リンクス戦争

登録日:2010/03/15(月) 23:20:24
更新日:2024/03/06 Wed 23:26:24
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リンクス戦争

あっけなく消滅する巨大コロニー

無秩序に拡大するコジマ汚染

最初期の奇襲により壊滅的な打撃を被り

一方的な防戦に追い込まれた、オーメル陣営の切り札となったのが

アスピナの傭兵、ジョシュア=オブライエンと、あの男だった



「リンクス戦争」とはゲームARMORED CORE4の作中で起きた国家解体戦争の後、絶大な力を持つネクストACを操るリンクスの手によって始まり、また終わりを迎えた企業間直接紛争である。


◎目次




◎背景

ARMORED CORE4の世界観において、国家と呼ばれる枠組みは国家解体戦争によって崩壊しており、少数の巨大企業が世界を支配している。
この支配体制を”パックス・エコノミカ(経済による平和)”と呼び、「賢明な経済主体たる企業による、適切な資源管理と再分配」という建前のもと、世界は表面上の平和と安定を保っていた。
しかし時を経るにつれて旧体制の残党によるテロ行為、抑圧的統治への反発、それらを支援する形での企業間の足の引っ張り合いや情報工作などが激化、
さらに各企業の経営理念の相違から緊張は高まり続け、ついに臨界点を迎えることになる。




◎開戦の経緯

テロリストの名を借りた、企業尖兵の代理戦争は
GAEハイダ工廠の粛清により、一つの転機を迎える


GA社が、傘下からの離脱を宣言したGAE社への内部粛正として、ネクスト傭兵にGAEハイダ工廠の襲撃を依頼、この粛正劇に対してGAE社と提携関係にあったアクアビット社が『これはGAの内紛ではなくアクアビットへの攻撃』として報復攻撃を実行。
これを発端として各企業間の水面下での争いが一気に表出。GA、アクアビット両者共に同盟企業を巻き込み、レイレナード陣営とオーメル陣営の二つの企業群に分かれ、支配企業群を真っ二つに分けての全面戦争が始まった。


パックスで初めての、企業間直接戦闘
この動きは、対立を深めつつあった他企業にも瞬時に拡大
世界は、理念なき戦乱へ突入していく




◎交戦勢力


【レイレナード陣営】

├レオーネ・メカニカ
├メリエス
アルドラ



【オーメル陣営】

  • GAグループ

  • ローゼンタールグループ

  • イクバールグループ

  • 独立コロニー





◎戦況の変遷と結末


当初は所属ネクストの質・量ともに勝るレイレナード陣営が優勢と見られていたが、アナトリアの傭兵の活躍によりインテリオル・ユニオンが早々に離脱。

さらにBFF本社施設クイーンズランスも破壊され、BFF社の指揮系統が崩壊したことでレイレナード陣営は通常戦力のほとんどを担う二社を失い、一気にオーメル陣営有利に傾く。

クイーンズランス攻撃
パックスの崩壊は、この作戦により決定付けられたと言ってよい
巨大企業BFFの軍事インフラを失い
新興故の脆弱さを露にしたレイレナードグループが
きわめて直接的で、リスクの高い戦術を採ったのだ

追い込まれたレイレナード陣営はオリジナルナンバーを含む多数のネクストに加え、大型兵器群を全面投入、コジマ汚染も顧みず一方的な奇襲と蹂躙を繰り返すようになる。この奇襲で壊滅的打撃を受けたオーメル陣営は再び防戦一方の状況に。

やがてオーメルサイエンス・テクノロジー本社施設への直接攻撃寸前にまで迫ったレイレナード陣営だったが、主力の精鋭部隊と大型兵器をたった二人の傭兵に撃破された挙句、レイレナード、アクアビット両者ともに本社施設への直接攻撃を受けて壊滅。

かくしてリンクス戦争はオーメル陣営の勝利に終わったものの、各企業の消耗は著しかった。




◎各陣営の被害・その後の動向

以下はゲーム中の難易度「HARD」での展開を元に、各企業の被害をまとめたもの。
この基準ではほぼ全ての企業が自社トップランクのネクストを失ったが、その大半がアナトリアの傭兵に討ち取られている。

【オーメル陣営】

GAルー
彼らの内紛が戦争の発端であるが、戦中における傘下企業それぞれの詳細な動向は不明。
戦争勃発直前にトップのネクストであるプリミティブライトを失っており、ネクスト戦力に致命的なハンデを負いながら開戦、さらに戦争中盤でタイラント(ユナイト・モス)も失い、全4機中2機喪失。残ったうちの片方も後に引退しており、この当時のリンクスのうち、ACfAの時点までに残っているのはフィードバックただ1機のみ。
戦後はネクスト戦力拡充のためニュー・サンシャイン計画を立ち上げたほか、アームズフォート開発にも注力。
さらに欧州への影響力を維持するため、GAEを失った代わりにBFF社を援助・復興して傘下に収めた。

ローゼンタール社
被害は目立たないが、保有していた2機のネクストのうち、トップの1機を戦争終盤で失ったことは痛い損失であったと思われる。
戦後は傘下であったオーメルに下剋上され、オーメルの傘下に。

イクバール社
開戦直後のドサクサに紛れてGA社の重役を狙うなどの迷走もあったが、オーメル陣営として戦い壊滅は免れた。
しかし上記2社と同じくトップのネクストを失い、虎の子のバーラット部隊も大きな被害を受けた*1ほか、この当時のリンクスはACfAの時点までに全員が死亡もしくは引退してしまった(とっつき職人ことK.Kのみ生存が確認されている)。
立て直しのため大幅に人事を刷新し、社名をアルゼブラ社へ変更。
その後GA社との関係は一気に険悪になるが、オーメルとは提携を続けている。

オーメル・サイエンス社
保有ネクスト3機中1機を失い、戦後のゴタゴタでトップのネクストも喪失。残る1機も動向が描かれていない(ACfA時点で引退しているため終戦時に全機を失っていた可能性が否定できない)。
反面、施設・資産への被害は軽微に留めたらしく、後にレイレナード社の技術・人材を吸収して躍進、オーメル陣営を成す。
最終ミッションの顛末などから真の黒幕ともっぱらの噂。
戦後のネクスト戦力については少数の自社所属ネクストを軸に置きつつ、複数の傭兵との繋がりを強め手駒とする方針に舵を切った模様。

テクノクラート社
戦争勃発よりかなり前に唯一のネクスト機を失っていた。
戦中も何をしていたか不明。ぶっちゃけ空気。
とはいえ戦後〜ACfAまでに新たなリンクスとネクスト機を用意するなど地道に頑張ってはいるようだ。

アスピナ
コロニーへの被害は不明だが、ジョシュア・オブライエンは終戦後に死亡。
後に明かされたところでは、優秀なリンクスが戦争終盤に離脱していたとのこと。彼女がネクスト機を持ち去ったのか、身一つで出奔したのかは不明。
ACfAにてそれなりの地位を築いているため、それほどの被害は無かったものと思われる。

アナトリア
アクアビット製大型兵器の襲撃を受けるなど無傷ではないものの、保有ネクスト1機で戦い抜き終戦を迎える。
しかし終戦直後に不明機体による襲撃を受けコロニーは消滅した。



【レイレナード陣営】

レイレナード社
保有ネクストは5機中3機を失い、残る2機は動向不明だが、少なくとも片方は逃げ延びて地下へ潜ることになる*3。本社はアナトリアの傭兵に襲撃され壊滅。
戦力の多くをネクストに依存していたとされるため、他の戦力が残ったとしても自律型ネクスト機「002-B」等をはじめ、ごく僅かと思われる。
生き残った技術者はオーメルに吸収された。

アクアビット社
保有ネクスト2機中1機を失い、もう1機も動向不明。本社はジョシュア・オブライエンの襲撃により壊滅。
生き残った技術者はインテリオル・ユニオンの支援を受け、壊滅的打撃を受けたGAE社と共にトーラス社を立ち上げる。

GAE社
戦争中は目立たないものの、戦争勃発に際しハイダ工廠を失っている。
その前から頻繁に本社部隊の襲撃を受けていたらしく、かなり疲弊していた可能性があるが、保有ネクストは残存。
上述の通り生き残りはアクアビットと合流しトーラス社を設立した。

BFF社
本社施設である艦船「クイーンズランス」をアナトリアの傭兵によって破壊され、壊滅。
ただし指揮系統が混乱していただけで各地にかなりの戦力が残存していたと推測される。
ネクストについては保有6機に対しトップを含む4機を失い、他社の例にもれず被害甚大。
残る2機のうち片方も動向が不明であり、この当時のネクストのうちACfA時点で活動しているのは1機のみ。
後にGA社の傘下に加わり復興するが、早めに戦線離脱したインテリオル・ユニオンに抜かれ欧州第2位に転落した。
…というよりはロード画面の「かつての資産を糾合することに成功し」という一文からうかがえる通り、一度壊滅したにもかかわらず2位に転落しただけで済んでいると言うべきか。
一度奪われたはずのコジマエネルギー施設「スフィア」などはBFF所有に戻されたほか、いち早くAFの建造に着手し優位を得るなど、上手く立ち回ったようである。

インテリオル・ユニオン(レオーネメカニカ、メリエス、アルドラ
比較的早くに戦線離脱、被害を抑えた。特にネクストは保有7機中5機が残存。失った2機はいずれも保有している中では上位のネクストであり、ACfA時点までにさらに2機が引退した。
それでも3機が残っているのは他の勢力を差し置いて最多で、生き延びたネクスト戦力はリンクス戦争後〜ACfAまでの間に活躍したとされる。
しかし巨大電源施設「メガリス」を失い、その後復旧せずにラインアークへ譲渡(売却)するなどそれなりの損害を被っており、後にレオーネメカニカとメリエスが合併、アルドラはグループを脱退し独立。
GAEとアクアビットの生き残りを支援してトーラス社の設立にも関わった。




◎総括

最悪の戦争は終わり、汚染された世界が残った
企業は崩壊した秩序の回復に追われ
戦争をする余裕など、ないように見えた

それまでの企業の利害にからむ「資源・資産の所有権争い」や「間接的な妨害」に留まる経済戦争に対し、多くのコロニーが消滅したリンクス戦争は互いの生活圏・本社施設までもが攻撃対象とされたまさしく全面戦争であり、この大規模な戦いで環境へのの影響を度外視してコジマ粒子を使用した人類種が得たものは衰退の道だけであった。

コジマ汚染が大地を際限なく汚染した結果、人類の居住可能な地域は大きく減少、人々は汚染された大地を捨て、人類の過半数は清浄な空に構築した巨大プラットフォームで生活するようになる

そして絶大な戦力をリンクス個人の手に委ねるネクストACに危機感を覚えた企業群は、より制御の容易なアームズフォートへ傾倒してゆく…………。



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最終更新:2024年03月06日 23:26

*1 この被害が本来味方となったはずのアナトリアの傭兵によるもの、というのが皮肉である

*2 「コロニーは報酬を得た」というエミールの独白やアナトリアの傭兵に休息を認めた事実からも、リンクス戦争を経てアナトリアの財政が改善したことは明らかであり、アスピナも同様であっただろうと推測できる

*3 ランク11、オービエ(メメントモリ)のみ一切の動向が不明。ただしACfAにおける真改の説明文には「レイレナード正規リンクス、唯一の生き残り」と記されており、ORCAにおける「最初の5人」にも含まれていないため戦中〜ORCA結成までのどこかで死亡もしくは引退した可能性が高い