黒猫

登録日:2012/05/09 Wed 00:41:41
更新日:2024/03/06 Wed 20:30:53
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黒猫とは、ネコ科動物のイエネコの内、体毛のほぼ全てが黒いものの事である。
多少斑点があってもパッと見で黒猫ならば、それは黒猫と呼んでいい。
純血種としてはアフリカ産の「ボンペイ」と呼ばれる品種があるが、黒毛の遺伝子そのものはそれほど珍しくはないので、世界中の雑種猫にクロちゃんは存在する。
黒毛だと猫特有のつり目が際立つらしく、人によっては常に不機嫌に見えるらしいが、
もちろんそんな事は無く、特有の気まぐれさ、ツンデレ加減は他の猫となんら変わりは無い。
甘える時には思いきりデレてくれるぞ。

また、オッドアイ(斑目)になる確率が白猫に次いで高いらしく、街行く野良のクロちゃんの左右の目の色が違う事もちらほらある。

ただ、全身が真っ黒の場合は影や暗闇に溶け込みやすく、特に夜はどこにいるのか分からなくなることがある。
陰で寝ている黒猫に気づかずにリアル「猫踏んじゃった」等にならないよう注意が必要。
ぼんやりと光る蓄光素材の首輪を着ける、暗い場所では踏まないようすり足で歩くなどで対策するケースもある。


■迷信

さて、黒猫の話題となれば避けられない事実がある。
それは、「不吉な生き物である」と言う西洋由来の迷信である。
闇に紛れると光る目と開けた口しか見えなくなる黒猫を、昔の人々は恐怖の対象とし、
魔女の使い魔」「魔女が悪さをする為に化けた姿」であるとする伝承を産み出した。
更に、人の死期が迫ると騒ぎだすカラスを想起させるその黒色も、不吉だとされる所以であった。
「黒猫が前を横切ったら不幸が起きた」と言う有名な迷信も、上記の恐怖心から派生した寓話である。

そしてその恐怖心から、魔女裁判において「黒猫の飼い主=魔女」とされ飼い主ごと猫が焼かれると言う事があったり、
ベルギーでは水曜日に捕まえてきた黒猫を時計台から落として殺す風習が近年まであったりと、特に欧米諸国において黒猫は虐待、虐殺の対象になってきた。
また、イタリアでは現在も黒猫を強く忌み嫌っており、黒猫というだけで年間万単位の猫が殺害されているという現実がある。許せん。

日本では「餡子猫(あんこねこ)」「福猫」として珍重されていた方だった。結核が治るのを願って飼う風習もあったとか。もちろん医学的根拠など全くないが、闘病生活の辛さを癒してくれる存在ではあったかも。
しかし明治以降の西欧文化流入の際に、一部で西欧の迷信にかぶれた人達を作り出してしまった。

だが、近年、いくつもの動物愛護団体が署名を募る等して、この風潮を止めさせようとする等、意識の改革も存在はしている。

逆にスコットランドでは自宅の玄関にいれば繁栄、アメリカイングランドでは幸運をもたらす等いい方向の迷信もある。

不吉な迷信が良い方向に影響した例はハロウィン関連だろうか。
必然的に不気味なモチーフが大多数の中で、黒猫は見た目の可愛さから(特に女性や子供に)人気の仮装であり、ハロウィングッズにもよく採用されている。
猫の譲渡会ではハロウィンシーズンになると黒猫の里親が多く決まるらしい。


■黒猫をモチーフにした・あるいは黒猫と何らかの関係があるキャラクター、及びものごと


▼キャラクター

◆ジジ
魔女の宅急便』に登場。恐らく最も有名な黒猫キャラの一体だろう。
黒い体に赤いリボンがよく映える、主人公キキの相棒。人語を話すこともできるが、彼女の魔力がとあるきっかけで弱った際には……。
ちなみに実は「宅急便」は後述のヤマト運輸の登録商標なので、これを借りようとスタジオジブリが掛け合った際、偶然にも「黒猫」の符号が一致し、ヤマト運輸は粋な計らいで商標を貸し出すだけでなく、本作の協賛スポンサーに名乗りを上げたとのエピソードがある。

◆阪本さん
漫画日常』に登場。
猫なのに渋い声で言葉をしゃべる。また、ジジに酷似している。

◆ゴウト
帝都の守護者たるデビルサマナー・葛葉ライドウのお目付役。
見た目こそ黒猫だが、その正体は元人間。
しかし猫としての本能はあるらしく、ねこじゃらしにつられることも。

猫(マオ)
DARKER THAN BLACK』に登場。ナイスミドルの渋い声である。
動物に憑依する能力を持つ元人間の契約者。
2期ではモモンガになったが、相変わらず渋い声。

◆ミストフェリーズ
ミュージカル『CATS』に登場。マジックとダンスが得意。

◆ルナ
美少女戦士セーラームーン』の主人公・月野うさぎ/セーラームーンのパートナー。

ニューラ/マニューラ
黒猫モチーフのポケモン。やたら攻撃力と素早さが高い。


東方Projectに登場する八雲藍の式神。
総合的な能力では主人に及ばないが、高い身体能力を活かして戦う。
らんしゃま大好きな良い娘。水に対して極端に弱い。

◆ダニエル
しにがみのバラッド。』に登場。
レギュラーキャラクターで、尻尾の先だけ白い。

レン
TYPE-MOONの作品『歌月十夜』より登場したアルクェイドの使い魔。後に志貴とも契約を結ぶ。
普段は黒猫だが、無表情無口ロリに変化可能。CVは水橋かおり色違いがいる。

里中エリカ
作中で黒猫のコスプレ姿(ハロウィンの仮装)を披露した。

にゃんぱいあ
黒猫の吸血鬼。翼はあるが飛べない。
アイルーに似てるなんて言わないで。

◆ベザン・ブラック号
ONE PIECE』に登場。
百計のクロ率いるクロネコ海賊団の船の船首と旗。

◆クロ(ハイファミリア)
魔装機神』シリーズ及び『スーパーロボット大戦シリーズ』に登場するマサキ・アンドーの搭乗機サイバスターのサポートキャラ。
もう一匹シロという白猫もいる。

クロ(週刊トロ・ステーション)
週刊トロ・ステーション』に登場するキャラクターの一体で、井上トロの友達。
オタクでニコ厨。

◆黒猫/Black Cat(Magic the Gathering)
エキスパンション「闇の隆盛」に収録された猫のクリーチャー・カード。
これまでの猫クリーチャーはほぼすべてがライオンなどの大型ネコ科動物、ならびにそれらの特徴を持つ獣人を表したカードであった。
そんな中に当時とても希少なイエネコとして登場した《黒猫/Black Cat》は、同期の《聖所の猫/Sanctuary Cat》と並んで画期的な存在であった。
彼らの人気によってネコ派のスタッフが勢いづいたのか、以降しばしばイエネコのカードが収録されるようになり、黒い毛並みの猫も種類を増やしていく(《聖なる猫/Sacred Cat》や《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》など)。
なお、《黒猫/Black Cat》はゾンビでもある。

◆†千葉(せんよう)の堕天聖黒猫†
ライトノベル俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の登場人物の一人である黒猫がチャットで使用するハンドルネーム。

◆にゃー
ファッションブランド「Ne-net」の代表キャラクターで後に独自のキャラクターブランド「Ne-netにゃー」も立ち上げられた。ちなみにオス。

◆おねがいチャクラ
普段はグータラだけど主人の気付かないうちに不思議なおまじないパワーで願いを叶えようとするキャラクター。
ぬいぐるみをはじめとしたグッズ展開のほか、食玩化や学年誌で漫画化もされた。
1990年代前半のスピリチュアルブームということもあり、当時の女子中高生の間でブームになった。

◆黒猫族
境界のRINNE』に登場。
死神と共存関係にある種族で、劇中に登場する黒猫族はほぼ死神のサポートを行う契約黒猫に就いている。
猫耳としっぽ以外は人間に近い容姿のタイプと人間の体格をした黒猫の容姿のタイプがいる。

◆サダイジン
新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』に登場。
大型犬ほどの大きさで、右目を白い毛で縁取っている。その正体は東京都の後ろ戸でミミズを抑えていた「東の要石」。
また、真の姿として「猛き大大神」という巨大化した姿がある。

◆ルシファー
ディズニー映画『シンデレラ』に登場。シンデレラの意地悪な継母ことトレイメン夫人の太っちょな飼い猫。
飼い主であるトレメイン夫人には従順だが、彼女がシンデレラにルシファーをお風呂に入れさせるよう命じた時だけは嫌な顔をした。
また、悪戯が大好きでシンデレラと仲良しのネズミ達をしょっちゅう追い回しているが、彼女の飼い犬であるブルーノにはいつもかなわない。
『シンデレラⅡ』ではお城の太っちょな白猫ポムポムに恋をした。

◆ルチウス
スマホゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』より、前述のトレイメン夫人からインスパイアされたキャラクターであるモーゼス・トレインの飼い猫。
魔法士養成学校・ナイトレイブンカレッジにおいて魔法史の担当教授である飼い主と常に一緒。
そして当然授業の際もそばにいて授業中に鳴き声を発することもあるので、一部生徒から「猫の声がうるさいな」「うるさい猫だ」「猫!うるさいぞ!」などと言われている。
しかし中には、授業中にもかかわらず「猫た~ん」と言って彼と遊びたい生徒や彼の物真似をしてふざける生徒、「猫と目が合った……」と言って彼を恐れる生徒もいる。

◆ペロ
アイドルマスター シンデレラガールズ』に登場するアイドル、佐城雪美の飼い猫。
雪美の趣味はペロとの会話であり、実際に両者は会話によるコミュニケーションが可能らしい。
(これって…実はペロもすごい…!?)

▼ものごと

◆ヤマト運輸
日本の運送・配達業大手。
トラック等にデカデカと描かれているのは子猫をくわえた母猫だが、これは「母猫が子猫を大事に運ぶように荷物を運びます」と言う意思の表れ。
それ故に、「クロネコヤマト」の別名を持つ。

◆ツェラー・シュヴァルツェ・カッツ
ドイツワインの銘柄の一つで、ラベルに描かれた黒猫が特徴。
名前もドイツ語で「黒猫」の意。

◆ホーリーナイト
BUMP OF CHICKENの楽曲、『K』の主人公で黒猫。曲を聴くと名前の由来がわかる。

◆R.E.V.O.(but it's called for convenience' sake)
音楽ユニット・Sound Horizonの第九の地平線『Nein』に登場する黒猫耳グラサンの狂言回し。
4人の黒猫娘を従え、「物語(サンホラの過去作品)」における「悲劇」の改竄を図る。ちなみに本来の姿(?)は青く光るサングラス。
また同作のコンサート版ではバックバンドとダンサーが全員黒猫耳帽子を被り、ダンサー&一部メンバーは尻尾も生やすという猫耳ファンなら面白いかも知れない構図となり、最終的には主宰もR.E.V.O.を掛けて猫耳と尻尾が生えた。
いい歳したおっさんとかの猫耳が見て楽しいかというのは置いておく。



追記、修正は、黒猫をいじめずに可愛がってくれる方がお願いします。

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最終更新:2024年03月06日 20:30