浅利ケイツ

登録日:2012/03/22(木) 17:29:53
更新日:2024/03/02 Sat 09:37:15
所要時間:約 4 分で読めます




円環少女に登場する元・刻印魔導師で形が似ているものを操る相似大系の使い手。
初出は雑誌ザ・スニーカー読み切り(原作二巻)。メイゼルが刻印魔導師として最初に戦った相手である。


生まれてすぐに、とある理由から出生地である相似世界から他の世界へ送られて家族のことも知らぬまま育つ。
しかし相似世界の出身故に(魔法大系は肉体に染み付いた世界環境に依存するので)その世界の魔法が使えないケイツは周囲から落ちこぼれ扱いされ、自身も段々と犯罪に手を染め、単なる小悪党へと落ちぶれていき、最終的には《地獄》送りが決定した。


《地獄》に送られた後は東郷永光配下の刻印魔導師として活動していたが過酷な環境に耐えきれずアメリカへ逃亡した。

しかしアメリカでも変わらず犯罪に手を染め、堕落していたところを元・専任係官の王子護のハウゼンに拾われ、見事に利用された。







以下ネタバレ
ケイツの双子の兄は相似大系超高位魔導師《神に近きもの》グレン・アザレイであり、一卵性双生児を同じ存在として認識する相似世界ではどちらも生きられないとして彼らの親がケイツを外の世界へ送った。前述の理由とはこれである。

王子護はグレン戦争の際、チートキャラなグレンを倒す為双子である彼をグレンと相似魔法で繋ぎ、ケイツを殺すことでグレンも殺そうとしたが彼の圧倒的実力の前に失敗。また、この時グレンがケイツの脳神経の一部を自身と相似にし、自身と同様の魔法資質を与えた。


当初の計画に失敗した王子護はグレン並みの力を手に入れたケイツを五億円で買収。武原仁と組み、グレン討伐に加わり、結果的に勝利。
討伐成功の見返りとして以前の罪を帳消しにしてもらい自由の身となる。
で、ここから先が彼の本気。


以降の話にもちょくちょく登場し、武原仁との比較に使われたりする彼。
だが、グレンのおかげで強くなったにもかかわらず、性根は変わらずに金にうるさく、面倒になると逃げ、お飾りの役職で威張り、保身に走り、すぐにヘタレる。
34のおっさんがそれでいいのか。
特に武原仁は年齢的にケイツのヘタレっぷりを見る度に10年後を想像してしまうほど。


ダメなオトナの典型だがそのダメっぷりがシリーズが続くにつれて愛おしくなってくるような人物である。
しかし、ヘタレにしか見えず
特技【隠れる・逃げる・謝る】
と、やはりヘタレにしか見えないケイツだがよく考えるとすごい人物かも知れない。

理由としては

第一に逃亡能力の高さが挙げられる。

まず公館から逃亡し10年も平和に暮らしていた事、東郷や雷神という作中最強クラスの人物に対しほぼ無傷での逃亡に成功。
スセラミス派の刺客からも難なく逃げのびている事から彼の逃亡力は超一流といえるだろう。

第二に戦闘力の高さ

すぐに逃げるからわかりづらいが、兄譲りの才能により、そこらの高位魔導師相手なら充分わたりあえる。
それと防御に優れており、どこぞの【魔獣使い】よりよほど堅いし、回復能力においては絶命直後なら蘇生できる程で、仁のピンチを幾度となく救っている。
超高位魔導師ですら逆らえない再演干渉に抵抗し、グレンや九位といった超高位魔導師を撃破した実績からも彼の実力は疑うまでもないはずだ。
第三に彼の真骨頂、その人格

すぐに逃げると思われがちで、実際その通りの彼だが、彼が逃げるのは理由がある。

戦わなければ誰も傷つかないからだ。

ゆえに、彼は戦うぐらいなら逃亡を選択するのだ、例え臆病者と蔑まれようとも。

ヘタレであるのは事実だけど。

故郷でも犯罪行為に手は染めていたが、生きるために仕方なくであり、殺人は犯そうとしなかった事からも彼の小市民的善良さが理解できる。

第四に彼を慕う可愛いメイドさんがいる。彼を慕う可愛いメイドさんがいる。
だが男だ。

以上からケイツ・アザレイのすごさが伝わったと思う

彼はヘタレかもしれないが、ただのヘタレではない。
愛すべきヘタレであり、癒し系ヘタレ。
メイゼルと並ぶヒロインであると同時に、仁と相似で対象的なもう一人の主人公、浅利ケイツは今日も逃げ続ける。

ちなみに武原仁と増幅器の最終決戦にて、仁がトドメの一撃を入れる隙が生まれたのはケイツが未来の増幅器と自身を相似にして動きを止めたからと思われる(Q&A『円環少女質問企画』で確定)。
なおケイツ自身も「それ」が何なのかは理解出来なかったのだが、瀕死で地べたに崩れ落ちた際「それ」を感じ意識を喪う前に「這いつくばれ」と相似魔術を仕掛け、完全にではないものの刹那の足止めに成功した。
こう書くと、円環少女を読んだことのない人には何が凄いかわからないと思うが、これは「他大系の魔法に相似魔法で干渉する」「時間を超えて未来の人間に相似弦を結ぶ」
「しかも相手が(間違いなく作中最強・最悪のチート魔法である)再演大系である」という三重苦を乗り越えて行われたことで、正直チートがインフレ状態だった最終決戦においても
トップクラスのチートである。ケイツすごい!カッコいい!これまでのマイナスを補って余りある活躍だぜ!

………と普通ならなるのだが、いかんせん、(詳しい説明は避けるが)本来もう死んでこの世にいない上記の兄貴(グレン)が颯爽とこの後に登場し、上記の技術とほぼ同じ魔法をあっさり使って大量の強敵(高位魔導士)を
まとめて瞬殺、薙ぎ払ってくれた挙句、前回の登場時には見せなかった新技※≪再誕の祝福≫を披露してくれたおかげで、読者の中には「やっぱグレンってスゲー!イリーズとどっちが強いんだ!?」
といった余韻が残ってしまったこともあり、やっぱりケイツの活躍は若干霞んでしまっている部分もある。どこまでいっても可哀そうな男だ…。
ちなみにケイツはグレンの治療により一命を取り留めたのだが、目が覚めたのがグレンが消えた後だったため「自分が無意識に自己治療した」と勘違いしており、やっぱり残念だった。

※端的に説明すると、普通、高位以上の相似大系魔導士は体を魔法で色々弄って改造・強化しているのが一般的なのだが、グレンはこれをしていない。これは大きな弱点…であるはずもなく、
 「改装していない生身の自分の体と相手の体を“相似”にすることで、相手が体に施した魔法強化・改造を問答無用で全部吹き飛ばす」というチート技のためである。

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最終更新:2024年03月02日 09:37