幻想郷(東方Project)

登録日:2011/08/27 Sat 19:06:22
更新日:2024/01/27 Sat 19:18:05
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素敵な貴方に安全な幻想郷ライフを。


概要

幻想郷とは東方Projectの舞台となる世界。
世界、といっても厳密には異世界などではなく、現実世界の日本のどこかにある秘境と呼ぶのが正しい。
具体的な場所は明かされていないが、『深秘録』で幻想郷を飛び出した直後の自キャラが「関東地方に住む東深見高校の女子生徒」と交戦しているため、関東在住の女子高生一人でも行こうと思えば行ける距離にはあるらしい。
なお山奥にあるので海はない。(湖及び川のみ。【早苗が湖ごと神社を連れてきた…なんてことも。】早苗など、外の世界出身のものは見たことがあるだろう。)

作中の幻想郷では、我々と同じ存在である「人間」と、人外の存在である「妖怪」が共存している。
ここでいう「妖怪」は広義の意味であり、その中に魔法使い、吸血鬼、天狗、河童、妖精などの種族が含まれる。狭義の意味での種族としての「妖怪」もこのカテゴリに含まれる。
主要なキャラクターを例に挙げると、主人公の博麗霊夢は「人間」、霧雨魔理沙は「魔法使い」と名乗ってこそいるものの、実際には魔法が使えるだけの「人間」。同じようだがアリス・マーガトロイドも元々は「人間」であったが、「捨食の術(食事を摂らずに生存する術)」を習得した事で「妖怪(広義)」の一種族である「魔法使い」となった。

作中での位置づけとして、数百年以上も前の時代から、妖怪(以下、広義の意味)は人間を「襲う」存在である、とされている(作中では描写はない)。そして人間たちは自衛の手段として、妖怪を「退治」していく、という関係性である。
そうした関係性の中において、妖怪とその退治を生業とする人間たちが住む一種の隠れ里であったのが後の幻想郷であり、近代化による人間側の勢力拡大により、妖怪が駆逐される事を懸念した妖怪の賢者(八雲紫)が博麗の巫女に依頼して、この土地を結界によって外界と遮断・隔絶した。

結界が張られて以降は、幻想郷の維持のためには、人間と妖怪の数のバランスを保つことが必要となった。そのため妖怪は幻想郷内の人間を襲うことはなくなり、人間も妖怪の退治を行うことはなくなった。
しかしその結果として幻想郷の中の世界の妖怪たちは弱体化してしまい、そしてある時、結界を破って中の世界に入ってきた外の世界の妖怪(吸血鬼)が、幻想郷を支配しようと暴れ回るという事態(吸血鬼異変)が発生。幻想郷の妖怪たちの多くは、なすすべもないという状態だった。
この騒動そのものは何とか解決できたものの、このような事態を懸念した妖怪たちは、結界を管理する博麗の巫女の当代であった博麗霊夢に相談し、妖怪と人間の戦いを一種の決闘として疑似的に演行する「スペルカードルール」(命名決闘法)が考案された。


こうして幻想郷は崩壊の危機を免れたのだった。
……ただし、すでに幻想郷に妖怪は存在しておらず、幻想郷にいるのは「実体を持った妖怪のような何か」のみ。
その「何か」すら、滅びかけている者もいるなど、彼等の存在はゆるやかに終焉をむかえつつある。
また、妖怪と言えど力の弱い者は不安定な生活をしなくてはならず、ルールを守らないものは他の妖怪にシメられる。
それのみならず、妖怪達は人間を支配し家畜扱いする一方で人間の中から人間を纏め上げる者が出現するのを恐れているなど、人間にとっても妖怪にとっても「楽園」とは言い難い世界である。


文化レベルは基本的に隔離された当時から変化していない。(つまり明治辺りか。)
ただし時に外部から道具や資料、はたまた人間が迷い込むことがあり、それらを参考に多少の発展はみられる。
また、河童や天狗は写真機、印刷機、通信機など外界の道具を見様見真似で複製して高度な社会を築いている。
ちなみに実は外界から電気が通っているらしい。電気料金は払っているのだろうか。


言語や服飾に関しては外界とあまり差はない様子。ただし人間の一般人は和服が多いようだ。

神社はあるが一般の信仰は微妙。龍神信仰があり天気予報機能つきの龍の像が里にある。(あらま凄い。)


度々異変が起こり、それらの記録や新たに入居する幻想も存在するなど時間こそ流れているが、所謂「サザエさん時空」であり人間は年をとらない。







【地域案内】

幻想郷の東端に位置する神社。現在の巫女は東方Projectの主人公、博麗 霊夢
結界の管理・維持や迷い人を外へ送り返すのが主な役割。外にも社があり厳密には結界の真上に位置している。
人間の里とはやや離れており、参拝客は稀。そのため賽銭はほとんどないが何故かそれなりに裕福らしい。また妖怪の技術の恩恵を多少なり受けている。
悪霊やら騒霊やら鬼やらが住み着いており、参拝客も少ないので祭神は八百万の神の中でも末席扱いだとか。多分秋姉妹よりも下?


  • 人間の里
人間が生活している里。住人は妖怪退治の専門家やその末裔、外から迷い込んで帰らなかった人など。
妖怪の賢者の庇護下にあるので基本的に安全。というか妖怪が買い物に来たり妖怪専門に商売している人も。(ちゃっかり共存。平和平和。)
比較的人間に対して安全とされる妖怪が活動していたり、人間に溶け込んで生活する者もいる。
稗田家の屋敷や上白沢 慧音の寺子屋などもここにある。
最近命蓮寺という寺が出来た。
幻想郷の妖怪達にとって、ここを支配するという事は幻想郷における最大勢力である事を示す事でもある為、各勢力によるせめぎ合いが行われているらしい。
一方で、人間自身が人間の里を統治するような事を恐れている為、スパイを送り込んで監視しようとしたりなど、様々な意味において幻想郷における最重要な場所。


  • 命蓮寺
聖 白蓮が住職を務める寺。毘沙門天を祀っている。
元が宝船型だったこともあって人間に好評。また妖怪保護を謳う白蓮に惹かれ妖怪の信者もいる。
そのため二つの神社は警戒したりしてなかったり。
裏手に墓地がありその真下には夢殿大祀廟がある。


  • 夢殿大祀廟
外から流れ着いた廟。
歴史的に有名な聖人(あの某有名な飛鳥時代のお方ですよ。)が安置されていたのだが、最近になって頭上に妖怪寺の墓地が建てられてしまった。
そのため件の聖人は復活後に弟子と共に全員仙界へと引っ越した。
今は完全にもぬけの殻である。

  • 魔法の森
幻想郷最大の原生林。湿気が酷く茸がわんさか生えている。
胞子がひどいので人間も妖怪も近寄らない。ただし茸に魔力を高める効果があるので魔法使いにはここに住む者もいる。(霧雨魔法店、アリスの家などは、魔法の森の中にある。)


森近 霖之助の店。森の入口にある。
人間の道具だけでなく冥界や外の世界の道具、マジックアイテムまでなんでもござれの商店。
ただし値札がなかったり目ぼしい品は非売品だったり明らかに商売する気がない。


  • 霧雨魔法店
霧雨 魔理沙の自宅。
「なんかします」という看板があり大体なんでも引き受ける。がそもそも森にあり留守がちなこともあって客はほぼゼロ。
報酬は成功払いで失敗の場合要求しないのがせめてもの良心か。


  • 再思の道/無縁塚
森の奥にある道と、その行き止まりにあたる幻想郷の最端地点の一つ。
再思の道は彼岸花が咲き、自殺志願者や犯罪者などが集まりやすく、そうした人間を狙う妖怪がいることも。
無縁塚はその名の通り無縁仏の埋葬場所。外の人間が多くそのため結界が揺らいでかなり危険な場所。
しかしここにだけ存在する紫色の桜は幽玄な美しさを誇る。


古くから幻想郷にある山。かつては旧地獄から地上に上がってきた鬼達によって支配されていた。
鬼が去って以降は天魔と呼ばれる天狗の長が山を統治している。
天狗と河童による組織化された近代社会が発展しているが、外に対し閉鎖的で全貌は不明。
技術だとジャンルによっては外界に匹敵、または凌ぐものがあると見られている。

  • 守矢神社
最近山頂に移住してきた神社。祭神は八坂 神奈子
風雨や農耕を司り、また産業革命が大好きな神とあって妖怪には受け入れられた様子。
ただ、場所が場所なので人間の信仰はいまいち。
しかし、ロープウェイが完成した事でその問題は改善された。

  • 玄武の沢
妖怪の山に隣接しており、その名の通り切り立った玄武岩に囲まれた沢である。
谷底へ流れる河や無数の洞穴があり、河童達のアジトがある。
ここで水鬼鬼神長が霍 青娥を狙った天災規模の攻撃を行い、河童はアジトから退避するはめになった。
名の由来は玄武様が住んでいるからともされている。

  • 霧の湖
山の麓にある湖。昼間は常に霧がかかっている。
釣りの名所だが妖怪も頻繁に近寄るので割と危険。
(チルノは大体ここにいる?)
また、紅魔館はこちらに。

レミリア・スカーレット所有の洋館。中は空間が弄られていてとてつもなく広い。
毒々しいまでの紅づくしだが湖の周りと不思議に調和している。
大規模なパーティーを行うので館、主人ともに知名度が高い。
来客は門番の紅 美鈴が見張っているが強行突破でもしない限り襲われないし、彼女自身昼寝していたりも。
地下には幻想郷最大の図書館があるが、本の貸し出しは行っていない。(だが、どこぞの白黒魔法使いが本を盗むとか…。【あ”?死ぬまで借りてるだけだよ。by普通の魔法使い】)

  • 中有の道
山の裏側にある三途の河へ続く道。
地獄の罪人たちが彼岸の資金稼ぎに露店を開いており、意外と賑やか。
その賑わいに生を思い出し息を吹き返す霊もいる。


  • 三途の河
彼岸へと続く河。幻想郷の船頭は小野塚 小町
幽霊の有り金全てが渡し賃で、払いによって距離が変わる。
生者でも渡れるがべらぼうに高額。っていうか渡れば死ぬ。(←三途の川だしね。)
金額以外にも罪の重さによって距離が変わる。
渡る際に体力を消耗し、あまりにも罪が重いといくら支払おうが裁きを受ける前に体力が尽きて転落してしまう。
死神の船しか浮かばないので、河に落ちたら底にある地獄行き。鬼さん鬼さん、ワァ~。

  • 彼岸
三途の川の向こう側にある魂の行き先を判別する場。幻想郷の裁判官は四季映姫・ヤマザナドゥ
是非曲直庁の作った裁判所が設置されており、裁判官たる閻魔が審判を下す。
判決は徳を積んで神霊と認定された者ならば天界行き、善良な者や罪の軽微な者は冥界行き、罪の重い者は地獄行きとなる。
地獄行きのみ、一時的に輪廻の輪から外されることになる。

  • 地獄
三途の河の底にある罪人の魂が行き着く世界。幻想郷を超越した女神ヘカーティア・ラピスラズリの管轄地の一つ。
かつては地底に存在していたが、施設が肥大化しすぎたため、日白残無の提案によりコスト削減のために今の場所に地獄を作り直した。
職員だけが引っ越して地底には施設や街が取り壊されずに残ることになり、それらは旧地獄と呼ばれる。
その経緯から今の地獄は新地獄と呼ばれている事もある。
地獄の業火が燃え盛り、ハリケーンのような風が吹きさらす。地獄と言う名にふさわしい過酷な環境。
死後の世界なのだが、生命の象徴である妖精が存在する。
鬼の作った組織「是非曲直庁」の本部があり、十王(閻魔王)の下にいる鬼神長と鬼が罪人の魂に責苦を与えている。
基本的には有期刑であり、罪の分の責苦を受ければ輪廻の輪に戻ることができる。
地獄の妖精や鬼、明王が住まう。女神は幻想郷以外の地獄の担当も兼任している。

  • 迷いの竹林
山とは里を挟んで反対にある竹林。
地面が傾斜しており、しかも竹の成長が早いうえ真っ直ぐ生えず非常に迷いやすい。案内がいないと…。
妖獣が住み着いているので危険だが筍は美味しい。


竹林にあるお屋敷。
かぐや姫(蓬莱山輝夜)が隠れ住んでいる(本物が)。
腕のいい薬師八意 永琳や月都万象展など人を惹く要素はあるのだがいかんせん場所が場所なので客人は稀。
藤原 妹紅に頼めば案内&護衛をしてもらえる。


  • 太陽の畑
山と反対の奥地にある向日葵畑。
夏の夜は妖怪の集会所として使われる。
同時に夏は向日葵の花が咲くため風見 幽香がそれを見るために現れるのでとても危険。


  • 無名の丘
鈴蘭の生い茂る丘。
結界形成以前はここに子を捨てる「間引き」が行われていた。
故に「無名」の丘と呼ばれる。
そこで妖怪に拾われ、妖怪として育った子もいたとか。


  • 冥界
文字通りあの世。成仏か転生を待つ幽霊の控え場所。
この世とは結界で分離されているが春雪異変から容易に行き来ができる。
彼岸の判決の多くはこの冥界行きとなる。

西行寺家の屋敷。主は西行寺幽々子二百由旬(約1400~2900km)と凄く広い←が、さすがに大袈裟な気がする
多くの桜・妖怪桜・幽霊桜を植えた庭は一般開放しており密かな花見スポット。


  • 天界
冥界の上空にある天人の世界。天人や竜宮の使いが住む。
多層構造で冥界よりも広いが、飽和状態という名目で現在成仏は禁止されている。
生きながら到達したものは定期的に現れる死神を撃退する必要がある。
神霊となる修行も積まずに他者の功績に便乗した天人くずれが問題化している。
その歴史は天津神の住む月の都よりも古いとされる。

  • 仙界
無限の面積を持つ謎多き空間。
神霊の中でも空間操作に長けた仙人が住処として用いている異空間で、いくつか種類があるようだ。
出入り口は仙人だけが作ることができる。
スキマ空間の一種だが、スキマ妖怪が使う空間とは雰囲気が異なる。少なくとも目玉だらけでは無い。
スキマ空間と同じく、出口から出る場所は出口を作った仙人が自由に設定できる。
そのためあちらと同様に移動手段として用いられることもある。
幻想郷に座標の近い仙界では豊聡耳 神子がこの空間に神霊廟という名の道場を建てている。
月の都や天界と雰囲気が似てるらしい。
仙霊とされる純狐も利用しているが、神子とはまた違う位置にある仙界を住処にしている。


  • 旧都
旧地獄と言われる地域の中で今も活気のある都。地獄として稼働していた頃の繁華街でもある。
本来はそのまま朽ちていく存在だったが、そこに住みたい鬼と幻想郷の賢者の間での交渉によって幻想郷の地底都市として認可された。
能力や由来によって忌み嫌われた種族の受け入れを行っている。
そのためスラムのような印象を抱きやすいが、地底なので薄暗い点を除けば小綺麗で地上の街とほとんど変わらない。
鬼の四天王の一人である星熊 勇儀の腕っぷしにより治安が守られている。
入口は水橋 パルスィが番をしており、見知らぬ者が通ろうとするとストップをかけられる。
原理は謎だが冬は雪が降る。


  • 地霊殿
灼熱地獄跡を管理する蓋のような場所。旧地獄のほぼ中央に位置する。
肝心の灼熱地獄の火は消えていないようで、床暖房として利用している。
館内には外来種を含めた様々な動物を飼っている。
西洋風の趣で現管理者は古明地 さとり


  • 間欠泉地下センター
神奈子が河童達に建造させた核融合研究施設。幻想郷では珍しい現代的な場所である。
妖怪の山の麓から長距離エレベーターで繋がっており、最深部の核融合炉では霊烏路 空が何らかの作業を行っているらしい。
地上で使うにはエネルギー効率が悪い。


  • 魔界
神社裏手と繋がった異世界。創造主は神綺
魔法のメッカでいるだけで魔力が底上げされる。ここに住む妖怪魔物の類は非常に強力。
聖輦船でも行き来できるらしい。
旧作は魔界が舞台になったことがある。





幻想郷は追記も修正も受け入れる。それはそれは残酷なことですわ。

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最終更新:2024年01月27日 19:18