ジェームズ・ポッター

登録日:2011/07/15 Fri 21:17:55
更新日:2024/01/22 Mon 14:09:42
所要時間:約 10 分で読めます




ジェームズ・ポッターとは、ハリー・ポッターシリーズの登場人物。

主人公ハリー・ポッターの父親で、作中では既に故人となっている。
妻はリリー・ポッター(旧姓:エバンズ)。

純血の名家であるポッター家出身で、魔法界でも有数の天才的な魔法使いであった。
ハリーと同じくホグワーツ魔法魔術学校に通っていた。学生時代、親しい友人からは「プロングズ*1」というあだ名で呼ばれていた。


以下、ネタバレ







ホグワーツ卒業後はアルバス・ダンブルドア率いる不死鳥の騎士団の一員として、ヴォルデモート卿及び、死喰い人たちと激闘を繰り広げた。
予言を知ったことでポッター一家が狙われることになったため、ゴドリックの谷で「忠誠の術」に守られ隠匿生活を送っていた。
しかし、「秘密の守り人」であった親友のピーター・ペティグリューの裏切りで、命を落とす。
享年21歳。

リリーとハリーを護る為にヴォルデモートに敢然と立ち向かったことを聞いた息子のハリーからは尊敬されている。
人物としても明るく、悪戯好きで、クィディッチが抜群に上手く*2、ハンサムで学生時代は人気者だった。
また、闇の魔術やスリザリンへの嫌悪と憎む気持ちが強く、特にセブルス・スネイプとは犬猿の仲だった。
しかし、仲が良かったシリウス・ブラックがスネイプを殺しかねない悪戯を仕掛けた時は助けに行っている。




【実像】

実際の彼はハリーが思ってるような聖人君子ではなく、両親に甘やかされて育った*3お坊ちゃまであり、我侭で傲慢な人間であった。
………うん、どっかのフォイさんみたいとか言わない。
それでいて成績は学年首席になるほどであり、その魔法力と頭脳を変な方向に活かしてシリウスと2人で悪戯を繰り返していた。
同級生に遊び半分で呪いをかけるという悪質なことまでやらかしている。
作中でもミネルバ・マクゴナガル先生に「あんなに手を焼かされた二人組はいない」とぼやかれている。
実際、その悪質さ故に監督生になることはなかった。

また、特にスネイプに関しては執拗なまでの攻撃を学生時代ずっと繰り返しており、それを上記の悪戯とあわせて好意を抱いていたリリーに自慢げに話してもいた(ただし、スネイプがリリーと仲が良かったことに嫉妬したというのも理由の一つであったようである)。
また当のリリーも、傲慢でしかも仲の良いスネイプを攻撃するジェームズを快く思わないどころか嫌っていた為、その憂さ晴らしという面もあったのかもしれない。

これらの実像は作中ではジェームズから攻撃を受けていたスネイプの記憶からでしか描写されなかったこともあり、立派に成長していくハリーとの比較もあってか、巻を進むごとに彼を嫌いになる読者は増えていった。
ハリーも偶然スネイプの記憶から父親の傲慢な振る舞いを見たことでかなり大きいショックを受けている。

誤解なきように言っておくと、7年生になる頃には今までの高慢さを改めてハリーが尊敬していたジェームズ像に近い好青年になり、嫌われていたリリーとも恋仲になるほどであった。

友情に篤いというのも事実であり、狼男であるリーマス・ルーピンが狼になってしまっている時にも仲良くできるように、数年かけて独自に『動物もどき』になる方法を編み出し、取得している(結果的に仲間を信頼し過ぎたことで身を滅ぼすことになってしまうが)。
ただし“動物もどき”でありながら魔法省に報告を行わないのは普通に犯罪行為である。

また、ジェームズが学生だった当時はハリーの時代以上に死喰い人が活発に犯罪行為を行っていた時代であり、死喰い人の多くがスリザリンの出身であることを考えれば、スリザリンに対してあまりいい印象を抱かないというのもある程度は仕方がない面もある。
加えればスネイプも当時、闇の魔術にどっぷりつかり、危険な術をいくつか自力開発もしていたらしいし。

最終巻のスネイプの記憶では先に喧嘩を吹っ掛けたのがジェームズたちであることが描写された。入学前のホグワーツ行きの列車で偶然同じ車両になった時にリリーにスリザリンを薦めるスネイプに文句を付け、その傲慢な態度からスネイプだけでなくリリーにも不快感を抱かせた。
更にスネイプの名前をもじった「スニベルス(泣きべそ)」という蔑称を付け、入学の時の組分け式では脚を引っ掛けて転ばせようとするなど露骨なイジメっ子っぷりを早くも見せている。

スネイプは「入学時点で大半の上級生よりも闇の魔術に詳しかった」という逸話の持ち主であり、入学前から闇の魔術を嫌いながら育ったジェームズから見ればテロリストの思想にかぶれた犯罪者予備軍のように見えてしまい(そして結果的に事実となる)嫌うのもある意味順当な流れではある。

ちなみに闇の魔術に関して知識を持つこと自体は違法行為でも何でもなく、実際にダンブルドアを始めとしたホグワーツの教師も知悉しているし、授業で教えたりもしている。
このことでスネイプを嫌うのはあまりにも偏狭であり、実際は単純に好意を持っていたリリーと仲が良かったことへの嫉妬が大半だったのだろう。
むしろ遊び半分で他者に呪いをかけるジェームズの方がよほど悪質である。
加えて彼が虐めていた生徒はスネイプだけではなく、バートラム・オーブリーという生徒にも陰湿な悪戯を行っている。

また、ジェームズとスネイプの関係を「ジェームズによる一方的ないじめ」と解釈している読者が多いが、スネイプが自分で作った呪文を積極的にジェームズに試していた可能性も十分ある*4ので、それに対する正当な反撃が含まれている可能性も十分ある。
とはいえこれも予想に過ぎず、あくまで親友であったシリウスやリーマス側の視点でしかないが。
作中では試験の復習をしていたスネイプに対して、親友のシリウスが退屈していたからという理由でスネイプに喧嘩を売り、先制攻撃で杖を奪って無力化した後に二人で一方的に攻撃を加えて晒し者にして嘲笑うなど、明らかにジェームズ側はスネイプに対して暇つぶしに使うほど余裕を持って嬲っているため、正当な反撃があったとしてもそれをジェームズたちがどれほど脅威に思っていたかは不明。

先述した作中で明かされた度を超したスネイプへの攻撃や、親友であるシリウス、ルーピン、またハグリッド等の過剰なまでの持ち上げもあり、最終巻で漢を見せたスネイプとは対照に、読者にはかなり嫌われているキャラである。
また、ハリーと長年険悪だったダドリーやドラコ・マルフォイが最終的に彼と和解を果たしている*5のも対比となり、よりジェームズに対して悪い印象を与えている節もある。


その後、作者がチャリティで執筆した前日談で、ホグワーツ在籍時になんとシリウスと一緒に二人乗り+ノーヘルでバイク*6を走らせ、パトカーで追ってくる警官二名&死喰い人三名相手に派手なチェイスをやらかし、挙句の果てにパトカーを魔法で宙に持ち上げ死喰い人にぶつけるという人死にが出てもおかしくない方法で撃退し逃走したことが判明している。
前述したように当時は死喰い人の活動が活発で魔法使い界の世相はかなり暗かった。
そんな中でジェームズはシリウスと二人して強く明るく逞しくバカ全開で青春を謳歌していたのである(巻き込まれたマグルの警官にとっては悪辣な人災でしかないが)。

映画ではエイドリアン・ローリンズ(吹き替え:後藤敦)とロビー・ジャーヴィス(学生時代/吹き替えなし)が演じている。
エイドリアンは映画『賢者の石』が公開された時点で既に40を越えていてどうみても21歳には見えないがそこは大人の事情。




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最終更新:2024年01月22日 14:09

*1 「枝分かれ」という意味。枝分かれした角を持つ牡鹿に変身する「動物もどき」であることに由来。

*2 ポジションは原作ではチェイサー、映画ではシーカー

*3 これは両親が高齢になってから生まれたのが大きい。

*4 5巻・下のシリウス、リーマスのセリフから読み取れる。

*5 ただし、フォイとは目礼し合う程度に留まっている

*6 本編でも度々登場したあのバイクである。当たり前だが運転していたのはシリウス。