小説 仮面ライダークウガ

登録日:2013/06/28 Sun 19:51:50
更新日:2024/04/05 Fri 17:58:28
所要時間:約 16 分で読めます






「遅いぞ五代! ……ですよね、一条さん」


【概要】

講談社キャラクター文庫刊、著:荒川稔久
仮面ライダークウガ』の小説版。
舞台は本編最終決戦より13年後の西暦2013年*1
当時、現実の時系列に沿って撮影したエピソードを彷彿させるクウガらしい舞台である。
謎めいた死亡事故が続く中、かつて相対した未確認生命体の殺人ゲームの法則性を連想した一条薫達の新たな戦いを描く。

荒川氏にとって相当難産だったようであり、当初の発売日から半年近く延期しており
非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛』にて登場人物に「最近小説を書いてるけど書いても書いても終わらなくて」と代弁させている。

物語が主に一条の視点で進行することから必然的に警察組織内部の描写が多めとなるため、いわゆる「警察小説」としても読める。


【物語】

戦士クウガと最凶最悪の未確認生命体第0号ン・ダグバ・ゼバの激闘から13年後。
警察官として日々、激務に追われながらも一条薫は平穏な日々を過ごしていた。
かつて共に戦った戦友達も各々の道を進み、何事もない日常が続いていた。
奇妙な死亡事故が続く以外は……。
酸素カプセルを使用した人が死亡する事故が連続して発生する中、一条と杉田守道はこの事故がある法則に基づいて発生している可能性を知る。
まるでゲームのように。
既に重要参考人は確保されていたのだが、今度はその参考人が殺されるという事件が発生した。
遺体の腹部から何かを抉りだした惨状を見た一条達はますますかつての悪夢が蘇りつつある事を悟り、調査に乗り出す。
一方、ツイッターでは謎の白い戦士の目撃情報が多数寄せられており……。


【登場人物】

◆クウガ本編からの登場人物
一条薫
仮面ライダークウガの主人公の一人にして、事実上本作の主人公でもある。
現在は捜査一課特殊犯捜査第四係所属となっている。
ブーケを受け取って可愛いと言われるアラフォー。
冷静沈着な判断力と洞察力、そして常人離れした技能は健在。
謎の死亡事件をきっかけに新たな戦いに巻き込まれる。
尚、未だ色気のある話が一切ない為、同僚達からは同性愛疑惑をかけられている。
無論、本人は否定している。しかし、作中の五代への態度を見ると……。
そしてマナーモードが……。

●夏目実加
捜査一課特殊犯捜査第四係所属となった女性警官。
27歳。
語るまでもないが、九郎ヶ岳遺跡にてダグバに殺された夏目幸吉教授の娘。
本作におけるもう一人の主人公。
本編時では父が死んだ事もあり、かなりおとなしげな少女だったが、あれから13年の月日が流れた事もあってかそれなりに明るく、また意外と酒飲みな面も見せた。
流石現代っ子ということもあってかスマホ等に精通しており、その手の機器に一切縁のない一条を強力にサポートする。
非常に正義感が強く、時に一条すら驚く程の熱意を見せる事も。
勘の良い所もあり、僅かな文章から敵の狙いに気付く事もあった。
何故か本作でやたらと五代、そしてクウガを意識する発言が目立つが……?

●杉田守道
ご存知、ハゲにして本編で一条、桜井と並ぶ戦闘力を誇った鉄人。
捜査一課特殊犯捜査第四係係長。
酒豪だが、健康診断で引っ掛かったらしく、娘の葉月から小言を言われているんだとか。
相変わらず豪放な正義漢。
本作では彼の疑念から全てが始まった。

●桜井剛
警視庁捜査一課の刑事で、かつての未確認生命体合同捜査本部の一員。
なんと笹山望美と結婚した。
あと相変わらずのパン好き。
終盤、ある物を一条達に届ける。

●笹山望美
かつての未確認生命体合同捜査本部所属の婦人警官。
桜井から未確認捜査本部解散後から交際を申し込まれていたらしく、くっついたり離れたりを繰り返しながらめでたくゴールインした様子。
桜井の事は『ツーさん』と呼んでいる。

●沢渡桜子
かつて城南大学の大学院生で考古学の知識を生かして、五代達を支え続けた才女。
現在は准教授として働いている。
今回、夏目教授の遺した論文と新たに見つかった石碑から九郎ヶ岳遺跡とは別の遺跡がある可能性に気付く。

●椿秀一
関東医大病院に勤める司法解剖専門医師。
本編と比べるとそれなりに渋くなったようだが、相変わらず恋愛面に関しては残念な人。
本作では13年前に一条がついたある『嘘』に気付く事に。

●榎田ひかり
科警研所属の女性。
グロンギの残したスマホを解析したりと本作でもその能力を遺憾なく発揮する。

●飾玉三郎
ご存知、クウガのおやっさん。
今でも喫茶ポレポレのマスターを務めている。
古いギャグも健在である。
カレーとコーヒーの腕前は未だに上昇している様子。
ちなみに姪の朝日奈奈々はドラマや映画の出演を経て、現在は関西地方のグルメ番組のリポーターとして活躍中。

●四方みのり
旧姓『五代』。
本編開始の2年前に元プロレスラーで現在整体師を務める2歳年下の男性と結婚。
長男『雄之介』を設ける。

五代雄介仮面ライダークウガ
言わずと知れた2000の技を持つ男。
かつてのグロンギの殺戮を食い止めた戦士クウガの正体。
ダグバとの戦いで雪原に倒れ伏した後、なんと一条が駆け寄る前に姿を晦ましていた事が発覚。
(最終話で描かれた光景は「一条が見た夢の光景」として解釈されている)
現時点では一条やみのりすら行方を知る者はいない。

●ゴウラム
言わずと知れた装甲機。
現在は桜子の研究室の近くに化石化したまま保管されている。
誰も目撃していないものの、たまに移動しているのか普段鎮座しているポジションからズレたりしている。

ラ・バルバ・デ
皆大好きバラ姉さん。
未確認生命体B群第1号、バラ種怪人。
かつて数多のグロンギ達のゲゲルの進行を取り仕切っていた巫女のような女性。
13年前、一条の放った強化型神経断裂弾を受け、海に落下。
未だ遺体は見つかっていないが……。
まぁ言うまでもなく生きてました。まあ、水落ちは生存フラグとも言うしね
本編では一条と実加の前に登場。それ以前にも今回のグロンギ復活等、13年間の間で色々と暗躍していた様子。
本作の事件、最後の敵の存在を示唆するも、自身は特に何か仕掛けるでもなく姿を晦ませる。
未だ生存中だが、あの羊皮紙の件はいずれ回収されるのだろうか?究極の闇「ババゼゴセパ・レザレタ……?」




【本作オリジナル人物】

●白い戦士
ツイッターやブログで話題となっている白い異形の戦士。
目撃者からは『2号そっくり』との感想が寄せられている。
一条達は五代が人知れず戦い続けているのでは?と考えているが……。

●中田浩市(なかた こういち)
ナカケンバルブ製造所社長。
一条が事件に関わるキッカケとなった酸素カプセルの死亡事故の重要参考人。
自社製品による死亡事故の多発の巻き添えを食うような形となった。
杉田は被害者の死亡時刻に不可解な点……死亡推定時刻がほぼ『00分』
そして7×24マスの表に縦軸に曜日、横軸に時間を設定し、それぞれのマスを死亡推定時刻で埋めていくと全くダブる事なくマスが埋め尽くされていく事に気づく。
まるでゲームのように。
真相を確かめようとする杉田だったが、中田は腹部を何者かにえぐり取られ死亡してしまった。

●伽部凛(とぎべ りん)
本名山野愛美。
ここ1、2年で急速に人気を得てきた人気アイドルの少女。
当初はアイドルチームの一人だったが、その歌唱力が評価され、すぐに単独アイドルとして確固たる地位を築いている。
2年前に『1万人のメイド宣言』なるものを掲げ、メイド服で各地で活動。その場で出来る事なら握手会にてファン一人一人の要望を実現させる、という企画で瞬く間にファンを虜にしていった。おやっさんもファンである。
作中、ある連続死亡事件にてその被害者が彼女のファンが多数を占めていたのだが……。
名前をよく見ると……。

●郷原忠幸(ごうはら ただゆき)
国土交通省の若き副大臣を務める男性。
36歳と若いながら抜群のリーダーシップを誇り、政界や一般からの指示も厚い。一条も顔見知り。
人権派弁護士とも繋がりがあり未確認生命体特例法の改正を主導したのもこの人。
またリオネルというドリンクタイプのサプリメントの開発に携わっている。
有効成分によって気分爽快で笑顔になれると評判の品でリピーターもかなり多い。
しかしその成分には忠幸が独自に持ち込んだ未知の物質が使われているようだが?



以下、本作のネタバレが含まれます。
未読者の方はご注意を。





































【登場ライダー】


『今度こそ殺す……絶対に殺す!!』
●仮面ライダークウガ・プロトタイプ
夏目実加が本編開始前に長野県にて山岳パトロール中に発見した遺跡にて入手した、プロトタイプアークルを使用して変身した『もう一人のクウガ』。
仮面ライダークウガの世界観における2号ライダーである。
ツイッターやブログで目撃情報が寄せられていた白い戦士の正体。
古代においては先代クウガよりも先にグロンギと戦っていたが、アマダムが不完全故に心の闇が暴走し易く、
数体のグロンギを封印した後、凄まじき戦士になりかけた戦士は自ら命を絶ち、自らが究極の闇と化すのを防いだといういわくつきのシロモノ。
そういう事もあり、後に開発されたアークルには使用者に心の闇の増大と凄まじき戦士の危険性を警告するセーフティ機能が備え付けられた。
ちなみに警察からは白の4号にそっくりという事に因んでか、『2号』と呼称されている*2
実加の覚悟が足りなかったのか、それとも元から機能がないのか、通常形態は白しか発現出来ていない。
が、作中バルバとライオから『半人前』呼ばわりされているため、おそらくクウガ同様、基本4フォームになる機能もあると思われる。
それでも戦闘力は十分らしく、荒々しい格闘や封印エネルギーを込めたキック等、グロンギを葬るのに十分な攻撃力を有している。
最終決戦においては敵への憎悪からなんと黒の力、つまり凄まじき戦士としての能力も開放。五代との差異は角が短い事。
当初は戦闘本能と理性のせめぎ合いから赤目と黒目とめまぐるしく変化していたが、やがて完全な黒目と化してしまう。
プロトタイプとはいえ、その能力はあまりにも強大で、
  • ゴ・ライオ・ダの火炎弾を何発もまともにくらっても意に介さないタフさ
  • モーフィングパワーの応用で東京タワーを『怒りの塔』と形容される多数の砲台を持つ超巨大兵器に変異させ、アークルから放出されたエネルギーを塔全体に広げ『鋼の蕾』というべき超巨大エネルギー砲を精製する
等の尋常でない能力を行使した。
満を持して登場した五代クウガにも襲いかかり、拳打の嵐を見舞うも、それら全てを受け止めた五代の言葉にようやく理性を取り戻し、
一瞬だが赤目の形態となった後、変身解除し、意識を失った。
その後、特に説明はないが、小説終了時点で未だアークルは実加の体内にあると思われる。
その正体については全編に渡ってミスリードを誘っており、2回目に本作を読むと実加の台詞の意味がところどころ180度違ってくるのも作品の特徴の一つである。

ちなみに『小説 仮面ライダークウガ』の発売前にあらすじが公開された際、舞台となるのが2012年頃(当初の予定)だった事に加え、
白い戦士というフレーズから「2012年当時活躍していた別のライダーを指しているのでは?」という予想もファンの間で流布されていた。


「実加ちゃん……君がやることはこれじゃない。大丈夫、戻れるよ」
仮面ライダークウガ
もはや説明不要の超古代戦士。
本作ではの基本4フォームに変身。
各4フォームの、黒の凄まじき戦士には変身していないが、これがダグバによるアークルへのダメージのせいなのか、長期間変身していなかったせいなのか、五代本人の意志によるものなのかは不明。
通常形態のみなので戦闘力に不安があるかというとそうでもなく、
  • 黒の二号の拳打の嵐にの状態で耐え抜く
  • バルバの見立てでは黒の(アメイジングマイティ)でさえ敵うか危ういライオを相手に、黒の2号との戦いで疲弊しているにも拘わらず、通常4フォームのみで圧倒
と本編よりも能力値が上がっているかのような状態となっているが、これがアマダムの侵食が進んだせいなのかは不明。
作中、暴走する実加を止める為にゴウラムに掴まり、颯爽と登場する。その際、ライオにゴウラムを突貫させて一撃かましている。
その後、東京タワー上部で暴れまわる黒の二号と対峙するも強烈な一撃で大地に叩きつけられた後、
マウントで拳打の嵐(クウガと同等スペックなら一撃80トンクラス)を見舞われるが、
反撃せずにそれを全て受け止め、実加の体を抱きしめ彼女を落ち着かせて変身解除させた。
その後、復帰したライオに襲いかかられるが、ニューマシンビートチェイサー3000にゴウラムを合体させた新生ビートゴウラムで突貫し、海ほたるまでライオを運搬する。
既に消耗しているにもかかわらず、あのダグバを相手に勝ち抜いただけの事はあり、ブランクがあるとは思えない円熟した動きでライオを圧倒するも、相手の悪辣な手段によってトドメを刺せない状況下に陥るが……。

ちなみに、「白い戦士」の正体が最後まで伏せられていたこともあり、本物のクウガの出番は非常に少ない。
結果的に主役ライダーの戦闘シーンが僅か5~6ページ程しかないという、特撮ノベルにあるまじき事態を招いているのだが、
クウガに限っては原作からして「よくあること」なので、多くの読者からは受け入れられている。



【グロンギ】

以下の3体は13年前のグロンギ達とは別の遺跡で(おそらく古代のクウガ・プロトタイプの手で)封印されていたメンバー。
バルバによって封印を解かれる。
近年まで封印されていたお陰でダグバの整理からも免れていた。
かつてのグロンギとの差異は、壊滅した仲間たちの反省を踏まえてか、各々が人間社会に潜伏し、確固たる地位を築き上げている事である。
ライオ以外の階級は明かされていないが、知能の高さやゲゲルのルールと手段の複雑さから全員ゴの可能性が高い。
本編のゴが総じて高い殺戮能力で白昼堂々と殺戮劇を繰り広げていたのに対して、3体は一見して殺人事件とは分からない暗殺形式でゲゲルを行っている。
本編で言えばゴ・ジャラジ・ダに近い手法と言える。

●ザルボ
モチーフは不明(名前からしてサルかサボテン?)。
杉田が追っていた酸素カプセル事故の真犯人であり、人間体の名前は中田浩市
復活後は本人と成り代わって人間社会に潜伏しており、ゲゲル再開と同時に活動。
あらかじめパーツを極小の生命体にモーフィングパワーで変異するように設定した自社製酸素カプセルで故意に不具合を起こし、死亡事故を装ってゲゲルを展開していた。
尚生命体は役割を終えると通常のパーツに戻る為、証拠は残らない。
が、杉田達に真相に迫られそうになった為、他のメンバーに助力を乞うが、バルバにルールを破った事を咎められ、腹部の魔石を抉り取られ死亡。
尚、この時、クウガの力を手に入れた実加と対峙したらしいが、戦う前にバルバに殺された様子。
この事から直接的な戦闘力はジャラジ同様、大した事は無いものと思われる。


「人間なんて生きてる価値ないから死んじゃいな」
●ゲラグ
未確認生命体四十八号。正体は人気アイドル伽部凛
モチーフはクラゲ。
フルネームは劇中では出ていないが、おそらく「ゴ・ゲラグ・ギ」と思われる。
TV版では「未確認生命体33号 メ・ゲグラ・ギ」というクラゲ種怪人が登場している(放送されることもなく紫クウガに倒された)。
ネズミ種、バッタ種怪人も2回登場しているので恐らくゲグラの親類縁者だったのかもしれない。
言動は今時の女子高生といったカンジだが、その本質は陰湿かつ残忍。
尚、本名の山野愛美は別にいた正真正銘の人間だったが、ゲラグの策謀で実の母親である山野ゆかりの手によって既に殺害されている。ゆかりはのちに警察に身柄を確保された模様。
あくまでゲラグの手ではなく、家庭崩壊しかけている現状を利用して母親の手で殺害させたあたり、まさに吐き気を催す邪悪としか言いようがない。*3
その後は新たな山野愛美としてゆかりと共に暮らしていた様子。
ちなみに本当の愛美はかなりの不良少女だったが、殺害当日、実は母ゆかりの誕生日であり、仲直りのきっかけにとプレゼントまで用意していた事が後に発覚した……。*4

クラゲ毒を使ったアナフィラキシーショックでゲゲルを行い、最終的にはコンサート会場にて水槽による大量の水で観客を水浸しにし、
尚且つあらかじめ水槽の水を自身の毒と水の硫酸アルミニウムと結びつけさせることにより、
皮膚に付着させただけでアナフィラキシーショックを引き起こす猛毒「セシドヒルビリン」に変えて大量殺戮を決行してゲゲルクリアを画策していた。

白の2号と対戦では白の力がそれほど高くは無かったので優勢だったが、自らの攻撃で天井が崩落し、破片でダメージを負うという大ポカをやらかしてしまい、
怒涛の格闘を受けた後、グローイングキックで爆散。
しかし死ぬ前に人間体になった為、爆発後に首が実加の前に飛んでくるという事態になった。
これが偶然だったのか、ゲラグなりの最期の嫌がらせだったのかは不明。

ちなみに芸名の由来だが
伽部凛→とぎべ りん→とぎべりん→りんとぎべ→リントギベ→人間(リント) 死ねのアナグラムである。
つまりゲラグは意味を知らずに『伽部凛』コールをしているファンを見て、悦に浸ってたというワケである。まさに外道。


「あなたの父親はダグバに殺されたんでしたね。よかったじゃないですか」
ゴ・ライオ・ダ
未確認生命体四十九号。
モチーフは本編で出そうで出なかったライオン。ちなみに本作初出のものも含め、公式のグロンギ怪人では唯一本名に濁点がない。
本作におけるラスボスで、正体は郷原忠幸
ライオンがモチーフとは思えない知性的で慇懃な物腰だが、その言葉には殺戮に快楽を感じる残忍さが滲み出ている。
バルバをして「奴は完璧」「金の黒のクウガでも勝てるかどうか」と言わしめる実力者。
これは本編のゴ最強のプレイヤーだったゴ・ガドル・バに匹敵する強さを持つ事を意味している。

リオネルに仕込んだクラウト・バシップGK株から分離した物質Aによる精神の不安定化を利用して、自らのテレパシー能力で物質Aを活性化させて大規模な事故を利用した大量殺戮計画を企む。
物質Aはそのままなら悪影響は無いが、量子もつれによって変異すると、前頭前皮質に蓄積した物質Aにより思考を阻害する悪影響を及ぼす。
尚、この量子もつれだが妨害する手段は無く、地球の裏側から発動しても服用者に影響を及ぼせる。
要は獲物に特殊な薬物を混ぜたドリンクを飲ませ、獲物の体内に仕込んだ薬物を介して遠隔操作で獲物を発狂させて殺害するというゲゲル。
この手法で目標数160万人という規格外の規模のゲゲルを実行しようとした。
実加の前で手始めに約300人に悪影響を及ぼさせたが、その影響で航空機がビルに突っ込む、玉突きが起こる等の事故が起こり巻き添えも含めて1000人程の死傷者を出した。160万人がリオネルを飲んだタイミングでゲゲルを開始しているのだがこのペースだと余裕でオーバーキルである
リオネルの表向きの効果も相まって、かつて五代が口にした「皆に笑顔でいて欲しい」という信念を皮肉っているとも言える。

流石黒ののクウガですら勝利は危ういと言わせるだけあって直接的な戦闘力も極めて高く、黒の二号すら跳ね飛ばす強力な格闘や鬣からは火炎弾を連射する等、隙がない。
また封印エネルギーを込めた攻撃を受けても、鬣から余剰エネルギーを放出する事で
腹部に届く前に吐き出してしまえるという反則じみた能力を持つ。
(原作でもガリマガメゴが根性で強引に抑え込んでいるが、ライオの場合はこの能力により苦痛すら全く感じさせない)

ただし、全くノーリスクで出来る芸当ではなく、己の変身エネルギーまで放出してしまう故、人間体に戻ってしまうデメリットがある。
しかしそのデメリットも五代との戦いでは優位に働き、人間の姿をとるライオにトドメを刺せない展開になってしまう。
黒の2号を相手に互角に渡り合う程の能力を見せ、五代クウガとの戦いでは流石に押されるも前述の特性を利用する悪辣さを発揮。
最終的にそれが命取りとなり、榎田が開発したライフル用新型断裂弾を持ってきた一条の狙撃で上半身を吹っ飛ばされて死亡する。
自らが見下してきた人間にトドメを刺されるというある意味、三人中最も無様な最期をたどる羽目になった

結論から言えば、ゲゲルを含めた一連の行動が皮肉にも作中で自身が語っていた「プライドを失ったリント」と何ら変わりなく、知らず知らずのうちに(悪い意味で)心が人間そのものに成り果ててしまったと言える。
作中に描写はないが、恐らくは彼の素性が世間に露呈することで、特例法の改正……もとい改悪も見直される事だろう。

余談だが、バルバのライオの強さ評を聞いた一条は何故か『ダグバすら超える可能性があるということか』と想起しているが、
金の黒はアメイジングマイティの事なので、ダグバ>ライオ>ガドルという事になるハズだが、これは純粋な戦闘力ではなく
ライオの長い時をかけて人間社会に溶け込み誰にも気づかれずにゲゲルを遂行させる知略をさしていると思われる。
ただし上記通り、ライオは黒の力を発現した実加クウガと対等に渡り合っている為、一条の危惧は当たっているかもしれない。








『おは。アニヲタwiki、ついに今日!』

『項目作成が楽しみですね。ちなみに私も自分の項目について考えましたよ。ズギキギュグセギゴネガギギラグ……なんてね』

『ウケるw くそイミフ単語じゃん』

『ふふ。一応意味はあるんですよ、それなりにね』





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最終更新:2024年04月05日 17:58

*1 『小説 仮面ライダークウガ』発売前に発表されたあらすじ紹介では当初「2012年」だったが、発売延期に伴い「2013年」に変更された。

*2 TV本編当時、グローイングフォームが「未確認生命体第2号」と呼ばれていた事に由来。メ・ギノガ・デの事件の際に『白い4号』として訂正されて以降、未確認生命体第2号は事実上の欠番だった。

*3 当時のゆかりは娘のDVや素行不良に悩まされ、自殺すら考えるほど追い詰められていた。

*4 愛美に成り代わったゲラグはゆかりの理想と言える心優しい娘を演じており、それがゆかりの凶行を後押ししてしまった。