードだけだが、たまに多人数向けのゲームにもあったりする。なかなか面子が揃わなくて結局消すハメになるのはよくあること。

  • 仕様
通常のセーブデータとは違っていつでもどこでもセーブ出来るが、

①セーブ枠が少ない
②一度ロードすると消えてしまう

等の制約があるのが大半*1

①については、容量対策である場合が多く、通常のセーブ機能はセーブデータを可能な限り少ない容量に圧縮できるタイミングを選んでセーブにかかる時間や容量を節約しているのだが、中断セーブは大抵その逆であるため。
例えばターン制の戦略シミュレーションであれば、ざっと挙げても

  • 自軍ユニットのステータス
  • シナリオの進行度
  • 各フラグデータ

くらいで済むものが、中断セーブでは上記に加えて

  • 敵軍ユニットのステータス
  • 両軍ユニットの消耗・ステータス異常
  • 両軍ユニットの配置
  • 経過ターン数
  • ステージ中のフラグデータ

と、情報量が跳ね上がってしまう。そうまでして節約する理由は主に「値段」である。
FCSFC等の時代はメモリチップも高価であったため、現実的な値段で用意できる容量には限界があった。
ゲーム機の主流が光学メディアに移ってからもセーブ用記録媒体の容量はまだまだ小さく、
PS版のG-Generationシリーズは1つのステージで3~4マップを内包してたという事もあるが、中断セーブに7~9ブロックという大容量を食われ、Gジェネ専用メモリーカードを量産することに*2
そのため通常のセーブ枠と中断セーブ枠を分けて、中断セーブを「都合が悪いとき用」と割りきることで実装していた。
ハード、ソフト両面の制約があるなかでプレイヤーの負担を軽減する苦肉の策とも言える。

②のロードと同時にデータが消える仕様やオート中断セーブは先述の「リロードからの無限復活防止」に用いられることが多い。
ただし、ゲーム機の仕様によっては中断セーブした後に一度ゲームを終わらせてセーブデータ自体をゲーム機のシステム側でコピー/バックアップしておく、という強引な方法もできなくはない。


最近の動向

最近ではゲーム機自体に中断(スリープ)機能が搭載されている場合が多くなり「ポーズしてスリープ」でよくなったため、以前ほどは見かけなくなった。
特に携帯ゲーム機では減ったほか、それ以外でもゲーム機・PCの高性能化・大容量化に伴って全てのセーブをオートセーブ化した作品が増えており、そもそもセーブポイントが存在しなかったりする作品も少なくない。

またバーチャルコンソール等、古いゲームの復刻や移植版の場合、移植に使ったソフト側でセーブする「まるごとセーブ」機能を搭載している場合も多い。
スリープによる中断を進化させ、どこでもセーブして他のゲームに移ったり、そもそもセーブが無いゲームでもセーブとして、復活ポイントを作っておくことが可能。
Nintendo Switch Onlineに至っては常時まるごとセーブが働いており、約1分巻き戻す事が可能。
後M2 Shot Triggersにも中断セーブ機能が導入されている。これで難しいあの部分とかこの部分が思う存分練習可能。同シリーズとほぼ同じ構造を持つダライアスコズミックコレクションにも同じ機能がある。
エミュレーターにより理論上最速を目指すTASも、このまるごとセーブを駆使して入手確率1024分の1を一撃で引き当てたりしているのである。


中断セーブが特徴的な作品

オート中断セーブ機能が備わっており、間違えて電源を切ってしまおうが電池切れになろうが、再び電源を入れればさっきと同じ場面から始められると言う素敵仕様。
ただし、戦闘結果(あるいは乱数)も再現されるので、何度やり直しても同じ結果になる。よってレベルアップ時の成長も含めプレイヤーが望む戦闘結果になるまで粘るみたいな活用法は出来ない。
実は、戦闘に突入した時点で攻撃は命中するか・必殺やスキルは発動するか・レベルアップ時どのパラメータが上昇するか等の一部始終が内部で既に決まっており、アニメやマップ上での動きはその決定事項に従った演出に過ぎない。
なお闘技場での戦闘は1ラウンド毎に中断セーブデータを上書きするので、倒されるあるいは倒されそうなときに電源を切っても最後のラウンドから再開されるのでここでもズルは出来ないようになっている。
このような仕様のため仲間ユニットが倒されそうだからと戦闘中に慌てて電源を切り、章の初めからやり直しても(中断セーブデータは削除される)ユニットの敗北数(倒された回数)がカウントされていることがあるのは、画面から消滅する・散り際の台詞を言う・HPが0になるといった場面を見るまでもなく倒されることが確定しているからである。


キャラが死んだ時に思わず消してしまう

再び電源を入れて中断セーブから始める

再び死ぬ場面を見てしまう

はトラウマかつ、エムブレマーなら誰もが通る道。

そしてセーブをせずに中断セーブだけで進めて、ゲームオーバーになった時に数時間前のデータに戻されてしまい絶 望するのも誰もが通る(ry


「ミニゲームコースター」での中断セーブが可能だが、おそらくデータ圧縮の効果はないため純粋に中断できる利便性を確保するための措置とみられる。
加えて一度ロードすると中断データは消えてしまうためロードからの無限復活は不可能な仕様。


  • ポケモンカードゲームGBシリーズ
オートセーブの一種。対戦中に電源が切れると直前から再開することが出来る。


ゲームを中断すると参戦キャラクターによるプレイヤーへのメッセージや、掛け合いが発生するというユニークな仕様がある。
かなりのパターンがある上、全部ボイス付きと言う豪華っぷり。
これによりファンは意味もなく中断セーブ→終了をしてこの掛け合いを聴くのが定番になっている。
詳細は中断メッセージの項目を参照。

中断セーブの仕様自体はごく平凡だが、アイテム稼ぎモードである「サバイバルシミュレータ」を攻略するときはステージの合間でセーブできないため中断セーブがメインのセーブ手段になるという逆転現象が起きる。
サバイバルシミュレータの難度と攻略失敗時のデメリットの大きさから、中断セーブは半ば必須の攻略手段となっている。

  • Enter The Gungeon
次層に進むためのエレベータ前に顔の付いた赤いボタン型のNPC「セーブボタン」がおり、彼(?)に話しかけることで中断セーブをすることが出来る。
また中段セーブから再開すると銃・アイテム効果がリセットされたり変な挙動を起こしたりするバグがそこそこある。
特にプラチナ弾は中段セーブするたびに強化速度と強化限界が上がるバグが存在し、強化しすぎるとフリーズを起こすという劇物になってしまっている。


同じ絶望を体験した方々の追記・修正をお待ちしております。

「ここは闘技場だ。」

「掛け金は950ゴールドだ、やるかい?」


→はい
いいえ


《ソードマスターLv20》
《ぎんの剣》

「まぁ死なない程度に頑張りなよ。」

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最終更新:2023年11月08日 17:07

*1 PSP版TOD2等の例外もある

*2 無印とZEROはステージ間3ブロック/中間9ブロックだったので、フルにセーブすると残り3ブロックしか残らない。容量が減ったFでも9ブロック。