ランサー(Zero)

登録日:2011/11/19(土) 00:34:09
更新日:2024/02/22 Thu 09:52:12
所要時間:約 30 分で読めます


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FGO Fate GO TYPE-MOON Zero お願い!アインツベルン相談室 どう考えても人選ミス イケメンな方のランサー イケメン税 ケルト神話 サーヴァント セイバー ダメ女製造機 ディルムッド・オディナ ナイスガイ ランサー ロリコン疑惑 上司に恵まれなかった人 不幸体質 不憫 不遇 二刀流 二槍流 全身タイツ 前世と同じ末路 剣ディル 呪い 呪詛 報われない 声優の本気 天敵はマスター 女をダメにする男 女難 女難体質 好青年 寝取り 幸運E 形相 忠義 怒り 怨嗟 恐妻家 憎しみ 憎悪 槍使い 槍兵 歩く死亡フラグ 気味が悪いほど忠実 泣きぼくろ 泣き黒子 絶望 緑川光 自害 自害しろ、ランサー 記憶喪失 貧乏くじ 輝く貌 顔芸 騎士道




…そういう訳だ。ここから先は、()りにいかせてもらう。


Fate/Zero』に登場する第四次聖杯戦争での槍兵サーヴァント
長短2本の槍を携えた、二刀ならぬ二槍の使い手。
類稀なる美丈夫で、右目の泣き黒子は異性を魅了する魔力を宿している。


●目次


【データ】

○プロフィール

CV:緑川光
身長:184cm
体重:85kg
属性:秩序・中庸
特技:アウトドア料理、接客対応
好きなもの:友情、仁義
苦手なもの:嫉妬深い男、恋する乙女
天敵:ケイネスソラウ


○ステータス

筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
B C A+ D E B


○クラス別スキル

対魔力:B
詠唱が三節以下の魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。


○保有スキル

愛の黒子:C
彼と対峙した女性は彼に強烈な恋愛感情を抱く。
対魔力で回避可能。同時にある程度の腕前を持つ魔術師ならば余裕で解除が可能。

心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。



○真名

その真名は、ケルト神話の英雄ディルムッド・オディナ
フィオナ騎士団随一の戦士であり、“輝く(かお)の異名を持つ英霊。

稀代の美丈夫ながらも軟派な面など欠片も持ち合わせない真面目な性格で、主人に仕え忠義を尽くす事こそを望む生粋の騎士。
同僚である仲間及び敵に対しての一人称は「オレ」だが、主人であるマスターやその近縁の人物、尊敬する人物には一人称を「私」と改め礼儀正しく敬語を用いる。


宝具

破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)
赤色の長い槍。魔を断つ赤槍(せきそう)
槍の穂先が触れている間、相手の武器や防具にかかっている魔術効果を打ち消す。
ほぼ全ての魔術的防御を貫通可能なため、サーヴァントや魔術師との戦闘において攻撃面では非常に有用だが、
穂先が触れている間しか効果が無いので、防御には向かない。
詳しくは個別項目で。

必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)
黄色の短い槍。呪いの黄槍(おうそう)
この槍で負った傷はディルムッドを倒すか槍を壊さない限り完治することはなく、それ以外の方法で解呪することは不可能。
詳しくは個別項目で。


他サーヴァントの宝具が必殺技めいた派手なものばかりの中、彼の宝具は地味ながらも白兵戦では非常に強力で、宝具頼りのサーヴァントには天敵となり得る。
劇中ではこの2本の槍と「乙女を惑わす右目の泣き黒子」の存在から、セイバーに真名を見抜かれている。


尚、本来ディルムッドにはもう2つの宝具が存在する。
それは、一刀必殺の魔剣『モラルタ』と、柄で魔猪に止めを刺した『ベガルタ』という2本の剣。

生前は状況によって槍と剣を使い分けて様々な敵と戦った彼はセイバークラスの適性も持ち合わせており、寧ろ剣を使った武勇伝の方が多いとか。
セイバーのクラスで召喚された場合は、二槍を失う代わりにこちらの双剣を宝具として使用する。
ケイネスも、本心ではランサークラスではなく最優のクラスであるセイバークラスでの召喚を狙っていたらしい。

ただし生前で最も多かったスタイルは「剣1本と槍1本をそれぞれ持つスタイル」で、このスタイルがディルムッドの全力と言えるのだが、
セイバークラスで召喚されれば剣の宝具しか持ってこれず、ランサーで召喚されれば槍の宝具しか持ってこれない。
つまりどうあがいても聖杯戦争のサーヴァントとして召喚される限り、全力のスタイルを再現することができない。

著者の虚淵氏もこの双剣の存在を知ってはいたが、「ランサーなのに剣を使うのはちょっと……」と敢えて使わせなかった。赤い弓兵?なんのことだ?





【生前】

上述したように、生前はフィオナ騎士団に属する戦士の一人だった。
が、ある日、主君である騎士団長フィン・マックールの婚約者グラニア姫にゲッシュ*1による逃避行を命じられ、
主への忠義と自身のゲッシュ、どちらを貫くべきか苦悩するが、最終的にはゲッシュによる誇りを守るためにグラニア姫と逃避行を行った。
グラニア姫との関係はゲッシュによって始まった言わば強制的な恋だったが、逃避行を続ける中で次第に彼女を本当に愛するようになっていったという。

当然、男としての面目を丸潰れにされた事に加え、信頼していた部下に裏切られたフィンは激怒。
怒りに身を任せ、部下たちをはじめとする様々な追っ手をディルムッドに差し向ける事になる。
しかし、フィオナ騎士団の面々の中には決して自分達とは戦おうとしないディルムッドに感銘を受けて密かに協力する者さえ現れる始末で、
その結果、空飛ぶ魔女は投槍で撃墜、雇われの兵士なんぞに遅れを取る訳もなく返り討ち、数多の怪物達もディルムッドを倒す事は叶わなかった。

最終的にフィンも殺害は不可能と諦め、離反から16年後、遂にディルムッドはフィンに許しを貰い騎士団に復帰。
グラニアとの仲も認められ、漸く安穏な日々を送れるようになる。
…のだが、フィンは心の底ではディルムッドへの怒りを収めてはいなかった。

ある日、フィンと共に狩りに赴いた際に魔の猪(ディルムッドの異父兄弟の成れの果て)に撥ねられた彼は、これを何とか撃退するも瀕死の傷を負う。
癒やしの水を作り出せるフィンにはディルムッドを助ける事が可能だったが、フィンが彼を助けようとすることはなく、
ディルムッドは「過去の遺恨から主に見殺しにされる」という悲劇によってその生涯を終えた。

このディルムッドに致命傷を与えた猪だが、当然ながら「たかが猪」と侮れるような生易しい存在ではなく、推定10mは軽く超える巨大な怪物である。*2
神話内の一部の猪は、ルーンを喰らう事で下手すれば竜種を上回る力を持つ程の個体が誕生するとされており、
この猪がルーンを食べたかは定かではないが、ディルムッドを相討ちにまで持ち込む辺り相当な強さを持っていたことだけは確かだろう。

尚、伝承の中には、
「フィンに悪意は無かったが何度も水運びに失敗し、結果的に見殺しにされる」パターンと、
「故意に見捨てられ、更に罵られながら死ぬ」パターンがある。
Fate世界では後者を採用しているようで、小説では謀殺と記され、漫画版ではニヤケながらわざと水をディルムッドの目の前で零しており、
アニメ版でもディルムッドに対して悪意を持った笑みを浮かべつつ罵る回想がある。
後述する『FGO』においても、とあるイベントにてフィンの「先にやられてしまえば水を零すも何もない」という発言が確認できる。

また伝承によれば、ディルムッドの妻グラニアは彼の死後フィンと再婚しているが、
フィンは只でさえディルムッドを見殺しにしたことで周囲から白眼視されている中での結婚だったため、形ばかりの祝福しか受けられなかったという。
グラニアが再婚した理由は、ディルムッドの領地を守りつつ子供たちを育てる事が困難だったためだと言われるが(当時の女性の立場を考えれば仕方ないとも言える)、
このグラニアの後日談にもいくつかのパターンが存在し、「ディルムッドの死にショックを受けてグラニアが自殺する」というものもある。
同じく後述する『FGO』での会話を見る限りでは、再婚した逸話を採用している可能性が高い。

こうして悲惨な最期を迎えたディルムッドだったが、自身の人生そのものには後悔は無いようで、破滅の原因となったグラニアに対しても未だ愛情を抱いており、
自らを謀殺したフィンに対しても「恨まれても仕方ない」と納得、憎しみは愚か敬意すら払っており、全ては星の巡りが悪かっただけとして受け入れている。

そのため彼自身は聖杯に託す願いを持たないが、「二度目の生があるならば、かつて果たせなかった主への忠節の道を貫く」ことだけを目的に聖杯戦争へ参加した。


ちなみにディルムッドは非常に多芸な人物であり、原典では投擲の他にも様々な特技を披露しているのだが、
そういった逸話は心眼のスキルで一纏めにされたか、それとも採用される程の事ではないと判断されたのか、もしくは知名度による再現度の影響からか、
あるいはFate世界のディルムッドの逸話としては採用されなかったか……いずれにしろ、関連するスキルが彼に付加されることはなかった。
(ただし某ランサー程ではないが、劇中ではちょくちょく槍を投擲している描写も存在する。)



【Zero劇中での活躍】

アニメ版では第三話にて初登場。
ケイネスによる変則契約により、令呪を持つケイネスとは別にソラウから魔力供給を受ける形で現界している。

初戦の相手となったセイバーとは、その後も気の合う好敵手として互いに正々堂々とした決着を望む関係となるが、
肝心のマスターであるケイネスとは信頼関係を築けず苦悩する事になる。

主の狭量さや、その婚約者であるソラウを無意識に魅了してしまうというトラブルが下地にあったとはいえ、
ディルムッドの「騎士としての忠節を受け止めてくれさえすれば誰がマスターだろうと構わない」という姿勢にも問題はあり、
滅私奉公を優先してケイネス個人への理解を怠っていた彼自身の責任も大きいと言えば大きい。
事実、ちゃんとケイネスと向き合い、その才能と経歴を褒め称えた上で忠誠を誓っていれば、ケイネスとて多少は態度を和らげたと明言されている。

また、聖杯戦争はマスターだけでなくサーヴァント側も聖杯にかける願いがあるからこそ召喚に応じて参加するものなので、
ディルムッドのような「聖杯戦争に呼ばれて何かをすること自体が目的で、願いそのものは無い」と言う英霊は珍しい。
ディルムッドは願いを問われた時に正直に「無い」と答えたがそれ以上の説明をしなかったため、
ケイネスに「願いを言わないのは隠していて後で裏切るためではないか」と言う疑念を抱かせる事になってしまった。
こちらも、しっかり歩み寄って相互理解をしていれば「願いを持っているはずと思っていること」はディルムッドも気づいたはずで、
そうなら生前の後悔の経緯を話し、仕えることそれ自体が目的である事を信じてもらう事もできただろう。

他にも自身の騎士道への拘りから、それに反するような命令に素直に従わなかった事も信頼関係を結べなかった要因の1つだと言える。
元々は上述の通り「忠節を貫くことさえできればいい」という考えで、バトルロワイヤルである聖杯戦争に騎士道などは求めていなかったはずなのだが、
(ケイネスにとっては)運の悪いことに騎士道の体現者と言っても過言ではない騎士王(セイバー)が参戦、更に序盤に対峙したことで、
彼女の立ち振る舞いを目の当たりにしたディルムッドの中の騎士道が呼び起こされてしまうこととなった。


倉庫街での初戦では最優のサーヴァントたるセイバーを相手に対等に切り結び、彼女の宝具を実質的に使用不能にするという戦果を挙げた。
これについては虚淵氏曰く「ランサー自身の個体能力はさほど高くはないが、それ故に格上の相手の裏を突く戦法が得意」とのことで、
実際に劇中でも2本の槍が共に宝具であることを上手く隠し、『破魔の紅薔薇』のみが脅威だと思わせたところで『必滅の黄薔薇』を命中させている。

それ以外にも ”双槍使い” という名のある英雄でもまず経験出来ない変則的な戦闘スタイルの相手にセイバーが慣れていなかった点や、
『破魔の紅薔薇』の性質がセイバーの防具や宝具と相性が良かった点などが、格上に当たる彼女に手傷を負わせるに至った要因であると考えられている。
(魔力によって編まれたセイバーの鎧を無視して攻撃できる上に、風王結界による刀身の隠蔽も打ち消すことが可能。)


尤も、虚淵氏は「あの状況は策を使い果たしたランサーに対し、セイバーは親指の負傷だけで凌いだことを評価すべき」と発言している。

曰く
虚淵「腕の腱を切られたけど、実はセイバーの方が有利だと思うんだよね。ランサー側はここまで、策を弄しておいて親指一本使えなくしただけだし。」
  「だから印象としてランサー有利に見えてしまったのは、後になってしくじったなと思ったり。」
東出「ただ、策に上手く嵌ってる時点で……。」
虚淵「それでダメージが少ないというのがセイバーさんの幸運スキルなわけですよ。」
との事。

だがこれらの発言、よくよく考えてみるとおかしな点がある。
氏は「印象としてランサー有利に見えてしまった」と発言しているが、
セイバーとランサーの戦いを観戦していたライダーは「ランサー優勢である」という旨を劇中で明言しているので、
印象どころか他キャラのお墨付きでランサー有利になっているのでは?とファンからよくツッコミが入る。

この発言の矛盾についてはファンの間で幾つか仮説が存在し、

①「両者の戦いだけならランサー有利だったが、聖杯戦争全体=複数陣営でのバトルロワイヤルまで視野を広げるとセイバー有利なのだろう」説。
結果として、セイバー側にはまだ余力と伏せ札があるにも拘らず、ランサーはほぼ手の内を晒してしまった状態であり、言い換えれば情報戦で優位に立っている。
そして、彼女の意志の外の存在(=ライダー)によってその状態のまま戦闘を中断できたという事実を指して「幸運」と言っているのだということ。

②「そもそも周囲と実際に戦っている本人達とでは捉え方が異なる」説。
ランサー優位と考えていたのは、観戦していた第三者のイスカンダルと戦いのド素人であるソラウの2人だけであり、
  • ディルムッド → 『黄薔薇』による攻撃を防がれ、必殺の罠のつもりだった奇襲を左腕一本の代償で凌いだセイバーに畏敬を感じている(原作地の文)。
  • ケイネス → その後の令呪使用シーンやホテルでの言動から分かるように、セイバーを「強敵」と認識し、
    令呪によってバーサーカーとの強制共闘をさせてまで早めに脱落させようとするなど、セイバーをかなり警戒している。
    片手の握力を奪ったからといって、ソラウのようにセイバーをいつでも落とせる容易い相手とは考えていない。


結局のところ、読者や視聴者に「ランサー有利」という印象が残ってしまったのは、
ディルムッド・ケイネス両者の警戒や危機感は内心や地の文での描写止まりでやや印象が薄くなっているのに対し、
これ以降も終盤まで大きな存在感を放つライダーが、ハッキリとそれを口にしたことによる部分が大きいと思われる。


その後も、
  • アーチャーの離脱後、セイバーに襲い掛かるバーサーカーを「セイバーは自分の相手である」として妨害。
    上述の通り令呪によってバーサーカーへの加勢を命じられてしまうが、その時も「すまない」とセイバーに申し訳なく思う素振りを見せている。
  • キャスターに苦戦するセイバーを助けに現れ、「仰せつかっているのはキャスター討伐の命のみ」としてセイバーと共同戦線を張り、キャスターを撤退させる。
  • 単身で切嗣を襲撃し返り討ちに遭ったケイネスをすんでのところで救出、この時(救出に向かうのを咎めなかった)セイバーに免じて切嗣を見逃す。
  • ケイネスの負傷によりソラウへのマスター交代を持ちかけられた際、「自分の主はケイネス唯一人」と最後まで抵抗する。
  • セイバー・ライダーと共闘し、キャスターが召喚した巨大海魔討伐に貢献。この時自ら『黄薔薇』をへし折り、セイバーにかかった呪いを解除している。
等々、多くのイケメンっぷりを見せてくれる。
果たして彼は主への忠義とセイバーとの決着、そのどちらに於いても騎士の誇りを貫くことができるのだろうか?





以下結末の為、ネタバレ注意。


















あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ……!


貴様らは……そんなにも……

そんなにも勝ちたいか!?そうまでして聖杯が欲しいか!?

この俺が……たったひとつ(いだ)いた祈りさえ、踏み(にじ)って……

貴様らはッ、何一つ恥じることも無いのか!?

(ゆる)さん……断じて貴様らを赦さんッ!

名利(みょうり)に憑かれ、騎士の誇りを貶めた亡者ども……その夢を我が血で穢すがいい!

聖杯に呪いあれ!その願望に災いあれ!

いつか地獄の釜に落ちながら、このディルムッドの怒りを思い出せ!!



その最期は突然だった。
ディルムッドは結局ケイネスと信頼関係を築けないまま、切嗣によって人質となったソラウの救出を優先したケイネスに、令呪を以て自害を命じられる
それはまさにセイバーとの激闘の真っ只中の出来事で、数刻前には「俺はお前と出逢えて良かった!」といい顔で言っていたにも拘らずこの仕打ちである。

唐突に自ら胸に突き立てた愛槍と、流れる自分の血。
それを呆然と眺めた後、『令呪で自害させられた』と思い至った彼は、生前と同じく主に殺されるという結末血の涙を流す。
絶望と憎しみで悪鬼の如き凶相を浮かべた彼は、この結末を仕向けた切嗣に対してだけでなく、直前まで信頼し合いながら刃を交えていたセイバーや、
主であるケイネスを含むその場にいた全員に憎悪を向け、世界全てを呪う憎悪の言葉を叫びながら消滅した。

原作小説では武内先生によってそれまでのイケメンぶりからはかけ離れた鬼気迫るランサーの最期の表情が挿絵で描かれており、
アニメでも作画班によって忠実に再現されたその形相と緑川氏の熱演によって、どちらも非常に大きなインパクトを残すシーンとなっている。

尚、このシーンのせいでこの作品からFateシリーズに入った読者やアニメ視聴者の中には、聖杯の汚染が彼の仕業によるものだと誤解した者が多数いたとか。
(聖杯の汚染そのものは第四次聖杯戦争開始前から既に進行している。詳しくはこちらを参照。)
まあ彼が聖杯に向けた呪詛の大半は、結果的に自身を貶めた切嗣が肩代わりする格好となったが…。


第四次聖杯戦争に参戦したサーヴァントの中では、マスター共々屈指の悲惨な結末を迎えたサーヴァントだと言える。
上述のケイネス救出の際に切嗣を始末しておけば、少なくともこれよりはマシな最期が待っていたのだろうが、
彼にとって『騎士としてセイバーと決着をつける』ことは聖杯戦争における ”支え” のようなものにもなっていたため、この結末を回避するのはやはり難しいだろう。




『Fate/Zero 陣営別トークセッション』

「ここから先はぁ~、とりにいかせても~らうっ♡」
アニメ一期と二期の間に時間稼ぎとして放送された同コーナー第3回において、ランサーの声優を務める緑川氏の様々な話が聞ける。
曰くランサーへの印象は「凄く真面目」「馬鹿がつくほど真面目ですよね」「僕にそっくりです♡」とのこと。

また、この第3回の放送は緑川氏だけでなく、司会兼切嗣役の小山力也氏やケイネス役の山崎たくみ氏という、
大御所声優3人のはっちゃけっぷりが楽しめるカオスな回となっているため、一聴の価値アリ。



『お願い!アインツベルン相談室』

DVD特典映像である同コーナーにも登場。本編とは打って変わってノリノリなグリリバディルムッドの姿が見られる。
本編のウロブチックな展開によるトラウマの余り記憶喪失に陥っていた。
具体的に言うとマスターの傍らにいた女性と十六話のAパートから先がどうしても思い出せないらしい。思い出さない方がいいと思うよ

彼を気遣うゼっちゃんに言われるままに、自分はセイバーとの一騎打ちで華々しく散ったのだと思い込み、

うおお、もう一度四話からやり直すぞ~!
「いざとなれば格闘ゲームの方で妥協する」
「もう一度セイバーと刃を交え、清く正しい聖杯戦争から男女交際に発展して…

等とネタ時空全開で好き勝手口にするが、師匠によって現実に引き戻され、やっぱり血の涙を流す。
ちなみに、殴られた際のリアクションが「ベガルタッ!?」だったり、彼の顛末を記録した映像を編集しているのは切嗣だったりする。???「この外道!」
さらにイケメン税こそが自身の罪だと突き付けられると、ケイネスを常時イケてない主呼ばわりしながら自分の不忠を恥じ、セルフ自害芸を披露する。
最終的には悔いを残したまま、潔く英霊の座に戻っていった。



『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』

PSVita版『Fate/stay night』にて収録された同ミニゲームにも登場。
時系列的には本編でケイネスの魔術工房が切嗣によって爆破された直後に位置するストーリーのようで、
チーム「時計塔の☆フィアンセさまっ♪」の一員として、ケイネス・ソラウと共に万能の温泉を求めて花札に興じる。

所謂ネタ時空のおまけモードなのだが、ここで特筆すべきは本編とは対照的なケイネスとの関係性である。
自身に恋慕するソラウへの気苦労が絶えないのは本編と同様だが、セイバーチームとの最終戦においてケイネスが覚醒。

ケイネス「ここまでの働き―――見事だった。ディルムッド・オディナ。次は私だ。全ての家臣を背に、戦列の最前に立ってこその貴人である。」
    「よもや騎士道を捨てよ、などとは命じさせるな」
ランサー「主……」
    「……それには及びません、我が主。必ずや勝利をもたらす、その誓いに勝るものなどありましょうか。」
    「されど、その隣にこそ並び立つ無礼をお許しあれ!」
ケイネス「亡者ごときが。好きにしろ」
ランサー「まさに望外の喜び。セイバー、貴様は使える主君を誤ったな!」
セイバー「とっくに知っていますが何か!?」

と、理想的な主従っぷりを披露する。どうしてこうならなかった。
勝利後台詞では「我が悲願は…成就いたしました。いえ、この地に召喚された瞬間からそれは既に―――」と涙ながらに語っている。

また、『破魔の赤薔薇』『必滅の黄薔薇』の他にも『愛の黒子(ヤダマジイケメン)』という三種の宝具を使い分けて戦うことが可能なため、
純粋にチームとしても中々強力。





Fate/unlimited codes

プレイアブルキャラとして参戦しているが、ゲスト出演の要素が強く固有のストーリーは存在しない。
格ゲーキャラとしての評価は割と上々で、
長いリーチと、原作を忠実に再現した相手の魔力ゲージを減少させる『破魔の紅薔薇』とHPの上限値を削る『必滅の黄薔薇』を持つ。
ちなみに必殺技である『悲恋繚乱~グラニアに捧ぐ』は、色々な意味でネタにされる。

ケルト神話の大先輩・クー・フーリンと戦う際には、
「光の御子との手合わせとは……身に余る栄誉でありました。その勇姿、胸に刻みます」と敬意を示す。
クー・フーリンもディルムッドを評価し、彼を見殺しにしたフィンを「マックールの小僧も、これ程の男を私情で取りこぼすとはな」と批難した。

尚、もし彼らが戦った場合についての作者達からのコメントはこんな具合。
虚淵「彼はどちらかといえば悲恋の話がメインなので、戦闘能力はクー・フーリンに一歩劣る」
きのこ「マスターの魔力供給量はソラウの方が優秀なので、単純な火力勝負ならばディルムッドに軍配が上がる」

舞台が日本ならば互いにマイナーなので知名度補正は得られないが、
地元アイルランドの場合は両者共に補正によって能力が向上。より有名なクー・フーリンの方が強化され、マスター差をひっくり返してクー・フーリンが勝つとのこと。

想定されている勝負時の状況の詳細は不明だが、一応マスターの存在が前提になっている通り、
一説ではヘラクレスにも並び立つとされるクー・フーリンのフルスペック等は考慮せず、
互いに本編でのステータスに沿っての純粋な槍の勝負をした場合…とかそういう話なのだろうと思われる。
本来のスペック差を抜きにしても、ゲイ・ボルクの存在などクー・フーリン側が有利な要素は他にも挙げられるが、
そこに関してはそもそも切り札である宝具を(いくら燃費が良くても)ホイホイ使うことはクー・フーリンの性格的にも考え難いため、
「もし戦闘開始直後に宝具を発動したら」等のイフもあまり考察に値しないだろう。

通常の勝利時台詞では「死ぬ時は潔く死にたい」とも発言しており、
勿論それは彼の本心ではあるのだろうが、 ”潔く” とは程遠かった『Zero』での最期を存分に皮肉った台詞となっている。

また、セイバーに勝利すると「あの時の決着が付けられてよかった」という台詞が聞ける。
第四次聖杯戦争中という設定なのか、第五次聖杯戦争に何らかの形で呼ばれたという設定なのかは不明だが、ゲスト参戦である以上深く考えるだけ無駄かもしれない。

ちなみに本作では『愛の黒子』の効力が強いらしく、
彼の勝利時台詞から察するに、ライダーですら気持ちが揺らいでしまっている様子。ある程度の魔力があれば余裕で解除できるはずでは…?
ただまあ単純に彼自身もいい男ではあるので、実は黒子関係なしにその辺りの要素が影響しているのかもしれない。





Fate/Grand Order

レアリティとしては、他のケルト勢の多くも該当している☆3のランサーの一人として実装。
スカサハ体験クエスト」にてスカサハに召喚される形で初登場し、主人公を仮初のマスターと認め力を貸す。

ゲーム内のプロフィールによれば好きなものは友情で、猪が文字通り死ぬ程嫌い。
他にも苦手なものはあるようだが、直前で口にするのを思い留まっている。…大体察しはつくが。

今回も戦いに懸ける願いに変わりはなく、ただ忠実に主人公に仕える事を望む。
具体的には召喚して早々のマイルーム会話で「あなたに仕える事、望外の喜びです」と言ってしまうぐらいに。
しかし、絆レベル(好感度)が0段階でもこういうセリフを言う割には、肝心の絆レベルが特に上がりやすい訳でもないので、
「名のある英雄が会ったばかりの自分にここまで従順なのは確かに違和感」「裏があると疑うケイネスの気持ちが分かる気がした」という声も。

マイルームでの特殊会話はそれぞれセイバー、アレキサンダー、フィンを召喚していると発生。
  • セイバー    → (何らかの形で切嗣の顛末を知るなどしてセイバーへの誤解は解けたのか)Zeroでの一件に思う所はないようで、共に戦えることを喜んでいる。
  • アレキサンダー → Zeroで相対した筋肉隆々の厳ついオッさん時代とのギャップに困惑。ちなみにイスカンダルはアレキサンダーの10年後の姿。
  • フィン     → 純粋に再会を喜んでおり、共に戦えることを光栄だとしている。グラニアも現界してないか心配している。
フィンの方も、最盛期の青年の姿で召喚されたこともあってかディルムッドに対しては素直に再会と共闘を喜んでいる一方で、
グラニアを巡って最終的にディルムッドを死に追いやってしまったことについては ”過ち” として後悔している様子。

ただし、「とあるアサシン」を所持しているとディルムッドを指して「あんたの視線は分かりやすい」と口にする。
異なる自分の記憶とは言え、血涙を流し美貌を歪めてまで呪った男に対しては未だに何か感じるところがあるようだ。

今作では「人理の危機」という大義名分の下、快く力を尽くせることに加え、
Zeroの時のようなマスターとのいざこざもなく(スカサハ曰く「ディルムッドには屈託のない、裏表のない主がよい」とのことで、まさに主人公はこの上ない適役)、
さらには生前に因縁のあるフィンとも(一応は)わだかまりなく共闘できるとあって、カルデアのサーヴァントの中でもかなり生活をエンジョイしている模様。
ただしフィンについてはわだかまりを捨ててはいるものの、生前ネタを用いたブラックジョークで(主にイベント時空で)度々弄られるため心労は少なくない。


◆性能
ゲームにおける宝具は彼の二槍を一纏めにした『破魔の紅薔薇・必滅の黄薔薇』。攻撃後に相手の強化解除&呪いを付与する効果を持つ。
魔境である☆3ランサーの中では基本能力で若干劣っており、自バフ(攻撃力UP)の手段を持たないのでメインアタッカーとしてはやや不向き。
そのため、低レアリティ帯では貴重な強化解除付き宝具を活かしたサポートアタッカーとしての運用が一般的である。
ただし宝具の強化解除タイミングは「攻撃前」ではなく「攻撃後」であることに注意が必要。(要は、回避or無敵状態の相手にダメージは入らない。)


◆本編での活躍
第五特異点にて、敵サーヴァントの一人として登場する。
メイヴに手先として使役されているものの、別に変質しているわけではなく性格はそのまま。
共に召喚されたフィンと肩を並べて戦えることを喜び、時折フィンの笑えないジョーク(悪気はなく只の悪い癖)に戸惑いながらも思う存分戦っている様子。
生来の女好きであるフィンがマシュマ…マシュに興味を持ってしまった時にも、本人は真剣なのだとフォローし、
もし負けたら考えてみてくれないかとマシュ達に頼んだりもしていた。

数度の戦いに敗北して後がなくなった状況でもフィンと共に堂々の果たし合いを楽しみ、完敗を喫した後は爽やかに消滅した。
「大戦」と名のつくだけあって凄惨な部分は中々の凄惨さだった五章ストーリーの中では、終始しがらみなく戦って潔く去って行ったこともあり、
一種の癒しや清涼剤のような役割を果たしていた…のかもしれない。

尚、この五章ストーリー配信に先駆けて公開されたCMにはセイバークラスと思しきディルムッド(通称:剣ディル)が登場しており、
これを見た多くのマスターが新クラスの彼の実装を心待ちにしていたが、なんと実装されないどころか本編にも全くセイバークラスの姿では登場しなかった。
元々この段階での実装の予定はなくCM映像の方が間違いだったのか、それとも実装する予定はあったものの何らかの原因で中止になったかは不明だが、
結果的には完全にCM詐欺のような形となってしまい、そこから2年以上経っても実装される気配は無かった……
が、Zeroコラボイベント復刻に際し漸く恒常☆4セイバーとして実装が決定。問題の五章CM放映からなんと894日も経過していた。



◆ディルムッド・オディナ(セイバー)



サーヴァント、セイバー。フィオナ騎士団ディルムッド・オディナ。騎士として貴方に仕えさせて戴きます。


クラス:セイバー
性別:男性
身長/体重:184cm・85kg
出典:ケルト神話、フィオナ騎士団
地域:アイルランド
属性:秩序・中庸
ILLUST:Azusa
CV:緑川光


○ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
B+ B A D E A
ランサー時と比べると、俊敏がダウンしている代わりに筋力と耐久が上がっている。


○クラス別スキル

対魔力:A+
Aランク以下の魔術を無効化する。
現代の魔術師では、魔術で彼に傷をつけることは出来ない。
本来はBランクであるところ、宝具の効果によってA+ランクにまで引き上げられている。

騎乗:B
乗り物を乗りこなす能力。
「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、幻想種あるいは魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなすことが出来ない。


○保有スキル

魔力放出(跳躍):A
神々に育てられたディルムッドは超人的な跳躍力を獲得している。
セイバーとして現界した彼は、ランサー時よりも敏捷パラメーターが低下している代わりに本スキルを所有する。
魔力を放出することで爆発的に機動性を上昇させ、総合的な攻撃力を底上げする。
ゲーム内効果は自身に回避状態を付与+自身のQuickカード性能をアップ+自身の攻撃力をアップ

フィオナ騎士の誉れ:B
ディルムッドの類い希なる覚悟。筆頭騎士としての精神性が形となったもの。ゲーム内効果は自身のスター集中度をアップ+スターを獲得。

激情の細波:B+
ベガ・ルタ。
第二宝具がスキルとして形になったもの。
ゲーム内効果は自身の防御力をアップ+自身のNP獲得量をアップ。

愛の黒子:-
この霊基では基本的に使用されない。制御が効いているとのこと。
こちらで現界が叶っていれば第四次聖杯戦争での主との関係も少しは良好だったかもしれない。


宝具

『憤怒の波濤(モラ・ルタ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:1人

ディルムッド・オディナが操る多くの武具の中で最も強力なものを挙げるとすれば、この恐るべき魔剣を措いて他にない。一撃必殺、初撃必勝。
抜き放たれた魔剣はディルムッドに確実な勝利を与え、敵対者に敗北と死をもたらす。
運命をも操るが如き魔剣モラ・ルタは、ケルトにおける海と異界の神マナナンによって授けられた。
マナナンこそは太陽神ルーに宝具フラガラック等を与えた神性であり、数多くの宝具を所有、提供する存在であった。
真名解放時には、セイバーのクラスでの現界によって顕れた人智を超えた超跳躍を利用した落下攻撃を遂行する。
この時、モラ・ルタは伝説に語られる『マナナン神の脚』にも似て、三本の刃となって敵を寸断する。
ゲーム内ではQuick属性単体宝具で、防御強化状態を解除し確率で即死を付与する。

『激情の細波(ベガ・ルタ)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人

防御系宝具。
海神マナナンに授かった武具の一つ。短剣の形を取る。
ディルムッドはこの武器を主武器としてではなく、副武器として使用する。
防御宝具であり、自陣の防御力を引き上げるのと同時に、第一宝具であるモラ・ルタを扱うディルムッドの総合的な戦闘能力を底上げする。


<人物>
ランサー時と同一人物なものの『騎士』としての性質が強くなり、強敵との戦いを楽しみ、求めている自分自身を憚らない。
また、自覚しているのかしていないのかは定かではないが自己肯定感がやや強い。
最優のクラスだけあって霊基性能はランサーの時より増しているが召喚難易度も上がっており、
どれほど優秀な魔術師であっても特定の条件が揃わなければ霊基として成立せず、雲散霧消する事も。

<性能>
項目前半で述べた通り、英霊ディルムッド・オディナはセイバーとランサーの2つのクラスに適性を持つことが明言されているが、
生前は片方に槍、もう片方に剣という特殊な戦闘スタイルであったために、どちらのクラスで召喚されたとしても完全とは言い難い。
さらに余談であるが残念な事に、両方のクラス能力を付与する事が出来るスキル『二重召喚』は、よりにもよって三騎士内では適応できない。流石の幸運E。

<ゲーム内での性能>
クイック中心の自己完結型。
スキル、カードどちらもスターを稼ぎやすく自身でスターを稼いでクリティカルを狙い、回避と防御の二種類の防御バフを駆使して耐久も可能。
強いて言えば自力でクリティカル威力を上げる術を持たないので、その辺りを補えるサーヴァントとは相性が良い。



◆イベントでの活躍
  • 『チョコレート・レディの空騒ぎ -Valentine 2016-』
「チョコは危険ですマスター!!」
エミヤと組んで登場。女難の相を持つ者同士意気投合した様子で、自身の経験に基づいて主人公にバレンタインの恐ろしさを説く。
ネタ時空とは言え、勝つ為なら手段を選ばないエミヤと騎士道を重んじるディルムッドとでは相性が悪いと予想するプレイヤーもいたため、
この意外なコンビには驚きの声が上がったとか。
戦闘後はカエサルをダイエットさせるべく連れ去るエミヤに、自分も混ぜて貰いたいと駆け寄るなどコミカルな面を見せた。「ディルムッド、おまえもかー!」


  • 『Fate/Accel Zero Order』
Zeroコラボイベントにも当然登場。
ウェ…ロード・エルメロイⅡ世もとい、諸葛孔明の介入により、彼とケイネスの運命は本来の歴史から大きく変わっていくこととなる。

石兵八陣による妨害を受けたディルムッドは倉庫街ではセイバーと刃を交えることはなく、代わりに主人公たちと接触。
紆余曲折あって詐欺師策士孔明の説得により主人公たちと共闘関係を結ぶこととなり、ケイネス指示の下キャスターを討伐する。
その後、ケイネスはなんと孔明の出任せ策略によって聖杯戦争から離脱、急遽帰国することになり、
ディルムッドもこれに着いて行こうとするものの、これまた孔明に誘導されたケイネスに令呪によって居残りを命じられ、指揮権を主人公に移される。
そのまま成り行きで最後までセイバー共々主人公たちと共闘する運びとなり、覚醒した黒の聖杯と対峙した際は時間稼ぎとして奮戦。
最終決戦後、命がけの戦いに身を投じるもその恐怖を肌で感じて震える諸葛孔明Jr.に対しては、
「竦んで立ち止まらなかっただけでも賞賛に値します。勝利の誉れ、胸を張って受け止めて欲しい」と、英雄の先達として讃え、
主人公には「また会うこともあるだろう」と言い残し消滅した。

『Zero』本編よりも遥かに充実した結末を迎えられており、多くのマスターが彼がサーヴァントとしての役目を全うできた事に涙したとか。
ただしこのイベント内の出来事はあくまで一つの特異点の中での話、言わば幻のようなものであり、決して彼が『Zero』で迎えた結末が改変されたわけではない。


  • 『夏だ!海だ! 開拓だ! FGO 2016 Summer カルデアサマーメモリー ~癒やしのホワイトビーチ~』
同じくランサーであるフィン、クー・フーリン、カルナらと共に登場。
テンション高めなフィンの相変わらず返し辛い冗談に気を揉みながらも、YARIO村の構想を練りつつ無人島での生活を送っていたが、
畑の見張り中に魔猪の襲撃によって致命傷を受けフィン共々消滅。黒髭に続くイベント内での犠牲者脱落者となった。
また、イベント序盤で黒髭が『Zero』における彼の最期のパロディを披露している。

黒髭「呪う!拙者、世界を呪いますぞぉぉぉー!うおおお、聖パイに呪いあれぇえええ!

当の本人はこれをすぐ横で見ており、
ディルムッド「深く……妙な親近感を覚えてしまった……」


  • 『魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~』
「く── く──来るなぁ! 大人のおんなぁ、来るなぁ!」
クエスト『翡翠紳士・血涙編』にて登場。開口一番これである。しかも血の涙を流しながら。
トラウマから来る大人の女性への恐怖が振り切れており、その反動からか少女崇拝が出来上がった残念な感じになっている。
クロとマシュに対して「大人の女にだけはお成りになられるな」と忠告した時には、
クロには流石に呆れられ、マシュには ”強めの治療” が必要だと確信されていた。
ちなみに主人公に用意されている選択肢は「自重せよランサー!」と「自愛せよランサー……」の2通り。


  • 『薔薇の双槍』(幕間の物語)
宝具が本来の力を発揮できていない原因を探るべく向かった心象風景の中で、自身の内に眠る悔恨が象ったフィンと対峙。
理想の騎士を演じる為に目を背け続けてきたフィンへの怒りを指摘されてしまう。
戦いの果てに、その怒りを受け入れた上でこの場に置いていくことを宣言。心の何処かにあった悔恨に一先ずの決着をつけることに成功した。

また、クエスト冒頭では自身の「愛の黒子」の呪いについて気を遣わず生活できるカルデアの環境に喜んでいる姿が見られるほか、
彼の心にダイブする前の主人公の選択肢に「ディルムッさんのいいところを見てみたい」というものが用意されているなど、
少なからずマスターと打ち解けていることが分かる。ちなみに呼ばれた本人もまんざらではない様子。



【余談】


①ランサー陣営が第四次聖杯戦争に勝利するには?

製作陣によると、ランサー陣営の第四次聖杯戦争における必勝法は『必滅の黄薔薇』によるヒット&アウェイであるとのこと。
要するに、治癒不可の一撃を与えてはすぐに撤退を繰り返し、ジワジワと相手陣営を消耗させていく…という戦術。
更に、相性上ディルムッドが有利を取れるバーサーカーを敢えて放置することで他のサーヴァントに手傷を負わせ、
その後改めてバーサーカーを倒すのが最も効率が良いとか。

ただしこの戦法を行うには、先ずディルムッドに「聖杯戦争は騎士の誉れとは程遠い汚れ仕事である」と認識させた上で、
その後も彼が騎士道に目覚めてしまわないよう、セイバーとの接触は極力避けさせる必要がある。
……本人は騎士道に則った正々堂々の勝利を求めているのに対し、必勝法がそれからかけ離れているのはなんとも皮肉な話である。

尤も、「アサシン辺りにあっさり不覚を取ってしまう可能性もある」とも製作陣により明言されているため、
100%勝利できる「必勝法」というよりは、あくまで「勝ちパターンの1つ」だと考えるべきである。


②フィン・マックールとディルムッド・オディナ

ディルムッドの死にまつわる経緯から一部では小物・老害と誤解されがちなフィンだが、それはあくまで老年期に限った話。
ケルト神話『フェニアンサイクル(第二の時代)』はクー・フーリンと同格の大英雄フィンが主役の物語であり、ディルムッドは英雄譚の一登場人物という立ち位置である。

そして上述したように、物語の中で大英雄フィンの凋落の切っ掛けを作るキーパーソンこそがディルムッドであるため、
フィンについて語る上で彼の存在を欠かすことはできず、母国アイルランドでは相応に知名度があると思われる。
勿論、フィオナ騎士団は最高峰の精鋭集団であり、それを率いるフィンも、騎士団有数の戦士であるディルムッドも、相当高位の英霊であることに変わりはないが。

彼らの知名度を敢えて「ガンダム」で例えるならば、
クー・フーリンが主役アムロ・レイ、フィンはシリーズの顔シャア・アズナブル
さしずめディルムッドはシャアの天敵ハマーン・カーンといったところだろうか。(フィンの天敵という意味の例示で、間柄については全く別。念のため)






追記・修正はマスターとの相互理解を果たしてからお願いします。

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最終更新:2024年02月22日 09:52

*1 自身に掲げる誓い・制約のようなもの。その内容が厳しい程に見返りとして加護も強まると言われるが、ゲッシュを守れなかった者は騎士失格の烙印を押されてしまう。彼のゲッシュは幾つか存在したが、そのうちの1つが「女性の言うことに従う」。

*2 Fate/Grand Orderでは、キャラクターとの対比から本当に10mくらいはありそうな巨大エネミーとして登場している。小さいサイズや概念礼装でも実装されており、後者のカードイラストでは折れたディルムッドのゲイ・ボウを口に咥えている