ダンタリオン(灼眼のシャナ)

登録日:2012/04/07(土) 10:31:02
更新日:2024/02/11 Sun 03:26:05
所要時間:約 9 分で読めます




「ェエークセレント! ェエーキサイティング!!」

ダンタリオンは『灼眼のシャナ』に登場するキャラクター。初出は6巻。


この世の歩いてはいけない隣にある異世界“紅世”の住人である異世界人“紅世の徒”の一人で紅世の王に数えられる。炎の色は馬鹿のように白けた緑。
無駄にテンションの高い口調の持ち主で、作中でも番外編で「無駄に文字数を使う」とツッコまれた。

真名は“探耽求究(たんたんきゅうきゅう)”。教授とだけ呼称されることも多い。
自在法や宝具、さらには徒やフレイムヘイズに人間まで、この世や紅世双方の研究と実験に励むマッドサイエンティストで超の付く変人
非常に優れた技術・知識・才覚の持ち主で天才と呼ばれ、力そのものもそれなりに強いが、それだけに非常に性質が悪いと言える。
しかし請われれば自身の知識や技術を提供することに抵抗はなく、自身の利益にも頓着しない。
これは彼の精神の根底に「紅世の徒」という種族の前進にこそ意義を見いだす無私の精神があるためである。
ちなみに現代多用される自在法『封絶』の原型となった自在式を作った人物でもある。


その場その場で興味や欲望の対象がコロコロ変わるため行動原理が読めず、
『我学』と呼ばれる教授独自の技術・理論を使った装置や道具(『我学の結晶』と呼ばれる)を用いて様々な事件を引き起こす。
たまに周りから協力を求められることもあるが、大抵の場合周りに大迷惑が起きることからフレイムヘイズのみならず徒にも彼を忌避する者は多い。
その一方で、後述の理由により関わって酷い目にあった者のほとんどが「もう二度と会いたくない」と教授との関わりを避けるため、
積極的に教授を狙う者もほとんどいない。
何度も大迷惑を被りながらも教授の関心の持つ事柄を提示して「比較的上手く」その技術力や発明を利用している“逆理の裁者”ベルペオル
教授に作り出されたフレイムヘイズという因縁から積極的に実験を邪魔しているサーレ・ハビヒツブルグなどは珍しい部類である。ちなみにこの2人は教授からは「シイタケより嫌いなもの」として挙げられている。
本編で彼に友好的だった人物はヘカテーのみ。その性質が創造神に近しいが故のことらしい。


固有能力は『物質の具現化』。
本来徒が自身の体以外に行う顕現(自在法)は、現象としての一時的な干渉であるのだが、
教授はこれを他の物資として永続的に実体化させるという特異独自の力を持つ。
簡単に言えば、エネルギー状態に変換されたこの世の“存在の力”を新物質として再びこの世に定着させているようなもの。
『大地の四神』の還元能力にも似ているが、教授が作り出す物質はこの世の物体とも異なり、
宝具とも異なる「宝具であって宝具でない」性質を備えており、『我学の結晶』はこの素材にこの世の物質を組み込んで生み出される。
教授の発明が特異かつ(無駄に)便利な能力を持つものが多く存在するのも、これに由来する部分が大きい。
ただし殆どはガラクタ。有用なものも多くが本人にしか使用/整備できない(例:新世界で2年経っても再起動できないとぼやかれた悠二の竜尾)が、
然るべき改善を経れば広く活用されることは『封絶』が証明している。

特にステレオタイプな「マッドサイエンティストのお約束」的なことを好んでおり、
腕ときたらロケットパンチとして飛ばす、サブラクの剣を勝手にドリルに改造、自爆装置が好きで目の前にあるとつい押してしまうなど問題行動が多く、
いかに状況がシリアスでも気が抜けるためそういった意味でも厄介。

彼の前では使命に純粋で生真面目なシャナカムシンさえも(ある意味で)酷い目に合わされている。
シャナ→因果をねじ曲げる撹乱による転移で足元にバナナの皮を出現させられてすっ転ぶ、
御崎市を消滅させる最後のキーである列車内に閉じ込められたところを毛虫爆弾を浴びせられて涙目に※しかもその毛虫爆弾を振り払う為に炎出したらその炎を燃料にして列車が目標地点へ超加速
カムシン→瓦礫の巨人に鬣、銀のモール、毛糸の靴下、ペンキ、鼻眼鏡、*1を付けられて周りに不審な目で見られる
など。


また、あり得ないほど優れた技術を持つ反面、その場で思いついた名案で自分に課せられた責任や義務などを全てほっぽり出して別のことに全力を尽くすなど、
欲望に忠実な徒の中でもさらに極端な性格の持ち主。
それでいて実験の失敗を悟ったり、成功前に自身の身の危険が迫ると凄まじい生存本能であっという間に逃げてしまう。
前述のように、単純な力自体も「王」の名に相応しく高いため、正面切った奇襲でも一気に滅ぼすことは困難で、しかもその力の全てを「逃げ」の一手に注ぎ込んでいるため非常にタチが悪い。
フレイムヘイズに頼まれて宝具を強化したかと思えば、敵側にも同じ強化を施して双方に甚大な被害を出す、
協力関係にあった王をその場の名案で行った実験で滅ぼす(そして自分はちゃっかり生き延びる)など問題行動が多く、前述のこともあって付いた異名が『この世で最も始末におえない“徒”』
特に悪名高いのが「契約のメカニズムの解明」と称して行った『強制契約実験』で、
その名の通り強制的に紅世の徒に人間と契約を結ばせてフレイムヘイズにするというもの。

これにより、この世に渡ること無く紅世で暮らしていた多数の徒がこの世に強制的に引きずり寄せられ、
この世を跋扈する徒が乱した『両界の狭間』の嵐に飲まれて多数が死亡した。


運良く無事に契約を結んでも、強弱だけでなく欠片も使命感を持たない徒を宿しフレイムヘイズとなった人間は、
徒に襲われて殺される、世を乱してフレイムヘイズに討たれる、人間に追われる、さらには発狂・自殺も相次いだ。

そしてフレイムヘイズにとっても世を乱すフレイムヘイズを生み出されて迷惑を受け、
この世を跋扈する徒にとっても一時の興味で天敵を増やされ、さらにはサーレのような強力な討ち手すら誕生する迷惑を被った。

要は教授以外誰も喜ばない実験だった。
特に「この世にいながら紅世の徒を大量に死に至らしめた」という点は大きな脅威と見られたようで、
フレイムヘイズ陣営からは「世界の構造を弄りバランスを左右する暴挙に出る者」として棺の織手と並んで名前が挙げられている。


○カンターテ・ドミノ
「はいでございますー!教授」

教授の助手であるロボット型“燐子”。正式名称『我学の結晶エクセレント28-カンターテ・ドミノ』。
人間と比べても何ら遜色ない高度な意志総体を備え、自在法や宝具の制御なども可能とするなど、かなり高水準。
戦闘能力は高くないが、教授の実験の手伝いや、頬を抓られてのストレス解消などに役だっている。



以下ネタバレ注意


  • 作中での活動

数百年前に起きた“紅世の徒”とフレイムヘイズの史上最大の戦いとなった大戦(おおいくさ)では、
直接は登場しないものの、とむらいの鐘(トーケン・グロッケ)の首領“棺の織手”アシズが“両界の嗣子”の作成に用いていた自在式『大命詩篇』の流出の原因だった。
つまり大戦が起きた原因の大きな一つはこの人である。何やってんだアンタ

その場の名案で仮装舞踏会(バル・マスケ)にとって門外不出の自在式を勝手に持ちだした上に、
危機に陥った際にあっさり手放した挙句、そのことを忘れたとか。

本人がそのことを口を滑らしたことで発覚し、ヘカテーの共振を頼りに世界中を探して発見した時にはアシズの計画の中核になっていたため、
本来なら無視を決め込む『大戦』のような状況に仮装舞踏会が大々的に参戦する羽目になった。

ちなみにこの際に持ちだした大命詩篇で実験されていた『改変』用の仕組みはその後ヨーハンに技術盗用され、
後の新世界を巡る攻防の際に流用された模様。ホントになにやってんだアンタ

ドミノ《えー、どうも打ち込まれた瞬間、代案更新機能を稼働させることで、一気に大量の式を書き換えたよう……あれ、この手法と式の構成、教授が昔、試してた改変実験と同じいたたた》


100年ほどの前のハワイでは革正団に協力し、火山のマグマを利用したエネルギー研究及び、
サラカエルの能力の特性も合わせて全世界に電波に乗せて自在法を発信するという一大実験に取り組む。

最終的にサーレとキアラ、『約束の二人』により阻止されるが、この際『零時迷子』に興味を持ち、後のその機能の本質を解き明かすことになる。
「まあ、そぉーれなりに成果もあぁーりましたねぇー。まぁーともな方法でエッネェールギーの変換を行なっても“存在の力”は生ぅーみ出せない……やぁーはり人間を変っ換することでしか得ぇーられないのか!?
かぁーつての『都喰らい』が起こした変っ質は、混ぁーざった人間による連鎖反応、チェ――ンリアックションなのか!?
かぁーねてより純度の問題と言ぃーわれていましたが、どぉ――うも質そのもの……
しかし、あの『零時迷子』ならば賄うのも可能か……ぬぅうううう!なぁーぜに成果よりも疑問、疑問疑問疑ぃー問だらけに!?」

本編では6巻に登場。
歪みを極限まで拡大させた先の秩序の崩壊に興味を持ち、歪みを均す『調律』を利用して実験を行おうと、
フリアグネと愛染の兄妹によって食い荒らされた御崎市に目を付けて、
街の各所に配置した特製の自在式でミサゴ祭りの日に発動したカムシンの調律の自在式『カデシュの血印』を乗っ取り、同時に駅を巨大な『逆転印章』*2に改造、
自身の乗る列車を最後のピースに歪みの極限の拡大を行おうとした。

最終的にはシャナたちに阻止され失敗。
その後は零時迷子の奪取に算段が付いたことを聞いて『星黎殿』に向かい、『大命詩篇』や『大命』のための自在式の解析や起動準備、装置の開発・調整を担当。

最終決戦で遂にサーレとキアラに倒された。
倒された状況に呆然とした仮装舞踏会の重鎮、マモンはその隙を突かれてキアラに致命打を食らうことに。消え方まで傍迷惑な人物であった。
が、厳密には敵を両界の狭間に飲み込ませる爆弾「揮散の大圏」(正確にはその機能を搭載した鉄巨人)で飛ばされただけなので、実際はまだ生きているかもしれない。
ちなみにこの時も脱出装置を用意していたが、偶々彼のいた塔に吉田さんやヴィルヘルミナと避難していた百鬼夜行のパラが用途は分からぬものの用心で機能を麻痺させたため脱出に失敗している。
だがそのせいで残された「揮散の大圏」の機能が暴走。結果それぞれの大切なものを守るため、目につく範囲にあった鉄巨人を引き寄せたマモンと、塔の人がいる部分を庇ったカムシンがその命を散らすことに…。

新世界創造から2年後には、教授の信奉者たる“徒”の集団[轍(ラット)]が出現している。
彼らが「神門」のまがい物を作り、狭間に放逐された教授を招き入れようとしたが、シャナ悠二に阻止されている。が、この時二人が「神門」もどきの向こうに教授の気配を感知しており、どうもまだ健在の模様。
もし新世界に来てしまったら本当にどえらいことになるだろう……。




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  • 天才という名の天災

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最終更新:2024年02月11日 03:26

*1 それぞれ猛烈に光って視界を眩ませる、高圧電流が流れる、勝手に動いてコントロールを奪おうとする、飛び道具を誘導し回避を困難にする、幻惑を見せる

*2 自在式に干渉し、発動する自在法の効果を逆転する自在式。本来は敵の自在法に対する防御に使う。