王の軍勢

登録日:2009/06/04(木) 22:15:03
更新日:2023/11/11 Sat 19:14:52
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────見よ我が無双の軍勢を!


肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられて、
それでも尚余に忠義する伝説の勇者たち

時空を超えて我が召還に応じる永遠の朋友たち


彼らとのこそ我が至宝!我が王道!

イスカンダルたる余が誇る最強宝具───




王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』なり!!



\ウォォオオオオオオオオ!!/


Fate/Zero』に登場するライダー/征服王イスカンダルが所有する宝具



●目次


【データ】

ランク:EX
種別:対軍宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1000人



【概要】

ライダーこと征服王イスカンダルが真に頼みとする最終宝具にして切り札。
彼と共に戦った臣下達の、死してなお果てることのなかった征服王への忠義を昇華させたもの。
周囲の環境を、灼熱の太陽が照りつけ、吹き荒れる砂塵に霞む地平線の大地へと塗り替える固有結界である。

しかしこの宝具の本質は固有結界ではなく、独立サーヴァントの連続召喚、即ち英霊化したイスカンダルの近衛兵団をサーヴァントとして現界させることである。
ビジュアルファンブックによると、その数は数万人単位の人数。

召喚されたサーヴァントはマスター不在でも活動できる、E-ランク相当の単独行動スキルを有する。
更にはイスカンダルの愛馬であるブケファラスまでもがれっきとした一個の英霊の格にあるため、この固有結界内にもサーヴァントとして召喚される。

また、この固有結界は結界内の全てのサーヴァント、つまりは召喚された彼の軍勢全員によって維持される。
上述したように召喚された軍勢はそれぞれ単独行動のスキルを持つため、最大で30ターン持続出来る。
魔術師でない征服王が固有結界を展開できるのは、具現化する砂漠が兵士達全員の心象風景であり、「心象風景を具現化する」固有結界の維持をライダー1人で行わずに済むためである。


要は、敵を逃げ場も隠れ場所も無い砂漠の平野に放り出して、数万人の武装した兵士でフルボッコにしてしまうという能力
特に遮蔽物に隠れてなんぼのアサシンにとっては本当にどうしようもなかった。

ちなみに、作中で大海魔との闘いの際に「神威の車輪」を駆りながら固有結界を発動させ、結界解除の際にも使用しているので併用できる模様。
この併用で対軍宝具を持つ相手でも「神威の車輪」で対処できる可能性があるので戦術の幅が大いに広がる。


なお、『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』に登場した「フェイカー」ことへファイスティオン*1も、
生前「イスカンダルの影武者」であったことで『王の軍勢』を発動させることが出来るが、過負荷で霊基を犠牲とする事実上の特攻宝具となる上、
イスカンダルほどの霊基ではないために基本的には兵卒までしか現界させられないという制約がある。戦力的にはフルスペックの数分の一になるという。

ただ、『FGO』のコラボイベント『レディ・ライネスの事件簿』の追加エピソード『偽典の帰還』にて、
彼女が『王の軍勢』を発動した場合、その号令を聞いた英霊の座のイスカンダル本人が召喚に応じることも可能であり、
この際、召喚されたイスカンダルにヘファイスティオンが軍団の指揮権を返還することで、イスカンダルの宝具の真名解放が可能となり、
改めてイスカンダルが『王の軍勢』を発動するという形でフルスペックの『王の軍勢』を現界させるという裏技じみたことを行っている。


【「王の軍勢」のメンバー】

「ヘタイロイ」とは史実においてイスカンダル直属の兵で、五万近くで遠征していた。意味は「王の友」
有名なメンバーを挙げると

  • プトレマイオス朝開祖「救済者(ソテール)」プトレマイオス一世
  • セレウコス朝開祖「勝利王(ニカトール)」セレウコス
  • アンティゴノス朝開祖「隻眼王(フタルモス)」アンティゴノス
  • カッサンドロス朝開祖カッサンドロス
  • 「王の友」クラテロス
  • 「アレキサンドロスの友」へファイスティオン
  • インドからはアレキサンドロスに刺激を受け大帝国を築いた、マウリア朝開祖「月護王」チャンドラグプタ

など、世界史の中でも第一線の影響力を持った大英霊級の偉人のオンパレードである。

史実のヘタイロイは全て重い槍を携えた重装騎兵であり、東征において、インドの機動力に劣る戦車(チャリオット)、あるいは軽い武器しか持たない軽装騎兵を圧倒している。
また遊牧民のように機動力を駆使した、ヒットアンドアウェイ戦法にも対応出来る程柔軟なものである。それ故に数で勝る兵団が他国にあろうとも、世界最強の軍隊を誇っていた。
なお、原作では騎馬隊もいたが、アニメでは歩兵隊しか登場していない。
恐らくは、馬は人間より遥かに絵を描くのが難しく動画にすると尚更で、とてもそんなものを描く余力が無かったからと考えられる。

聖杯戦争のルールに関係なく召喚されているため、クラスの枠に当て嵌める事は出来ずクラススキルは持たない。
恐ろしいことに一国の君主の器たりうるBランクの「カリスマ」持ちが数人混ざっており、彼らを従えるイスカンダルの器の大きさがとんでもないことの証左と言える。
また、個人としてはイスカンダルよりも強い者もちらほら混じっているが、これはイスカンダルは王としての功績は偉大だが、個人の武勇はさほど優れていないため。
なお、結界内に召喚された軍勢はあくまで「英雄」として再現されているため、英霊として召喚された時に彼らが持ってくるであろう宝具は具現化できないとのこと。
これに関してはマスターの資質や魔力量のせいというわけではなく、イスカンダル自身の能力の限界点のようで、
劇中でイスカンダルがギルガメッシュに誘いをかけているように、「王の財宝」等で宝具に相当する武装を調達できればさらに戦力は増すことだろう。

余談だが、秘書官である通称『カルデアのエウネメス』は某二世に似ているらしい。


【弱点】

これほどの宝具だが、欠点もいくつかある。

  • 軍勢は宝具使用不可
例えば召喚される臣下の中には歴史に名を残した者・ライダー以上の武勇を誇る英霊もいるが、『王の軍勢』で呼び出された場合は宝具を使用することはできない。
そのため、物量で押し潰せない相手との戦いでは決め手を欠いてしまい、高い再生力を持つ大海魔との戦いでは時間稼ぎするのが精一杯だった。

  • 発動時の魔力消費
展開中における魔力の燃費は非常に良い反面、発動時においては「座」にいる部下達にイスカンダル1人で号令をかけなければならないため、
展開できる戦力規模を考えればマシな方ではあるが、発動時には膨大な魔力を消費することになる。

  • 固有結界の維持
部隊の過半数以上を失うと、結界を維持するだけの魔力源が不足することになり、強制的に結界が解除されてしまう。
そのため、セイバーの「約束された勝利の剣」やギルガメッシュの「天地乖離す開闢の剣」のような、一度に大勢の敵を倒せる対軍・対城・対界宝具持ちのサーヴァントとは相性が悪い。
特に後者に関しては、一度使われれば固有結界ごと吹き飛ばされてしまうため、相性が悪いどころかこの宝具の天敵と言っていい。
なお、クー・フーリンのような、単身で軍勢と戦った逸話を持つ英霊との相性は不明。

  • イスカンダル本人
この宝具を発動しているイスカンダル本人を狙う場合。イスカンダルが死亡すれば当然この固有結界も終わる。
万の軍勢がいるため狙いづらいが、イスカンダル本人は奥に控えているような性格ではない他、宝具によっては個人を狙い撃ちするものもあるため、ない話ではない。
ただしイスカンダル本人も大英雄であり、仕留めるのは至難の業。『Zero』漫画版では女アサシンがイスカンダルを狙うも返り討ちにあった。

【長所】

上述のような欠点は確かに存在する王の軍勢だが、それでもランクEX、ギルガメッシュの「天地乖離す開闢の星」と並ぶ「評価規格外」の強力な宝具であることは間違いない。

  • 対人宝具しかもたない英霊へのアドバンテージ
固有結界に引き込む際と現実世界に帰還する際には、敵味方との位置関係はある程度自由に変えられるため、「約束された勝利の剣」などの一度に多くの敵を殲滅できる宝具などを持たない場合、
敵はただでさえ手強いイスカンダルの軍勢を、相手が有利な位置に陣取っている状態で迎え撃たなければならない。

劇中ではアサシン戦にて、「妄想幻像」で大人数に分裂した状態で襲い掛かってきたアサシンを宝具展開時に一つ所にまとめて配置し、そこに召喚されたイスカンダルの軍勢が殺到。
数を頼みとする暗殺者のサーヴァントは、自分たちを遥かに超える物量を以て一瞬にして荒野の血風とされた。
芥子粒が石臼にひき潰される様子の方がまだ見応えがある」と表現されるほどの一方的かつ呆気ないその最期に、アサシンに同情した人もいたことだろう。
その性質上、対人宝具や数十人対象の対軍宝具しか持っていないサーヴァント、発動に時間差が多少ある宝具持ちには絶対的なアドバンテージを取ると思われる。






アニヲタとの絆こそ我が追記!我が修正!
管理人たる余が誇る最強宝具────



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最終更新:2023年11月11日 19:14

*1 正確にはその妹だが、兄と主君の魔術的な影武者とする意味で生前から『名無し』であり、『事件簿』でもシステム上は「イスカンダル」として召喚されている。