俺は悪くねぇっ!

登録日:2011/11/11 Fri 11:56:09
更新日:2024/04/07 Sun 13:06:39
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※この項目には『テイルズオブジアビス』の核心に触れる重大なネタバレが含まれています。

















































だって、師匠(せんせい)が言ったんだ…。そうだ、師匠がやれって!こんなことになるなんて知らなかった!誰も教えてくれなかっただろっ!

俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!!

…大佐?

船橋(ブリッジ)に戻ります。ここにいると、馬鹿な発言に苛々させられる

なんだよ!俺はアクゼリュスを助けようとしたんだぞ!

変わってしまいましたのね…記憶を失ってからのあなたは、まるで別人ですわ…

お、おまえらだって何もできなかったじゃないか!俺ばっか責めるな!

あなたの言うとおりです、僕は無力だ。だけど…

イオン様!こんなサイテーな奴、ほっといた方がいいです

わ、悪いのは師匠(せんせい)だ!俺は悪くないぞ!なあ、ガイ、そうだろ!?

ルーク…あんまり幻滅させないでくれ…

少しはいいところもあるって思ってたのに…私が馬鹿だった

……ど、どうしてだよ!どうしてみんな俺を責めるんだ!

ご主人様…元気出してですの...

だ、だまれ!おまえに何がわかる!

ボクも…ボクのせいで仲間たくさん死んでしまったから…だからご主人様の気持ち、わかるですの…

おまえなんかと一緒にするな!おまえなんかと…うぅ…






概要

俺は悪くねぇっ!とは、テイルズ オブ ジアビスの主人公ルークヴァン暗示で操られて瘴気に冒されていたアクゼリュスという鉱山都市を崩壊させられた後、
地下世界である魔界(クリフォト)の瘴気の海に浮かぶタルタロス(装甲艦)の甲板でパーティメンバーから無言の圧力をかけられ、それに耐えかねて放った台詞の一部。

そして、さっきも上記に書かれてある通り、

ジェイド「ブリッジに戻ります。ここにいると馬鹿な発言に苛々させられる」
アニスイオン様!こんなサイテーな奴、ほっといた方がいいです!」
ガイ「ルーク…あんまり、幻滅させないでくれ…」
ティア「少しはいいところもあるって思ってたのに…私が馬鹿だった…」

と、 (ナタリア、イオン、ミュウを除く)パーティーメンバーほぼ全員から とある特撮組織みたいに ボロボロに暴言に吐かれた挙句見捨てられる *1のである。



ルークおよび仲間達の背景

実際にルークが「悪いか悪くないか」の二択で言えば、確かに ルークは悪くない
厳密に言うならルークにも非はあるが、同情すべき点や擁護の余地があり全て悪いとまでは言えない。
勘違いしてはならないのはまず明確に「悪い」のはルークを騙しに騙した挙句、計画を確実に遂行するために暗示という細工までしていたヴァンであり、無論知らなかったで全部済む事件ではないし被害者なら詰め寄りたくもなるだろうが、客観的にはルークは全く悪くないし責任も無い。強いて言うならルークに言いたいことは先にヴァンに言えといったところ。
「ヴァンに悪意はなかったが指示にミスがあった」とか「ヴァンの指示を真面目に聞かずに一人でミスした」後の『ヴァン師匠が悪いんだ』であれば確かにルークは「悪い」と言えるが、「ヴァンが悪意をもって嘘の指示をした」となればまた事情が変わってしまう。
仲間側が怒った最大の理由も「自分がやった事への向き合い方」の方であり、後のあるサブイベントにおけるジェイドの、
それ(アクゼリュスを崩落させた事)に対して無意味に言い訳ばかりして現実を見なかったから」と言う台詞からも見てとれる。
(特にジェイドの場合は自分が元凶である認識があり、ルークの過ちが嘗ての恩師に関係する自分の過ちを思い出させるためにイライラしたというのが大きい。イベント当時のルークから見ればジェイドにそんな過去があったことなど知らないし、それを世間では八つ当たりと言うのだが

ただし、聞かれなかったので気付かなかったのか、非難された最大の原因をちゃんと説明する人が居なかった上に、
特にティアとジェイドとアニスは彼が態度を改めた後も彼をネチネチ邪険にしたりと明確に悪辣な態度を取っていたため、
仲間が自分を非難した最大の原因をルークは完全に誤解してしまっており、もし上記のサブイベントを起こしていなかったらずっと誤解したままエンディングを迎える羽目にすらなってしまう
…というか「アクゼリュスを崩落させた事そのもの」も実際に責められている。
他の仲間からもその後の台詞の節々から、(後述の通り仲間たちにも責任やルーク以上のやらかしがあるというのに)こちらの理由でも責められていることは疑いようが無い。

ちなみにルークが師匠(せんせい)に騙されたというのは、この直前のルークの訴えや彼の生い立ちなどから全員が理解・承知している。
それならもうちょっと位話を聞いてやれよ…とも言いたくなるが、流石に具体的にどう騙されたのかまでは知らなかったようで「どうせ都合の良い作り話に飛びついたんでしょ?」程度の認識だったと思われる。


さて、この件に対してのルークの態度も見るからに責任転嫁で、実際幼稚なことは明らかなものの(勿論それだけでも当の住民や遺族や関係者達に聞かれたら袋叩きにされてもおかしくない。)勿論、擁護する意見も多い。例えば…
  • 幼い頃から信頼していた人物に瘴気が中和できて町の住民を救えるハズだと騙され、
    しかもその結果起こしてしまった大量虐殺+目の前で死んでいく子どもを見て、錯乱して思わず言ってしまった自己防衛の台詞であろう事。また見放された後泣き崩れている事、後の彼の台詞からちゃんと罪の意識と自覚を抱いた上での反応である
    何が悪いのかもよく理解しないで責められるがままに機械的に平謝りしたり、「瘴気を中和したかったなんて誰も信じちゃくれねーよ…ちきしょう」と不貞腐れる真似をする位なら、事の重大さを自覚した上で、不服な点を素直に主張しようとするだけまだ自然な反応とも言える。
    下手に罪を認めるような受け答えをすれば、最悪その場でジェイド辺りに断罪(ジェイドにその資格があるのかは怪しいところだが)される可能性も有り得たので尚更である。
    • よく『今迄散々調子に乗ってきたのだからこの仕打ちは妥当』という意見もあるが、本人は単に楽がしたくて・目先の栄光に目が眩んでヴァンの口車に乗ったわけではなく、本人の境遇と元々記憶が無いのをいいことに、事前にヴァンから尤もらしい(しかも半分脅しに近い)内容のデマ*2を念入りに吹き込まれ、寧ろ自分の自由な立場を確保する為焦ってすらいた。ダメ押しに『同行メンバー全員(特にキムラスカ関係)が立場上疑わしいから直前まで打ち明けるな』とも吹き込まれた為、ルーク視点ではとてもではないが断ったり、険悪気味な他のメンバーに素直に相談できるような内容や状況ではなかった。
    • 更に、結局ルークから相談する機会がなかったためあくまでたらればの話となるが、最高機密情報満載のヴァンの計画をティアやイオンに相談したとしても、まともにルークが思いとどまるような真相も話してもらえなかった可能性が高い。「人の死が絡む預言(秘預言)は例え詠めても民衆には絶対公表しない」掟がある以上、ヴァンの嘘は見抜いても真実をルークに伝える手段が無いので二重に詰んでいる。
      • ましてそれ以前もルークの質問や気になる話に対し「機密なので話せない」と伏せる展開がかなり多く、ルーク本人も辟易していたので猶更である。
    • 流石に世界の事実を知らない一般人に地面が丸ごと宙に浮いているなどを想像しろという方が無理だが、素人が町の地下で巨大なオーパーツを見せられて不安を感じたからこそ(自称)専門家に頼ったとしてもおかしな話ではない。それでも物体を破壊する超振動を使うと言われれば多少躊躇いはすれど、ジェイドのような冷徹な人間でない限り「最悪町ごと大爆発しませんか?」なんてはっきりと意見できる人はまずいない。
      軟禁生活により知識や社会経験自体が圧倒的に不足していた当時のルークでは尚更である。
    • そんなこんなで疑問の余地なしに完璧に従わせた挙句、最終的にはダメ押しにと暗示をかけられて強制的に超振動を発動させられている。
      この暗示自体は序盤にも彼の超振動の暴走阻止の為に使われていることやこの時のルークは超振動を制御できなかったことから、「私も(暗示で)力を貸す」とあらかじめ助力のように扱われていた為、疑う余地すら残されていなかった。
      • このように繰り返しになるがこの事件は本当にヴァン師匠(せんせい)が悪い。それも実質ルークが生まれる前から入念に仕組まれた巧妙な罠であり、そこには本物に近い作り話やギスギスしている仲間達と対照的に味方でいてくれると信頼させ、挙句の果てには、国家ぐるみの人間関係までもが含まれていたため、外部の指摘なしに避けられる可能性はほぼない。なのに、タルタロスで仲間達は体のいい道具として利用されただけのルークを集中的に非難して、全ての元凶たるヴァンを何故か殆ど責めていない*3
    • こうなるような事態は預言に記されていた*4にも拘わらず、 「犠牲の預言であっても必ず実行されなければならない」 というローレライ教団の方針により住民への対策どころか告知さえされず、預言成就および人類繁栄のため意図的に捨て石にされたとすら言える扱いであり、ユリアシティの市長でさえ事もなさげに「起こるべくして起こった」と言い捨ててしまう。正直なところ教団やキムラスカ王国もグルになっていた可能性もあるので…尚更ルークばかりを責められない。これについては「預言」に依存して成り立つオールドラント全体の問題*5だが。

  • ルークに7年前からの記憶が無く、実年齢7才である。
    しかもその7年すらもずっと屋敷での軟禁生活な上に様々な思惑でヴァン以外誰もまともに教育してくれなかった状態だった為
    誇張抜きで一度も屋敷から出た事がなく、「海や買い物という概念を知らない」等極端なまでの世間知らずで、仮にヴァンの言葉に疑いを持ったとしてもそれを追求できるだけの知識や感覚が絶対的に不足していた。当然そのことは仲間全員知っているので、彼の事をよく知らなかったからとはフォローできない*6
    そもそも誰よりも信用していた人間に裏切られて、結果として街一つ滅ぼし、多数の死体と目の前で死ぬ子供を目の当たりにするというこの上ない悪夢に直面し、仲間達からも冷たい無言の威圧をかけられ何を言っても責められるであろう四面楚歌な状況で、為政者として直ちに冷静かつ責任ある返事や行動をしろと求める方が無理難題だし、仮に出来たところで「街一つ滅ぼしておいて何しゃあしゃあとすました事言ってるんだ?」などといちゃもんをつけられ責められていた可能性すら高く、詰んでいた。

  • また、犠牲となった住民の遺族や関係者などからならばともかく、仲間から一方的に非難されるいわれが無い。


+ 其々のルークの仲間達と六人将の一員の一人であるアッシュに関する罪
ミュウ
  • 自分に対して辛辣な態度を取った彼の心境を誰よりも理解し、唯一彼に付き従い賢明に慰めようとしている上に、更にその後、寝込んでいるルークをアッシュから必死に庇ってを見せた。これだけ見れは良い奴の様に見えるが、彼は未熟な個体にもかかわらず炎を吐く事が出来て調子に乗ってしまった結果、誤って災害(森林火災)を引き起こしてしまい、更にそこから連鎖的に各方面に被害を続出させ、最終的に比較的穏当な提案*7をしていた罪無き獣のライガクイーン(=ライガ族)もその卵も理不尽に滅ぼされ*8その結果妖獣のアリエッタもこの後に何故か殺害される遠因も作り出した。*9というルークと違って完全に自分が悪いという黒歴史に等しい過去を持っている。
    • それ故にこの慰めは『かつて調子に乗って火事を起こした自分』と重ねた上での発言である以上、ミュウも他のメンバーと同様この惨劇を『ルークが自分の意思で行った』と捉えている事になり、少々あんまりな流れになっている。彼にそこまでの機微を求めるのも酷ではあるが。
    • 更に、ストーリー終盤にルークの消滅の件をティアにバラすという相棒にしては余りにも無神経な行動をとっている。わざわざルークに席を立たせた上でばらしているため意図的な行為なのだが、結果何ら解決にもならなかったばかりか皆に内緒にして少しでも明るく余生を過ごしたいというルークの望みを裏切っただけに終わったので、結局何をしたかったのか分からない。
    • 尤も、これでも悪意による行動や言動がなく、長所がかなり描かれたため、イオン同様プレイヤーからの印象はマシな方であるが。

ティア
  • 原作時点ではヴァンの計画を曖昧にしか知らなかったor実は知っていたと場面場面で表現が異なり曖昧である。流石にこの場面までは前者の様な扱いなのだが、この後のイベントで明らかになる後者の設定も様々な話に繋がっているので無視できるようなものではなく、どうあがいても整合性は取れない*10。当然この時点で実は知っていたとなるとやけに辛辣なルークへの対応以外の行動や言動全ても違和感でしかなくなる。
    • 外伝作品の『ファンダムVol.2』では後者の設定を採用して本編開始以前からヴァンの計画を知ってる事になっている。それなら、何故そのヴァンの計画をルークに教えなかったのかが、プレイヤー達の視点で見ても疑問にしか残らない。*11

ジェイド
  • この作品の諸悪の根源と言っても過言ではない存在であり、しかも(預言の強制性を考慮しなければ)この惨劇を未然に防ぎうる知識・推理力なども色々揃っていた。更に取り沙汰されていないが、計画に必要な技術の全てに深く関わっているのでルークが暗示で操られたということも恐らく把握している。*12*13正直言って、彼こそがこの件に於いてはルーク以上に他人の事をとやかく言える立場ではない。

アニス
  • 後から判明するがそもそも彼女は敵(大詠師モース)のスパイ。この惨劇への直接の関わりはないものの、ティア・ジェイド・ガイと同じく彼女もまたイオンの補佐役として止められる可能性は十分あったが、表向きの職務はここまでの間にほとんど果たせていない*14。彼女自身もここに至るまでに渋々とはいえルーク以上にストレートに人の事が言えていないようなことを多数しでかしている。その中にはこの件と同じく事実上の虐殺*15までもが含まれている。こんな境遇でありながら、同族嫌悪するならまだしも心からルークを軽蔑していたとしか受け取れない上この後に更に先をいうなら、上記の行動を棚に上げてルークを「お坊ちゃま」呼ばわりしたり、ルークの提案に「うわ、ルークが仕切るんだ」等率先して嫌味を言うのだから余計にタチが悪い。 *16

イオン
  • ヴァンやルークに促されるがまま、教団の最高機密である筈のパッセージリングがある広間への扉の封印をあっさり解いた為、ルークがパッセージリングを破壊してしまいアクゼリュス崩落を起こしてしまった。身も蓋も無く言うと彼もルークと同罪である。なお彼もルークと似た事情で実質二歳児。それゆえか彼だけはルークをフォローしようとしていたと思われるがそこをアニスに阻止され、自身も意気消沈していたからかそのままアニスと引っ込んでしまう
  • 彼は安易に封印を解いた自分にも落ち度があった事を認めており、その後もルークへの態度も全く変えず今まで通り献身的に接し続け、ルークに嫌味な態度を見せるジェイドやアニスを諭したりしているためか、ミュウ共々他のメンバーよりは批判は少ない。ただ、ルークと同じくらい落ち度がある筈なのに「何故イオンはルークのように責められないの?」とは言われる事がある。普段の行いと当時の態度の差だろうか…。
    • もっと言うなら彼はキムラスカ国王に親書を手渡した時点で既に役目を終えており、彼が 守護役のアニスにも内緒で勝手に外出した結果アッシュに雇われた漆黒の翼に誘拐され(アニメ版では2人のキムラスカ兵を護衛につけていたが倒されてしまった。) ザオ遺跡に連行され急ぎの身であるルーク達に回り道をさせた。にも拘わらずアクゼリュス救出の仔細を今回の和平活動の発案者であるピオニーに報告したいという微妙な理由で自らルーク達とアクゼリュスに行きたいとせがんで半ば無理やり同行していた。そして道中だけ見てもルーク達の足手まといになっている。

ガイ
  • ルークの幼少の頃からの理解者であり「マブダチ」を(称号として)自称している。しかもルークが記憶喪失であることで結果的に救われている*17。また利害の一致などからヴァンの計画にも一部加担していて、仮に詳細は知らなかったにしてもヴァンがルークを利用するために接近していたことも最初から知っていた。…何せ自分だってそうだし。その立場に加えて計画に必要な音素知識なども知っていたため何気にジェイド以上にヴァンの企みに気付ける立場だった。
    しかもルークの親友を自称しているにも拘わらず、アクゼリュス到着直前の怪しい雰囲気も察している割には雰囲気の改善などはろくに図らず、ルークがますますヴァンに依存して周囲との軋轢を深めていくことを放置し、そしてルークが彼に藁をも掴む想いですがった際に上の言葉を吐き捨てて去る。*18しかも、後の再会時に至っては自分の後ろめたい事情は一切話したり思い悩むことすらも一切なく「ルークを許す」など上から目線の振る舞いをし続け、挙句(悪気は無いとはいえ)最終決戦直前のイベントで「死ぬまで罪を償い続けろ」という趣旨の言葉を投げかける、ルークに救われたと思っているはずなのにルークへの殺意を秘め続けていた挙句それを隠し通す*19等々……、一見親友&お人よしにも見えるが、だからこそ余計にサイコパスや冷血と取られてもおかしくない言動が全編通して余りにも多い。
    • しかも唯でさえ急いでアクゼリュスに到着せねばならないのにイオン救出までさせられている…と相当切迫した状況下であるにも拘わらず「旅にも役立つかもしれないしルークに経験させてやりたい」というしょーもない理由で城下町の道場への寄り道を強請るという空気を読んでない事までしている(メンバーからも一度は反対されるも更に食い下がってまで)。まぁ実際そこでFSチャンバーが使えるようになるのでプレイヤー的には確かに役に立つのだが、だとしてもその先日屋敷に戻るまでの自由行動の中で強請るべきであり地味に突っ込まれている。

ナタリア
  • この惨劇への直接の関わりはないのだが、ルークに彼の知らない記憶のあった頃を事あるごとにちらつかせ、当のルークの会話中にも隙あらば過去に浸った挙句早く記憶を取り戻せと催促して困らせる*20*21
    更にルークの境遇をガイと同じく他の仲間以上に知り尽くしているのにやっぱりこの場面でも過去の記憶を持ち出して一方的になじる無神経さを発揮。
    そして目先の正義感にかまけるあまり自身の立場や臣下たちの事もそっちのけでルークを脅しまでかけて勝手について来たため、この直後に起きる戦争の口実にされる。*22

  • ヴァンの計画の仔細を知っており、上手くルークに打ち明ければ彼を止められる可能性があった存在。しかし初対面でいきなりルークに不意打ちで斬りかかってきたり、キムラスカの軍港を襲撃させたり、イオンを攫ったり、ルークを面白半分に操ってティアを斬らせようとしたり*23、完全に敵対者としての出番ばかりであり、件の説得の際も具体的な説明も説得力もゼロの上に暴言同然な命令口調だった為、ルークが聞く耳を持つ筈が無かった*24。ついでに言うと直前にグリフォンに掴まれてヴァンに連れ去られた筈なのに、何事も無かったかの様に猛毒の瘴気と泥の海のド真ん中にあるユリアシティに先回りしていたりと前後の立ち回りの描写がお粗末すぎる*25



この様に、テイルズ史上屈指の(ルークを除く)散々なほぼろくでなしのメンバー達である。(無論、フォロー等もあるが)

そしてルークが作中全編通して責められるべき原因やらイベントは上記に挙げたものがほぼ全て*26であり、
「(実質七歳児&環境が悪いのだが)態度が悪い」
「(操られて)崩壊の引き金を引いた(しかも「そういう予言だからそうしよう」が国家規模で行われる世界での予定調和)」
程度でしかない、凄まじいギャップの差が長年この話題が続いていたりする最大の要因だと思われる。
*27

ただ、ルークが責められる展開が完全な電波だったかというと、決してそうではなかったりする。
彼の序盤の性格などは彼の記事などを参考にして頂くとして、ルークが親善大使に任命されて以降は態度の悪辣さに急激に拍車がかかっており、兎に角メンバーの反感を買う身勝手な発言ばかりを繰り返し人望が地に落ちていくこととなる。
ヴァンから色々吹き込まれて不信感や危機感を煽られまくっていた事に加え、当初はヴァンと共に最短ルートの海路でアクゼリュスに向かう予定だったが彼等の妨害でオラクル騎士団が海上にまで出張っており、連中に対する囮の船に急遽がヴァンのみが乗って現地に向かう事になり、ルークたちは渋々遠回りの陸路で向かう事になり一刻も早くヴァンに追いつく事を優先して焦りが蓄積していた。
…にも拘わらず(本来ならこの派遣とは無関係な)イオンがアッシュらに誘拐され救出の為に砂漠のザオ遺跡まで寄り道をせざるを得なくなり救出には成功したもののまた六神将に誘拐される可能性がある事、イオンの希望もあって彼も同行するのだが、病弱なイオンを連れての過酷な陸路の旅により唯でさえ大幅に遅れていた予定が更に遅れ、ルークの焦りや苛立ちも限界に達しつつあった。その上で…

  • イオン救出を「寄り道」呼ばわりして「今はイオンが居なくても(俺が居れば)戦争は起きない」と自惚れてアニスやティアの反感を買ってしまう。
    • ただし、イオンを誘拐したのは六神将であり、キムラスカでもマルクトでもない。言ってしまえばダアト内部でのゴタゴタに過ぎず、それに対してアクゼリュス救助隊であるルークたちが首を突っ込む道理は全くない。つまり元々の任務優先で冷徹な言い方をすれば、イオンの件は正しく寄り道である。
    • これに対し 導師守護役のアニスがルークに「あんた、バカ?」と嫌味ったらしく暴言を吐く イオン誘拐は彼女の監督不行き届きが大きく、本来なら彼女が自力で教団と連携するなりして解決する問題なのだが、彼女はよりにもよってアクゼリュスに赴かんとするルークたちに協力を強請るという最悪手をとった。 自分の落ち度を認めて巻き込んだ事を謝罪しつつイオンを悪く言わないよう懇願するなら兎も角、このような物言いをする資格は無い。

  • そのイオンが疲れて休憩を打診されると師匠が待っていると猛反対し、挙句「親善大使は俺なんだ、俺が行くと言ったら行くんだよ!」と宣い全員の顰蹙を買う。
    • 見かねたジェイドが強引に休憩に持ち込んだので仕方がなく妥協し、その後ティアからの説教も聞き入れないどころか、彼女に対する不信感を余計に募らせてしまう。
      • これは一応、ルークの癇癪も誤りではない。 そもそもルークたちは瘴気が発生したアクゼリュスに対する救助隊であり一刻も早くアクゼリュスにつかねばならない立場である。それなのに本来いるはずのない人員(足手纏いともいう)の半ば自業自得な理由で時間を浪費してなどいられず、傲慢な言い方ではあるが主張そのものは間違っていない。本来ならケセドニアの両国どちらかの領事館にアニスと共にイオン預けるくらい慎重であって良いくらい。

  • 道中のフェイスチャットでガイやナタリアから(最前線の肉体労働などでも)親善大使の務めをしっかり果たすよう忠告され、それに対し「どうして俺が前線に立って動かなきゃいけねーんだよ」「俺は指示してれば良い」と、一応間違ってはいないが協調性に欠いた言動を取る。
    • いくら『預言』にそう詠まれていたとしても、王位継承権すら持つ公爵家の人間であり親善大使という一行のトップを災害現場の前線に出すこと自体が狂気の沙汰である(これは王女であるナタリアも同様)。また、言い方は悪いが後ろでふんぞり返って指示するのは高位貴族として正しいスタイルである(当然、それに伴うあらゆる責任を背負う事も含めて、だが)。そのための手足としてティア、ガイ、ジェイドが(公式に)同行しているのだが。

  • その後ティアを連れ戻しにきた六神将のリグレットの襲撃を受け彼女から出来損ない呼ばわりされ激昂、明らかにルークに関係する話なのに本人そっちのけで(説明を求める彼の訴えをガン無視して)リグレットとジェイドとイオンの中だけで勝手に話をまとめられた事に対し「どいつもこいつも俺を馬鹿にして、蔑ろにして!俺は親善大使なんだぞ!」と喚き散らすもメンバーはまるでルークを除け者として扱うが如くに無視。
    • その後のフェイスチャットでティアからその態度について咎められ「師匠は分からない事は何でも説明してくれた!」などと怒鳴り散らし、ティアに上から目線で辛辣な返しを受け、彼を慰めようとしたミュウにも当然の如く「ティアもジェイドもイオンも肝心な事を話しやがらねぇ…!ムカつくんだよ、どいつもこいつも!*28」「だったら俺に話しかけるんじゃねぇ!」と当たり散らす。
      • ただ、この言葉を放ったティア自身が自分で物事を考えないお人形なので説得力は全くないが。*29同族嫌悪だろうか。ここに関しては言い方などを含めても掛け値なしでルークが正論ではある。*30

  • そしてアクゼリュスに到着し予想以上の惨状に慄き、ナタリアが被災者のひとりに迂闊に駆け寄ったのに対し「お、おい、ナタリア。汚ねぇからやめろよ。感染るかも知れないぞ」と彼女を止める為とはいえ、被災者に無神経な発言をした。当然、この言葉を聞いたナタリアは激怒した。
    • 確かに言い方は酷いが、アクゼリュスは瘴気障害で長期間まともに機能しておらず衛生状態なども極めて悪いと推測される。そんな状態では伝染病なども発生している可能性が極めて高く、王女であるナタリアが万が一罹患でもしたら一大事である。そもそもルーク一行は救助隊の本体とも言える先遣隊が駆けつけるまでの情報収集・舞台作りこそ本来の役目と言える立場であり、にもかかわらず(僅か手ぶらの7人で)被災者の救助に注力した結果伝染病などにかかっていては本末転倒であり、結果論ではあるがルークの言葉は的を射ている。しかし、被災者の前では口が裂けても言ってはいけない失言なのは変わりがないのだか。

  • そして(急にとはいえ)アクゼリュスの監督に声をかけられてもテンパってしまい、見かねたナタリアが代弁する始末。フェイスチャットであれだけ大見栄をきっておきながら親善大使としての務めはおろかオタオタするばかりで手伝いのひとつもせず、挙句ヴァンとの合流の為メンバーにも何も言わず勝手に坑道の奥に進む。そして待ち構えていたヴァンに巧みに誘導されこの惨劇である。

…と、いう具合にルークへの好感度が大暴落しており、ルークの発言も冷静に見れば一理あったとはいえ、周囲の信用が無い状況ではただ威張っているようにしか聞こえなくても仕方がない。そんなところにあの惨劇が起こり、息をつく間もなく危険な瘴気に満ちた魔界を彷徨う羽目になった。

仲間から見れば「態度ばかり一人前で足並みを揃える気もない役立たず」と全く信用されていないのは明らかであり、
「いくら不注意でも救護任務を台無しにされたのは事実であり、(仕組んだヴァンは勿論許さないが)自分の手落ちを詫びてまで責任転嫁しまくるルークを庇う義理もないしそもそもそんな気も起きない」位の冷淡な見られ方をされても仕方ない状況でもあった。
信用されていないのはお互い様なので「弁解を聞いてもらえる状況だと本気で思っている時点でルークの方が浅はか」と皮肉めいた見方もできるが…。

また、ルークにとってのヴァンと同等…かは分からないが、仲間たちにとってのルークも自分が信頼してついてきた相手であり、彼らもヴァンを責めるルークと同じような気持ちでルークを咎めていたのかもしれない。
結局責任転嫁にしか見えないことは致し方ないところではあるが。

また、事情は何であれルークの態度が周囲の反感を買うような内容だったのも事実ではあるが、同時に




「惨劇を起こした黒幕に目の前で逃げられているのに、それを放置するどころか小馬鹿にし 感情論で仲間割れに興じだるのは如何なものか

「惨劇そのものを防ぐことは出来なくても「ヴァンが何か企んでいる」と警告や忠告位は出来たはずなのに、それすらしないで、いざ惨劇が起きたら 自分達の罪や後ろめたい事情は棚に上げて、ルークだけが悪いかのように非難するのは横暴なのではないか

「実質的に七歳であるルークが誰よりも信頼していた人に騙され更に地獄のような町の光景を見て錯乱、 堪らず自己保身の言葉を零したら辛辣に暴言を吐き捨て、ルークを冷たく見放す大人げない連中




とも言えてしまう。

ともあれ、ルークとしては自身の出生をアッシュに突きつけられたのもこの直後であり、この一連の無茶苦茶な経緯でルークが真っ当に更生できるわけもなく、
髪を斬り落として決意表明までした結果生まれたのが「 自尊心や自己肯定感をほぼ完全に失い、盲目的な贖罪の意識とレプリカのコンプレックスのあまり自分の命すら蔑ろにし続ける自己犠牲と自暴自棄の塊 」と化した不安定かつ痛々しいルークである。
ここからレプリカのコンプレックスを断ち切り、「生まれた意味」を知って一人の人間として真の意味で大成するのは遥か後の話である。
七歳児がそんなこと考えなくちゃいけないのか……?とか、
死にたくないという悲壮な想いを抱き続けながらもそれすらも叶わず自分の生を諦めたことを褒めるのは畜生では……?というツッコミもあるが……。
なお、この自尊心を打ち砕かれてしばらく自虐の塊と化す時期自体はシナリオ上で意図されていたことではある。



ルークが犯した罪の扱われ方など

この流れはスタッフ達にも開発当初から評判が悪かったものの、プレイヤーに(ルークはとても悪いことをしたのにふてぶてしかったんだという風に)感情移入してもらうためにそのままこの話を導入したという。
実際に責められて必死に現実逃避しようとするルークの姿が描かれている。
崩壊させたこと自体を責めているのもその筋書きありきだからで、初見プレイでもこの時点で異常だと断言できるアッシュの説得()にすらゲーム内でツッコミが全くないこともこれが影響していると思われる。
そして結果としては意図したように受け取ったプレイヤーも居るのだが、この項目を見れば分かるように全く違う印象を抱くプレイヤーも続出した。
特に仲間については説明しているような後から明らかになる衝撃の真実が多かったため、後にこのイベントの印象が一変したと言うプレイヤーも続出してしまった。
というか、当初こそは「親善大使とか偉そうに言っといて逃げるな」「見捨てられて当然」「仲間にも他人にもあんな態度取ってたのだから自業自得」とルークへの批判が多かったが、徐々に、仲間たちの問題行動や言動、立場も浮き彫りになり今では、仲間たちの批判やルークへの同情、ルークを擁護する声が圧倒的に多い。


一連のルークの態度の悪さについても、(元々は渋々承諾していて我慢の限界が来たとしても)客観的に見ても唐突に態度が豹変しているようにも見え、同時に周囲がルークに愛想を尽かす描写も目立っているため、「台本が変わった」とでも言うべき違和感を覚える声もある。
メタな事情から言えば製作期間の短さ故の「脚本のデバッグ不足」が原因で、ある意味全員が泥沼化に巻き込まれた被害者という見方も否めない。
…キャラの立つこのシリーズで完全な一対多を描くリスクを考えれば、シナリオの不備はかなり致命的だったことは想像に難くない。ましてや「筋書き」が主題のシナリオでやらかしたのだから尚更である。


この後紆余曲折を経てルークは立ち直っていくこととなるのだが、その間、このアクゼリュスの罪の所在が悉くたらい回しにされている感が否めない。

  • ユリアシティ(ダアトの上層部)で市長に謝罪すれば「預言通りだからOK(勿論トップシークレット)」とあっさり許され、
  • 合流したガイにどう償うべきかを尋ねれば最終的には後ろ向きのは止めろとがなられた挙句「お前の一生全部使って世界中を幸せにするつもりで生きろ」と投げやりな返事を返され、
  • ヴァンの手下である六神将を追求すれば「履き違えるな。崩落させたのはそこのレプリカ(ルーク)だ」と詭弁を返され、
  • マルクト帝国の皇帝に打ち明ければ、「それは皆知っているが今大事なのはそこではない」とはぐらかされた末に「崩壊しそうなセントビナーの町の救援」という急を要する事態で現実的な対応とは言え話をシフトさせられて結局流され、
  • バチカルで遂に実行犯として処刑…と思いきや、それは名目上の理由*31程度にしか扱われず、逃げ出した後ナタリアは和解するがルークの処遇は忘れられる。更に終盤のあるサブイベントでは彼のある功績が讃えられキムラスカ国王から王国最大の名誉である『ランバルディア至宝勲章』と子爵の地位、そして『キムラスカの英雄』という称号まで授かってしまう*32
  • 最終決戦でヴァンに恨みつらみをぶつけるチャンス…と思いきや、ヴァンはヴァンでガチの悪役だが一貫した信念があったこと、(中盤あたりからだが)彼がアクゼリュスを滅ぼした事については全く取り沙汰されなくなり、ひたすら彼の野望や信念の後追いやルークの成長に主軸が固定されてしまう。そしてそのルークが成長してしまい彼もヴァンの所業を責める事はなくなり、彼からの独立ばかり語るように。そして最期に贈った言葉は「ありがとうございました!!

ルークが限りなく自首に等しい行動をとったところでどの陣営も特に追求や拘束する訳でもなく、ヴァンに至っては最終決戦の間際まで妙に美化されていて全く怨敵扱いされていない。
これではアクゼリュス住人は泣き寝入りである。
ただ、預言に依存している世界観なので預言に反する行動を取ったら(取れたら)それこそ大罪とされかねないため、ルークもアクゼリュス住人も詰んでいたと言える。

これまたメタ的な話をすると、ルークが本気で罪を受けようとするなら

・マルクト&キムラスカから永久追放(流刑)

・処刑

・釈放一切無しの終身刑

のどれかが妥当レベルで、仮にどんなに温情があって罪が軽減されても年単位の牢獄暮らしは逃れられず、物語が衝撃の展開を迎えつつあるなかで、ルークを長期間離脱させるわけにもいかない…という事情も考えられる。

更に言えばこれでもメンバーの中では犯した罪に対してかなり取り沙汰されている方であり、アニスやガイ、ティアを始めとしたほかのメンバーが犯した所業は処罰どころか非難もされないで、ほとんどスルーである…。
ネタバレになるが、このゲームのストーリーのその後を考えると「体よくルーク1人に罪を押し付けて終わらせやがった」と憤るプレイヤーもいる。
そのルークもルークで、一度はあっても良いだろう「犠牲になったアクゼリュスの住民の遺族や関係者に責められる」という展開が一度も無かったりする*33*34

また、本人は後のシナリオで「俺は悪くねぇっ!」という発言について
「責任を認めるのが怖かった。認めたら自らの大罪に向き合わなければならないって。」と述べている。

なお、ヴァンがアクゼリュス崩落を起こした理由は、
ジェイドの研究によって心身に深い傷を負った上故郷も文字通り滅ぼされるという散々な目に合っており、
更に預言がそれを予定調和として片付けてしまうという事態も目の当たりにして復讐を決意*35
なお、その手段としてジェイドの研究を利害が一致した死神ディストと共に利用。
その計画の一つがアクゼリュス付近(ルグニカ平原)のセフィロトツリー(浮遊した外殻大地を現在の位置に維持する装置)を消滅させ、
(大詠師モースのせいで)マルクト王国がアクゼリュス崩落を起こしたと勘違いしたキムラスカ王国がマルクトに戦争を仕掛け、
両軍ともをルグニカ平原で戦わせて、アクゼリュスの崩落に巻き込ませて壊滅させることだった。
つまり『キムラスカ軍とマルクト軍に戦争をさせ、戦いの最中に崩落に巻き込ませて大量の外殻大地の人間を殺す』ということが真の狙いだった。
計画通りではなかったものの、都合よくナタリアもアクゼリュスに無断でついてきていたので、ほぼ理想通りに開戦のきっかけができて多数の死傷者が出た。
なお、この崩落の真相(結果的にルークが起こした事)を知っているのは各国&ローレライ教団の上層部のみであり、民衆には「キムラスカが譜業兵器によって起こした」と広まっているようで、マルクト帝国内では反キムラスカの感情が高まっている*36

余談

テイルズオブシリーズという作品群の中でも、この台詞の知名度は群を抜いて高く、ネット上ではテイルズオブシリーズに関係する掲示板等ではもちろん、
その汎用性、インパクトからシリーズと関係ないサイトやBBSやSNSでもネットスラングとして使用されることが多々ある。
もはや作品そのものよりも知名度が高いセリフと言えるかもしれない。
(アニヲタWikiでも立て主/建て主等でも見かける)

そんなこんなで、ルークが親善大使の称号を得るところからここまでの流れのインパクトが強すぎたこともあり、専ら親善大使と言う肩書がそのまま「長髪版のルークの渾名」として浸透している。
しかし、親善大使になってから輪をかけてルークの態度が悪化してプレイヤーの心証を損ねてしまったことが災いし、この渾名は蔑称として使われることもある。なので、愛称で呼んだはずが、相手を不快な想いをさせてしまうことがあるので注意。
『テイルズオブジアビス』は良くも悪くも、というか大分悪い意味で「親善大使」という肩書を有名にしてしまったようだ。

そのインパクトゆえ、主にゲームやアニメ版を中心にこのイベントのみを切り取った動画が多く出回っているが、
このシーンだけを見ると単にルークが完全にクズにしか見えないので、原作未プレイのうちにこういう動画だけを観てこの惨劇の仔細を判断したつもりになるのは危険である。
解説付き動画であったとしても、殆どは大雑把な解説しかなされていない事がほとんどなのであらぬ誤解を生む可能性すらある。
この惨劇は今迄散々記したように、世界観からはじまりそれを巡る様々な人間の思惑や事情が複雑に交錯した上で起こったものであり、単一の情報だけで判断できるほど単純なモノではない。
本気でルークの発言の是非などについて知りたいのなら、設定を読むだけでなくゲームをメインシナリオのみならずフェイスチャットやサブイベント、町人との会話なども逐一こなしながら多角的な観点からの情報を得てからにした方が良い。



各メディア版での「俺は悪くねぇっ!」

今現在『アビス』はでアニメ、漫画、ドラマCD、果ては舞台…などなど多くの媒体でメディア化されているが、この場面はシナリオに於いて避けては通れない最大の契機となっている故か殆どのメディア版である程度忠実に取り入れられており、夫々大なり小なり周辺の設定や展開などがアレンジされているため同じシーンでもルークの立場や状況などが異なっている。

【ドラマCD】
2巻の終盤で描かれる。
概ねの流れは同じだが、ルークを擁護するミュウはチーグルという存在そのものがカットされているので登場せず、イオンも崩落直前にヴァンに拉致されるため「俺は悪くねぇっ!」の場面に於いて ルークを擁護する者がひとりも居ないという 完全に四面楚歌な状態に。
ただし捨て台詞を言うのはジェイドとガイのみでティアとアニスは無言で立ち去る流れに変更され、ナタリアはこの場面になってはじめてアッシュと共にルーク達と合流する為一応ルークを見捨ててはいない。
また、ガイは道中ルークの失言に対しメンバーに彼の過去を打ち明けた上で大目に見て欲しいと頭を下げ、リグレット戦の後原作と同じく錯乱するルークを必死に諭すも逆ギレで罵倒されたり、原作では投げっぱなしにしていたルークの贖罪への問いにそれとなく答えを示していたり、最終決戦前でもルークのみならずアッシュにも生きて戻ってくるよう求めたり、問題発言などの多くが改変されルークを積極的にフォローする台詞や展開が追加されており原作より違和感などが減っている。
理由は不明だがイオンもアクゼリュス救援隊の一員になっており、リグレットをダアト式譜術で撃退する活躍をしているので、ルークの一部イオンを貶す発言も純粋な暴言と化しそれに対するティアやアニスの態度もネガティブながら筋が通るようになった。
ついでに該当シーンの舞台もタルタロスではなく崩落し損ねた大地の上になっており、アッシュとの戦いもここに変更されているので彼に対するツッコミどころも僅かに解消。

【アニメ】
8話「崩落」にて描かれる。
ミュウのフォローも含めて概ね原作どおりだが、尺の都合からか幾つか台詞がカットされ展開自体も駆け足気味にされている。

【月刊電撃マ王のコミカライズ版】
流れは原作と同じだが、ルークに辛辣な言葉を浴びせるのはジェイドのみで、それ以外のメンバーは特に何も言わない。
またこの時ティアはルークに対して理不尽な平手打ちを浴びせ、「…これ以上幻滅させないで」と暴言を吐く。お前が言うな




他作品における「俺は悪くねぇっ!」

なお、原作のシナリオがおおむね再現されているツインブレイヴでも当然このセリフが登場する。
その経緯はというと、
  • エルレインに「聖剣エターナルソードを使って世界中のマナ不足を解消しよう」と唆され、救世主になれると思い上がり周囲の静止も聞かず魔剣と化したエターナルソードを使っていしまい、世界各地の貧しい村や国が住民ごと消滅。
実質、ルーク自身が世界中の人間を殺してしまったという常人ですら逃げ出したくなるような状況で絞りだされたために
その後のガイの「これ以上失望させないでくれ」という台詞ともども臨場感が凄まじいことに。
つーかこの作品の聖女様が原作に輪をかけて悪辣。

派生(?)として、「俺は悪くヌェー」もあるが、おそらくアニメ化の際のルーク役の声優の演技が要因だと思われる。

また、長髪ルークのキャラTシャツには「俺は悪くねぇ!」とデカデカとプリントされており、中の人もシリーズのイベント出演の際にはノリノリで着ていた。
エクシリアのDLCアタッチメント「ルークの剣」にも「俺は悪くねぇっ!」と説明されていたりする。
…パーティ全員のアタッチメントが「俺は悪くねぇっ!」って………

また、似たようなニュアンスでジランドが「俺じゃねえ!」と叫んでいるが、この場合は意味が違ってくる。そして本当にジランドは関係ない。
他にも公式のテイルズ世論調査にて「テイルズ オブ シリーズ」で叫んでみたい台詞といえば?では2位の約3倍の投票数を得て堂々の1位に輝いた。

テイルズフェスのスペシャルスキットでは鈴木千尋が観客と共に叫ぶのが恒例となっている。


もしかして→だが私は謝らない
(#0M0) ナニイテンダ!!フザケルナ!!
(#0w0) ナニバカナコトイッテンダ!!



余談だが、スーパーロボット大戦UXでは張飛ガンダムがこれと似たニュアンスの台詞を言い、
アビスを知っているプレイヤー一同を「アーニーじゃなくてお前が言うのかよ!」とずっこけさせた。
UXの主人公であるアーニーはルークと中の人が同じため)






ルーク「そんな…ヴァン師匠の言う通りに項目を追記・修正してたのに、項目が消えちまった……!お、俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!」

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最終更新:2024年04月07日 13:06

*1 もっとも、次の状況への対応のために割とすぐに全員と再合流するが。

*2 ルークが幼いころダアトに逃げたいとヴァンにすがった事がありその為にルークを誘拐した…という偽りの昔話や、アクゼリュスの住人を普通に救護しただけでは戦争が悪化し、ルーク本人も有事の際の超振動兵器として結局城に軟禁される結末になる「と、実は預言にそう詠まれている」という笑えない作り話等々…全て真っ赤な嘘なのだが実際にルークが原因で、多くの犠牲者が出るという辺りはきちんと当たっているのがまた意地が悪い

*3 一応ナタリアはあの時ヴァンの計画を知らなかったとフォローはできるが、アニスは自身のイオンへの対応からルークを攻める筋合いはないし、計画をある程度以上知ってた(あるいは把握していた)ティア、ガイ、ジェイドはフォローのしようが無い。

*4 彼が任命された親善大使も『預言』にそう詠まれていたからであり、彼の実務能力や人間的な評価は一切考慮されていない。更にルーク自身も親善大使になりたくてなったわけではない

*5 一応、キムラスカ王国を懐柔していたモースは預言を絶対視する教団タカ派『大詠師派』の筆頭的存在であり、少数派ながらも預言の内容に対し、あくまでもとれる選択の一つとして柔軟に捉えるべきというイオンによる穏健派『改革派』やティアのようにどちらにもつかない中立も存在する。

*6 責めたメンバーの中でアニスだけはそこまで知らない可能性もあるが、これまでの流れに加えて境遇を知るサブイベントもあるのでやはり言い訳にはならない。

*7 森林火災の一方的な被害者であり、食料が無く、自然の摂理として別にチーグル族を食べても構わなかったという前提条件があるため

*8 更に言えばチーグル族の自業自得だと思っていたのに成り行きで手を汚す羽目になってしまったルークも後味が悪いと日記に残しており、彼もまた被害者である。

*9 なお、チーグルはローレライ教団にとっては聖獣であり、そのためか森林火災やら相次ぐ人間からの深刻な食糧窃盗事件などは何故かお咎めなしのままで話が進む。なお、犯人のミュウに関しては一年間は戻ってくるなルークに仕えろと長老から一時的に追放されているが、元々放火とそれによる一族の危機が原因で村八分に遭っていたので本人的にも渡りに船の提案である。

*10 実は知っていたが「何か恐ろしい計画を立てている」と誤魔化したという話なら両立するが、描きたかったであろうキャラクター性を考えるとありえない行動である。

*11 この事をルークに伝えていれば、アグセリュスの崩壊による一人の少年が母親に助けを求めながら死んでいく等の悲劇は確実に避ける事は出来た筈なのだが・・・。

*12 アクゼリュスが崩落した後「事前に相談して欲しかった」と苦言を呈しているが、出逢ってから徹頭徹尾ルークに上から目線の嫌味ばかり繰り返し、自身が知りえた情報を頑なに明かさず、ルークが比較的前向きな発言をしても七光りや温室育ち呼ばわりして、ルークが更に横暴になってからは「親善大使殿」「おっと、決めるのは親善大使(もしくは責任者)のルークでしたね。」「責任者は貴方なのでしょう?」などと率先して彼を煽りにかかってすらいる外部の人間(敵国の大佐)に大事な事を打ち明けようとする筈がない。

*13 余談だが、事情を知っているにも拘らず国際問題になりかねないほど煽ってくるジェイドに対して、(そんなジェイドも含めて)今は何を言われても我慢して、見返してやるんだと決意していたルークの方が精神的には大人だったりする。

*14 護衛対象であるイオンに無断で単独行動され身の危険にさらす&イオンを漆黒の翼に誘拐されるなど、普通に考えればまず確実にクビ、良くて即刻守護役を解任されるレベルの失態ばかり犯している。自身の守護役に内緒で勝手な行動をとるイオンも大概だが…

*15 タルタロスの戦力の情報をまるっと教団に渡していたことで隠密行動ゆえ少数の軍に完全な不意打ちの形で強襲を仕掛けることが出来、更に一人でも戦況をひっくり返せるジェイドの大幅な弱体化にも成功。その結果(外交問題にさせない為皆殺し前提なのもあるが)、乗組員はジェイド以外は死亡。いくら軍人同士の戦いとは言えほぼ一方的な虐殺になった。

*16 更に言えば彼女の株は落ちる一方である。

*17 その為か、ルークのオリジナルでありファブレ公爵家の正当な後継者であるアッシュは純粋に「仇敵の息子」と接していた為かかなり長い間辛辣な態度を続けていた。父はともかくガイに対しては何も悪くないアッシュにとっては、とんだとばっちりだが。

*18 一応、直後にルークが再起する可能性を信じて再起したルークを待ってティアに並ぶ味方になった…という事後のフォローはあるものの、実際には上記の台詞と共に立ち去っていた為結局は彼を一時とはいえ見限ったんじゃ?という意見も多い。ルークはガイを突き放したわけではなく助けを求めていたのでそっとしておくという言い訳も効かないし、ルークが自殺していたらどうしたのか…。

*19 白状ではなく結局ばらされたので判明

*20 但し、彼女がルーク本人がアッシュのレプリカである事は知らなかった為、まだこのメンバーの中では、擁護の余地はあることと、崩落に関しては彼女自身に対する非難の声は少ない。ただしルークへの対応はこの件の前からかなり自己中心的で酷いもので彼を振り回して苦労を負わせてはいた。

*21 そのためルークは何も知らない自分を世話をしてくれていたことに感謝はしているものの同時に苦手意識も持ってしまっていた為、ヴァンの誘導がなくとも彼女にも相談することはほとんど考えられない

*22 これについては、後に自分が王女としてやるべき事を履き違えていたと猛省している。

*23 立場上の問題から一部の行動は後に考えるとまだ、擁護出来たり、理解出来なくもないのだが……とはいえそれ以外の所業についてはフォロー出来ず、ただの言いがかりでしかない。

*24 しかもその後のフェイスチャットで漸く目的を明かしたかと思えば「レプリカに頼ろうとした俺が間抜けだったって訳だ」とルークが悪いかのような暴言を吐くのだが、あの仕打ちの数々と根拠も説得力も根回しも皆無の説得で昔からの恩師であるヴァンよりも彼を信用する方がおかしい。

*25 アニメ版などでも「グリフィン一匹どうということはない」という質問への答えになってない台詞が追加されてるのみでフォローなし。実はタルタロスに密かに乗り込んでいて…とフォローしようにも、後にシンクが侵入した際は警報が鳴っていた為タルタロス侵入説は適用できない。

*26 買い物という行為を知らなかったので屋敷でやっていた様に味見をして知らず知らず窃盗しかけるところだったことや、暴言などもあるが、大体は注意されていたり、やむを得ない事情から色々と『知らなかった』ことや『周囲のルークへの理解不足』が主な原因なのでその後は繰り返していない

*27 これについては仲間達の個性ではなく、短い製作期間の関係などでキャラやイベントの整合性が取れなかったことによるものだと推察されている

*28 ティアとのフェイスチャットで、ティアが「あなたの態度がジェイドたちの説明する意欲を削いだのも事実」と指摘しているが相手の態度がどうだろうとしっかり答えるべき話題だし、彼らの性分&背景から仮にルークが真摯に頭を下げても結局はぐらかすなり伏せるなりして語らないのは明白。

*29 アクゼリュスでオラクル騎士団に攫われそうになったのを助けてくれたとはいえ、散々自分に敵対してきたアッシュの重大な言葉をあっさり信じる、序盤ヴァンと反目しつつも何だかんだ彼の言葉に流されていたり。

*30 余談だがこのあたりのルークの日記(あらすじ)も仲間達への罵詈雑言に満ち溢れたかなりヤバい文面になっており、イベントでの散々な癇癪もこれに比べればまだ抑えていただろう事がうかがえる。

*31 実際はルークとナタリアを処刑する事で、一時停戦となっていたマルクト帝国に再度宣戦布告をするため

*32 当然、ルークはかつて所業や自分がレプリカという立場からそのような栄誉を授かる立場では到底ないと考えており、周囲の説得で授賞式には赴くものの終始不本意さが拭えない態度であった。『英雄』という称号に至ってはかつて彼が妄執し惨劇に至った罪の象徴のような存在であり、猶更喜べないというものである。

*33 戦争中のイベントでルークがアクゼリュス住民の遺族に申し出ようとしたがジェイドに「謝るのは勝手だがそれは後にしろ。今は無用な混乱を起こすな(意訳)」と止められてる。

*34 没イベントでは、それに似たものが確認できる。まぁ、あの精神状態の彼にそんな事をしたら完全に再起不能か廃人になる可能性大だが

*35 ネタバレになるが、単なる復讐どころか預言の持つ真の意味を知り、絶望して凶行に及んだという意味もある。

*36 ドラマCDではこれに対する言及ではないが、逆にホド崩落の時と同様マルクトの自作自演では?とする意見がキムラスカ内でも起こりつつあることがうかがえるシーンがある