ウッソ・エヴィン

登録日:2012/05/24(木) 19:53:43
更新日:2024/03/02 Sat 15:30:20
所要時間:約 5 分で読めます





おかしいですよ、カテジナさん!


機動戦士Vガンダム」の主人公。

CV:阪口大助、まるたまり(幼年期)
年齢:13才
(『主人公かつガンダムのパイロット』としては機動戦士ガンダムAGEキオ・アスノと並び最年少、因みに純粋な主人公だと0080のアルフレット・イズルハが更に年下。また後の作品では『水星の魔女 プロローグ』のエリクト・サマヤ4歳で初搭乗かつ初撃墜となっている)

搭乗機体:
ヴィクトリーガンダム(Vダッシュガンダム)
V2ガンダム
セカンドV(小説版)
シャッコー



●劇中での活躍

地球の東欧にある不法居住区「カサレリア」で暮らす少年。
幼い頃から父と母にMSシミュレータを使った操縦訓練やナイフ投げ等を仕込まれ、
不法居住者で子供でありながら身近に親もいないという特殊な環境でも逞しく生きる力を磨いた。

両親が行方不明になった後はシャクティ平和に暮らしていたが、カサレリアでパラグライダーを使い空を飛んでいる最中にリガ・ミリティアとザンスカールの戦闘に巻き込まれる。
その時コアファイターで戦闘を行い負傷したマーベットを助けるべく、
機体のテスト中だったべスパのクロノクル・アシャーが動かしているシャッコーを生身(パラグライダーを利用)で強奪し、そこからクロノクルとの因縁が始まる。

なし崩し的にリガ・ミリティアに参加したウッソはクロノクルのゾロに敗れシャッコーを奪い返されてしまう。
その後リガミリティアの新型MSであるVガンダムに搭乗し各地を転戦することとなった。
それらの働きぶりは最初の方から高く評価され、ロメロを始めとしたリガ・ミリティアの翁からは「スペシャル」と評された。
そのためリガ・ミリティアが極めて形成不利な情勢ということもあり、彼らは年端もいかない子供であるウッソをどうにかリガ・ミリティアのために活動させようとしている。

物語の中盤、宇宙に上がった頃からNTの素養を本格的に発揮し始めていく。

量産型MSでパーツ換装も効くVガンダムの利点を生かし、脚部パーツを爆弾として使う奇抜な戦法を思いつき後に広めている。
対応力も高さから、サイコミュやバイオセンサーに頼らなくても反応が速く、死角からや多面的な攻撃に対しても、変型分離合体等を駆使し打開している。

Vガンダムだけではザンスカールの新型MSに対抗できなくなってきた頃、母ミューラが開発したV2を受領しそれに乗り換えている。
V2に乗り換えた後、その性能をいかんなく発揮し「光の翼」等本来想定していない使い方をもこなすにいたる。反面、成長速さもあって瞬時に敵に反応して撃ち落とした際は自分に恐怖感を抱いていた。

シュラク隊やオリファーなどとの死別を経て、このザンスカール戦争において2ヶ月間という短期間ながらも精神的に大きな成長を遂げた*1。鋼メンタルの持ち主で悲惨な経験を繰り返し、死者の声に傾けながらも精神崩壊もせずに戦い抜いた事からカミーユ・ビダン等と並んで最強ニュータイプ候補にも挙げられている。

ザンスカールとの戦いから二年後も以前と変わらずカサレリアで生活を送っている。



●女性関係

女性関係に関しては非常に不器用であり、初恋の相手であるカテジナ・ルースに関してはストーカーじみた行動をカサレリアにいた時にしていたらしい。
元々カテジナ自身は家庭環境から一種の人間不信に陥っていたが、この件で内心ウッソのことを疎んでいた。
ちなみに親子関係に関しては互いとも疎遠状態だった為、ある意味では似たもの同士でもあった。
ザンスカール帝国との戦いが続いたことと彼女が帝国側についたことで、彼女への恋心が次第に薄れて寧ろ憎悪が目立つようになり、
エンジェル・ハイロゥ攻防戦においてはその直前にあったネネカ隊の一件で精神的にかなり追い詰められたせいか、カテジナのことを呼び捨てにしていた。

だが、それ以外の大人の女性には好かれる傾向があり、シュラク隊の面々には可愛がられていた。
しかしそれは、反面カテジナやルペ・シノなど、ザンスカールの女性陣にもつけ狙われるという女難の裏返しでもあった。

なお、シャクティとは少なくともアニメ本編中通して大切にしてはいるが、恋人という関係性ではない。
どうやら親が居ない不安と身近に居続けていたことにより、依存対象になっていた模様。
そのためシャクティが危機に陥ったり自ら死地に飛び込めば自分を顧みずに助けにいくし、リガ・ミリティアもそこらを利用してウッソを仲間にしようとしていた。
彼女の存在が最後までウッソを支えていた事には変わりなく、ここがカテジナとの違いでもあった(カテジナにもクロノクルという拠り所が居たが、真に分かり合っていたには程遠いかった)。



漫画版


「よォ!オレ、ウッソ・エヴィンってゆーんだ!!ヨロシクな!!」

上記の真面目なウッソ君とは違い、破天荒で支離滅裂で活発な少年であり、アニメとは180度性格が違う。

これはアニメ版があまりにもシリアスに仕上がった為、漫画では出来る限り子供にも受ける内容にしようと試行錯誤した結果である。
そもそもVに限らず、ガンダムのコミカライズは大抵低年齢層の読者を対象に想定している場合が多く、
主人公は熱血要素が増し、物語は戦闘描写を重視する傾向が顕著に見られる。

…が、あまりにもはっちゃけ過ぎなので多くの人からは「誰だお前」と突っ込まれたりもした。
特に電子レンジにいれられたダイナマイト発言は有名であろう。
だが仲間を思う心は忘れず、悩んだりせず*2に前向きに生きる姿は多くの子供達を惹き付け、結果的に漫画版は問題なく終了した。

闘志に火が点いた時の顔つきが異様に男前。
また、ビームライフルをオート発射にしたまま敵に投げつけたりビームシールドを展開したまま回転して突撃したり、
ビームサーベルを七本束にしてVガンダムのエネルギーに直結(ウッソくんの大発明)したりと、トリッキーな戦法を多用する(むしろこっちの方が色濃くなってる)点はアニメと同じと言える。

なお、リガ・ミリティアにはシャクティとかその辺全く関係なく、ザンスカールと事を構える気は全くなかったのにマーベットに完全にハメられる形で仲間入りすることになった

○SD外伝では

Vがモデルとなっている『ナイトガンダム物語』では残念ながら未登場。
続編でGガンモチーフの『黄金神話』にてミリティア王国の少年王ウッソとして登場を果たした。
SD外伝の原作主人公ポジションだと恐らく最も身分が高いキャラと思われる(まあ『鎧闘神戦記』のヒイロも最終的に神になるし、後に『創世超竜譚』でアイーダベルリがアメリア王国の王子姉弟として登場するし、王子なら『ジークジオン編』のカミーユや『機甲神伝説編』のコウの前例もあった)。


●余談

  • 名前の由来は「嘘」と「鋭敏」
    主人公の名前としてはあんまりな由来だが、「こんなハイスペックなガキがいるわけねーだろ」という意味を込めているらしい。
    OPで桜の枝を持っているのもジョージ・ワシントンの有名な逸話から。
    後にVの裏側を描いた外伝作品で、ウッソと名前が対になっているフォント(本当)という主人公が登場している。

  • 演者の阪口大助氏は当時19歳のド新人で、これ以前は『美少女戦士セーラームーン』のモブしかやった事が無いほどのペーペーであった。
    従って序盤はかなり演技がたどたどしく、スタッフからかなり怒られていたらしい。その甲斐あって後半では鬼気迫る演技となり、以降の阪口氏の芸風の根幹を為すこととなる。
    なお阪口氏は「僕はガンダムに乗れたら声優辞めてもいい」とうそぶいていたらしく、その事を後でネタにされるとズゴックに乗るまで辞めない」とジョークを言っている

  • フルチン姿(第29話)という歴代ガンダム主人公*3でもおそらく彼が最初で最後であろう恥ずかしい恰好をさせられた人物。(全裸シーンだけなら『』のロランなどもあるが、さすがに股間は見えないようになっている。)

  • 母親「ミューラ・ミゲル」と、逆襲のシャアに登場する「ナナイ・ミゲル」の姓が同じことから、「ウッソはシャアの孫なのでは?」という説が流れたことがあったが、富野御大により直々に否定された。

  • 母親が凄惨たる死に方をした時のウッソの台詞は、その場面と相まって視聴者に凄まじい印象を残した。

  • 印象的でよくネタにされる台詞「おかしいですよ、カテジナさん!」は36話で発言した一度のみしか言っていない。
    ちなみに類似した台詞「カテジナさんおかしいよ。おかしいですよ。」は27話で使われている。

  • 長谷川裕一による漫画「機動戦士Vガンダム外伝」ではザンスカールの特殊部隊に撃墜され、その際「木星じいさん」ことグレイ・ストーク氏と出会った。
    (ただしあくまで外伝漫画なのでオフィシャルな設定ではない)



●主な台詞


「宇宙にいる奴は宇宙にいろ!」

「…母さんです」

「荒んだ心に武器は危険なんです、クロノクルさん!」

「怖いだろ?怖いだろッ!いっぱい怖がるんだ!!」

「次の命を生んでくれる女性達のために……、か」

「戦争で世界を変えられると思うのは、おかしいよ!」

「憎しみだけの心は自分を殺すぞ!」

「力には力などと!」

「お母さんをやりたいのなら…自分で子どもを生んで、自分でやってくださいよ!!」

「怖いだろッ?怖いだろッ!?戦うのって怖いんだよッ!!」

「泣いてなんかいません。泣いて大人になるなんて悲しすぎるじゃないですか…」

「子は親を越えるものです…、親は子を生んで死んでいくものなんです!それを忘れたこの作戦は、もともと敗れるものだったんですよ!」

「なんで、なんで裸の女の人なんだ!なんで!?
こんな……うそだ!嘘だ、ウソだ!!」

「あなたは家の二階で物思いに耽ったり、盗み撮りする僕を馬鹿にしくれていれば良かったんですよ!」

「こんな…こんな汚い手を使う人に、僕は恋などしませんよ!」

「ガンダムよ!天に昇れ!」

きさまは電子レンジにいれられたダイナマイトだ!メガ粒子の閉鎖空間のなかで分解されるがいい!!




憎しみだけの追記・修正は自分を殺すぞ!

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  • 53位
  • ガンダム登場人物項目
  • 坊ちゃん刈り
  • シャッコー
  • 富野作品主人公
  • ※金曜夕方17時です。

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最終更新:2024年03月02日 15:30

*1 身体的・MS操縦などの能力はスパルタ教育により最初から極めて高い

*2 さすがにオデロに「お前の事を弟の様に思っていた」と言われて目の前で死なれた事には下手すると母親の死以上にショックを受けており、オデロをいたぶった部隊を怒りのままに殲滅した後にどん底までクールダウンして「もう人が死ぬのは嫌だ」と戦闘を放棄しかけている。

*3 主人公以外では『1st』第22話でカツ&レツが入浴場面でしっかり見えているなどの前例はあり。