ウルトラシリーズの没怪獣・宇宙人

登録日:2013/09/19 Thu 01:31:37
更新日:2024/01/21 Sun 08:13:18
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ウルトラQ』『ウルトラマン』から始まる、日本を代表するSF作品群『ウルトラシリーズ』。
45年以上の歴史の中で数多くの怪獣や宇宙人が登場し、日本人の文化に根付いたキャラクターも数多く存在する。
だが、その一方で予算や内容など様々な事情で陽の目を見ず、テレビに登場する事の無かった怪獣や宇宙人も数多く存在する。
この項目では、その中で代表的な物を紹介していく。また、ウルトラシリーズ以外の円谷作品の没怪獣・宇宙人も一部取り上げる。

+ 目次

○没怪獣、宇宙人

・吸水怪獣(正式名称不明)

登場予定作品 / ウルトラQ「キリがない」
海綿のような不定形の怪獣。東京のダムに出現し、水を吸い上げて無限に成長していく。
渇水に見舞われパニックに陥った東京都は、自衛隊に怪獣殲滅を要請、何とかダムの水を全て流し切り、怪獣を倒す事に成功するが……。
脚本はジャミラメトロン星人魔デウスでお馴染み実相寺昭雄氏。
「カネゴンの繭」と同時進行という形で脚本執筆や劇伴の追加録音が行われたものの、予算を始めとした諸問題の影響で実際に制作される事はなかった。

・オイル怪獣 クラプトン

登場予定作品 / ウルトラQ「Oil S.O.S」
石油を吸収巨大化し続けるエイのような姿の怪獣。
コンビナートからに流れ込んだプランクトンが異常に成長したものと推測されており、東京湾沿いに出現し大暴れする。
撮影ロケ先でクレームが発生した事で当該エピソードはあえなくお蔵入りとなり、完成していた操演用のモデルはボスタングに流用された。
その関係からか、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場したベリュドラを構成する怪獣の中にさり気なく紛れ込んでいる。
ちなみに、その後『ウルトラマン』で油獣ペスターが登場する同名のタイトル「オイルSOS」)があり台詞の一部がフジ隊員のものに流用されている。
ストーリー自体は別物であるが、同話を担当した金城哲夫氏が同名のタイトルを用いた理由は明らかになっていない。

・火星のバラ

登場予定作品 / ウルトラQ「火星のバラ」
火星の地質調査団が持ち込んだ種から芽生えた宇宙植物。頑丈なツタで人間や動物を次々に捕食してしまう。
但しコンクリートを破れなかったり、弱点が普通の植物とだいたい一緒だったりと『ウルトラマン』以降に登場する宇宙植物と比べると結構弱い。
映像作品としては没になってしまったが、その後コミカライズ版で採用されたり音声ドラマで放送されたりと度々顔を出している。

サイボーグ怪獣 タンギラー

登場予定作品 / ウルトラマン「サイボーグ恐竜」
かつて地球を支配しようと企んだ宇宙人の手先。古代の首長竜(竜脚類)をサイボーグ改造したもの。ソフビも発売された。
詳細は個別項目を参照。

用心棒怪獣 ゴルダー

登場予定作品 / ウルトラマン「怪獣用心棒」
地球情勢を混乱させようと企む悪の組織「サン・ダスト団」が用心棒として雇っている怪獣。
普段はおとなしいが特殊な条件が整うと大暴れし、都市一つを滅ぼすほどの実力を見せる。
サン・ダスト団は宇宙人ではなく地球人の組織という珍しい構成だが、それが仇となり没になってしまった。
成田亨によってデザイン画が描かれており、放送終了後に一峰大二氏によって漫画版が掲載された。詳細は個別項目を参照。
「用心棒怪獣」の肩書きは『帰ってきたウルトラマン』のブラックキングに使われることになる。

・軍艦怪獣 ヤマトン

登場予定作品 / ウルトラマン「侵略基地を砕け」
宇宙戦艦大和に手足や口を生やしたインパクト抜群の外見を持つ怪獣(デザインは成田亨氏)。
大和の残骸に生命が宿った姿である。成田亨によってデザイン画が描かれており、
放送終了後に一峰大二氏によって漫画版が掲載された他、ソフビが発売されたりと没怪獣の中でもやたら人気。
ちなみに『ウルトラセブン』にも戦艦大和を改造した軍艦ロボット「アイアンロックス」が登場するが、こちらは完全なメカニック。

・吸水怪獣 ウェットン

登場予定作品 / ウルトラマン「リプロスが狙っている」
前述した吸水怪獣と同様、水を吸って無限に成長し続ける怪獣。
ウルトラマンに受けた傷も、水を吸えばあっという間に回復してしまう。こちらは正統派の怪獣の姿となっている。
タンギラーからウェットンまでの怪獣および脚本は『ウルトラマン』放送当時に連載されていた一峰大二によるコミカライズ版に記載されており、
特にウェットンはゼットンに代わって連載最終回の怪獣を務めた。

・悪鬼 トーク星人

登場予定作品 / ウルトラセブン「300年間の復讐」
遥か昔に地球に移住してきた宇宙人。
友好的な性格だったが、仲間と妹のシシーがいわれなき差別で地球人に虐殺された事で復讐の鬼へと変わり、300年間その準備を進めていた。
本拠地とする館に迷い込んだウルトラ警備隊のアンヌ隊員はシシーと瓜二つであり……。
幻の名作と名高い-没シナリオであり、漫画化されたり、DVDやTVドラマで一部が再現されたりしている。

・甲冑人間

登場予定作品 / ウルトラセブン「300年間の復讐」
トーク星人に仕える執事。ボツになった時点で既に着ぐるみが完成していたため、若干の改造の上ボーグ星人としてTVに出演した。
このような経緯から居村眞二氏の漫画「300年間の復讐」では甲冑人間がボーグ星人そのままの外見で登場している。

・マンダス星人/ユーリー星人

登場予定作品 / ウルトラセブン「散歩する惑星」「侵略する死者たち」
確かに作中で侵略活動をしているのに存在を公認してもらえないという珍しい宇宙人2名。
前者は第32話「散歩する惑星」に登場した小惑星を操っている主、後者は第33話「侵略する死者たち」に登場したシャドウマンを操っている主である。
脚本執筆時には出番があったのだが、決定稿においてどちらも出番が削られてしまった。
特に後者は宇宙船でセブン&ウルトラ警備隊との戦闘まで行っているのに、一言も喋らないため公式には「謎の宇宙人」とされている。

ユーリー星人は2009年発行の書籍「昭和42年 ウルトラセブン誕生」で池谷仙克氏のデザイン画が初公開された。
1つ目の鳥のようなデザインだが頭部しかデザインされていないため、おそらく下半身は何らかの服、もしくはノンマルトの様に黒タイツになったと思われる。
なお「ユーリー」は沖縄の言葉(脚本の上原正三氏は沖縄出身)で「幽霊」のこと。そのまんまである。

・水棲人 ピニヤ

登場予定作品 / ウルトラセブン「湖底の呼び声」
深山湖に潜む半魚人を思わせる宇宙人。地球への移住を企み、地球の科学者の娘を人質に取って要求を呑ませようとした。
着ぐるみも完成していたが、予算の関係(水中撮影は予算がかさむ)で話は没となり、「泳ぎが得意」と言う設定ごとペロリンガ星人に流用された。
また、やたらマイナーなキャラが目白押しの人形劇『ウルトラP』でも顔を覗かせている。

・原生怪獣 ヤモ

登場予定作品 / ウルトラセブン「湖底の呼び声」
ピニヤが操る四足歩行の怪獣。
元々は「謎の怪獣地帯」という脚本において、生物を怪獣化させる技術を持つヒポック星人によりヤモリが改造された怪獣として登場。
「謎の怪獣地帯」は改稿を繰り返し「湖底の呼び声」となったのだが、結局ボツとなってしまい日の目を見ずに終わった。

・宇宙獣神 ゴード

登場予定作品 / ウルトラセブン「宇宙人15+怪獣35」
大量の怪獣達の前に窮地に陥ったセブンの前に現れた謎の大怪獣。詳細はこちらを参照。

・超獣 ペストザイラー

登場予定作品 / ウルトラマンA「大東京ペスト作戦(準備稿:超獣狩り大作戦)」
ノミのジャンプ力やネズミペスト菌を武器とするかなり不潔な超獣。北斗はペストに侵されて危機に陥るが、夕子の決死の看病で無事回復した。
第4話の登場超獣として企画されていたらしい。その後、準備稿が脚本の市川森一氏のシナリオ集に収録されている。

・巨大牙怪獣 ゴキバ

登場予定作品 / ウルトラマンタロウ「マンモスの牙が満月に吠えた!」
巨大な牙を持つ怪獣。満月の晩にしか活動しない。
…と聞いて「再生エレキングと似ている」と気づいた人は鋭い。
『タロウ』28話「怪獣エレキング満月に吠える!」は、本来このゴキバが登場する話として執筆されたものである。
「ごぞんじ怪獣シリーズ」として人気怪獣の再登場をさせる事となり、急遽登場怪獣がエレキングに変更されたのだ。
「エレキングの角で入れ歯を作る」という意味不明な展開も、元々「ゴキバの歯で入れ歯を作る」という展開であった。
よりによって歯のない怪獣であるエレキングに入れ替わったため、仕方なくツノにされてしまったという訳である。

同じく『タロウ』第27話「出た!メフィラス星人だ!」も、本来きのこ怪獣マシュラが登場する話「怪獣、売ります!」だった所をメフィラス星人に入れ替えられた。
ゴキバと異なりマシュラは没にならず、第31話「あぶない!嘘つき毒きのこ」で登場を果たしている。

・大仏

登場予定作品 / ウルトラマンタロウ「怪獣無常!昇る朝日に跪く」
正真正銘、あの鎌倉の大仏ご本人
悪の宇宙人(名称不明)が内部に潜み、近隣住人や観光客を次々にさらっていった。
その後企みがZATにばれた事を受けて宇宙人が巨大化、現れたタロウをも苦戦させるが、戦場を前に突如立ち上がり、一撃で宇宙人をブッ飛ばしてしまった
脚本は実相寺昭雄氏。こちらも70年代末期に漫画版が書籍に掲載されている。

・風船怪獣 ジタン

登場予定作品 / ウルトラマン80「高度5000メートルの恐怖」
ウルトラマン80』は当初主人公・矢的猛が教師という異色の設定で放送を開始したが、学校でのロケが困難などの理由で12話を最後に教師という設定が突如消滅。
13話『必殺!フォーメーション・ヤマト』からは猛は全く教師として活動する様子がなくなる。
しかし、当初13話として制作予定だったのは、猛が教師であり続けている『高度5000メートルの恐怖』であった。
脚本の決定稿まで作られながら未制作に終わったこの回に登場予定だったのが風船怪獣ジタンである。
風船状の泡を吐いて地上の橋や建物を包み込み、それらを高度5000mに集める習性を持つ怪獣。
怪獣デザインも完了しており、上まぶたと下唇が分厚く、パッチワークのような体表模様を持つ爬虫類型怪獣である。
書籍『君はウルトラマン80を愛しているか』によると、デザインは15話の実験怪獣ミューに流用されたとのこと。

・ボスゴン

登場予定作品 / ?
80年代に企画されていたテレビスペシャル用に作られた怪獣。
その後、テレビドラマ『ウルトラマンになりたかった男』の劇中で撮影されていたという設定の映画で陽の目を見る事になる。
その際に「ボスゴン」と言う名前が付けられた。

・宇宙鉱石怪獣 ドレンゲラン

登場予定作品 / ウルトラマンネオス(OV版)
元々は『ウルトラマンネオス』のパイロットフィルム版に登場。
ザム星人と共にウルトラマンネオスを苦しめたが、ウルトラセブン21の介入で形勢逆転をされ撃破された。
またこのパイロットフィルム版では、CGで首を長く伸ばすなど映像技術をアピールしていた。

やがて『ウルトラマンネオス』はOV作品として制作されることになるが、ビデオ版においてもシナリオ第1稿では登場が検討された。
しかし着ぐるみにはスーツアクターが2人入らなければならず操演も面倒という理由から登場は見送りとなってしまった。
本編第1話には鉱脈怪獣アーナガルゲが登場しており、本来ドレンゲランが担っていたポジションである事は想像に難くない。

不遇といえば不遇であるが、パイロット版とはいえ映像作品に出演、ソフビ化もされているなど没怪獣としてはまだ恵まれている方。
ちなみにパイロット版の時期に発表された漫画『ウルトラマン超闘士激伝』では「エンペラ陸軍最大の火力を持つ」と言われる戦艦として登場している。

ガラモン、カネゴン、バルンガレッドキングネロンガナース

登場予定作品 / ウルトラマンコスモス
当初『ウルトラマンコスモス』は歴代怪獣・宇宙人が再登場する案があり、これらの怪獣達が候補として挙げられていたが、本編ではバルタン星人のみが登場した。
但し、一部怪獣はオマージュ要素として新怪獣に取り入れられている。
元となったM78ワールドとは世界観が異なるため、参考までに記載。

・ダークルシフェル

登場予定作品 / ウルトラマンネクサス、ウルトラマンサーガ
ダークファウスト、ダークメフィストに次ぐ第3のウルティノイドとして設定されていた異形の巨人。
ウルトラマンサーガ』の企画当初でも真の黒幕として構想が練られていた。

詳細はこちらを参照。

・グランドタイラント

登場予定作品 / 大決戦!超ウルトラ8兄弟(初期案)
タロウを主役に置いた作品として考えられていた頃に考案されたラスボス怪獣。
タイラントゴモラエレキングツインテールバキシム、アストロモンスが合体した姿だが、
完成版に登場したギガキマイラ並にごちゃごちゃした様相になっている。体型はゲームに登場したEXタイラントと同じケンタウルスタイプ。

・恐竜戦士 ザウラー

登場予定作品 / ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国
ミラーマン』『ジャンボーグA』のリメイクヒーロー敵幹部が登場するこの作品だが、唯一『ファイヤーマン』はリメイクヒーローだけしか登場しなかった。
ただ、構想ではグレンファイヤーに対抗する幹部として怪獣スタイルの幹部「恐竜戦士 ザウラー」が計画されていたという。モチーフはファイヤーマンの命をも奪った強獣キングザウラ

デザイン画も描かれたが、時間やストーリーの都合で敢え無く没になってしまった――

――ところが、上映から時が経った2015年、意外な場所でザウラーは日の目を見ることになった。
『ぱちんこウルトラバトル烈伝 戦えゼロ!若き最強戦士』の演出としてウルティメイトフォースゼロの面々(『ベリアル銀河帝国』時)が銀河帝国の幹部と激闘を繰り広げる場面があるのだが、なんとその中でグレンファイヤーの相手としてザウラーが抜擢されたのである。

・ハイブリッド・強化ベム アンドロ・ザ・キラーメカバルタン

登場予定作品 / 大怪獣バトル
アーケードゲーム『大怪獣バトル』との連動企画でデザイン公募された、メカバルタンの更なる強化形態。
出自が出自なだけに当のゲームにも登場が内定していた筈だったが、肝心のゲームが程なくして稼働終了してしまったため、デビューの機会を奪われてしまった悲しきウルトラ怪獣。当然ながら着ぐるみはおろかCGモデルすら製作されず仕舞いに終わっている。
一応、ソフビだけ発売されており、『ウルトラマンギンガ』にスパークドールズとしてちょこっとだけ映ってはいる。
その後2021年にアンドロ・ザ・キラーメカバルタンはバイタルブレスの育成怪獣に抜擢されてゲームデビューを果たしている。
詳細はこちらも参照。

○「ウルトラマン ジャイアント作戦」

ウルトラマン放送当時、劇場版用の作品として構想が練られていたもの。
残念ながら予算などで没となり、実際に上映されたのは本編の映像を繋ぎ合わせた総集編となった。
題名の「ジャイアント作戦」とは、5つの勢力が人類を滅ぼした後、地球の覇権を巡って戦い、
勝った者が新たな支配者「ジャイアント」として君臨するという、いわば最終戦争。
次々に迫りくる脅威に、科学特捜隊ウルトラマンは様々な新装備を携えて立ち向かう事となる。

その後、脚本を手がけた飯島敏宏氏によるノベライズ版(「千束北男」名義)や復刻版の脚本、コミカライズ版などが発売されている。

・ポンコツロボット ナポレオン

かつては工場の運転を一任されるほどの高性能を誇っていたが、現在はスクラップ寸前になってしまったロボット
「ジャイアント作戦」を持って人類に宣戦布告をし、地底怪獣モルゴを復活させた。当初はジャイアント作戦の黒幕かと思われたが……?

・地底怪獣 モルゴ

ナポレオンによって永い眠りから目を覚まし、モンゴルに姿を現した怪獣。

・甲冑巨人 G

ヨーロッパの孤島「オカリナ島」にかつて出現した甲冑巨人。その時は科学特捜隊が倒したが、その残骸が突如として姿を消し……?

・宇宙忍者 バルタン星人

ウルトラシリーズで屈指の人気を誇る宇宙忍者も『ジャイアント作戦』に参戦。
こちらも新たな新装備を持って、憎きウルトラマンの前に立ちはだかる。
作品が没となった後、バルタン星人の逆襲はテレビ版の「科特隊宇宙へ」に持ち越しとなった。正確には「没怪獣・宇宙人」ではないが参考までに。

・?

四つの勢力を制した科学特捜隊の前に姿を現した最後の存在。果たして、その正体は……?


○おまけ

・WOO

登場予定作品 / WOO
アンドロメダ星雲からやってきた不定形の宇宙生命体。カメラマンの主人公に助けられ、共に様々な不可解な事件へと立ち向かっていく。
『ウルトラQ』以前に製作が検討されており、フジテレビ系列で放送される予定だったが中止となってしまう。
この作品に向けて高価な映像合成機を購入していたがこのせいで支払いが出来ない事態となり、
円谷一氏の計らいでTBSに助けを求める、そしてこれが『ウルトラQ』誕生のきっかけとなった。
数十年後の2006年にNHKで放送された『生物彗星WoO』の原案となっているが、こちらは非常に重いストーリーとなっている。
またウルトラマンに登場した伝説怪獣ウーの名前の由来になったとの説もあるが、沖縄の方言「ヲゥー」との見解もあり真偽は分かっていない。

・ベムラー

登場予定作品 / 科学特捜隊ベムラー
ウルトラマンの企画が完成する前に考えられていた作品の主役。
宇宙から来た正義の怪獣と言う設定で、科学特捜隊と共に悪の怪獣に立ち向かうと言う設定であったが、
デザイン上の問題(烏天狗のような姿)や話の都合(正義も悪も怪獣だとややこしい)などで練り直しとなり、
その後『科学特捜隊レッドマン』を経て、お馴染み怪獣退治の専門家へと発展していく事となる。

ちなみに、『科学特捜隊レッドマン』の主役の名前はサコミズ……あのウルトラマンメビウスのサコミズ隊長の元ネタとなっている。
なお、ウルトラマン第一話「ウルトラ作戦第一号」に登場したベムラーとは名前が同じなだけで外見は全く違う。
また、『ウルトラ銀河伝説』で百体怪獣ベリュドラを構成する怪獣にこちらも紛れ込んでいる。

・猛毒巨虫 ビッグライガー、侵略ロボット スフィンガー、豪炎怪獣 グレイガス

登場予定作品 / レッドマン
赤い通り魔レッドマン』に登場した怪獣・宇宙人は
ウルトラシリーズを始めとする歴代円谷作品に登場するもので占められていたが、完全な新規怪獣も企画されていた。
ビッグライガーは凶悪な形相の蛾の宇宙怪獣、スフィンガーはミッド星人が操るスフィンクスを思わせるロボット
グレイガスはアリゾナから出現した火炎怪獣である。

そして時は流れ2018年、マット・フランク氏によって執筆されたコミック版『レッドマン』において
ビッグライガーがまさかの登場を果たし、往年のファンを驚かせた。

・レッドムーン、エラブス、ハーフン

登場予定作品 / ゴジラ・レッドムーン・エラブス・ハーフン 怪獣番外地

……「なんで円谷プロなのにゴジラ?」「ゴジラは東宝だろ?」「ジラースじゃないのか?」と思われた方もいるだろう。
実は1972年に『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』という円谷プロ製作・東宝配給と言う形の怪獣映画が製作されており、これの実績を踏まえた第2弾として、円谷プロ製作のゴジラ映画が企画されていたのである。
それが『ゴジラ・レッドムーン・エラブス・ハーフン 怪獣番外地』である。

月面から現れた怪獣「レッドムーン」が地球に襲来する一方、その地球では琉球諸島で古代怪獣「エラブス」が永い眠りから目覚めた。人類は2頭の怪獣の同士討ちを図ろうとしたのだが、予想外のことが起きた。なんと2頭は恋に落ちてしまい、「ハーフン」という子供まで生まれてしまったのである。

だが、怪獣親子の平穏は一獲千金の欲望にかられた人間によって終わりを告げてしまった。ハーフンが殺されてしまったのである。
怒りに燃えるレッドムーンとエラブスは大暴れを始めるが、よりによってそこに現れたのは、あの怪獣王ゴジラで……。
……2頭の怪獣を待っていたのは、悲劇的な最期であった。

スタッフは監督・東條昭平氏、脚本・金城哲夫氏&満田かずほ氏、特撮・佐川和夫氏という錚々たるラインナップである。
ゴジラシリーズでも異色作になるかもしれなかったこの作品は、現在でもゴジラ関連の書籍で取り上げられる機会が多い。

・メカブリザラー

登場予定作品 / 電光超人グリッドマン
弟怪獣のフレムラーは機械化されメカフレムラーとして再登場したが、メカブリザラーも実は設定画でのみなら存在していた。
デザイン画では肩にロケット砲搭載の放熱板、尻尾に氷のナイフ、胸に冷凍光線が増設されており、元のブリザラーが使っていた氷柱ミサイルや冷凍ガスも合わせてかなりの重武装。
しかし、冷凍怪獣のキャラなだけにもし登場していれば襲っていたコンピューターワールドとそれによる被害も凄惨極まるものになっていたかもしれない。

・ジエンドラ

登場予定作品 / 電光超人グリッドマン
最終回で登場する予定だったと言う怪獣。
グリッドマン版タイラントと言った様相で、ブリザラーやフレムラー、バモラと言った歴代の『グリッドマン』登場怪獣が体の各部に散りばめられている。

・ミラクルキングセブンマン

登場予定作品 / ブースカ!ブースカ!!
初代ブースカの生みの親・屯田大作の息子の雄作が創り出そうとしていた夢のヒーロー「ミラクルミラーキング」。
名前の通り円谷プロのヒーロー「ミラーマン」の着ぐるみをそのまま使ったヒーローだが、当初はウルトラセブン改め「ミラクルキングセブンマン」が出演予定だった。
アイスラッガーの代わりにやたら派手なモヒカンが装着されている。

なお、どちらにしろヒーローを創り出すのに失敗し、二代目ブースカが誕生する流れになっている。

ある意味没ヒーローという事でこちらで紹介。





彼らがいつか映像に登場する事を祈ってあげる優しい人、追記・修正お願いします。

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最終更新:2024年01月21日 08:13