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更新日:2024/04/16 Tue 22:15:50
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卑怯者がローエングラム王朝において至尊の座を占めることは決してないと!!
ラインハルト・フォン・ローエングラム(帝国暦467~新帝国暦003)は
銀河英雄伝説の登場人物。
ゴールデンバウム・ローエングラム朝銀河帝国における君主・軍人・政治家。
ローエングラム朝銀河帝国の開祖であり、その類稀な軍事・政治的才覚によって銀河連邦以来5世紀ぶりとなる銀河統一政権を誕生させた。
■[来歴]■
帝国暦467年(宇宙暦776年)3月14日、帝国の首都星オーディンに下級
貴族セバスティアン・フォン・ミューゼルの長男として生まれる。
幼い頃、事故で母クラリベルを失い、5歳年上の姉アンネローゼにより育てられる。
また、この時期に唯一無二の親友となるジークフリード・キルヒアイスと出会い、暫くは平穏な少年時代をすごす。
しかし、10歳の時、アンネローゼが宮内省の役人に見いだされ、皇帝
フリードリヒ四世の後宮に召されたことが彼のその後の人生を決定づける事となる。
姉を奪った皇帝への憎悪、そして姉を取り戻す為、銀河を手に入れるという自らの覇業の為に
ゴールデンバウム王朝の打倒をキルヒアイスと共に決意。
その後、キルヒアイスと共に帝国軍 幼年学校に進学、幼年学校卒業後は特別待遇で少尉から軍歴を開始する。
その後、数々の戦役に参加し武勲を重ね、軍人として栄達していくと共に自らの陣営を拡大させていくことになる。
帝国暦487年には
アスターテ会戦における勝利の功積により帝国元帥、同年の
アムリッツァ会戦での功績で宇宙艦隊司令長官・侯爵と軍の実権を掌握。
この時、生涯溺愛したという新造艦のブリュンヒルトを受領している。
ゴールデンバウム王朝最大にして最後の内乱となった
リップシュタット戦役では帝国軍最高司令官となり門閥貴族勢力を打倒。
同時に帝国宰相
リヒテンラーデ公も排除し、帝国宰相も兼任、国政の実権を掌握し、事実上の支配者となる。
その後、行われた同盟領侵攻作戦「
ラグナロック作戦」においても自ら総司令官として全軍を指揮し、フェザーン自治領と自由惑星同盟を制圧・併呑を果たす。
翌年の宇宙暦799年/帝国暦490年/新帝国暦1年にはゴールデンバウム朝から皇帝位を禅譲される形で、23歳にしてローエングラム王朝を建国、初代皇帝ラインハルト1世として即位する。
新帝国暦2年には当時、首席秘書官兼大本営幕僚総監であったヒルデガルド・フォン・マリーンドルフを皇后に迎え、翌年には後のアレク1世となる長子、アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラムを得ている。
その後の帝国内での反乱や動乱おいても常に陣頭指揮を執り続けるも、その激務の為か「変異性劇症膠原病」後に「皇帝病」と呼ばれる奇病に冒され、急激に容体を悪化させる。
その後容体が好転することなく、新帝国暦3年(宇宙歴801年)7月26日、25歳で崩御。
在位は満2年余であった。
臨終の言葉は、
であったという。
■[人物・能力]■
その軍事及び政治的才覚や、5年という短い月日の間に銀河統一政体であるローエングラム朝を創り上げた功績から、「銀河の覇者」として多くの歴史家から高く評価されている。
軍事面においては常に自軍の優位な状況を創り上げ戦闘に臨んでおり、常に優位な立場で戦場を構築する戦略家であったが、戦術面においては攻勢を主とする勇将という一面も持っていた。
その為、生涯において常に勝利を手にしてきた彼を当時の自由惑星同盟軍の宿将であった
ヤン・ウェンリーと並び
「戦争の天才」「常勝の英雄」として当時や現在においても高い評価と共に現在においても軍事研究における対象となっている。
反面、彼を含めた上級大将以上の幹部がなまじ有能過ぎて積極的に(悪く言えば出しゃばりすぎと言える)指揮や陣頭に立ち続けたために大将級以下の将兵たちが経験や能力不足のままとなってしまい、大きく精彩を欠き失態を犯すことが多くなってしまった。
また、「戦う前から勝利はほぼ確定済みで後はほぼ消化試合同然」という極端すぎる優位性は上記の若手士官たちの経験不足だけでなく「帝国軍に敵はいない。敵は全て弱い」という錯覚や敵対者に対する慢心、門閥貴族とは異なる方向性で自己過信を抱かせることにも繋がり、不測の事態などで窮地に陥れば瞬く間に機能不全を起こして醜態を晒すようにもなってしまい、ミッターマイヤーは「勝ち慣れて逆境に弱くなったようだ」と苦言を零すほどである。
この難点が得に表れたのがリップシュタット戦役であり、完勝同然であったはずが最後の最後でラインハルトを含めた幹部たちまでもが取り返しのつかない大失態を犯してしまったほどである。
結果、最終的な勝利を得ることはできてもラインハルトが望む「完全な勝利」は一度として手にすることはできなかった。
一方で、私生活においては質素倹約を旨とし、ある一つの事柄を除いて特定の趣味もなく、異性に対しても興味のなかった彼を、後に彼の義父となるフランツ・フォン・マリーンドルフをして、
「異常な才能はその代償としている分野における欠落を強いるものかもしれない」
と評している。
事実、彼とヒルダとの結婚とアレク1世の誕生は全くの偶然にすぎず、「これこそがローエングラム朝における最大の危機であった」という歴史家は少なくない。
■[後世における評価]■
後世における彼の評価は彼の偉業を以って「歴史上屈指の覇者であり支配者」という評価で一致している。
一方で、彼の対しての批判もまた少なくない。
それは特に人格面に起因するものが多くを占めている。
それは彼の唯一の趣味であった「戦争」であった。
彼の好戦的な性格によって合理的に考えれば不要であったはずの戦いも少なくなく、特に自由惑星同盟軍のヤン・ウェンリー提督との間で行われた「
回廊の戦い」が最もたる例で、この戦いは当時の軍務尚書であったオーベルシュタイン元帥から、
「皇帝の誇りによって数百万将兵の白骨を朽ちさせる結果を生んだ」
と痛烈に非難されている。
その為、後世の一部の歴史家からは
という言葉で痛烈に批判されている。
また、彼が在位当時において行われたその施政は民生よりも軍事に関するものが多くを占め、その武断的な政治姿勢や軍部独裁体制はローエングラム王朝の政治体系を軍事色の強いものと決定づけることになる。
無論文官からも優秀なものはためらわず登用し重用もしたが、それでも最高意思決定における御前会議の出席者は軍部側のみだったところは、バランスを欠いた統治だったと言われても仕方がないだろう。
彼の支配した旧同盟領においては軍高官による統治が行われたが、最終的に暴動やローエングラム朝初となる内乱が発生し、その鎮圧にあたって武力を以ってしか臨まなかった事や、その鎮圧後の対処も決して十分とはいえず動乱の火種を後世に残したまま舞台を去った彼を、一部の歴史家からは、
「カイザーラインハルトは征服者でとしては比類なかった、しかし統治者としては三流であった」
「皇帝ラインハルトはその早世によって名君となった」
と痛烈に皮肉られている。
■[係累]■
ラインハルトの首席秘書官にして皇妃。
快活な性格と先見性のある知見を持ち、男として生まれ育っていたのなら旧王朝でも順当に出世ができたと見込まれる程の才女。
ラインハルトとは当初「フロイライン」「閣下」と、婚姻後ごく僅かな時期に「ヒルダ」「ラインハルト」、その後は「皇妃(カイザーリン)」「陛下」と呼び合うようになった。
- アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラム
ラインハルトが唯一残した自らの子供。
実は一緒に過ごした期間は僅か一週間で、その間に親友の名前と生涯の友となる存在のみを遺している。
ラインハルトの姉にして、彼が全銀河系を支配するきっかけとなった存在。
ラインハルトとは共依存に近しい関係にあったがキルヒアイスの死に伴い強く突き放し、以後結婚に至るまで直接対面する事はなかった。
父。
下賜金を受け取ってアンネローゼを皇帝へ受け渡した時は、強くラインハルトから罵倒され、以後生涯に渡って恨まれる事となる。
回想では常に飲酒している状態でマトモな描写が無い。
■[余談]■
皇后ヒルダはラインハルトと婚約前に一夜を共にしておりその際に皇太子を身ごもっている。
その為一部の者からは、
「カイザーラインハルトは昼においても夜においても常勝の王者である」
という冗談がまことしやかに囁かれていたという。
ちなみに、この一夜の原因は、かつてのヴェスターラントの惨劇の生き残りが、あえてそれを見逃したラインハルトを暗殺しようとしたことによる。
彼のラインハルトを激しく糾弾する言葉に、見逃した責任を痛感したラインハルトは自分を強く責める。
それを見かねたヒルダが彼を慰めたところ……
「余は一人でいることに耐えられそうにないのだ。頼む、余を一人にしないでくれ」
かくしてベッドインへ……というわけである。
なお、ヒルダと寝た翌日、ラインハルトは責任を取るべく、ミッターマイヤーに相談して買い求めた花束を持って、求婚に訪れたのであった。
この時のラインハルトの顔や表情は必見。
破壊力抜群である。
ラインハルトは帝国暦482年に少尉として任官し、487年に元帥号を授与されている。
これは彼がわずか6年の間に11階級昇進したことになり、これは当時のゴールデンバウム王朝においても異常な昇進速度であった。
その為、当時の門閥貴族や軍上層部においては彼を「スカートの中の大将」と揶揄していたという。
これは皇帝の寵妃の弟という立場からの妬みや嫉妬の類であったが、一方で彼の栄達に対して皇帝の寵妃であった姉の影響が全く働いていなかったという意見に対しては否定的な意見も多い。
それは彼の近代的軍事組織においては異常な昇進速度だけではなく、盟友であったキルヒアイスが一度もラインハルトの下から転属する事がなかった事からも明らかであり、これを以って「スカートの大将」という彼らの評はある意味で的を射ていたという評価も少なくない。
しかしその評価によってラインハルトの実力は、実績を重ねてもことさらに低く見られていた。
この過小評価が、彼を帝位を簒奪できる位置にまで到達させた一因となったのもまた皮肉な事実である。
- ↑統治者になるつもりはあったと思うよ。皇帝を目指す目的は姉上だけでなく帝国の腐敗を正すことでもあるわけだから。ここに限らず「ラインハルトは軍人として天才でも政治家としてはそれ以下」みたいな風潮がある気がするけど、少なくとも原作では軍事と同じくらい政治的にも有能だったと書かれてるはず。曰く生前の業績は「"上からの革命"と呼んでもさしつかえなかった」そうな。体調の悪化も政務による過労が原因の一つだろうし、死んだ時もさらなる改革を構想中だった事が仄めかされたりもしてるし。戦争の方がモチベーションが高かったとしても、政治にもそれなりの情熱を持っていたと思うけどな。 -- (名無しさん) 2020-09-23 12:27:32
- 政治面で部下が有能だったというのもむしろ逆で、シルヴァーベルヒを失って以来穴を埋める人材がいなかった事がラインハルトの負担に繋がったと書かれてるんだけどね。それでいて「若い美貌の皇帝は、地位と権力に付随する義務をおろそかにすることはけっしてなかった」からヤンが死んで燃え尽きて以降も内政面で無理をして体を壊す結果になった。だから軍事だけじゃなく政治にも(文字通り死ぬほど)精力的すぎるくらいだったというのが正しい。アニメや漫画ではこの辺りは分かりにくいかも知れないけどね。 -- (名無しさん) 2020-09-24 19:53:46
- 軍事も政治も天才的だったし民を慈しむ心をもった善良な人だったけど、 -- (名無しさん) 2020-12-26 12:57:42
- ↑それらの長所を潰してしまうほど血の気が多かったってことだと思うぞ -- (名無しさん) 2020-12-26 12:58:15
- ↑2でもラインハルトはオーベルシュタインの提案とはいえ、アムリッツァの時に事実上、5000万人もの民衆を戦争の道具に利用しちゃってるんだよね。暴動で犠牲が出て民衆から文句言われたとしても「それは同盟のせいだ」と言い張ることはできても、その前の物資を取り上げたことによって飢餓による犠牲者も少なからず出したと思うから、それで追及されたら言い訳はできん。 -- (名無しさん) 2021-01-22 14:55:42
- まぁそこら辺は現代と違って兎に角命の価値観自体が軽いしな。同盟だったら焦土作戦とかできないし。 -- (名無しさん) 2021-01-22 15:15:42
- ワインを吸い込んでしまう紙束作戦とか、ヤンとやったウロボロス陣形とか、絶対やりたくない。そんな消耗戦の最前線やらされる兵の身になってみろよ、と思う。他に手は無かったのか?と疑問を持たざるを得ない。ワインのあれは実際批判されてたけど -- (名無しさん) 2021-02-27 16:57:24
- 即位後に長生きしてれば善政を敷いただろうけど、民を慈しむ心がそんなにあったかは微妙、虐殺に罪悪感を持つくらいには人間性も倫理観もありはしたけど -- (名無しさん) 2021-03-06 08:37:26
- 尚、pixiv百科事典にはDIO、大魔王バーン、ギルガメッシュと並ぶ「悪のカリスマ」として名前が挙げられている。名前を書き加えたのは同盟人か門閥貴族の祖先かもね。 -- (名無しさん) 2021-07-09 18:39:33
- 統治者となるならアンネローゼとキルヒアイスが隣にいることが絶対条件、その二つがない以上覇王の道しかなかった -- (名無しさん) 2021-07-20 11:14:32
- ラインハルトは人格的には欠点だらけだしやってることもエゲツないのでアンチが多いのは道理ではある。でも、ラインハルト以外に最終的な人類世界の統一とリスタートが可能だったかと問われるとヤンですらムリゲーなので、良くも悪くも英雄という人種の本質を行くキャラだと思う -- (名無しさん) 2021-09-23 00:23:46
- リアルに現れたら速やかに死んでほしい -- (名無しさん) 2022-03-31 13:54:51
- 最近読んでみたけど、言うほど戦争好きか?って感じた。まぁキルヒアイスを失った虚しさを、ヤンとの無意味に正々堂々とした戦で代償行為とした、って言われたら否定できないが…(ヤンと本格的に衝突する前は割と汚い策謀も使って、被害の少ない勝ち方をしてた) -- (名無しさん) 2022-04-09 16:17:11
- 他人の国に工作員を送り込んで、クーデター起こして移動要塞を -- (名無しさん) 2022-04-22 14:03:46
- 差し向ける時点で手遅れ -- (途中で失礼) 2022-04-22 14:04:57
- 後世の歴史家の間では「名探偵ラインハルト」の逸話はどう評価されてるんだろうかなあ -- (名無しさん) 2022-07-23 21:33:08
- 政治家としてそんな有能だったかは疑問もあるが、腐敗した敵陣営と戦以外アレのヤンが相手だったのが幸いして戦略的に終始優位を形成出来てた。その点で政治力の肝心さを実感させてくれるキャラ -- (名無しさん) 2022-08-03 13:52:05
- 門閥貴族って言い方で勘違いするが、言わば独立した国家共同隊と戦って -- (名無しさん) 2022-08-03 13:59:40
- 独立した国家共同体と戦って勝ったわけだしな -- (途中で失礼) 2022-08-06 08:55:50
- オトフリート4世が庶子を三桁も大量生産して貴族各家にバラ撒いたらしいけど、ミューゼル家とかロイエンタール家とかにも、その庶子の血が流れてる可能性もあるんだろうか?ゴールデンバウムの血を嫌った彼らにその血が流れていたら、ちょっと皮肉っぽくて面白いけど。 -- (名無しさん) 2022-08-19 22:33:57
- ↑血以前に、ラインハルトやロイエンタールの先祖に限らず、当時の帝国人でかつてルドルフの率いた国家革新同盟の党員か政権の支持者でないのっているのかな -- (名無しさん) 2022-08-19 22:38:52
- やってることやらかしたことの是非はあれども、最初から最後まで割とブレなかったし、後に歴史家達からめっちゃ皮肉られたりと称賛一辺倒じゃない所がむしろ好きだな -- (名無しさん) 2022-08-24 15:14:27
- ↑2流石に500年も昔のご先祖様の事で責められても... -- (名無しさん) 2022-12-24 09:20:06
- もしも長生きしたらゴールデンバウムを超える、晩節汚し独裁者になってた可能性が少なくなかったり? -- (名無しさん) 2022-12-24 09:32:30
- ↑平和な時代の君主や独裁者に一番必要な能力は自制心だからな。言ったらなんだがラインハルトは乱世の英雄には成れても平時の名君には成れないと思う -- (名無しさん) 2022-12-24 10:17:09
- 「清平の奸賊、乱世の英雄」って感じかな -- (名無しさん) 2022-12-24 10:49:03
- 生来の摂生な性格から暴君化は低いと思うが、平世の統治は平凡で乱世こその人だったのは間違いなさげ。本人のヒルダの方が上だからってノロケでもなくガチではあると思う。 -- (名無しさん) 2022-12-25 07:26:41
- なんてゆ~か立場としてはバルベルデ軍司令官たちと変わんないのに三国志とかの偉人みたいな言われ方して違和感を感じるのは -- (名無しさん) 2023-05-26 23:24:39
- カイザーも加藤恵には勝てなかったか… -- (名無しさん) 2023-06-08 17:10:00
- 平和と言う名の退屈に耐えられる人間が王者と呼ばれ、耐えられない人間が覇者と呼ばれる -- (名無しさん) 2023-08-17 08:26:21
最終更新:2024年04月16日 22:15