アイオロス(聖闘士星矢)

登録日:2012/06/16(土) 23:37:30
更新日:2024/03/18 Mon 17:44:07
所要時間:約 9 分で読めます





君達に、アテナを託す



アイオロスとは、漫画聖闘士星矢』シリーズの登場人物である。



年齢:享年14歳(存命なら27歳)
身長:187cm
体重:85kg
誕生日:11月30日
血液型:O型
出身地:ギリシア
修行地:聖域
CV:屋良有作(アニメ、OVAシリーズなどの大半)/森川智之(LoS)


聖域の黄道十二宮のひとつ、人馬宮を守護していた射手座(サジタリアス)の黄金聖闘士
本編では故人。


黄金聖闘士の中でも優れた心と力の持ち主として知られ、13年前にアテナの化身が生を受けた数日後、前教皇シオンから次期教皇に指名されたほどの人物だった。
ちなみに当時たった14歳だった彼が聖域の指導者に指名されたのは、当時の黄金聖闘士は世代交代によって10歳前後の少年ばかりであり、その中でも比較的年長でかつその誠実な人格を認められてのことだった。

だが、この時同じく教皇候補に挙がっていた双子座のサガがおり、結果としてサガの中に眠っていた悪の人格が発現し、後の十二宮の戦いまでに到る一連のサガの反乱の発端となってしまう。

悪に取り憑かれたサガはシオンを殺害して教皇に成り済まし、生まれたばかりのアテナをも葬ろうとする。
だが、これをすんでのところでアイオロスが阻止。赤子のアテナを伴って教皇の間から脱出するが、その間に教皇に成りすましたサガによってアテナ殺害を企てた反逆者に仕立てあげられてしまう。

アイオロスは聖域からの脱出を決意。追撃は熾烈を極めたものの、なんとか聖域周辺の神殿跡地まで逃れる事に成功する。

しかしここで、同じ黄金聖闘士である山羊座のシュラが追っ手として現れる。
下手をすれば「千日戦争」に陥りかねない状況の中なんとかこれを退けるが、この戦いで致命傷を負い、もはや余命幾許もない状態となってしまう。

だが、アイオロスはある人物と運命的な出会いを果たす。

ギリシアを旅行中に聖域周辺を訪れていたグラード財団総帥・城戸光政であった。

アイオロスは光政に全てを打ち明けて自身の射手座の黄金聖衣、そして「この娘が成長するまで、どうか見守ってあげてほしい」と告げアテナを託すと、その役目を果たしたかのように、静かに息を引き取った…

しかし出会ったのが私生児100人超えの無類の女狂いだった城戸光政じゃなく普通の人とかだったらどうなってたんだろうか・・・。 


本編の十二宮編ではキーパーソンの1人として扱われ、本来の姿を取り戻した射手座の黄金聖衣を通して度々星矢たちの道を後押しする。


そして、最終章である冥王ハーデス編では、嘆きの壁破壊のため黄金聖衣を纏い遂に登場。
同じく復活し勢ぞろいした黄金聖闘士全員の小宇宙を黄金の矢に集め見事嘆きの壁を貫き、その衝撃の中へ消えた……



【人物】


仁・知・勇、全てに優れた「聖闘士の鑑」

アテナに対する忠誠心はしてなお失われる事はなく、彼の信念は装着者の意志を蓄積すると言われる黄金聖衣に宿り、アテナを護り続けている。
現在、アテナを守護する立場にある青銅聖闘士達(特に同じく射手座の星矢)に対してもその姿勢は変わらず、彼らが窮地に陥った際には幾度となくそれを救った。

獅子座のアイオリアは実弟であり、逆賊の弟として白い目で見られながらも、兄の汚名を濯ぐために努力し続け、その結果、兄に勝るとも劣らない優秀な聖闘士に成長した。

十二宮編では、聖域から脱出する際に自身の守護する人馬宮に書き記した「ここを訪れし少年達よ、君達にアテナを託す」という遺言を星矢達に見せる。
未来永劫、誰も訪れないかもしれない人馬宮で、自分に変わってアテナを守護する真の聖闘士が現れる事をアイオロスはその最期の瞬間まで信じつづけていたのだ。
アイオロスの熱い想いを感じた星矢達はし、命を懸けてアテナを守り抜く事を改めて誓うのだった。

しかし、アニメ版では人馬宮内に崖や水攻めなどのトラップを仕掛け足止めするというただでさえ時間の無い星矢たちにはあまりに過酷な試練を課した。
まぁこれは番組の尺稼ぎのためなので仕方ないが…


十二宮の戦いが終結した後は「アテナを護り抜いた真の聖闘士」と評され、逆賊の汚名を返上。その存在は神格化され、多くの人々の尊敬を集めた。


以上のように、その生き様は多くの聖闘士達に影響を与え、『聖闘士星矢』全編を通して重要なキャラクターと言える。
だが、残念ながら本編ではその実力を披露する機会がなく、その事から当時の少年達の間ではアイオロス自身の人気は決して高いとは言えなかった。
しかし、全体的に完成度の高い黄金聖衣の中でも、彼の射手座の聖衣はそのヒロイックなデザイン、そして後に主人公である星矢が身につける事などから非常に人気が高い。
もしもハーデス編で冥闘士として復活していたら、アイオリアvsアイオロスという夢の対決が実現したかもしれない…と思うと少し残念である。
ちなみに、『冥王神話』では射手座のシジフォスが一時的に冥闘士状態になっている。


実力の程については本編中の戦闘シーンが無い為判断しかねるが、黄金聖闘士最強の呼び声高いサガ以上とされる場合もあるので、作品全体でも上位に位置するのは確かだろう。
実際アテナを守りながらもシュラを撃退し、死後も聖衣に残った魂の小宇宙の力でアイオリアの攻撃を押し止めるなどその実力の片鱗を見せる場面も存在する。



【技】

アイオロスの技は漫画本編で使われる事はなく、唯一、嘆きの壁を破壊する際にサジタリアスの矢を放ったのが最初で最後の攻撃描写であった。
公式設定においても技は「不明」とされているが、アニメとエピソードGでは必殺技を繰り出している。


  • アトミックサンダーボルト
アニメ版で登場。
見た目は星矢の「ペガサス流星拳」に似た、無数の光速拳を放つ技。
ゲーム作品では基本必殺技としてよく登場する。
逆にアイオロスの登場しないTVアニメ版以外の作品では影の薄い技だったが、『Ω』で正式に射手座の聖闘士となった星矢へと受け継がれた。

  • インフィニティブレイク
『エピソードG』で登場。
無限破砕。
存命の頃、この技で太陽神軍を一掃した。
ガランに放った技もこれ。



聖衣

  • 射手座の黄金聖衣
かつてアイオロスが纏った聖衣であり、彼の死後はその気高い魂を宿している。
銀河戦争編での初登場時はなんか機動戦士っぽい顔付きの無骨なフルプレートの鎧だったが、これは聖域の目を誤魔化すため光政によってアンティークに改造された仮の姿(そのため「偽物」扱いされたが、星矢の危機にひとりでに動き出すなどしていた)。

本来の姿は背中に翼を備えた煌びやかな鎧であり、デフォルトで飛行能力を備える。
オブジェ形態はケンタウロス族ケイローンが黄金の弓矢を構えた姿。
この弓矢は戦闘に使うことも可能であり、天秤座の聖衣以外の黄金聖衣では唯一の武器持ち。
矢は複数所持しているらしく、『黄金魂』では複数本をまとめて放っている。

正式な射手座の後継者が不在ということもあって本編ではあくまで「アイオロスの聖衣」という位置を貫いているが、白銀聖闘士編で本来の姿に戻ってからは星矢に力を貸し度々彼の身体に装着され、アイオリアやポセイドンとの戦いに使用された。
しかしエリシオン編では正真正銘の神であるタナトスの攻撃を受け他の黄金聖衣共々粉々に破壊されてしまった。
また、劇場版では毎回終盤に聖衣を破壊された星矢の危機に飛んできて使われる。
……このようにアイオロス本人の出番の少なさに反して聖衣のほうは中々美味しい出番をもらっているため「聖衣が本体」とか言われたりすることも。

本編後を描く『聖闘士星矢Ω』においては、射手座の聖衣も他の聖衣同様に隕石の落下でクロストーンに変化し、黄金聖闘士に昇格した星矢が身につけている。


燃えあがれ! 私の小宇宙よ!

  • 射手座の神聖衣
『黄金魂』で神聖衣化した射手座の黄金聖衣。
元々翼を持つ射手座の黄金聖衣故、シルエット自体に大きな変化は無いが各部の装飾やディティールがより細かくなり、最大の特徴である背中の翼もより大きく滑らかな形となっている。
全体的に『Ω』で星矢が見せた射手座の新生聖衣に通じる姿。
弓も先端が延伸され若干大型化している。
オブジェ形態もシルエットに大きな変化は無い。



【派生作品でのアイオロス】

主人公を務める弟のアイオリアの師となっている。
また弟のアイオリアをブラコンレベルで溺愛しており、旅費として渡されたお金を買い物で使いきって帰れなくなってしまうなど、天然かつお茶目な性格となってて本編には無い人間味溢れる姿を見せてくれる。
言うまでもなくその実力は本物であり、太陽神軍を一人で蹴散らしたり、相手が封印で不完全な状態だったとはいえ海に現れた巨人テュポーンなどの「神」レベルの敵を撃退した。
また親友のガランが故あって大罪を犯し、刑罰としてアイオロスと闘うことになった時には(実質、処刑)彼の意志に応じ、聖闘士見習いの彼にも手加減することなく全力で臨んだ。
結果ガランは片目と片腕を失ったが命に別状はなく、手を抜かずに闘ってくれたアイオロスに感謝し、後に彼の弟アイオリアを後見人・従者として見守ることになる。
しかしガランもタフなヤツである。
ちなみにガランも獅子座の黄金聖闘士候補ではあり、その実力は候補生ながらかなり高かったものと類推されるが。

そして、本作では6年前の赤子のアテナを連れ出す回想シーンも描かれた。
一般雑兵たちの必死の説得に済まぬと言い、彼らはやむを得ずアイオロスを攻撃する。
アイオロスはそれを全て受け止め「アテナを愛する貴公達を倒す拳は持っていない」と言い、雑兵たちもアイオロスが本当に罪を犯したとは思えていなかった。
そして、その後現れたシュラのエクスカリバーすらも受け止め、姿を消すのだった。

シュラ自身も「あなたのような者がこのような事をするなど信じられない」と言っており、6年後に教皇に疑念を伝えたところ、激しい戦闘の後に幻朧魔皇拳によって洗脳されてしまった。

原作ハーデス編のさらに未来の話であり、星矢が射手座の黄金聖闘士の座を継いでいる。本人が登場することこそないが、マルスの手によって再構築された新十二宮の人馬宮にも彼の遺言は残り続け、光牙とユナはそれを目にしてかつての星矢たちとの繋がりを感じると共に、アテナを守るという決意を改めて誓ったのだった。アニメ版の影響も強い本作だが、さすがにアスレチックは作動しなかった。

また、先述の通り星矢がアトミックサンダーボルトを引き継いでいる。


基本設定は原作と同じであり今作でも故人。享年29歳。
外見は顎鬚を生やしたハンサムな青年となっている。
サガの策略でシュラに討たれアテナを偶然出会った光政に託し事切れるが、終盤には聖衣に宿った意志により劇場版恒例の星矢への黄金聖衣貸し出しを行う。

  • 『エピソードG.A』

以下ネタバレ↓

他の黄金聖闘士と同様に復活を遂げており、女神を守護する教皇に上り詰めている。
ただし、逆賊としてシュラに討伐されておらず、闘士として全てが完成した姿になるまで時を経た別世界のアイオロスであり
今作における敵勢力「剣闘士」及び「顔の無い者」を裏で束ね操る対立教皇となっている。
「シュラに倒されず生き残り、そのまま強さがカンストするまで成長したが闇堕ちしたアイオロス」といえば通じるだろう。
(回想では血塗れで大地に斃れているアイオリアを前に呆然と立ち竦んでいる描写がある反面、シュラに倒された世界軸の記憶を持つ様子から
このあたりが闇堕ちの原因と思われる)
ライトニングプラズマ、ライトニングボルトの最終形態とも言える「技を超越する業(ワザ)」を会得しており、その力を持って
アイオリアとシュラを圧倒した。
更に第八感覚を超えた九番目の感覚に目覚めており、単独でアテナクスクラメーションと拮抗する力を有するまでに至っている。
また背後には前作の黒幕だったポントスの影響が見えるようだが…

↑ネタバレここまで

【余談】

上記の通り聖域脱出時にシュラと戦っているが当時アイオロスは弱冠14歳、シュラに至ってはたったの10歳
……聖闘士の戦いとはげに恐ろしいものである。
また、アニメ版ではこの場面の詳細が描かれているのだが、元々歳不相応なほど大人びているアイオロスは兎も角、シュラの方はどう見ても本編と同じ23歳姿だった
スタッフも相当苦労したのだろう。


ちなみに、原作者の車田正美の星座も射手座である。



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最終更新:2024年03月18日 17:44