シュウ(北斗の拳)

登録日:2011/08/29 Mon 08:58:51
更新日:2024/04/16 Tue 22:22:05
所要時間:約 4 分で読めます





目が見えぬ代わりに心が開いた!


北斗の拳』に登場するキャラクター。
(cv.森功至)

概要

盲目でありながら、南斗六聖拳のひとつ「南斗白鷺拳」伝承者であり「仁星」の宿命を背負う男。
外見や過去の設定、それなりに成長した息子の存在などを見るに、恐らく六星の中では最年長のはず。*1
同じく南斗六聖拳で「義星」を持つレイとは、彼の修行時代からの盟友であった。
(レイが主役の『蒼黒の餓狼 ー北斗の拳 レイ外伝ー』では回想シーンでアミバに狙われたレイを救っており、
 終盤でも悪党の罠に嵌ったレイを部下たちと共に救出している)


初登場はレイが死亡してすぐの聖帝編開始直後。この時は正体を隠して、力量を計るためにケンシロウを襲撃した。

その後はケンシロウに対して、乱世を望み南斗六聖拳崩壊の原因を作り出したサウザーに対抗するべく、
志を同じくする南斗の同胞を率いて地下にレジスタンスを結成し、サウザー率いる聖帝軍と戦いを繰り広げている事を明かし、彼と共闘する。


だが、サウザーは南斗六星の帝王。
南斗聖拳では倒す事は出来ず、ケンシロウもサウザーと交戦したが、彼の体の謎を解き明かせず敗れて瀕死の重傷を負い、捕らえられてしまった。

牢からケンシロウを救ったのは、シュウの息子であるシバであった。
だが、彼はケンシロウを救うために、ダイナマイトで自分ごとサウザーの追っ手を爆破してしまう。


シュウ親子のそんな決死の行動も虚しく、隠し通していたレジスタンスのアジトがついに露見し、女子供100人を人質に取られてしまう。
シュウは抵抗する事も出来ずサウザーに両足の腱を切断され、二度と白鷺拳を使えない体にされる。
そればかりか、その状態で聖帝十字陵の頂上の石碑を背負わされ、何百段もの階段を自力で登ってそれを積めと命令される。

石碑を落としたり、途中で力尽きれば人質の命は無いと脅され、シュウは己が死ぬと解りながらもついに階段を登りきる。

だが、ケンシロウが到着した直後にサウザーの部下が射た矢が、そしてサウザー自身が投げた槍が彼の胸を貫く。


その瞬間、今まで塞がっていた両目が再び開き、視力を取り戻す。
ケンシロウの成長した姿に息子シバの面影を見た彼は涙し、「時代を開け」と言い残して力尽き、そのまま十字陵の石碑の下敷きとなる壮絶な最期を遂げた。
ケンシロウはシュウの名を叫んで慟哭し、ラオウもその死に様を「見事だ」と称賛した。


「仁」の星を持つ男にふさわしく、北斗の拳における数少ない人格者の1人。

実はケンシロウが修行時代に行った10人組手において、最後の相手を買って出て彼を負かした張本人。

しかし、彼の中に秘められた巨大な力を垣間見たシュウは「10人組手に敗れた者は死」という掟をケンシロウに適用しない事を、
自身の両目を潰す事と引き換えに組手を観戦していたラオウ、サウザーを含む一座に了承させた。

そのためケンシロウにとっては命の恩人とも言える存在であり、トキと共に素直に尊敬しているであろう人物。
そんなシュウの生き様は彼の中で特に強く影響を与え、後にケンシロウが一時的に視力を失った際にも「目が見えずとも戦う男がいた」と、シュウへの想いをリハクに対して語っている。

人物のモデルは、トキと同じくイエス・キリストの影響が強い。
十字陵のエピソードも、キリストが自身の処刑場である「ゴルゴダの丘」に十字架を背負って歩いた事に由来している。
最終的に槍によって胸を貫かれるのもキリストに由来すると思われる。


南斗白鷺拳(なんとはくろけん)


前述したように南斗六聖拳のひとつで、主に足技を主体とした流派。
ケンシロウはこれを初めて目にした際に「南斗聖拳に足技が!?」と驚愕していたが、
その前に戦ったシンが「南斗獄屠拳」という名の飛び蹴りを思いっきり使ってたことにツッコんではいけない。
あれはあくまで「蹴り」ではなく「蹴りに見せかけた手刀による斬撃」である。
その動きはブラジル発祥の奴隷拳法「カポエイラ」に近い。


リーチが長く、威力も高い脚技主体ということで高い実力を持つ。
さらには足の長さよりも外にいる相手を切ったことさえあり、実際の戦闘におけるリーチは相当なもの。

また当然ながら足技がすべてではなく、手刀を用いた斬撃もたくさんある。

手技と足技を必要に応じて使い分けて組み合わせた、変幻自在で、相手に手の内を読ませない、意表を突く戦法こそがその真髄と思われる。
幻影と合わせた奇襲技である「誘幻掌」が奥義であるのもそのためだろう。


しかしシュウの抱える「盲目」というハンデゆえ雑音を聞けば敵の気配を読めなくなるという致命的な弱点がある。
ユダにでさえ伝衝裂波を乱発されれば完封されるのでは? と読者からは(ユリア以外で)南斗六聖拳最弱と評されることも。
(「イチゴ味」でも、シュウではユダには勝てないと評されている)
事実、ケンシロウの力量を見定めるために戦った際は「水影心」でユダの伝衝裂波を連打され、明らかに狼狽して追い込まれていた。
ケンシロウは一度もユダと逢ったことがないのになんで真似できたのかは言わないお約束。


また、白鷺拳得意の足技はリーチこそ長いものの、南斗聖拳が基本的に「切断して一撃必殺」である以上は威力面では他の流派と変わらないはずである。
それに足技には「スピードが遅く動きが読まれやすい」という弱点があるため、こと南斗聖拳に限っては、蹴り技のメリットはリーチしかない。
つまり同レベル以上の拳士であれば、動きが遅い足技に強烈なカウンターを合わせるのはさほど難しくないと思われる。


もっとも、だからこそ手技やバク転などと合わせた変幻の殺法を発展させたのであろうし、実際に彼を倒せるのは六聖拳クラス以上の達人に限られる。
一度モヒカンが呼子を使って幻惑したことがあったが、シュウは苦しみながらも殲滅しており、半端な小細工が通用する相手ではない。


一方で若きころの実力は高く評価されており、アニメではあのサウザーに「この道場でヤツ(シュウ)と互角に戦えるのは俺だけ」とまで言わしめた*2


奥義


  • 裂脚空舞
直立の状態からいきなりバク転で反り返りつつ足刀で切り上げ、そのまま両手をコマの軸のようにして、回転しつつ連続で切り付けていく。
主に攻撃してきた相手へのカウンターで用いる。バク転という意表を突いた行動や、攻撃して前のめりになった相手に長い足で下段から切り上げるため、奇襲効果が高い。
実際にケンシロウもサウザーもこれで一撃を浴びている。

  • 南斗裂脚斬陣
足を高速で回転させ、周囲を切り裂く技。多対一の戦闘に向く。
半径5メートルはあろう範囲を切り裂けるほどの広いリーチを持つ。
シュウの脚よりも明らかに長い距離を引き裂いているため、伝衝裂波などと同じく、南斗聖拳得意の真空波を使ってのものであろう。

  • 誘幻掌
南斗白鷺拳奥義
両手だけに気配を残し、相手の周囲を独特な歩法で移動して幻惑しつつ、背後に回って両手を合わせた突きを見舞う。
この技を受けたケンシロウは、シュウのぼんやり光る掌だけが浮かんで自分を取り囲むように見えていた。
相手の動きを目だけではなく気配でもつかむ達人を制圧することを前提にしているのだろうか。
奥義といいつつ足技ではないが、上述のとおり白鷺拳は手刀と足刀を組み合わせる技なので、なにもおかしくはない。



メディアでは


主人公の命の恩人、かつ数少ない常識人という非常に重要なポジションにいながら、と に か く 不 遇 。


今まで発売された数ある北斗ゲーの中でプレイヤーキャラになれたのはたったの二度

あとはサポートキャラだったり、単なる背景モブだったり、そもそも出番がなかったり六聖拳の中での扱いは最も酷い。
スピンオフ漫画でも前述のレイ外伝くらいにしかまともな出番がない。イチゴ味やDDは除く
世紀末バスケットボール部ことAC北斗が出る時もシュウをおいてハート様やマミヤが出る始末。シュウは背後で石碑積んでた
北斗の人気を再燃させたスロット版でも初期のころは影も形もなく、転生の章でようやく出演。


当wikiでも、六聖拳の中で項目が出来るのが最も遅かった。
ただし慈母星は2021年になってもまだない


しかしその不遇っぷりが逆にやる気を出させるのか、一念発起してシュウ関連を作り上げる者も少なくない。
MUGEN内ではあるが世紀末バスケットボール部に入部したり、当Wikiに項目が立てられたり。
それでも扱い的にはどうなの……。

そんな彼も遂に真・北斗無双でPCに!(cv.吉水孝宏)
本編の伝説篇では聖帝篇にてプレイヤーキャラとして操作可能。
過去を描く幻闘篇では南斗十人組手のエピソード、サウザーとの対立、レイとの関係が主な話になっている。
南斗十人組手の話までは目の見えるシュウが操作できる。
原作通り脚を使った技で戦う
脚から闘気を蹴り飛ばしたりもするが
また、同じ南斗聖拳のキャラの中ではどの技もリーチ、威力共に中途半端。
白鷺旋空脚という技に至ってはトキのただの通常攻撃の劣化版...やはり不遇である。

さらにスロット版北斗の拳・強敵ではシン・サウザーがボーナス中のキャラに居残ったたため、聖帝十字陵はシュウのステージに。
いままで打ち手を絶望に叩き込んでいたサウザーの役目をシュウが引き継ぐこととなった。
え?チャンスキャラから通常キャラに降格?聞こえんな


トキ「シュウの仁星も泣いている……」


イチゴ味では主人公がサウザーなので彼と関係の深いシュウもレギュラーとして頻繁に登場している。
一応は敵対しており時にはシリアスに対立したりもするが、ギャグ漫画なのでたいていは互いにイヤガラセのようなことをしあうのみである。
南斗最強でやりたい放題のサウザーの手綱を掴める数少ない人物であり、暴れるサウザーをなだめたりユダに押し付けたりと、その手慣れ具合はもはや女房と言ってもいいくらい。
南斗DE5MENのファーストアルバムの「それが大事」では聖帝十字陵の石碑に押しつぶされながらも、他の四星の友情パワーを受けて石碑を砕いて復活というシュウ様ファン待望の一幕を見せてくれた。




「追記はこの私の宿命!!この修正の重みは六聖の乱を止められなかった私の罪の重み!!」
「ふっ、愚かな。項目を全消しした事に責任を感じておる」

追記修正されるまで、私はいつもお前を見ているぞ……!

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最終更新:2024年04月16日 22:22

*1 「イチゴ味」の番外編でサウザーの少年時代が描かれた際、シュウ以外の南斗六聖拳は全員まだ少年だったが、シュウだけはすでに青年だった。

*2 ただし上記の通り十人組手をやっていたのはケンシロウが修業中の少年時代、つまりラオウもまた修業中でサウザーもかなり若い頃の話であり、世紀末で猛威を振るっていたサウザーと比べるとまた違う話になるとは思われる