テイルズ オブ ファンタジア

登録日:2010/07/01(木) 15:04:33
更新日:2023/09/27 Wed 10:30:55
所要時間:約 7 分で読めます





いにしえの昔、魔王有りき。
無双の力を持ちて、あまたの国を脅かさんとす。
人々、恐るること甚だし。


ここに4人あり。
及ばずといえども、その力、尋常ならず。
合い携えて、魔王を倒さんとす。
すなわち、魔の力を用いて葬れり。
かの魔王、光とともに消えにけり。


しかれども、滅せず。
後の世の憂い、なお、測りがたし……。



ナムコが1995年12月15日に発売したSFC用RPG。
後に『テイルズオブシリーズ』と称されるようになった、バンダイナムコエンターテイメントの主力RPGタイトルの第一作である。
略称は『ファンタジア』『TOP』、または単に『P』とも呼ばれる。

後にPSに移植。
ノベライズやドラマCD化なども盛んに行なわれ、その後GBA、PSPにも移植、2004年にはOVA化もされた。
発売から25年経った今でも多くのファンに愛されており、第一作でありながらシリーズの代表作といえる。



【特徴】

■システム
とかく作業になりがちなRPGの戦闘を一新する「リニアモーションバトルシステム」を搭載。後のシリーズにも継承されるこのシステムにより、格闘アクションのような爽快な戦闘を実現した。
SFC版ではS・Lレンジという距離の概念があったが、PS版から撤廃された。
GBA版ではこのシステムで遊ぶこともできる。


■主題歌、ボイス
なんとSFC時代から主題歌やキャラのボイスを採用している。

  • SFC、GBA
OP:夢は終わらない〜こぼれ落ちる時の雫〜/吉田由香里

  • PS、PSP
OP:夢は終わらない〜こぼれ落ちる時の雫〜/よーみ
ED:星を空に…/吉田由香里

このため、SFC版のROM容量は『48メガ』となった。3DSで例えてもわずか48ブロック相当だが、これでも当時としては異例の大容量だった。


■勧善懲悪?
「シナリオが良い」と言われることの多いPだが、その所以は『単なる勧善懲悪ではない』ことによるところが大きいだろう。
世界を守るという主人公側の正義に終始せず、ただの欲望による野心ではない敵側の正義がある。
一方が正義を貫けば、他方で苦しむ者が生まれる。
「何が善で何が悪か」という問いかけを残すシナリオが、この作品を名作たらしめていると言えよう。



【主な登場人物】

クレス・アルベイン
主人公。
マッハせいねんでおうぎでんしょうのベルセルクなじくうけんしだが、パーティキャラで唯一ずっと項目未作成だった不遇の人。
公式でも結構扱いがひどい。
「まるでピエロじゃないかッ!」

ミント・アドネード
白衣にブロンド髪が美しいきよきおとめでありピアノのせんせいも出来るうたひめボインちゃんな法術士。
人気はアーチェに劣るという説も。

チェスター・バークライト
クレスの幼なじみ。
唯一の肉親である妹アミィを可愛がるやさしいあにきでどりょくかのたくましいやつなのに、スケベだいまおうなげきマッハやろう。

クラース・F・レスター
過去に住む召喚士。
偏屈だがしりにしかれマンなえんれんのひと。
おいお前、マッハちゅうねんとか言うな。

アーチェ・クライン
過去に住むハーフエルフの魔術士。
GROOVYな××りょうりにんでぺったんこなうわばみうっふんむすめ。
本作のマスコット兼チェスターの嫁。

藤林すず
未来に住むひじょうな忍者。
ビリビリちゃん可愛いマジあまとう。

モリスンさん
各時代でクレスたちを導く偉大なる一族。
未来では"モリスンさん"の血筋は途絶える。
途絶えるんだ…ッ!

ダオス
100年前のヴァルハラ戦役において魔物を操り猛威を振るった"魔王"。
クレスたちの時代に復活し、再び世界を脅かそうとする。



【ストーリー】

現代・過去・未来と、三つの時代にまたがりダオスを打ち倒す旅を描く。

トーティス村に住むクレスは、チェスターと共に出かけた狩りの最中、朽ち果てた大樹の前で不思議な女性
(後に判明するが、正体は世界樹の精霊『マーテル』だった)
の声を聞く。



「樹を…汚さないで……」


村の警鐘を聞き二人が戻ると、村は無残にも破壊されており
クレスは両親を、チェスターは唯一の肉親である妹・アミィを失ってしまう。

敵の狙いが自らの持つペンダントにあると知り、クレスは弔いをするというチェスターを置いて伯父オルソンの住むユークリッドに向かうが、黒鎧の一団に捕らえられ、ペンダントを奪われてしまう。
クレスはそこで同じく捕らえられていたミントと出会い、共に脱出する。

その後モリスンに助けられ、クレスは既に匿われていたチェスターと再会する。
モリスンはペンダントが奪われたことを知ると、
黒鎧のリーダーであるマルスの狙いは『ダオスの復活』であることを察知し、単独、地下墓地へと向かう。
クレスたちはそれを追って地下墓地最奥にたどり着くが、一瞬の隙を突かれ、ダオスは復活を果たす。

命令を聞け、とダオスに語るマルス。
しかし、実はマルス自身、ダオスに操られていただけだった。
そしてダオスの放った閃光により、マルスとその部下は一瞬にして消し去られてしまう。

現段階ではダオスに敵わない、と判断したモリスンは「ダオスを倒す術を学べ」と言い、クレスたちに転移の術をかける。
ダオスが再び攻撃を仕掛けようとした時、チェスターは捨て身の体当たりで時間稼ぎをする。
そして、クレスとミントだけが過去へと飛ばされるのだった。


過去で出会う新たな仲間たち。

ダオスを倒す術とは?

そして、クレスたちは『世界を救う』ことができるのだろうか?


――この世に悪があるとすれば、それは人の心だ――


【移植・関連作品など】


■ゲーム

  • PS版
1998年12月23日発売。
主題歌と一部の声優、術などが変更されたほか、
OPはアニメーションムービーに、マップは3Dになり、その他様々な要素を追加して発売。
なお、かの悪名高きランドアーチンは登場しない。
リメイクの最高作と未だに言われることがあるぐらいお手本として優れている。
クレスの技「冥空斬翔剣」はこの作品が初出であり、また後のテイルズの基準となる料理・スキットのシステムなどリメイクでありながらシリーズの基礎を固めた作品でもある。

2000年11月10日発売のGBC用ソフト。
TOP本編・現代から約100年後の世界を舞台に、なりきり士のディオとメルの冒険を描く。
公式で続編扱いとなっており、シリーズのクロスオーバー作品となったその後のなりダンシリーズとはやや異なった位置づけである。

2010年8月5日にはPSP向けのリメイク版『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX』が発売されたが、
評判はすこぶる悪い。内容は推して知るべし。
少なくとも、「ファンタジア」や「なりダン」に思い入れのある人は、プレイするならガチで注意。胸糞悪くなったら出来の悪い二次創作と割り切ってクールダウンしよう。

  • テイルズ オブ ザ ワールド〜サモナーズ リネージ〜
2003年3月7日発売のGBA用ソフト。
なりきりダンジョンから更に未来を舞台に、クラースの子孫フレイン・K・レスターの活躍が描かれる。
シリーズ初のSRPG。

  • GBA版
2003年8月1日発売。
セリフなどはSFC版が基盤。
グラフィック等をPS版準拠に、新要素も盛りこんでのリメイク。
だがその代償として戦闘中は常にモッサモサの処理落ち状態&バランスブレイカーな改変など、重大な粗もついて回る事に…。
とはいえ後のリメイクがいずれもPS版基準なのに対し本作は唯一のSFC版基準であり、かつこの作品でしか楽しめない要素が存在するのでもっさりに耐えられるなら意外と変わった感覚で遊べる作品。
ランドアーチンが出る。ちなみに本作のみモーリア坑道下層に更なる追加ダンジョンが存在する。

  • フルボイスエディション
2006年9月7日発売のPSP移植版。
とうとうメインシナリオの全てのセリフがボイス入りになった。
パーティメンバーと一部の敵の頭身が上がったりGRADEシステムが追加されたりもしているが、PS版からあまり弄くる余裕が無かったためかボイス共々どれも実装や調整が中途半端なのが傷。
加えて発売前に言われていたGBA版の独自要素も全て取り込んで…というのはある悪名高いサブイベント以外取り入れられなかった詐欺仕様。
だがそれにさえ目を瞑れば『本編フルボイス化&簡単にGRADE全項目を引き継げるPS版』感覚で2周目以降も楽しめるので、後のクロスエディションが更なる劣化移植だったせいでこちらの価値が上がるという珍事が発生したとかなんとか。
現在ファンタジアをプレイするならこちらかPS版がお勧めされる。

  • クロスエディション
なりダンX同時収録版。
戦闘システムが最新のものに作り直され、遊びやすさアップ・・・だった「はず」のもの。
実はこの作品、基本的にフルボイスエディションの戦闘をそのまま「止まらなくしただけ」*1の手抜き調整であるため
一部の技の使用価値がなくなったうえ、術とダメージの同期が取れておらず、エフェクトが無くなった後にダメージが発生するという驚愕仕様である。
その他細かな仕様が面倒臭くなったり*2劣化した点も多く、ストーリーでもなりダンXからの出張キャラが無理やり本編に絡んでくるようになり、戦闘メンバーとしては頼れるが明らかに蛇足な展開が増えてるなど、ハッキリ言ってフルボイスエディションの劣化移植版。
フルボイスエディションにも言えることだが、既存システムにテコ入れさせる以上納期は相応の期間を設けましょう。



■ノベライズ

本編およびパーティキャラのサイドストーリーは矢島さらが執筆し、ファミ通文庫より出版されている。
過去編『テイルズ オブ ファンタジア 語られざる歴史』は祭紀りゅーじによって電撃文庫から、
すずを主人公とした外伝『テイルズ オブ ファンタジア 魔剣忍法帖』は金月龍之介によりムービックから出版。
どちらも名作。

■OVA

2004年から全4巻が発売された。
キャラの設定やイベント等は原作とだいぶ異なる。
ダオス役は故・塩沢兼人に代わり森川智之が担当。
OP,ED担当は鈴木真仁


■ドラマCD

メインシナリオを描き、ボーナストラックにすずの忍者日記が収録された本編全3巻、
サブイベントなどを描き、アーチェスターの夫婦漫才や打ち上げ風景が収録されたアンソロジー全2巻が発売されている。
忍者日記あってのファンタジア。

メインシナリオ全3巻って短くね?って思うかもしれないが、以降のシリーズのドラマCDと違っていきなりミッドガルズ攻防戦からはじまり、冒頭シーンなどは回想ダイジェスト的に語られる程度の構成となっている為である。




オレ、オモウ、オマエ、バカ

アタシ、オモウ、アンタ、モット、バカ

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最終更新:2023年09月27日 10:30

*1 フルボイスエディションまでは、ハードのスペック上の制約の為か中級以上の魔術を発動すると一旦戦闘が停止していた。更に言えばそもそもファンタジアの戦闘は時間停止がある前提で組み立てられている

*2 敵の攻撃頻度がやたらと上がり、加えて気絶する頻度や挟み撃ち状態でエンカウントする確率も増している。