リナ・インバース

登録日:2009/11/10 Tue 21:08:28
更新日:2023/04/21 Fri 23:17:24
所要時間:約 6 分で読めます






黄昏よりも昏きもの


血の流れより紅きもの


時の流れに埋もれし偉大な汝の名において


我ここに闇に誓わん


我等が前に立ち塞がりしすべての愚かなるものに


我と汝が力もて


等しく滅びを与えんことを!


竜破斬(ドラグスレイブ)!!







リナ・インバースは富士見ファンタジア文庫発行のライトノベル「スレイヤーズ」シリーズの主人公。
CV:林原めぐみ

◆概要

旅の魔道士。
出身はゼフィーリア首都、ゼフィール・シティ。
郷里の姉ちゃんに「世界を見てこい」と言われて当てのない流浪の旅に出る。

年齢は十代後半(作品の時系列で多少の変動あり)。
外見は長い茶髪が特徴の美少女。
同年代の女性に比べて背が低いことと胸が小さいことをけっこう気にしている。
初対面のガウリイいわく、
「ドングリ目のペチャパイのチビガキじゃあないか」
しかし、実はスレイヤーズ世界の女性に巨乳が多いだけで、リナの体格からすれば平均的なバストは持っていたりする。

趣味は盗賊いぢめ。それでついた異名が「盗賊殺し(ロバース・キラー)」。人間社会に潜伏している魔竜王ガーヴでないかとの噂も生じていた。
攻撃呪文を連射して野盗をしばき倒し、彼らの奪ったお宝からめぼしい物を頂戴していく。
旅の路銀はこれで稼いでおり、その手際は鮮やかの一言。
このように盗賊や魔族など「悪人・敵対者」に対しては容赦なく()ッてしまうくらい図太い。本人曰く「悪人に人権はないっ!!」。
だが一方で行き会う地で遭遇する非道な光景や悲劇的な事件などに対して嫌悪や動揺を示す年相応の感性も持っており、長編ではその感情を押し殺しながら止めを刺すシーンが散見された。

また年頃の少女としてそれなりに夢見る部分は有り、短編第一作『白魔術都市の王子』では、題にもなった「王子」がむさ苦しい体育会系中年(しかも後に登場するアメリア等2児の父)だったことに大きなショックを受けていた。

破天荒に見えて公的な組織である魔道士協会からもその実力、研究功績等を認められており、魔道士協会所属の高位魔道士に与えられる「色」の称号を得ている。
しかしリナちゃん本人はそれを自ら明かすことはない。きっと彼女の謙虚さ故なのだろう。

基本は「傍若無人」が似合う様な明るいキャラだが、長編では回を重ねるごとに鬱展開に遭遇し続けるため暗い顔をする場面が多くなり(それでも盗賊狩りは続行)、最終巻では終章ラストまで気が晴れなかった。

本編での様々な活躍から、後世では「魔を滅する者(デモン・スレイヤー)」と称される様になる(『恐るべき未来』超あとがきより)。
だが本人は本編最終巻での戦いの経緯から、終章でガウリイ共々「デモン・スレイヤーズ」と呼ばれた時嫌がった。
その後もその名を聞くたび苦い顔になったそうだが、皮肉な事に「功を誇らない」ことが偉業の信憑性を挙げたという(『ナーガの挑戦』スレイヤーズ せれくと版超あとがきより)。

◆戦闘能力

魔道士としての腕前は若いながらも超一流で、簡単な呪文から高威力の攻撃呪文、さらには既存の呪文の独自アレンジなどバリエーションは幅広い。
しかし精霊魔術の最強呪文「崩霊裂」(単体呪文なため乱戦向き)や高位の回復呪文「復活」は使うことができず、特に後者が使えないことは何度も嘆いたり悔やんだりしていた。

また剣士としてもそれなり以上の実力を持つが、腕力の低さとガウリイの存在のせい、第一巻で初めての本格戦闘でゼルガディスに手も足も出ずに一瞬でダウンに追い込まれているので*1いまいち白兵戦では活躍していない。

◆使用呪文

  • 重破斬(ギガ・スレイブ)
リナの使える最強の魔術。

金色の魔王の力を借りることで、ありとあらゆる物を飲み込む「虚無」を作り出す。
その威力は作中に登場する呪文でも最上級であり、上位魔族でもこれを食らえばひとたまりもない。

世界の果てに存在する混沌の中に金色の魔王がいると彼女は認識していたが、長編七巻で混沌そのものが金色の魔王であることを知り、術を完成させる。
所謂「未完成版」と「完成版」で詠唱が一部異なるのは、この力の源が何であるかをリナがちゃんと認識しているか否かの違いである。
なお、この術はは虚無の末端、金色の魔王の力そのものの一部をリナ達のいる世界に顕現させる術である為、制御に失敗すると最悪の場合世界が滅びる。

反面魔力の消費も大きく、一度使うと髪色が抜け落ちて白髪になる。
また制御も非常に困難であり、未完成版でさえ万全の状態でも精神を長時間集中させる必要がある。
さらに大量の生体エネルギーを消費するため、怪我をしたり大きなダメージを受けている時は使えない。

一回試し打ちをした時は砂浜を「死の入り江」に変えてしまい、しかも後に短編で詳細が書かれた時は「報酬減額の腹いせにプライベートビーチを粉砕」というあんまりな事になっていた。

リナは「制御に失敗すれば自分は死ぬだろう」ということは悟っていたが、旅の途中に知り合った巫女・シルフィールに「制御に失敗すれば世界が滅ぶ」と聞かされ、使用を躊躇うようになる。
しかし冥王フィブリゾとの戦いで絶体絶命の危機に立たされ、完全版の使用を余儀なくされる。
そして術の制御に失敗し、リナが意識を失ったその時、彼女の肉体を乗っ取って金色の魔王がこの世界に降臨したのだった。
そのことを知る由もないフィブリゾがリナを攻撃した事で肉体を乗っ取っていた金色の魔王が反撃、あっさりと冥王を消滅させてしまった(ちなみにこのあたりの描写は原作、超魔導伝版、アニメ版とそれぞれ異なる。気になる人は見てみよう)。


  • 神滅斬(ラグナ・ブレード)
謎の神官ゼロスから買った魔力増幅の呪符を使うことで発動できるようになった呪文。

生み出した虚無の力を両剣の形に収束する。
金色の魔王の力を借りた術だが、重破斬より威力が低くリーチも短い(アニメでば演出が大仰になり、刃を伸ばす形でそこそこの距離にある目標に当てることもできる)。
そのかわりに制御しやすく暴走の恐れも薄いため、重破斬の危険性を知ってからはこちらを多用するようになる。

また重破斬と同様に不完全版、完全版の二種類が存在し、不完全版は流石に完全版より威力が低いがそれでも高位魔族でもやすやすと切り裂く破壊力を持つ。

原作長編の最終決戦では夢の二刀流を披露した。


  • 竜破斬(ドラグ・スレイブ)
魔族の力を借りて発動する「黒魔術」の中で(存在自体が未知だった「金色の魔王」の力を除くと)最も強い魔術。
太古7分割されて人の輪廻の中に封印され、「降魔戦争」の時代に7分の1が復活するも氷漬けになって封印された「赤の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ」の力で発動し、
強大な朱い閃光によって巨竜をも粉砕する。

リナクラスの魔力容量、ないしは魔術そのものに対する相性が無いと使いこなせない。
最大で小山や小さな街くらいなら破壊してしまえるほど。
欠点は威力に比例して効果範囲も広く詠唱時間も長いため、乱戦や都市戦では迂闊に撃てない(または唱える隙を持てない)こと。
また高位魔族やそれに類する存在は「力技で振りほどく」・「解呪する」という対策をとるため決め手にはなりづらく、
そもそも第一巻のように「シャブラニグドゥ」自身を相手にした場合、「自殺してくれ」なんて無茶な願いを本人に頼む感じになるため無意味化する。
このため長編では出番が少なく、4・7巻では光の剣に竜破斬を上乗せした「竜破斬剣」という応用版を使っていた。
…だが最終巻ではある事情から最後の決め手となった。




◆長編での主な活躍


  • 一巻
野盗との小競り合いの最中ガウリイと出会い、助けられる。
野盗から盗んだ「ある物」のせいでゼルガディスとレゾの争いに巻き込まれ、戦いの中蘇った魔王・レゾ=シャブラニグドゥを重破斬と光の剣の合わせ技で撃破した。

  • 二巻
アトラスシティで仮面の魔族セイグラムと出会い、戦闘になるも、最終的に撃破には至らず、痛手を負わせるが逃げられてしまう。
この時の黒幕はセイグラムと契約していた魔術師なのだが、リナの誤解のせいで彼を解放してしまい、結果依頼人とそのライバルは無残な姿と化してしまった…。
そして黒幕自体もリナではなく黒幕の侍女が止めを刺し、最終巻でその侍女と再会したことが、ラスボスの心境を理解する要因の一つとなった。

  • 三巻
覚えのない指名手配を受け追われる身に。
事態を解決するために向かったサイラーグでレゾのクローンと出会い、付け狙われるが、仲間の協力を得てこれを撃破する。

  • 四巻
大都市セイルーンで王族のお家騒動に巻き込まれ、凄腕の暗殺者・ズーマや魔族カンヅェルの襲撃を受けるが、ガウリイとのコンビネーションで撃破する。

  • 五巻
大昔にサイラーグシティを滅ぼした魔獣、ザナッファーと対決。
神滅斬の初使用で魔力耐性を持つ敵の皮膚を貫き、撃破。

  • 六巻
かつて退けたセイグラム、ズーマに相次いで命を狙われる。
ついには融合した二人、さらにセイグラムの頼みで現れた魔族たちと戦い、撃破する。

  • 七巻
魔竜王ガーヴとその配下の魔族に命を狙われる。
竜破斬剣で魔族ラルタークを撃破し、神滅斬でガーヴと切り結ぶが、その最中に冥王フィブリゾの介入を受ける。

  • 八巻
フィブリゾにガウリイを誘拐され、彼を助けるためサイラーグに向かう。
フィブリゾとの戦闘で仲間たちを倒され、やむなく重破斬を使用。
制御に失敗して金色の魔王を降臨させてしまう。
しかしフィブリゾがうっかり金色の魔王を攻撃したせいでキレた魔王が逆襲を始め、フィブリゾを撃破する。

  • 九巻
フィブリゾとの戦いで失ったガウリィの『裂光の剣』のかわりとなる剣を求め、各地の伝説の剣を見てまわる。旅の途中で立ち寄ったベゼルドの町で覇王グラウシェラーの部下、覇将軍シェーラの武器にして魔族のドゥールゴーファと戦う。この戦いで、冥王に引き続き、覇王の動きを感じることになる。またここでルーク・ミリーナの「バカップル」(?)コンビと出会い、後にソラリア・ディルスで共闘することに。

  • 十巻
前回に引き続きガウリィの剣探し。
魔法アイテムを集めているという地方都市「ソラリア」の領主を探る。だがそこの領主代理は以前リナが悪事を暴いた王国の王族で、性懲りもなく悪事(非道な人体実験等)を画策しリナによって露見する。
実験の成果で強化された領主代理との戦闘中、これ以降のガウリィのメインウェポンとなる『切れ味は並だが、耐久性は馬鹿みたいに高い魔法剣』を手に入れる。

  • 十一巻
魔導師教会に対して反乱を起こしたクリムゾンの教会を鎮圧する為にクリムゾンへと向かう。
最終的に、この反乱の裏で糸を引いていたのはシェーラで、クリムゾンの教会長の妻にドゥールゴーファを渡し、混乱を作りあげていた。

  • 十二巻
クリムゾンシティでの事件の報告書を魔道師協会に提出したリナ。しかし内容が内容だけに信用されずに、お偉いさんからそれならば最近起こっているデーモン大量発生事件の調査を依頼されたというか押し付けられ、手掛かりを求めてディルス王国方面に、向かったディルスには最近頭角を現してきたという傭兵上がりの女将軍「シェーラ」が……。

  • 十三巻
ディルス帰りにまたデーモン大量発生事件に巻き込まれ、かつて知り合った黄金竜とその知り合いな偉そうなエルフと合流し三度ディルス・シティに。
そこで彼女たちが見たものは魔族の巣と化した王宮と、前巻の依頼人の変わり果てた姿だった。
なお、この巻で十巻で手に入れたガウリイの魔法剣の素性が「光の剣と並ぶ伝説の武器である斬妖剣にわざと硬度の固い鋼を巻いて第二の刀身として切れ味を落としたもの」であることが判明。
戦いの中で第二の刀身が砕かれて斬妖剣が本来の姿に戻り、素性が判明したことでガウリイの剣探しは達成された。

  • 十四巻
旅の途中セレンティア・シティに立ち寄り、「大神官死亡後いがみ合いだした4人の神官達の調査」を魔道師協会から依頼されたリナとガウリィ。神官の依頼で動いていたルーク・ミリーナと共闘するも、
その途中で起こった「最悪の事件」によって、セレンティアに「復讐者」が誕生する…。

  • 十五巻
再び起こったデーモン大量発生事件と天候異常。黄金竜・エルフとの合流、アトラス・シティへの再訪とゼロスとの再会、サイラーグへの誘導、魔族の妨害…輻輳する思惑が一つになるとき、
最後の戦いの幕が開く。それはリナとガウリィにとって最もあってほしくなかった戦いにして、悲しき魔人の望んだ決着の舞台だった…。

◆本編以外での活躍

  • スレイヤーズVSオーフェン
オーフェンとタッグを組み、史上最悪の敵キーガ(キース+ナーガ)をぶちのめす。「ぽいもの」の命名者。

桃缶にガッカリしていた。


ゲームでの活躍
参戦作品随一の知名度からかガウリィと共に一番最初に仲間になる。
このあたりスタッフわかっている。

能力は所謂魔法使いタイプで高火力紙装甲。

必殺技はドラグスレイブとギガスレイブの2つでメニューで切り替え可能。
ドラグスレイブはヒット数が多く使いやすい。
ギガスレイブは威力は高いがヒット数は1でHPも消費してしまう諸刃の剣。

期待されたオーフェンとの絡みは「何か前にどっかで会ったことある気がするんだけど…」と匂わす程度。


コラボイベント『スレイヤーズまぐな』にてガウリィ・ナーガと共に参加。古戦場で起きている怪現象について調べる内、主人公率いる騎空団に同行することになる。
プレイアブルキャラとしてもナーガと共に参戦しており、火属性SRのバランス型。レアリティSRとしては初の4つのアビリティ持ち。
配布キャラとしては珍しく無属性アビリティ持ちであり、リカバリィはヒールにクリア効果が乗っているなど癖がなく使いやすい。
アビリティを使うほど奥義火力が増す特殊なキャラだが、如何せんリキャストが最低でも6と火力上昇目的でのアビリティの連発には向いていない。
因みにナーガと同時にチームに入れていると特殊な掛け合いが発生し、上限解放絵は1巻の表紙絵が元ネタである。


ガウリィ、ゼルガディス、アメリアと共にプレイアブル参戦。
使用術技は炎の槍、地精道、爆裂陣、雷撃破、魔結球、火炎球(5連携目以降で烈火球に変化)。
通常攻撃でその場で炎の矢を2本まで放つため容易に連携できる術キャラ。
魔鏡技として竜破斬を使うが、上記の詠唱から始めるため発動までに13秒かかる非常に扱いの難しいものとなっている。
本ゲームでもこの仕様は初の試みで、公式曰く「小さな町なら吹き飛ばすと言われる破壊力はザ レイズ史上最強威力(強化済)の全体攻撃として再現されました。」とのこと。
他人の魔鏡技から連携したり詠唱を邪魔されると以下省略!してしまい火力が半分以下に落ちる「竜破斬(詠唱略)」が発動する。
完全詠唱を成功させるには詠唱中無防備なリナを守らなければいけないのとそれまでに生き残る敵が必要なため、なかなかお目にかかれないものとなっている。
加入後は保護者面で好き放題言うユーリ、ガウリィに対してリタと一緒に火炎球(ファイアボール)をぶっ放したり、自身が複製された存在だと理解しないまま元の世界を捨てる気でついてきたガウリィに呆れる面も。




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最終更新:2023年04月21日 23:17

*1 パワー、スピード、テクニック、タフネス全てで上回り、攻撃系の精霊魔術の腕も高いゼルガディスが相性最悪だった上に、リナが生理中で大技が使えなかった、「速射性の高い小技の先制攻撃でガウリイとの連携を断った瞬間に突撃する」と言うゼルガディスの戦術が巧みだった為、戦闘開始即、腹を蹴られてダウンに追い込まれた。この時点でのリナ自身も「高度な大技を使える魔道士が小技を巧みに使う相手に完敗する例が有る」と自覚はしていたが。