ドラゴンレンジャー/ブライ

登録日:2012/01/10 Tue 20:16:50
更新日:2023/07/10 Mon 10:44:25
所要時間:約 6 分で読めます




※推奨BGM:「恐竜戦隊ジュウレンジャー(オリジナル・カラオケ)」



秘密の森に無敵の戦士が眠るという。

その秘密を巡って、ゲキ達とバーザが戦う!

戦士は遂に蘇り、ヤマト族プリンスを名乗って変身した!

ドラゴンレンジャー・ブライ!


恐竜戦隊ジュウレンジャー!


六人目の英雄(ヒーロー)








なんて気持ちのいい風なんだ…


ブライとは、スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の登場人物である。
本項目では彼が変身するドラゴンレンジャーについても記載する。

演:和泉史郎、酒井寿(少年時代)


スーパー戦隊シリーズにおける初の6人目の戦士、追加戦士として有名である(ジャッカー電撃隊行動隊長のビッグワンと、『光戦隊マスクマン』のゲスト戦士的存在であるX1マスクはノーカウント)。


【人物】

他の5人と同様、1億7千万年前から蘇った戦士。年齢は31歳。
ティラノレンジャー/ゲキの実兄だが、ブライが8歳の頃に赤ん坊だったゲキは王族へ養子に出されたため、ゲキはその存在を知らなかった。

彼とゲキの実の父(演:デスギラー将軍高橋利道)はヤマト族の騎士だが、後に父がヤマト族の王に反乱を起こし、返り討ちに合う。
ブライはそれをヤマト王族のせいとして、父の「お前こそが王にふさわしい」という遺言もあり、ゲキの養父、そして王家の養子となったゲキへと恨みの矛先を向ける。
眠りにつくまではノームの森に行き、ノームとその孫・良太と一緒に生活をしていた。

現代に復活してからは、「ヤマト族プリンス」を名乗り*1、バンドーラと結託してゲキの命を狙う。

俺を兄と呼ぶなッ!!

俺が父を失い、ノームの森で1人で苦しんでいる時、貴様は王子としてチヤホヤされ、何不自由ない暮らしをしていた。

そんな貴様に、俺の気持ちが分かってたまるか!!

第20話では戦隊の戦士では初めて巨大化し日食の際にグリフォーザー、ラミイスコーピオンと組んで大獣神を火山に落とし、敗北させた。

しかし、バンドーラと完全に手を組んだわけではなく、彼女の命を狙うが返り討ちにあってしまい、バンドーラパレスから追い出されてしまう。
その後、命の精霊「クロト」によって時の停止した部屋*2と獣奏剣を与えられ、同時に自身の命が残り約30時間しかないことを告げられる。

一体、どういう事なんだ?

バカな…俺の命があと30時間だと…!?

そんな事が……

そんな事が信じられると思ってんのか!!

命に限りがある事を知ったブライは自棄になり、ドラゴンシーザーを操って町を破壊する。
そこにジュウレンジャーが現れ、人々を救助しながら変身を果たす。

ブライ、お前の好きにはさせん!来い!!

ハッハッハッハ…どうやら俺と戦う気持ちになったようだな。行くぞ!!

大獣神無きジュウレンジャーを圧倒するが、そこにバンドーラの命令を受けて出撃したグリフォーザー、ラミイスコーピオンも加わり、三つ巴の戦闘が繰り広げられる。

+ 顛末
地下のガイアトロンエネルギーで復活した5大守護獣の加勢によって形勢逆転され、遂にはゲキとの一騎打ちに敗れる。
その後に大獣神に斬るよう言われても斬ることができないどころか「兄さんの気が済むなら」と自分の命を投げうとうとするゲキの姿に己の過ちを認め、
「誰かを恨まずにはいられなかった」という胸の内を吐露してゲキの仲間になり、他のジュウレンジャーと共に名乗りポーズを披露した*3

ブライの心から悪が去った。憎しみが消えたのだ!

だがその時、ゲキには自身の命に限りがある事は告げられず、時の停止した部屋にそそくさ戻ってしまう。
以後は、弟達がピンチのときにだけ駆けつけるようになる。

その後、大サタンとサタンフランケとの戦いで大獣神とドラゴンシーザーが苦境に立たされた時に他のレンジャーと自分の部屋に投げ飛ばされる。
ここでブライの寿命と、寿命が短いのは一度は命が尽きたせいだというのが語られるのだが、命を落とした理由は封印されていた間に落盤事故があったためといういくらなんでもあんまりなもの。
さらに言うと彼を生き返らせるようにクロトに頼んだのは大獣神その人だったと明かされた(大獣神が大サタンに対抗すべく真の姿を取り戻すには6人の戦士が必要だから)。
上記の「斬れ」発言はゲキの優しさでブライが改心することを見越していたものだったのか……恐ろしい神である。

究極大獣神復活の試練において、「力の戦士」となる。

物語の終盤、ブライはある夢を見る。
人力車に乗ってどこかに運ばれていく夢だが、

なんて気持ちのいい風なんだ…。車屋さん、一体どこに行くんだい?

旦那を死の国へお連れするんですよ、ヒヒヒ……

なんだって!?止めてくれ!俺はまだ死んでないんだ!止めてくれぇぇっ!!

本格的に残り時間が無くなって来たことに対する焦りから来た悪夢であったが、このしばらく後に彼は全く同じ夢の続きを見た。
焦るブライの目に映ったのは停車場に座る少年(演:佐藤充)。なぜこんなところに子供が、と訝しむブライの内心を読み取ったかのように、骸骨の車引きが語る。


あの子も死の国へ行くんで、次の車を待ってるんですよ。


その後、ブライの力を疎んじたバンドーラによって寿命をすり減らされた彼は、ついに部屋の場所を突き止め、直接乗り込んできたバンドーラの奇襲によって時の止まった部屋を破壊されてしまう。
ついに延命も出来なくなり、本格的に死を恐れはじめるブライ。
しかし、街で出会った松井耕太少年、あの夢で次の車を待っていた彼を救うために、自分が生きてるうちに何かをしておきたいと思い、戦う。

(何てことだ…。こんなか弱い子が、俺と同じ様に死ぬのか……!?)

だがその思いも空しく、耕太は戦いに巻き込まれて瓦礫の下敷きになり重傷を負ってしまう。
ブライは苦しむ彼を励ますために己のメダルを与えると、ゲキから最後の希望である「命の水」の存在を伝えられ、生身のままドラゴンシーザーに乗り込み最後の戦いに挑む。
しかし、立ちはだかるドーラガンサクの意外な強さに苦戦。戦いの中でブライは自分の命が助からなくても耕太の命が救われることをかつては敵対した神、大獣神に絶叫して懇願。
すると、耕太の握っていたメダルが煌めき、ブライは変身。
さらに大獣神が現れ、駆け付けたゲキたちの下にダイノバックラーが帰還。呼び出されたキングブラキオンと合体し、究極大獣神で敵を粉砕した。
だが、勝利を見届けた直後に時間が尽き、ブライは変身を解かれて近くの海岸に飛ばされてしまった。

駆け寄ってきたゲキにブライはドラゴンアーマーと獣奏剣を託し、子供たちの未来を守ることを託して落命。
一度死んだ身のブライには命の水は何の意味も成さなかったが、彼を憐れんだクロトの計らいで耕太はゴウシダンを通じて「命の水」を与えられ、助かった。

耕太の命を救った彼は死への恐れを克服し、以前見た夢と同じく、人力車で運ばれていく。
少年がいた停車場を通りかかるが、そこにもう誰もいないのを見て安堵したブライは、骸骨の車引きに運ばれるまま、死の国ではなく光の向こうへと消えて行った……。


ちなみにブライがいなくなる前の次回予告のナレーションだが、


残り3時間、最後まで地球を守ろうとするブライ!そして、それぞれの戦いを強いられる5人!

急げ、ゴウシ、ダン!ブライの命は君達に懸かっているのだ!

恐竜戦隊ジュウレンジャー!


ブライ死す…

しかもブライがゲキの手の中で息絶えるカットまで添えられている。

…第41話ラストのナレーションで「ブライの運命は!?」と視聴者を不安にさせた次の瞬間に死ぬことを堂々とネタバレしていた。後の遊戯王である。
誤解されがちではあるが、「果たしてブライは死んでしまうのか!?」ではない。


ブライは亡くなったが、彼の力と意思は弟ゲキに確かに受け継がれた。
そして、最終決戦。

ゲキ、希望を捨てるな。例え地上の人々すべてが絶望の淵を歩もうと、お前たちだけは希望を捨ててはいけない!

大獣神達を失ったゲキたちの前に、獣奏剣を通じて魂だけの姿で再登場。
絶望に襲われるジュウレンジャーを奮起させ、文字通り起死回生の扉を開いた。

ちなみに放送当時に『てれびくん』と『テレビランド』で掲載されていた漫画版でも命を落としたが、その経緯がそれぞれ本編と異なっている。
  • 『てれびくん』版:巨大ドーラガンサクを倒すべく、レンジャースリンガーファイナルショットで勢いを付けて特攻。獣奏剣とドラゴンアーマーを残して爆炎の中へと消える。
『テレビランド』版:ブライの命を救うための花を見つけたのも束の間、バンドーラの捕虜にされたゲキは拷問の末に死亡。ブライは花の力でゲキを蘇生させた後に自身の装備を託し、その命を終えた。


(Ψ)【ドラゴンレンジャー】(Ψ)


ダイノ、バックラー!

ドラゴンレンジャー!ブライ!!

出典:スーパー戦隊オフィシャルTwitter、https://x.gd/4GZ22、23年5月14日閲覧。
©東映


スーツアクター:高岩成二、竹内康博

ブライが変身した緑色の戦士。
初登場時は初登場補正や奇襲もあったとはいえ、ティラノレンジャーたち5人を相手に無双した。
力の戦士ではあるが、同じパワーファイターのマンモスレンジャーと被っているのは禁句。向こうは知恵の戦士だし
この戦士以降、グリーン戦士のスーツカラーが暗めの色調から鮮やかなエメラルド調になった。

装備・技

  • ドラゴンアーマー
ドラゴンレンジャーが胸部に装備している鎧。
攻守の両方を高め、獣奏剣の音色によりバリアを展開。
劇中では語られていないが、本来はジュウレンジャーの中から選ばれた勇者に与えられる物だったが、眠りにつく前のブライが神殿から盗み出した。
キングブラキオンの攻撃から耐えるためにゲキに貸し与えた事もあり、ブライの死後はゲキが使用することになる。

  • 獣奏剣
命の精霊クロトから受け取った、ダガー状の武器。
笛にもなっており、ドラゴンシーザーを操ったり、ドラゴンアーマーの力を引き出したりするために使う。剣の先端からレンジャーガンと同じ程度の威力の破壊ビームも発射出来る。
更に念を込めることで時の止まった部屋と下界を行き来することも出来る。
こちらもドラゴンアーマー同様、後にゲキに託した。
暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のドン17話ではドラゴンレンジャーにアバターチェンジしたドンドラゴクウが獣奏剣を笛として使用し、ソノザを攪乱させた。
「まるでお兄さんになった気分です♪」「意味が分からん!」

  • 破壊弾
両手先にエネルギーを集中して放つ青い破壊弾。
改心後は未使用。

  • 魔剣ヘルフリード
復讐の鬼だった頃のブライにバンドーラが与えた地獄最大の魔剣。獣奏剣入手後は二刀流も披露。
ブライが正義に目覚めると同時に消滅した。

  • レンジャーソード
復活した直後にプテラレンジャーから奪って使用した、ジュウレンジャー共通の武器。

第31話「復活!究極の神」で使用。戦場にあった丸太を振り回して、ゴーレム兵を一掃した。
この事から自身が「力の戦士」であることに気付くが、丸太を振り回す姿は正直言ってシュール。


【守護獣ドラゴンシーザー

ブライが獣奏剣で呼び出した守護獣。
名前に「ドラゴン」と付いているが見た目は子供が「恐竜」と聞いて漠然と描いた図に似ている。
上記項目を参照。

【剛龍神】

ドラゴンシーザーがジュウマンモス、トリケラトプス、サーベルタイガーと合体した姿。
ドラゴンシーザーの項目を参照。


獣帝大獣神、究極大獣神については、大獣神の項目を参照されたし。


【他の戦隊シリーズでの活躍】

死亡した追加戦士であり、恐竜繋がりでもあるアバレキラー/仲代壬琴タイムファイヤーと共に伊狩鎧の夢に現れ、ジュウレンジャーの大いなる力「豪獣レックス」を託した。


【余談】


  • 和泉氏が明かしたところによれば、ブライは本来5話限りのゲストキャラクターだったという。
    しかし、メインの視聴者層である子供達のみならず、一緒に見ていた母親層からの絶大な支持を得るという、2000年代以降のイケメンヒーロー俳優ブームの先駆けのような現象を起こす程の人気キャラクターとなり、本編の展開と同様に延命。
    最終的に物語終盤を目前にして退場してしまうが、その第42話は『ジュウレンジャー』の最高視聴率を獲得し、その人気を裏付けることとなった。
    そしてブライの人気を切っ掛けに、その後のスーパー戦隊でも一部の作品を除いて追加戦士の登場が恒例行事となった事は周知の通りである。
    • ちなみに、『ジュウレンジャー』のメインライター・杉村升氏は『太陽にほえろ!』のテキサス刑事編が脚本家デビューだが、このテキサスもジーパンで盛り上がった番組人気を頂点にまで高めた事で有名で、番組恒例の「1年で殉職」ができないほどの人気キャラになってしまった。
      そして2年目で殉職した際にはブライ退場回と同様に『太陽にほえろ1』屈指の超視聴率を叩きだしている。デビュー作で叩きだした功績をブライでも再現してしまうとは……杉村氏マジ鬼才である。

  • キャラクターデザインを手掛けた篠原保氏によれば、元々は『高速戦隊ターボレンジャー』でレッドターボ/炎力を演じ、本作では主題歌を歌った佐藤健太氏が演じるつもりでデザインした模様。
    また、当の佐藤氏本人も「自分がブライを演じる噂があった」と語っていたらしい。


  • 海外版である『パワーレンジャーシリーズ』にもグリーンレンジャーの名で登場したが、こちらではレッドレンジャー(日本でいうティラノレンジャー)との関係は特になく、リタ(日本でいうバンドーラ)に魔法で操られてパワーレンジャーと戦い、魔法が解けた後はパワーレンジャーに協力する。
    後に変身能力を失ったため、ゾードンからホワイトレンジャー(キバレンジャー)に変身する力を授かり、ついでに番組の主役になった。
    その後もジオレンジャーVレッド(オーレッド)、レッドターボレンジャー(レッドレーサー)と変身形態を変えながら登場し、更に『爆竜戦隊アバレンジャー』に当たる『ダイノサンダー』にもブラックダイノレンジャー(アバレブラック)としてレギュラー出演した。
    現在でもシリーズの顔と言って遜色ないほどの人気を誇り、ゲスト出演も頻繁に行われている。
    また、『ダイノサンダー』に再登場した時は、当時番組を制作していたディズニーとシリーズ生みの親であるサバンとの契約の関係で、マスクの一部に銀の縁取りがついていたり、ドラゴンダガー(獣奏剣)の鞘の位置が左右逆になっていたりと、装いがオリジナルと若干異なるものになっている。



短い項目だったが、俺は幸せだった…

最後まで追記・修正をして、この項目を守ってくれ…


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最終更新:2023年07月10日 10:44

*1 もっとも、前述までの通り彼自身がヤマト王族であった時期は一分一秒もなく、父親の遺志を受け継いで自分こそが王にふさわしいと思っていたための自称と思われる。

*2 第41話でバンドーラが見ていた地図によると、この部屋自体は日本から離れたところにある模様。

*3 初登場から5話後がこのエピソードだった事から、延命がなかった場合、ここで死亡していたことになる。