超攻合神サーディオン

登録日:2012/03/23 Fri 05:11:34
更新日:2024/02/11 Sun 17:59:51
所要時間:約 6 分で読めます









あなたはどこにいるのですか

たった一人のわたしに

あなたは気づいてくれますか





超攻!  合神!



GO!!



XARDION(サーディオンッッ)!!!






※上記の文章はイメージです※

超攻合神サーディオン』とは、1992年にアスミックから発売されたARPGである。
ハードはSFC。開発はAC/CS機で多くの下請け開発を手掛けているジョルダン。
発売当時の価格は8800円。時代を感じずにはいられない。


【メインスタッフ】

  • 企画
ガイナックス
  • メカデザイン
カトキハジメ
森木靖泰(OVA版『冥王計画ゼオライマー』他多数)
  • 音楽
田中公平(『サクラ大戦』シリーズ他多数)

御覧の通り、スタッフヲタならば(いい意味で)目を疑いたくなるほど豪華な顔ぶれである。
が、後述する諸々の理由により「くそったれ」なゲームとして歴史に埋もれてしまった。


【あらすじ】

太古の太陽系第四惑星「火球」――
ここでは三つの文明、すなわち

「超科学」「超精神」「超自然」
に属する人類が、果てしない争いを繰り返していた。

だが、この争いは予想だにしない形で終結する。
突如空間転移してきた正体不明の外敵――機械化惑星によって。

惑星から放たれた金属生命体により、人類は滅亡の危機にまで追いやられた。
これを打倒するため三大文明はついに結束し、切り札たる決戦兵器を建造する。


それこそが超攻アーマーサーディオン。人類の技術を結集したスーパーロボットである。

圧倒的な戦闘力で金属生命体を蹴散らしていくサーディオン。
しかし再び発生した空間転移に、機械化惑星共々巻き込まれてしまう。



◆◆◆


それから8000年後――
三大文明はそれぞれ三つの惑星に分かれ、愚かにもまた争いを始めていた。
そして争いが繰り返されると同様に、三度空間の歪みが太陽系を震撼させる。

機械化惑星――かつて人類を壊滅寸前まで追い込んだ「敵」の再来である。

三惑星は各々の技術を以て、三機の「戦闘デバイス」を開発。
さらにこれらを合体させることで、伝説の機体を模した新たなる「超攻アーマー」を完成させる。


機械化惑星とは!?
サーディオンとは!?



多くの謎の答えを求め


そして人類の存亡を懸け


最後の戦いが、始まる――



だいたいこんな感じ。
Wikipediaや説明書、後述の小説版にはさらに詳しく書いてあるので、そちらも見るとよりwktkできるだろう。


【超攻アーマー】

以下の機体に変形しながら敵と戦うことになる。




●サラマンダ(画像左)
「超科学」の技術を有する火球で建造された「ヒューマノイド型超攻アーマー」。
カトキデザインが光るリアル系機体。

通常ショットを上下に撃ち分けられるため、非常に使いやすい。
特殊武器はグレネードやレーザーなど、ショットを変化させるものが多い。

大半の局面はこいつだけで事足りてしまう。

●アルセイデス(画像右)
「超精神」の技術を有する海球で建造された「シャーマン型超攻アーマー」。
深紅のボディに逆関節の脚部が特徴。デザインは森木氏。

「マシン・マーシャン」とも呼ばれるが、シャーマンの誤表記なのか、あるいはMartian(火星の、軍神の)で合っているのかは不明。

ショットは前方にしか撃てないものの、攻撃力が高めで、特殊武器で強力な広範囲攻撃が可能。
一定時間無敵になれる技も持つので、育てておくといざという時に頼りになる。

●レオパルド(画像下)
「超自然」を有する空球で建造された「ビースト型超攻アーマー」。
ヒョウっぽい四足歩行機体。デザインはカトキ氏。

ショットはやはり前方にしか撃てず、しかも体高が低いため地味に攻撃が当てにくい。
また、機動力に優れジャンプ力も高いという設定だが、ゲーム上は他の機体と変わらない。

特殊武器もなぜか少なく、無敵技もアルセイデスと被っているという徹底した不遇ぶり。

役に立つところといったら狭い所を移動できることくらいか。
「レオ!お前なら行けるはずだ!」のセリフは有名。






●サーディオン
過去の戦いで猛威を振るった三大文明の技術の結晶。「白い鉄の巨人」、「伝説の守護神」とも。
デザインは森木靖泰氏。本作のパッケージやソフトのラベルにも描かれている。
そこ、Ξガンダムっていうな!
サラマンダを純粋に強化したような性能で、特殊武器も強力。
普通に強いため、ぶっちゃけネタにし難い感がある。


【用語解説】

●くそったれ
本作で度々目にするフレーズ。状況が悪化した際に使う。
微妙に配慮に欠ける本作の仕様に対してプレイヤーが毒づく時にも使う。

転じて、本作の熱狂的なファンを指す際にもごく稀にだが用いられる。
ボトムズにおける最低野郎みたいなもん。

●超攻アーマー
本作における人類製の機動兵器の総称。「戦闘デバイス」という戦闘機に分離することが可能。
サラマンダたち三機はこのデバイスを組み替えることで変形する。

要はゲッターロボアクエリオンの遠い親戚。
あと、自己修復機能付き。(破壊されてしまった際に機能)

●機械化惑星
二度にわたり人類に立ちはだかる謎の惑星。二度目の襲来の際に「NGC-1611」*1という名称がつけられた。
イメージに反して地表は緑に覆われているが、これらは全て敵生命体が擬態したもの。

その行動は、あるひとつの意思に基づいている。


【くそったれ要素】

さてこのゲーム、先述したように「くそったれゲー」(クソゲーに非ず)である。
その所以を一つ一つ解説したいところだが、それにはスペースが足りないため列挙するに留めることにする。

  • ボス敵がひたすら硬い。敵の単調気味な攻撃をかわしつつちまちまと弱点部位を狙う必要があり長期戦になりがち。レベルが低ければ尚更。
  • 取得経験値*2の関係からレベル上げがひたすらだるい。そのため、わざと破壊されて前述の自己修復機能を利用する頻度が多い。なおレベル・経験値は機体別である。
  • 終盤までサラマンダしか上方撃ちができないのに、敵は飛行タイプが多い。
  • その敵も軒並みサラマンダより速い。というより全体的に自機のレスポンスが悪い。
  • 表示される台詞が誰のものか分からない。また、背景と同化して非常に見づらい。
  • クリアしたステージでも同じ台詞が流れ、しかも飛ばせない。
  • レオパルドの特性を生かせる場所が全編を通して一ヶ所しかない。それもステージ1。
  • チュートリアルは当然の如く存在せず、特殊武器やアイテムの説明もない。
  • オートセーブ対応だが、保存可能データは一つだけ。消去方法も説明書にしか記載されていない。しかもデータを消さないとタイトル画面に戻れない*3
  • やたらカッコ悪いザコ敵のデザイン。前述の通り、かっこいいフォルムの自機が耐久力を回復させる目的でそんなザコ敵の攻撃にわざと身をさらした末、無惨に破壊されてしまうのもザラ。(Mやリョナ好きには好評だが)
  • ブリュブリュといった何かを漏らしたような妙に気持ち悪い生々しい癖になる被弾SEも特徴。オイル漏れのようにも聞こえる。これに関しては一概にくそったれ要素とも言えず好みが分かれる。
  • ラスボスがサーディオンでしか倒せない。

こうした問題点・不親切さの多さは、当時の開発環境における技術的・人事的な要因が大きい模様。
少なくとも100%企画書通りに作られたゲームではなかったことは疑うべくもないだろう。

…とまあ色々とディスってきたが、田中氏の手掛けたBGMはスーファミ音源ながら中毒性が高く、機体デザインはどれも秀逸である。ストーリーも壮大で、なかなかどうして妄想が掻き立てられる。

ゲーム部分が洗練されていれば、大化けした可能性もあr…いや、しかし…

現在入手するとしたらまず中古になるだろうが、できれば説明書つきのものをオススメする。表紙のサーディオンカッコいいから。いやホント。

なお、過去の戦いを描いた小説版も存在する。著者は『トップをねらえ!』の小説媒体にも関わった苑崎透で、今は亡き朝日ソノラマ文庫から出版されていた。
2020年現在は流石に中古価格が高騰しているが、ゲーム程は「くそったれ」ではない良作なので、チャンスと機会さえあれば読んでみても損は無いだろう。

※以下、太陽系を揺るがすネタバレ
終盤、レオパルドは敵の胃酸に飲まれて死亡する。3号機の呪いからは逃れられなかったようだ。

その一方、オチの幼女少女については、境遇の薄幸さや彼女自身は特に何もしていないこともあってか、あまり悪く言われることはない。劇中の人物にはくそったれ扱いされているが。



追記・修正はくそったれな状況を打開してからお願いします。

画像出典:超攻合神サーディオン
© 1992 ASMIK

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最終更新:2024年02月11日 17:59

*1 「NGC」とは星雲、星団、銀河などが載っている天体カタログ「ニュージェネラルカタログ」の略で、ここから取ったものと思われる。ただし、劇中に登場する「NGC-1611」は惑星なので、サーディオン世界での「NGC」が何を略した呼称なのかは不明。

*2 海外版では改善されている。

*3 つまり初回起動時にしかタイトルやプロローグが拝めないということ。なお海外版ではセーブデータの有無にかかわらず常にタイトル画面から始まる。