ウェイバー・ベルベット

登録日:2009/06/18 Thu 18:43:04
更新日:2024/02/05 Mon 17:22:52
所要時間:約 19 分で読めます


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FGO Fate GO TYPE-MOON Zero ウェイバー・ベルベット エルメロイ教室 キャスター グレートビッグベン☆ロンドンスター スピンオフ主役 ナルシスト ヒロイン プリズマ☆イリヤ プロフェッサー・カリスマ ヘタレ マギカ・ディスクロージャー マスター マスター・V ロード・エルメロイⅡ世 ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 一流講師 三流魔術師 井の中の蛙大海を知る 凡人 女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男 学生 学部長 幸運 幸運:EX 征服王ガチ勢 忠臣 愛すべきヘタレ 教師 時計塔 浪川大輔 現代魔術科 現代魔術科学部長 生きろと命じられた 疑似サーヴァント 真のヒロイン 童貞 絶対領域マジシャン先生 萌えキャラ 補正 諸葛孔明 超ラッキー 魔術協会 魔術師


ボクは――あの人の臣下だ

ボクは『生きろ』と命じられた



ウェイバー・ベルベット(Waver Velvet)は『Fate/Zero』の登場人物の一人。
その後は、色々あって「ロード・エルメロイⅡ世」と名乗るようになる。

声:浪川大輔


●目次

◇プロフィール

身長:157cm(Zero時点)、186cm
体重:50kg(Zero時点)、68kg
血液型:B型
年齢:19歳(Zero時点)
誕生日:10月3日
イメージカラー:ウォームグレイ
特技:推察、要点の整理
好きなもの:パズル全般、推理小説
苦手なもの:腕力
天敵:自分

◇『Fate/Zero』での概要

本作で描かれる第四次聖杯戦争におけるライダーのマスター。
魔術師としてはベルベット家三代目だが、本格的に魔術を学び始めたのはウェイバーが初めてのため、実質初代にあたる。
歴史の浅い家柄、かつ本格的に魔術を学んだのがウェイバーからということもあり、魔術回路も刻印もお粗末。
そのことにコンプレックスを持ち、他の魔術師たちとの差を努力と才能で埋めようとしているが、時計塔内では軽んじられている。


◆第四次聖杯戦争への参加動機

自身が魔術について執筆した論文を、講師であるケイネスに妄想だと断じられ、破かれた事で妬みを持っている。
ただ、当人は大作だと自負していたが、魔導書の閲覧許可もまともに得られない状況で書いている時点でいくら理路整然と書こうと仮説以上にはならないと思われ、
ケイネスが妄想だと断じて取り合わなかったのもある種当然という部分もあり、ウェイバー本人も後に自身の黒歴史としている。
アニメ版では他の学生も集まった講堂で破かれて実質晒し者にされていたので、恨む気持ちも分からなくはないが、
原作ではケイネスと一対一の状況で叱責されただけなので、完全に逆恨みである。

その逆恨みを引きずったまま、ケイネス宛てに届けられるはずだった聖遺物を盗んで、ライダーを召喚して聖杯戦争に参加する。
参加動機は、自分を軽んじる時計塔の者たちに自分の才能を認めさせる事であった。
この点については、特に聖杯に掛ける願いを持たず、自身に「武功」という箔をつけるために参加したケイネスと似ている点もある。


◆人物

時計塔で認められなかったことを根に持っているため、本編ではやや鬱屈とした言動が見られ、
召喚したライダーに背丈や参加動機も含めて『小さい』と喝破されている。
一方で、キャスター陣営によって死後も弄ばれた犠牲者の有様を見て思わず嘔吐するほど衝撃を受ける、
下宿先のマッケンジー夫妻には暗示をかける以外のことはせず、祖父母想いの孫のように振る舞い、気を遣うなど、良心的な人柄をしている。
ライダーの破天荒さに振り回されてはツッコミを入れるどつき漫才めいたやり取りをしており、
ウェイバーは度々苦情を漏らしているが、そこにさほど険悪な雰囲気はなく、「凸凹コンビ」と言われるほど結構仲が良い。

自らを優秀と信じて憚らないナルシストで、周囲が自分を認めないのは自分の才能に嫉妬しているからだと思っているが、
実際には一般人への暗示すら完璧にはこなせない、魔術師としては未熟で非才。胆力もあまりなく、ヘタレなひねくれ者である。
しかし、召喚したライダーの圧倒的な実力と器の大きさ、カリスマに接することで、自らの未熟さ、器の小ささを痛感するも、
聖杯戦争を降りることはせず、ライダーのマスターとして未熟ながらも戦い続け、人間としても成長していく。
そして、相棒として戦っていくうちにライダーに強い尊敬と信頼を寄せ、共に最果ての海の夢を追うことを願うようになる。
ライダーからもその善性や「自らの小ささを痛感しつつも世界に挑まんとする」気概…彼が言うところの「覇道の兆し」を気に入られ、
最終的には(技量などはさておくとして)『征服王』たる自分と共に戦場を駆けるに足るマスターとして認められた。
虚淵玄が言うには「慎二リベンジ」。奈須きのこが評して曰く「(慎二と違って)人様に迷惑かける発想ができないというか……」。孫詐称と鶏窃盗は許された

作中では、まともな魔術師には魔術回路や魔術刻印を理由に酷評されていたが、一方で魔術師としては柔軟な発想等を持ち、
キャスター陣営のアジトを(ライダーに協力させた以外は)独力で突き止め、ライダーに称賛される一幕もあった。

魔術師としての常識的な感性を備えるが、現代の技術の便利さを許容する一面もあり、他の魔術師達が軽蔑する機械、携帯電話等も使う。
また、ライダーを回復させる為に買い物に行った先で、売られている栄養ドリンクやホッカイロの値段を見て衝撃を受け、
曰く魔術で同じ効力を得ようとすると数倍のコストがかかるとかで、悔しさも込みで思わず買い過ぎてしまったりもしている。
さりげなく文明が魔術を追い抜いたと言う事を示唆している描写である。


◆聖杯戦争

聖杯戦争終盤には、令呪を全て「聖杯戦争に勝て」「聖杯を掴め」「世界を掴め」とライダーの後押しをする願いに使い、同時にマスター権を放棄する。
だが、マスターであること関係なくライダーから認められているウェイバーはなおもライダーから求められ、「臣下」として同行。

最終的にライダーはギルガメッシュとの対決に敗れて消滅。
しかし、ライダーを喪いながらも逃げることなく対峙し、序盤のヘタレ振りが嘘のように毅然とライダーへの誓いを口にし、
彼に「忠道、大義である」と見逃させるほどに成長した姿を見せた。

もっとも、ギルガメッシュが見逃したのは令呪を使い切っていてマスターとして復帰する可能性がなくなっていたことが大きく、
忠誠心に感心したのも確かだろうが、令呪が残っていれば同じ態度を見せても容赦なく殺していたと思われる。*1


◆余談・裏話

『Fate/Zero』では王道の成長物語を展開する為、読者・視聴者からの人気が高い。
虚淵に「俺はむしろヒロインのことを男の子だと思って書いた方がいいのかな……」と言わしめる程。
何そのニトロプラス版『処女はお姉さまに恋してる』。
それを実践した結果がコレなのかもしれないが、真実は闇の彼方である。
デザインも当初は慎二に似た男らしい顔つきだったのだが、ドラマCD盤、アニメ版と段々中性的になった。『戦車男』では女体化までしている。

没ネタとして、キャスターの工房襲撃は、構想段階ではより掘り下げられる予定で、
キャスターの工房破壊の時にアサシンからこぼれ落ちた記憶喪失ロリアサシンを保護して一緒に生活するようになるも、
 その存在をマーボーに気付かれ、令呪によってウェイバーを殺すように命じられたロリアサシンを涙ながらに殺し、また一歩大人になる」
という流れだったが、ただでさえ主人公が主人公っぽくないのにそんなにウェイバーに頁を割くとますます主人公が解らなくなるという理由から削られた。
脇役だったからこそ聖杯そのものとは関わらず王道のまま終われたともいえるので、あちらを立てればこちらが立たずか。主人公としての活躍は二世時代にご期待ください。


現代技術への適応

コンビニでカイロや栄養ドリンクを買い、科学が魔術より一部優位に立ったことへの描写に関しては、色々と批判意見もある。
そもそも魔術至上主義で金に物を言わせて魔術礼装だけで生きていける貴族魔術師ならまだしも、
ウェイバーのような一般家庭に属する魔術師の場合、"一般人に溶け込むのが至上の命題"であり、"常日頃から科学製品を使って生きていく必要がある"。

こうした人物は、やたら金のかかる魔術は、研究の為に少々使うのがやっとなので、
「日用品を購入したことすら無いって……こいつ今までどうやって生きてたんだ」
という次第。

尤も、この物語の舞台である1990年代では、1978年に発明された使い捨てカイロはこの時代海外ではまだ一般に普及しておらず、
栄養ドリンク(エナジードリンク)が海外で流行するのは「レッドブル」が発売された2000年台以後。
両方共この時代のイギリスには存在しないので、間違いではない。
この時代にして既に時計塔の魔術を超えていた日本のコンビニ……パねぇ。

ただし、これはSNでも言及された魔術に対する科学の優位性といった話をウェイバー視点でおさらいさせるといった意図があったと思われ、
イギリスと日本の開発力について言及する例示ではないので、適切かと言えば微妙ではある。


幸運

物語を見れば気づくかもしれないが、とても運が良い。
ぶっちゃけ最後のギルガメッシュとの対峙以外は運だけで生き残った(直前で令呪を使い切っていたという意味ではギルガメッシュとの対峙にも運要素が非常に大きい)。
アニメコメンタリーでは鋼屋ジンに幸運にポイントを全振りしていると言われていた。

マスター狙いを躊躇なく行う切嗣に標的にされるのが最大の危険であったが、これについても
  • 学生故の資金不足と魔力量がしょっぱい事が祟って魔術工房が作れず、宿泊費すら捻出できないので暗示を使って一般人の外国人夫婦の下で下宿していた
  • 切嗣も「魔術師は工房を拠点にする」という固定観念を抱いており、下宿に気づくのが遅れた
  • ライダーに連日神威の車輪で振り回されていたせいで一箇所に留まる事が少なかった
  • 下宿に気づかれた翌日切嗣に張り込まれたが、その日ウェイバーは留守で切嗣は「襲撃がバレて逃げられたのでは」と疑心暗鬼になった
    結果的に、
    「帰ってこない可能性が高く、ケイネスのように時限爆弾で吹き飛ばしても無意味」
    「こんな策を弄する魔術師相手では、マッケンジー夫婦を使った作戦も無駄」
    と早合点された。(結果的にマッケンジー夫婦も無事で済んだ)
  • 事前に調べた情報や現地で目の当たりにした本人の印象から、「本当に自分を出し抜くような傑物か?」と疑問に思ってもいたが、これも「情報戦で出し抜かれているのでは?」と疑心暗鬼を誘発した

…結果として、切嗣はウェイバーに対する過大評価から本格的に襲撃することができず、本格的に衝突することはないまま聖杯戦争が終結する形となった。

なお、資金不足であるにも拘らず日本への渡航費を捻出できたのは、実家が金持ちの友人に立て替えて貰ったため。
この立て替えてくれた金持ちの友人ことメルヴィン・ウェインズは、後述のスピンオフ『事件簿』に登場している。




◇第四次聖杯戦争後の彼

第四次聖杯戦争でケイネスが敗退したことにより、アーチボルト家は一気に没落するが、
聖遺物を奪い、ケイネスの敗退・戦死を招いたことに関する自責の念からか、ウェイバーはアーチボルト家の立て直しに尽力。
特に、ケイネスの突然の死によって中断されてしまい、散逸が免れなかった彼の研究を再解釈・系統分類してまとめ直し、魔術書としたことで、
アーチボルト家は没落を免れるどころか、後世まで家が存続するに足る、盤石な基盤を手に入れた。

ちなみに、アーチボルト家の正式な当主の座は、ケイネスが健在であった頃には末席であった少女ライネス・エルメロイ・アーチゾルテが襲名したが、
アーチボルト家が立ち直った後、ウェイバーは彼女から「ロード・エルメロイ」の名を託され、「ロード・エルメロイⅡ世」を襲名している。
これには彼の功を讃えるとともに、「元を糺せばおまえが悪いんだから一生私に仕えなさい」という意味が込められているとのこと。
ライネスの詳細が不明だった頃の二次創作では、この台詞も込みでライネスがウェイバーに恋しているという設定が大変流行った。

ライネスは『Character material』で存在が明かされたきり、長いこと名前すら不明だったが、
Fate/Apocrypha』で登場し、名前と容姿も明らかになった。
容姿こそかなりの美少女だが、ウェイバーを困らせることを好むいたずら好きで傍若無人な困ったちゃん。
困らせることを楽しんでいるとはいえウェイバーのことを気に入ってはいるようで、忠告も真摯に受け止めている。
しかしウェイバーからすればアーチボルト家を傾かせた負い目もあってかなりやりにくい上にいつも彼女のマイペースさに振り回されるためか、
彼女との会話の後はかなり荒れていた。

その他、聖杯戦争中に暗示を掛けて利用していた(つもりでいた*2)グレン・マッケンジー&マーサ・マッケンジー夫妻とはその後も交流があり、
第五次聖杯戦争の折には旅行チケットをプレゼントするという体で冬木から避難させるなど何かと気にかけている。



◆名講師ロード・エルメロイⅡ世

そして『Zero』から10年後には時計塔の講師になり、彼の元で学んだ魔術師はすべからく大成する大人気講師となっている。
とにかく教え子の持つ才能を見抜き、鍛えることにかけては類を見ない。
『Zero』でも示唆された鋭い観察力、洞察力の賜物だろう。
『Fate/Zero material』で語られるところによれば、
「ランナーで喩えるなら、脚力はからきし駄目なのに、理想の走行フォームを思い描くことは出来るようなもの」
「もちろん選手にはなれないが、コーチとしてはその才覚を遺憾なく発揮できる」
と語られている。

また、メディアでは加齢と身体的な成長に伴って声色が低くなり、口調も大人らしいものになっているが、
これについてはある程度ウェイバーが「そのように取り繕っている」という側面もあるらしく、
各メディアで不意に転倒したり、魔術師としてのコンプレックスを弟子に刺激されたりした時には、
浪川氏の演じ分けにより、第四次聖杯戦争当時を彷彿とさせる高い声色になったり、一人称が「ボク」に戻ったりしている。

どんな教え子であっても投げ出さずに指導するためか、講師としての腕だけでなく人格も慕われているようで、
教え子に「時計塔で抱かれたい男No.1」などの称号も(勝手に)付けられたらしい。
なお、彼が教え子達を集めれば時計塔の勢力図が変わるとまで言われているが、

「笑い話にもならん。いまだ四階級どまりのこの私が、何で他人の面倒を見てやらなきゃいかんのだ」

という感じでウェイバー当人は教え子達とは必要以上に関わりたくはないらしい。
他人をプロデュースすることに関しては当代一の傑物だが、彼にとってはそんなことはどうでもよく、本人は自分自身が魔術師として大成したいと思っている。
なので講師として大人気の自分には全く興味がなく、それどころかその事実にイライラしている為、ここ数年は常に不機嫌そうに院内を歩いている。

詳しい描写は『Fate/strange Fake』や『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』で。

日本も日本人も大嫌いだが、唯一の娯楽が日本製のゲーム。ライダーの影響だろう。
どんなゲームであろうと買ったものはクリアし、その上でゲーム付属のアンケートハガキ等に感想や要望を書いて(国際便で)送るという、
プレイヤーの鑑としか言い様のないプレイスタイルであり、エアメールという物珍しさもあってか、開発会社の懸賞などによく当選するとか。

『事件簿』では、時計塔内に割り当てられた部屋には魔術関連の資料などと共に場違いな最新ゲームハードが置かれ、
散らかり放題の自宅にはいくつかのゲームハードとソフトが一部スペースにまとめられていると、ゲームが多忙なⅡ世の息抜きになっているのがよく分かる描写も。
プレイするゲームのジャンルは割と幅広いらしく、「CPUの思考時間だけで30分くらいかかりそうなゲーム」*3はもちろんのこと、
CERO:Cくらいのギャルゲーなどもプレイしている模様。(『事件簿』ドラマCD「魔眼殺しと救いの言葉」のイヴェットの発言による)
なお、義妹のライネスが「他の魔術師の招待を受けてパーティーに参加し、まずは様子見と決め込んでいたらいきなり元封印指定と出くわす」という状態を、
「ゲーム開始直後にその辺を歩いていたらラスボスとランダムエンカウントした」と例え、義兄なら「やってられるかこのクソゲー!」と放り出すところだと内心愚痴る辺り、
周囲の人間にもⅡ世のゲーム好きは認知されているらしい。

後にロンドンへ渡る遠坂凛の後見人になる。
「私は君にいっさい魔術の指導はしない。まあ、他の学課への推薦状ぐらいは書いてやる」と言っていたのだが、
結局凛の指導に当たっている事が判明した。なんでも、指導をせざるを得なかったらしいが……。
ゲーム好きが高じて、凛にもウエノとかアサクサに近い街のことを尋ねたが、アキハバラもニホンバシも興味無いと答えられ、

「ファック! オマエは最悪の日本人だ!」

と暴言を吐いた。
大阪のオタクの聖地ニッポンバシと東京のオフィス街ニホンバシを混同したんだとすれば、
オタク事情を凛が知っていることに驚嘆すべきかもしれない。いややっぱり東京駅周辺の地理なんか興味無いだけかもしれない。

Fate/stay night』から更に10年後、大聖杯を復活させ聖杯戦争を再開させようとする魔術協会と対立。
遠坂の当主と共に冬木市に赴き、聖杯戦争に匹敵する大騒動の末に大聖杯を完全に解体し、冬木の聖杯戦争の歴史に幕を閉じることと成る。




因みにエルメロイⅡ世に初めて言及した資料集『Character material』では、
「彼の生徒になって王冠の階位を得なかった魔術師はおらず、彼が教え子たちを集めれば時計塔の勢力図が変わるとまで言われている」
と語られていたが、これは変更になった。
そもそもこの資料集はまだ作品になっていない設定をとりあえず発表するという趣旨で、後から変更の可能性もあると前以て断りが入っていた。

当時、「王冠」は高位の階級で、蒼崎橙子も持っている程度しか判明していなかったのだが、後の作品にて詳細が判明した。
魔術協会における位は、上から、
『冠位/王冠(グランド)』、『色位(ブランド)』、『典位(プライド)』、『祭位(フェス)』、『開位(コーズ)』、『長子(カウント)』、『末子(フレーム)』*4
そして、魔術協会における階梯「王冠(冠位)」を得た魔術師は、史上最高の人形師二十七祖に比肩するとまで評される程になった埋葬機関の親
魂喰らいすら可能にした大派閥の長等。

人類史に名を残すレベルの傑物以外居ない「王冠」。
設定に出たうちで最も古い「王冠」の魔術師である二人目は明らかに怪物であった。
この三人目においては、王冠にいたったのはApocrypha世界特有の事情からによって「王冠」を得られたが、本来の実力はその一つ下の色位レベルと言われる。
(なおこの人物は一流の魔術師の集まりである赤のマスター全員がかりでようやく対等と言われる魔術師である)
また本編で多少不遇であったためか、後々の資料では事あるごとにフォローされ、超一流の魔術師としての実力を持つケイネスですら冠位の一つ下の色位とされた。

ことここに至って王冠の魔術師とはそこらにいるような魔術師ではなく、教え子が全て王冠という設定はやり過ぎにも程があった。
「色位」の魔術師であるケイネスでもサーヴァントである百ハサンならば勝てる、とも言及されているため、
最早エルメロイ一派の手にかかれば、サーヴァント不在でも聖杯戦争を制圧出来る可能性すらある。

それらを考慮してか最新の設定では、
奈須「昔『エルメロイの弟子は全員『王冠』の位を得ている』と言ったな………あれは嘘だ」(『Fate/strange Fake』1巻、あとがきより)
と言うことになった。
それでも、「弟子の多くが『王冠』に次ぐ『典位』や『色位』に階位を上げた」「OBは例外なく『典位』以上、さらに何人かは『王冠』に届くのが確実視されている」と言う記述は存在するので、
現状でも彼の教え子たちが十分トンデモと言っても過言ではないだろう。


略歴

1975年10月 誕生
1994年秋 第四次聖杯戦争参加
1994年秋〜 半年程かけてイスカンダル縁の地を旅する。ロンドンに帰還後エルメロイ教室を購入し、講師となる。
1997年頃 エルメロイ教室を3年存続させた頃、ライネスに拉致され、ロード・エルメロイⅡ世となる。
2000年頃 Apocryphaの世界では聖杯大戦の対応にあたっている。また、このときにはフラットを弟子にする。
2003年 グレイを内弟子にする。
2003〜2004年2月 事件簿で様々な事件を解決する。この間にルヴィアが聴講生となり、カウレスが弟子になる。
2005年頃 遠坂凛を弟子にする。
2007年頃 ロード・エルメロイⅡ世の冒険。この間にエルゴを弟子にする。
2009年? Fakeの世界では、法政科に軟禁され、偽りの聖杯戦争への介入を妨害される。
2014年頃 聖杯解体戦争で遠坂凛と共に冬木の聖杯を解体する。

◇スピンオフ作品でのウェイバー/エルメロイⅡ世

◆『アーネンエルベの一日

観光客の正体。クラス繋がりでライダーにからまれた。
失言で飲食代を肩代わりさせられる羽目になるが、経費にして凌いだ。ネロ教授の料理といい、一体いくらだったのやら。
セイバーが特に反応していないので、容姿も二世に近いものになっていると思われる。
嫌いな日本を訪れたのは聖杯戦争の時にお世話になったマッケンジー夫妻に会う為だとか。


◆『氷室の天地

沙条綾香のイギリスの友人「ロンドン☆スター」氏としてゲーム画面越しに登場。
本編では名前こそ出なかったものの、「イギリスにいるゲーマー」「綾香の知り合い」「『イスカンダルはもっとでかかったんだよ!ふざけやがって』なる発言*5」等あからさまに関連を匂わせていたが、後の『Fake』にて同一人物である事が明言された。
ちなみにこの名前はフラットが勝手に登録したものらしい。

なお『ひむてん』世界の綾香が植物魔術に目覚めたのも彼の助言(&ヴォイニッチ手稿をアッサリ解読・解説した兄弟子)の影響との事。
Ⅱ世は元々「『植物だけの黒魔術』に行き詰まったところで、彼女本来の才能である『元素変換(フォーマルクラフト)』を指導して両者を組み合わせる」的な指導方針を描いていたのだが、
兄弟子(バカ)のせいで植物一本でやっていけるように”なってしまった”ので大幅に方針が狂ったのだった。*6


◆『Carnival Phantasm

三巻ラストの全員集合にウェイバーが登場。
したのはいいがバーサーカーランサー共々頭から持ち上げられている。
何したんだか……


◆『プリズマ☆イリヤ

エルメロイ二世が、無印のはじめの方で、凛とルヴィアが決闘(という名の大暴れ)で出した損害に頭を抱えている。

アニメ版では宝石翁に代わりクラスカードの回収を命じた。


◆『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

タイトルの通り彼が主役のスピンオフ。
第四次聖杯戦争に参加後色々あって現代魔術科学部長に就任。時計塔に十二人のみ存在するロードの一人になる。
魔術師としての階位は第四階位「祭位(フェス)」。ただ、階位の中でも祭位は名誉階位的な意味合いが強い階位であるため、 実力的には第三階位止まり。平凡中の平凡である。
しかし講師としての実力はずば抜けて高いため、時計塔では様々な異名で一目置かれている。へそ曲がりに見えて根っこの人の良さも変わらず、グレイという少女を内弟子という形で保護している。

ウェイバーが学部長となってからは、現代魔術科はどんな問題児でも受け入れ、的確な教導を施してくれるとして評判となり、
特に歴史が浅く行き場のない新世代からの評価が高く、Ⅱ世自身も新世代である事から、時計塔の三大派閥的には民主主義派(トランベリオ派)に近いが、
エルメロイは元々貴族主義派(バルトメロイ派)なためにややこしい事になっており、目をつけられれば即座にバルトメロイに潰されるような状態にある。

その豊富な魔術の知識からどうしてやったか(ホワイダニット)を解析する事に長けており、魔術からそれを行う魔術師の人格までを解体してみせる。
しかし、その神秘を暴くという行為は本道からはほど遠く、時に「魔術の破壊者」とも称される。
神秘を力にする魔術にとって、それを白日の下に晒す事は力の減衰を意味するからである。
自分の魔術の才能のなさに関して、天才に届かない事は理解しつつも、それでも努力を止める気は無い。王から受けた栄誉に相応しい人間になる事を、己の使命とする故に。

と、魔術の鑑識眼や講師としての才覚で『ロード・エルメロイⅡ世』として一目置かれているウェイバーであるが、私生活はあまりしっかりしておらず、
内弟子のグレイが家事などを率先して行っていることもあり、私生活は彼女に依存しきっている。色んな意味でⅡ世の嫁

ちなみにロードとしての地位はライネスに押し付けられたもので、本人はその名は自分には重過ぎると思っており、「ロード・エルメロイⅡ世」を名乗っている。
あくまで「ロード・エルメロイ」の正統な後継者はライネスであり、自分は彼女が成人するまでの代理のロードであるというウェイバーの主張が込められており、
単に「ロード・エルメロイ」とだけ呼ばれた場合は、「(自分を呼ぶ時は)Ⅱ世を付けてくれ」と逐一訂正する。
かつては反目していたケイネスに関しては、彼の死に責任を感じてエルメロイ教室を受け継いだ後、その遺産を整理・保存した事からその才覚と実力を再確認するに至り、
「ロード・エルメロイの名に相応しいのはあの人しかいなかった」とその才能が消えた事を惜しんでいる。
その為、ケイネスの死によって一気に没落したエルメロイ派の多額の負債(曰くハリウッド映画の製作費なみ)を全て引き受け、
更に破損し、二割程度しか機能が残らなかった魔術刻印の修復も請け負っている*7
おかげで借金で首が回らなくなっており、日々眉間の皺を深めているとかなんとか。

今作の時間軸では当初は、第五次聖杯戦争への参加を目指していた。
その目的はイスカンダルを再び召喚し、彼が勝利できなかったのはマスターが未熟だった為であり、彼の王は勝利できる器であった事を証明する事。
それをもって自分が先に進むためのけじめをつける事。
しかし後に正式に辞退し、自らの敵であるハートレスと決着を付け、王の腹心であるヘファイスティオンに「一泡吹かせる」という、
かの征服王が聞けば必ず腹を抱えて笑うだろう自慢話をもぎ取る事を新たな目標に定める。

余談だが、時計塔で抱かれたい男ランキングではこのとき同率四位。
そして後にナンバーワンになる事はこの時点では誰も知らない話である。


◆『Fate/Grand Order

サーヴァント、諸葛孔明だ。……何、別人じゃないかと?

その通り、エルメロイ二世だ。だが力は引き継いでいる。問題じゃあない


エルメロイ2世が諸葛亮と融合してまさかのサーヴァント扱いで登場。クラスはキャスター
レアリティは☆5(SSR)。
後発実装の疑似サーヴァントと異なり、英霊要素はかなり薄く、人物像は完全にエルメロイⅡ世である。
これは孔明本人との協議の末、現代に明るいエルメロイ2世の意識を全面に出す方向性で現界したため。
ストーリーで登場する際は状況によって「諸葛孔明」名義と「エルメロイⅡ世」名義を使い分けている。
霊基再臨を進めていくと……声の演技も含めて 若返る (しかも征服王のマントを装備する)。

性能面では徹底的なサポーター。
スキルはエルメロイⅡ世由来の「鑑識眼」、孔明本人由来の「軍師の指揮」「軍師の忠言」の3種。
「鑑識眼」は味方単体のクリティカル威力をアップしつつNPを30チャージ、「軍師の指揮」は味方全体の攻撃力アップとNPを10チャージ、
「軍師の忠言」は味方全体の防御力アップとダメージカットを付与しNPを10チャージする。
宝具は「石兵八陣」。相手全体に防御力ダウン・チャージ減少・呪いをほぼ確定で付与し、中確率で更にスタンを付与する。
幕間の物語をクリアすれば更に防御ダウンが強化される。
全サーヴァントの中でもサポーターとしては最強クラスであり、現在恒常追加されているサーヴァントの中ではぶっちぎりの大当たり。
2000万DL記念の☆5配布では、孔明選択したマスターが最も多かった。
また、現在はチュートリアルをクリアすると恒常☆5が1騎確定でもらえるが、戦力で考えるならほぼ孔明一択とされている。

流石により強力な耐久・NPバラマキ性能を持つキャストリアオベロンマーリン等と言った特定のカードなどに特化したサポーターの登場により、2023年現在では「とにかく孔明一択」と言う状況ではなくなっている。
それでも、キャストリアですら防げない宝具で強化解除即死をしてくる相手などに宝具を撃たせない運用を考えるなら、孔明が最適という状況はまだまだ多い。

2016年のとあるイベントでは「露骨な孔明潰し」と批判の声が上がった『味方全体に強化無効』のデバフをかけてくるエネミーが登場するなど、
運営側もその強さを認識していると思われるが、現状下方修正はされておらず、特に孔明を持っていない多くのマスターからサポートとして引く手数多のサーヴァントとなっている。
基本的にカード色や相手を選ばずにバフを与えられる上に、最大で1人に50、全体にNPを20チャージ出来るので周回要因としても大活躍であり、ユーザーからは過労死要因として扱われている。
挙句、後に実装された陳宮の登場により、スキル割り振りを終えた孔明が彼の宝具「掎角一陣」で弾丸にされ強制退場させられる、過労死どころか労災死に見舞われる案件が多発している。これが人間のやることかよおぉぉぉっ!!

なお、これらの過労死案件レベルの超便利性能はいずれもアップデートによりテコ入れされた結果のものであり、
実装当初はぶっちぎりのハズレ扱いの悲しい星5であった。



ストーリーでは第二章に登場。運命のいたずらか、少年期の主君と共闘することになる。

イベントでは『Zero』とのコラボ『Fate/Accel Zero Order』で進行役を務めた。
もう一つの冬木の第四次聖杯戦争に介入し、自己の体験からくる知識と孔明の罠を自在に駆使し、平和的な解決に導こうとする。
しかし、その素性を知らないかつての主君イスカンダルに「余の覇道を懸けて勝負してやろう」と声をかけられた際には
よほど嬉しかったのか本来の目的そっちのけでイスカンダルと決戦を始めてしまった。(一応ぐだも乗り気ではあったが)

そして、『事件簿』とのコラボイベント『レディ・ライネスの事件簿』ではキーパーソンとして登場。
謎の世界に取り込まれたライネスと主人公がその死体を発見するという衝撃的な出オチ登場をするが、
やっぱりというか実は(遺体を捏造して)生存しており、物語中盤でサーヴァントとして召喚されていたグレイやライネス、主人公の前に姿を現し、
探偵役として世界の謎を解くと共に、その元凶に立ち向かうライネス達を送り出し、自分はその対決に余計な邪魔が入らないように奮戦した。

なお、本来聖杯戦争とは関係の薄いライネスやグレイがサーヴァント、ないしその依り代として召喚された要因は実のところウェイバーなのだが、
そんなことを知る由もない彼は、自身の胃を破壊しに来る悪魔こと義妹の襲来に完全に取り乱し、「時計塔には連絡するなと言ったろう!」*10と主人公に抗議してくる。
そこまでライネスと関わりがなかった頃の若い姿でも苦手としており、主人公に「最悪な義妹の気配がする!」「早急にこの場から離れよう!」と必死に訴えかける。ライネスェ…
一方でグレイに対しては、Ⅱ世の姿では「いつものように靴を磨いてもらってもいいかな?」*11と頼み、
ウェイバーの姿では「ボクの内弟子」と称した上で「この身体のボクがあの顔をした女の子を弟子と呼ぶだなんて、なんだか妙な気分」と、
『Zero』と『事件簿』を知るファンをニヤリとさせるコメントをする。








「我がサーヴァントよ、ウェイバー・ベルベットが令呪をもって命ずる――ライダーよ、必ずや、最後までオマエが勝ち抜け」

「重ねて令呪をもって命ずる。――ライダーよ、必ずやオマエが聖杯を掴め」

「さらに重ねて、令呪で命ずる――ライダーよ、必ずや世界を掴め。失敗なんて許さない」

「――あなたこそ、ボクの王だ。あなたに仕える。あなたに尽くす。どうかボクを導いてほしい。同じ夢を見させてほしい」



ボクは――あの人の臣下だ

ボクは『追記・修正しろ』と命じられた

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最終更新:2024年02月05日 17:22

*1 事実、どの媒体でもギルガメッシュはウェイバーに令呪が残っていないかを確認している

*2 実際には諸々の条件が重なったことでグレン氏の暗示は解けてしまっていたが、ウェイバーやイスカンダルが自分たちに悪事を働こうとする人物には見えなかったこと、彼らとの交流で塞ぎ込みがちだった妻のマーサに笑顔が増えたことなどから、ずっと騙されている振りを続けていた

*3 Ⅱ世は「その待ち時間も味なんだ」と語っている

*4 ロードとなったウェイバーは、第四階位の祭位(フェス)

*5 ゲーム上のイスカンダル(アレキサンダー)が細マッチョキャラであった事から。なおこの発言から氷室には「在英マケドニア人」と誤解された。

*6 無論、彼の顔面にはカリスマによるアイアンクローが飛んだ。

*7 ちなみに前者はともかく後者に関しては(非常に困難なため)ふっかけたライネスも引き受けるとは思っておらず、あっさり引き受けたⅡ世の頭を真剣に心配していた。

*8 防御ダウンは無かった

*9 1ターン行動不能

*10 絆台詞でライネスの名前にはすっとぼけつつ、時計塔に連絡するなと注意してくる

*11 グレイはⅡ世の靴磨きを楽しんでやっている