口径

登録日:2011/04/03(日) 12:37:51
更新日:2023/02/01 Wed 12:47:41
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この項目では「口径」についてお話します。


【口径ってなに?】
銃身の内径のこと。
もしくは後述の口径長のこと。

NATO式とアメリカ式があり、前者は「口径mm×薬莢の長さ」と表し、後者は「口径インチ(+特徴)」で表す。←混乱の元凶
つまりはこんな感じ「9mm×19」「.45ACP」(ACPはAutomatic Colt Pistol)

それぞれ「口径は直径9mmで薬莢の長さは19mm」、「弾丸の直径は0.45インチ(11.43mm)でコルト社の自動拳銃用弾薬」を表しています。


一般的に口径はライフリングの山径(短い方、赤線)で表すが、弾丸の直径は谷径(長い方、青線)とほぼ一致する。






○表記上の注意NATO式
  • 9mmは9mmでも?
NATO式は「口径×薬莢の長さ」で表します。例外なく。
9mmといえば一般的な拳銃の口径。
M92グロック17FN ハイパワーP230もいわゆる9mm拳銃である。
でもM92を持った米軍兵士がP230を持った警視庁SPに「弾薬貸して」と言っても「使えないよ」と言われてしまう。


何故だろう?

答えは簡単。弾丸の直径が同じでも薬莢の長さや形状が違うからである。
この中ではP230だけ「9mm×17」(.380ACPとも呼ばれる)を使用する。
同様にアメリカのM14とロシアのAK-47はどちらも弾丸の直径は7.62mmだが、M14は「7.62mm×51」でAK-47は「7.62mm×39」なので互換性は無い。

9mm×19mmや9×19mmは間違った表記なので注意しよう。
後ろにアルファベットを付けた弾薬や口径表記があるが弾薬のリム(弾薬のお尻)の形状を表したものである。



よく聞く「9mm」だけでも
9mmショート(9mm×17or.380ACP)
(↑ややっこしいが.38ACPとは互換性が無い)
9mmマカロフ(9mm×18)
9mmルガー(9mm×19)
(↑所謂9パラ、9mm弾。M92やグロック17はこれ)
9mmグリセンティ(9mm×19)
(↑9パラの弱装弾。伊製)
9mmIMI(9mm×21)
(↑薬莢長が違うだけで、9パラとほぼ同一。でも薬莢長の違いで互換性が無い)
9mmラルゴ(9mm×23)

突撃銃でよく聞く「7.62mm」も
7.62mm×25(トカレフの弾薬、ピストル用)
7.62mm×39(AK47の弾薬)
7.62mmNATO(7.62×51)
7.62mmRussian(7.62×54、ドラグノフやPKM用)
ざっとこれぐらいある。
ちゃんと「9mm×19」「7.62mm×51」「5.56mm×45」と表記しないとダメ。



○表記上の注意アメリカ式
NATO式は分かりやすい。問題はアメリカのインチ表記。
インチという馴染みの無い単位で、表示の厳格な基準がないから。

  • .45ACPの「 .」ってなんだろう?」
これは「100分の何インチ」であらわしているから。ピリオドを打たないと大砲の砲身長※を意味してしまう。
中には1000分の何インチで表すものもあるのでこの点も要注意。例えば.357S&Wマグナムとか.308ウィンチェスターとかもう色々。

ミリで表すと中途半端なサイズだがインチだとすっきりする。
1インチ=2.54cmなので、7.62mmは0.3インチ。ガバメントはmm表記では11.43mmだが0.45インチである。ビッグフィフティとも言われる.50口径は12.7mm。


アメリカ式は「口径+社名や特徴」で表記するので、マグナム弾だけでも
.22マグナム
.357S&Wマグナム(次元大介の銃)
.44レミントンマグナム
.45ウィンチェスターマグナム
.300レミントン・ウルトラ・マグナム

アメリカ式は特徴を組み込むので?が多い。例えば

.45ACP
(Automatic Colt Pistol)

.45GAP
(Glock Automatic Pistol)

.30-06
アメリカ陸軍に1906年に採用されたから「06」

.45-70-500
1970年採用ではなく「70」は発射薬量、「500」は弾丸重量のグレイン表記。

.38スペシャル
実は0.357インチ。日本の警察官が持つ拳銃の口径。前のより強く見せるため。

.460ウェザビー
実は0.458インチでライバル社より強力だぞ、アピールする為。


このように実際とは大きさが違うものも中にはある。

アメリカ式はNATO式のように厳格な基準があるわけではなく、ただ単に商品名と捕えた方がわかりやすい。



○どう言えばいいの?
実際のところ、「9mm」といえば「9mmパラべラム=9mm×19」だと通じる。
同じように、突撃銃の主流である「5.56mm×45」も「5.56mm」と言えば通じる。
アメリカ式は弾薬の数が多いのでこの限りではないが。



余談だが、基本的に口径が大きいほど弾薬の重量が重くなりパワーUP。薬莢が長いと発射薬が多くなるので初速UP。最近は細くて長い「高速小口径弾」が主流。

今後はアニメや漫画、映画で主人公達の銃だけでなく、その口径も気にしてみてはいかがだろうか。




【口径長について】
※「砲身口径の何倍の長さの砲身か」を表す。45口径=45倍の砲身。
よく「戦艦大和の主砲は45口径だ!」というが正確には「戦艦大和の主砲は46cm45口径長だ!」としなくてはならない。
つまり46cm×45倍=2070cm=20m70cmとなる。
大砲の口径は直径ではなく筒の長さを表す単位なので口径長が正しい。
「20cm30口径長」とすれば成程600cm=6mの砲身か、となる。
ただし薬莢の部分を含める場合もあるので、注意が必要である。
一例を挙げると、ドイツの戦車猟兵(対戦車兵科)が装備する7.5cm Pak 40とIV号戦車G型が搭載する7.5cm Kwk40前期型は、
前者が46口径で後者は43口径とされているが、実際の砲身長は同一で、3口径の差は薬莢の長さが異なるからである。




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最終更新:2023年02月01日 12:47