ドラミちゃん ミニドラSOS!!!

登録日:2011/05/16(月) 00:11:52
更新日:2024/03/08 Fri 00:20:55
所要時間:約 12 分で読めます




【概要】

この作品は、1989年3月11日公開『ドラえもん のび太の日本誕生』の同時上映作品である。
ドラえもんの妹であるドラミとサブキャラクターのミニドラ、のびスケ達にスポットライトを当てた作品となっている。
そのため、ドラえもんは(写真に写っている部分を除いて)一切登場していない。
ただ、ドラミちゃんはオブザーバー的な立ち位置であり、
第二作である『ドラミちゃん アララ・少年山賊団!』以降のドラミちゃんのスピンオフ作品に比べると若干影は薄目。
あくまでもメインのお話はのび太・スネ夫・ジャイアンの息子とミニドラの触れ合いとなっており、
「もし『ドラえもん』の主要人物であるのび太達がのびスケ達に世代交代したら?」といった趣きを感じる作品である。

そして時代設定はなんと、2011年。
しかしビー玉型発信機、レーザーナイフ、空中教室など実際の2011年とはかけ離れている。非常に残念である。
(※ちなみに原作漫画でタイムマシンが発明されたのは2008年、世界観がつながっている『21エモン』は2018年である)
また、クライマックスのあるシーンは実に怖い。


【ストーリー】

ある日、昔ののび太が内緒で未来デパートで注文したミニドラが、手違い(ただ字が汚かっただけ)により2011年の野比家に届いてしまう。
ミニドラを手に入れたのびスケ達は、ミニドラを連れ戻しに来たドラミちゃんから逃げ出し、危機的状況に追いやられて……?


【登場キャラクター】

ミニドラの件で東京に飛んできた、ご存じドラえもんの妹。自由気ままなのびスケ達に翻弄されていく……。
タイトルこそ「ドラミちゃん」であるが、作中での活躍はどちらかと言えばらしくないのはご愛嬌。
あくまでも主役はのびスケ達三人とミニドラということだろうか。
女の子だけあってドラえもんと比べると可愛らしいひみつ道具を所持している。
また、本作では可愛らしいウサ耳スタイルというファンサービスも披露してくれた。(誰得とは言ってはいけない)
ただし黒いアイツにはかなわない。

なお、のびスケ・スネ樹・ジャイチビへの「相変わらず困った三人組ね」発言から、
のび太・スネ夫・ジャイアンのことをあまりよく思っていない疑惑があるが、
状況から言ってついカッとなって言ってしまったセリフで、本心からのものではないと信じたい。

  • ミニドラ(CV:北川智絵)
「どらら~!」
のび太の手違いによって野比家に届けられた赤いミニドラ。本作の実質的な主役というかトラブルメイカー。
人懐っこく、無邪気である。すごく可愛い。めちゃくちゃ可愛い。一家に一体欲しいレベルで可愛い。(大事なことなので三回言いました)
また、ベースとなった某青いネコ型ロボットと同様「タヌキ」と呼ばれるとブチ切れる。
しかし、性能はかなりデチューンされており、
  • どら焼きをあげないとひみつ道具を出してくれない。
  • 小指にはめる空気砲などひみつ道具は全てミニサイズ。
  • 思考が幼児同然なこともあり、適切な道具を出してくれるとは言い難い。(実際それが原因で大問題が生じている。)
  • 恐怖などの感情も理解していないような描写があり、危機的状況でも良くも悪くも無邪気さを崩さない。
などなど、ドラえもんと比べると色々と見劣りしてしまう。

意外なことに第一発見者はのび太の息子のびスケではなく、ジャイアンの息子ヤサシである。(ヤサシがかつてののび太のポジションだからだろうか?)

余談だが、実は他のドラ作品に出てくるミニドラより一回り大きい。
また、ミニドラはこの作品で一般への認知度が上がり、一気に定番キャラクターとなった。
ちなみに、他のドラ作品のミニドラはドラえもん達と意志疎通出来たり危機的状況では普通にパニックになったり、
時にはドラえもんの故障を完璧に治したりと、良くも悪くも普通の対応かつ有能だったりもする。

  • のびスケ*2(CV:小原乃梨子)
未来ののび太としずかちゃんの息子。
のび太やしずかの息子とは思えない強気でやんちゃな性格をしており、
ラグビーで独走トライする程(突進してくる相手の背に跳び乗り空中で一回転しながら着地等)の曲芸染みた身体能力を備えている。母親似だね
それ故、彼の追っかけまで出来ており、過去の上下関係が逆転。『ジ>ス>の』から『の>ス>ジ』となっている。
この序列、どこかで見たことあるような
また、かつてのジャイアンのように乱暴を働くため、母であるしずかにしょっちゅう叱られる。そのためしずかには頭が上がらないようである。

一方で、のび太の机をボロ机と言いながらも使っていたり、
ドラミちゃんの前でのび太のアルバムを見ていたり、
のび太の話がドラミちゃんから出ると嬉しそうにしたり、
のび太からもらったビー玉をいつも大事そうに持っていたりと、
父親のことは好きそうな雰囲気がにじみ出ている。
ちなみに部屋は散らかっているが机だけは綺麗にされている

その名の通りスネ夫の息子。未来のスネ夫は多忙な社長として大成功しているらしく、ボンボンである。
のびスケから「スネ樹のくせに」と、上下関係がうかがえる。
子供達は親の気質を感じさせないが、彼だけはスネ夫に分かり易く似ている。
ただ、父に比べると腰巾着気質ではなく、ジャイチビをいじめるノビスケを庇ったりと、割と人柄はいい方。父がマザコンだったのに対し、こちらはファザコン気質がある。
父に似てイタズラ性質があるが、ヘタレも健在である。「ママー!」ではなく、「お母様ー!お父様ー!」と叫ぶ。
左耳のピアスに茶髪という時代を先取りしすぎたキザっぽいファッションに藤子・F・不二雄先生の先見の明を思い知る今日この頃である。

また、プール付きの庭のテーブルでレーザーナイフで切りながら食べるホットケーキはとにかく美味そうである。

  • ヤサシ(CV:たてかべ和也)
ジャイアンの息子。のびスケらからはジャイチビと呼ばれる。
気弱でヘタレで直ぐに泣くが、心優しい性格。本当にジャイアンの息子か?
ちなみにジャイアンはスーパージャイアンズという大型スーパーを経営しており、こちらも相当のボンボンである。
父親は相変わらず自設のカラオケステージで熱唱する公害のような趣味を持っているが、彼もそこが似ているかは不明。
ドラミちゃんからの逃亡の際、ミニドラのひみつ道具「迷宮プラネタリウム」によりスーパー内はまさに迷宮と化す。非常に迷惑である。
同情したノビスケにミニドラのカプセルをあげると言われるが、遠慮した際に逆ギレされ顔面にカプセルをぶん投げられたりと痛い目にあることが多い

  • ゆかり(CV:麻見順子)
本編での主要女性キャラはドラミ、しずかちゃんとこのゆかりが存在する。
が、わずかなシーンでしか出演がない不遇な子。
未来のしずかちゃんポジションであり、後にのびスケと結婚に至る。TC未収録の「45年後…」によれば、彼が30歳頃の時に結婚するようだ。
ちなみに彼らの息子も原作漫画のあるエピソードで2コマだけ出てるぞ!

  • 雪国でスキーしてる女の子
小さなどこでもドアで景色を見てる時に出会った。所轄モブなのだがかわいい。
雪をくれるその様はまさに天使。どら焼きをもらって笑う姿も天使。手を振る姿も天使。(大事なことなので三回言いました)

我らが永遠のヒロイン、しずかちゃん。
言わずと知れたのび太の妻。そして、のびスケの母親である。
髪型はポニーテールであり、相当の美人であることがうかがえる。
なお、映画では定番だったはずのお風呂シーンは今回はナシである。もう若くないしね

『ドラえもん』本編でも気の強い所があったが、
のびスケのやんちゃぶりもあってか、気の強い性格はさらに磨きがかかったように見受けられる。
また、再会を懐かしむあまりドラミちゃんを持ち上げて振り回しており
実はとてつもない筋力の持ち主であることもこの作品で明らかになった。非力なのび太もドラえもんを持ち上げたことがあるしギャグ補正に違いない
(なに、ドラミちゃんの体重だって? レディーの体重なんて聞くもんじゃありませんよ。設定では91kgです。)

夫婦仲は良好というか、子供がかつてののび太くらいの歳になってもなおラブラブなようで、
のびスケがのび太の机を乱雑に扱うと怒ったり、ドラミちゃんがのび太の話を始めるとものすごく食いついていたりした他、
のびスケのピンチに現れたのび太を見て安堵した表情を見せていた。
ずっと幸せであって欲しいものである。

我らがスネ夫。
どうやら会社の社長になったようで全世界を飛び回っており、暮らしぶりはますます裕福になっている。
年をとって髭が生えた他、髪型が若干現実的になった。
さらにかつての4人の中で最も老けたように見える。(年齢的に考えるとこれくらい老けている方が当然な気がしなくもないが)
また急激な金持ち化の弊害か、ところどころに胡散臭い英語やブルジョワっぽい言い回しが光る。
多忙でありながらも息子であるスネ樹とのコミュニケーションを欠かさなかったり、遊びに来たジャイチビに「ゆっくりしていきたまえ」と声をかけたり
息子のピンチにジャイアンと共に駆けつけたりするなどなんだかんだで良い父親になったようである。

我らがジャイアン。
スーパージャイアンズという大型スーパーを経営しており、スネ夫ほどではないが大成功を収めている。
生家である剛田商店はそのままにして、剛田商店近隣の土地を買い取ってスーパーを建てている辺りがジャイアンらしい。
大人になって落ち着いたかと思いきや、
息子のピンチを前にかつてのようにのび太に乱暴に飛びかかったりする辺り、やっぱり性根の部分は昔のままらしい。
弱虫の息子には厳しいが、やはりのび太やスネ夫同様、息子のことは相当可愛い様子である。
また、かつての自分そっくりののびスケを「自分の息子を鍛えてくれる」存在として一目置いている。

我らがのび太。しずかちゃんを嫁にしたリア充であり、今回の事件の発端。
親たちの中ではでは登場が一番遅くしずか、スネ夫、ジャイアンと違い終盤になってから登場。
「1989」と書いたはずの文字が「2011」に勘違いされるほど字が汚いことがこの映画で発覚してしまった。

しかし、大人になっただけあって危機管理能力は付いたらしく、この失敗を予見して「ある細工」を事前に施してた。
そして、それによってのびスケ達は命を救われることになるなど、この作品におけるキーパーソンである。
のびスケ達が助かった後は自分の失敗のせいで危険な目に遭わせてしまったことを息子達に謝っていた。

なお、声優名を見て「???」と思う方も多いかもしれないが、
実は広森氏はこの映画が放映された頃に青年のび太の声を当てていた。
(アニメ本編にも何度か登場している。「無人島はボクの島」など)
その後青年のび太は少年時代同様に小原氏が声を当てる事になったのだが、
広森氏はそれ以外にも様々な役でドラえもんに出演されているので、探してみるのも面白いかもしれない。そして唯一子供のときと声優が違う。


【その他】

この映画は1989年3月公開なのだが、これに合わせてなのか、
同年5月には、原作でしずかちゃんがのび太との結婚を決めた経緯が描かれる「雪山のロマンス」が、
この映画の声優およびキャラ設定画を踏襲しての「雪山のプレゼント」としてリメイクされている。
(そのため、大山版ドラえもんでは「雪山のロマンス」と「雪山のプレゼント」という、ほとんど内容の変わらないエピソードが2つ存在していることになる)

なお、2011年という設定が確かだとすると、
1999年公開の「のび太の結婚前夜」ののび太としずかの年齢は25歳という設定であり、
のびスケがのび太と同じ小学4~5年生であることから、
おそらくこの作品を基準に考えた場合のドラえもんの舞台となっているのは1980年代中頃と推察される。
(なおこれは作品によってよく変わる部分であり、あくまでも一つの目安であることに注意されたし)
また、これに準ずるとのび太・しずか・ジャイアン・スネ夫の4人の年齢は30代半ば~40歳手前程度である。
(そう考えるとスネ夫・ジャイアンは年相応の貫禄を感じなくもないが、一方でのび太としずかは若すぎるようにも見える)

主題歌は「ハロー!ドラミちゃん」歌は山野さと子さんであり、ポップで可愛いらしい名曲である。

DVDには、『ザ☆ドラえもんズ ムシムシぴょんぴょん大作戦!』と『帰ってきた ドラえもん』が収録されている。
ドラえもんの名作ばかりのラインナップなので、一度レンタルでもして手にとってみてはどうだろうか。


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最終更新:2024年03月08日 00:20

*1 当時のクレジットは横沢啓子

*2 従来はカタカナ表記の「ノビスケ」だが、この作品のみ平仮名と混ざっている。

*3 のぶドラ時代の大人のび太全体に言えることだが、彼は容姿が原作やわさドラ版(父・のび助に似た姿)と異なっており、少年のび太をそのまま成長させたような、眼鏡を掛けた細身の容姿となっている。