ラ=グース

登録日:2009/06/28 Sun 20:25:14
更新日:2023/11/16 Thu 01:09:52
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ラ=グースは、石川賢の漫画『虚無戦記』のラスボス……とされる存在。
元々『虚無戦記』は石川が個々に発表していた漫画作品をクロスオーバーさせた作品であり、
未だ『虚無戦記』に参戦していない石川作品もいずれは『虚無戦記』に組み込まれるのではないかとファンの間では囁かれていたため、
「『ゲッターロボアーク』に登場したゲッターエンペラーはラ=グースと戦うために進化を繰り返しているのでは?」等の議論が交わされたりもしていた。

ともあれ、『虚無戦記』の数万年にも及ぶ超スケールの戦いは、全てこいつを打倒するために行われている。
その姿は惑星の数百倍の大きさの、脳が露出した赤ん坊の様に見える。

「神の軍団」を率いて、数々の宇宙を喰らい、吸収している存在であり、
本体はもとより、細胞の一片すら、敵対する者にすれば脅威となるすさまじい力を持つ。


以下ネタバレ注意












ラ=グースは意思を持った空間体であり、本体自体が「ラ=グース宇宙」と呼ばれる一つの宇宙。
あと、多元宇宙を創った「創造神」であるとも言われている。

ラ=グースがなぜ宇宙を滅ぼすのかは明らかにされていない。
作中にて「宇宙は、ラ=グースにとって積み木の様な物」「創る時に楽しみ、そして壊す時に楽しむ」というセリフがあり、
どうやらラ=グースにとってはそれこそ宇宙は積み木の一つくらいの存在のようだが、本当の所どうなのかは分からない。

『虚無戦記』はラ=グースの真実を見た仏の軍団の長、羅王が人類にその正体を告げようとする所で「第一部・完」として終了し、
その後第二部が開始される前に作者である石川先生が鬼籍に入られたため、ラ=グースの真実は今だ不明。

今の人類では訳がわからん超存在を描く事に定評があった石川先生が描き切ることができなかったラ=グースの強さは凄まじいの一言。
以下、石川先生の脳内宇宙が炸裂するので生暖かい目で見るように。

何よりも『虚無戦記』で敵味方共通して持つ「空間支配能力」がとにかく難攻不落。
『虚無戦記』の戦いは支配している空間の大きさで勝負が決まるのだが、
重要なのはこの点で、絶望的な事にラ=グースの支配できる空間はエデン宇宙や菩薩宇宙などの多元宇宙全部であり、
これよりさらに大きい空間を支配しない限りラ=グースには勝てない。
劇中では空間支配能力を持つ、ラ=グースに反抗する「仏の軍団」の仏様×80億人がラ=グースに突撃したが、
長である羅王を除いて一瞬にして完全に消滅するという結末を迎えた。

また、ラ=グースは自らの細胞を兵器として運用できる。
大きさは様々で、その一つ一つが空間を支配でき、意思を持っている。
その力は惑星を軽くぶっ飛ばせるとかザラで、相手の力をラーニングし、自らの力とする事が出来る。
再生能力も持っていて、完全な無から再生できる奴もいる。

本体はおろか細胞一かけらとの戦いも大苦戦と言う有り様。
そしてタチの悪い事に、ラ=グースは成長する。
今まで書いたのは誕生期から成長期のラ=グースであり、完全に成長した場合、一体どのような存在になるか見当も付かない。

ただ一つ救いがあるとすれば、ラ=グースは進化の究極値を取った存在なので、成長はしても進化はしない所。

石川漫画にありがちな事だが、現時点では作品内に比肩する存在がいない為に、本気になったらどうなるか全然わからない。
いったいこんな怪物にどうしたら勝てるのか、そもそも勝ち目はあるのか……


その答は全く無い訳じゃない。
全宇宙でただ一つ、ラ=グースに勝てる可能性をもった兵器がある。

それこそは人類の進化である。

我々人類こそが対ラ=グース用の切り札なのだ。人類は「進化」を大いなる存在に兵器として組み込まれた。
今は脆弱な生物に過ぎないが、人間は生きて進化を続け、進化する兵器としての研鑽を続けていく。
そしてやがては宇宙を征服し、邪悪な宇宙、おぞましき空間の存在を見るだろう。そしてその時、人類は初めて己の目的を知るのだ。



しかしラ=グースも、人類も、存在意義を突き詰めると時天空に対抗する為の兵器にしか過ぎないと言う意見もあるので、石川世界はホント地獄だぜ……
(石川賢の別作品『真説 魔獣戦線』における大いなる意志達の台詞より。「星々を喰う魔物」=「ラ=グース」、「宇宙を消滅させる機械の化物」=「ゲッターエンペラー」とも解釈できる)

余談ではあるが、石川賢没後に刊行された公式アンソロジー『ゲッターロボアンソロジー』収録の一編にて、別著者ではあるがラ=グースvsゲッターエンペラーの夢の戦いが実現した。
ラ=グースはさらに成長したようで、めちゃデカい女体の形をとっていた。
400万光年先からのゲッタービームなどと馬鹿みたいな単語が出たが、それはそれ。
最終的に接近してきたエンペラーに撲殺されて勝敗は決した、合掌。
(ただしこの作品、ラ=グースが原作に比べて明確に擬人化されてたりと、石川賢作品の正史と看做していいかどうかは意見が分かれそうなところであるが)

ちなみに、ファンの間では「ゲッターエンペラーは(『アーク』の時点で)空間支配能力を持っていないので、ラ=グースに対抗できないのではないか」とも言われていたが、
石川賢没後に奇跡のアニメ化を果たした『アーク』にて、「エンペラーは存在するだけで自身を中心とした閉じた宇宙を形成する」という台詞があり、
この能力が空間支配能力を彷彿とさせることから、エンペラーも実は空間支配能力を持っており、故にラ=グースに対抗できるのではという声も上がった。
ただ、この台詞は原作にはない、アニメ版『アーク』のオリジナルの台詞であるため、恐らくは石川作品に詳しいスタッフが挿入した台詞と思われ、
前述のアンソロジー同様、「正史と看做していいのか」については意見が分かれそうなところであるが。



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最終更新:2023年11月16日 01:09