ビクトリーロボ

登録日:2011/05/12 Thu 00:44:20
更新日:2023/07/23 Sun 00:58:41
所要時間:約 8 分で読めます






マトイ「みんな、緊急合体だ!!」

ナガレショウダイモンマツリ「了解!!」



概要

ビクトリーロボは、スーパー戦隊シリーズ第23作目「救急戦隊ゴーゴーファイブ」に登場する巨大ロボである。

搭乗者は巽ブラザーズことゴーレッドゴーブルーゴーグリーンゴーイエローゴーピンクの5人。


99マシン

1999年に発生するグランドクロス現象とそれに伴う未曾有の大災害に備え、巽モンド博士がアンチハザードスーツと共に開発した5台の巨大マシン。
各マシンがそれぞれのメンバー専用で、『緊急合体』の号令でビクトリーロボに合体する。
災害時およびサイマ獣が巨大化する際に召集、ベイエリア55からマシンを搭載したゴーライナーが発進、現場で出場される。


レッドラダー

全長:33m
全幅:13m
全高:10.6m
重量:1700t
最高速度:700km/h
元レスキュー隊員であるゴーレッド/巽マトイ専用の巨大梯子消防車
車体後部ブロックに畳まれた梯子が収納されており、火災の現場ではこれを伸ばして先端の放水機で消火に当たる。

この部位はビクトリーロボの腕に相当し、ロボ形態では梯子によって腕を伸ばす攻撃が可能。さらにビークル形態では余剰になりがちなロボの拳も被災者の救出という目的に活用されている。梯子車としての個性を合体メカにうまく組み込んだ極めて優秀な設計となっている。

前後のバンパー部はアウトリガーになっており、ラダーアームを伸ばす際に展開される。
ブレイバーソードを呼び出すエンブレムは本機に存在する。
合体時は胸部と両腕を構成する。

△装備ラダーアーム
車体後部が変形した、放水ノズルおよびラダーキャノンを装備する2本の梯子。最長で54mまで伸ばす事が可能。
ロボ時の両腕なので先端は5本指を持つ手になっており、物を掴んだりパンチで障害物を破壊する事が可能。高所で逃げ遅れた人々を救助する。


ブルースローワー

全長:31m
全幅:12.5m
全高:12.6m
重量:1800t
最高速度:680km/h
元科学消防部隊員であるゴーブルー/巽ナガレ専用の巨大化学消防車
合体時は腰部と大腿部を構成する。

△装備ケミカルディスチャージャー
車体上部に装備された4基の化学消化器。広範囲における消火に活躍。


グリーンホバー

全長:18.8m
全幅:17.2m
全高:9.7m
重量:1300t
最高速度:マッハ1.5
元消防局航空ヘリ部隊員であるゴーグリーン/巽ショウ専用の巨大VTOL機
5機の中で最小かつ唯一飛行能力を持つ機体。
推力が非常にすさまじく、ゴーライナーの代わりに他の99マシン+輸送用のボードをこの機体が輸送することも多々あった。

合体時は頭部と背部を構成する。
そのほか機体下部に搭載したワイヤーでレッドラダーとブルースローワーを吊り上げてドッキングさせる役割も担う。
ちなみにワイヤーの先端は電磁石なので一般のバスの天井にくっつけて輸送することもできる。

△装備インパクトガン
消火液も発射可能な2門の小型砲。
第1話では初合体時に攻撃してきたサイマ獣マグマゴレムの牽制にも使われている。

他にも機体下部から投下式消化弾を発射、さらにワイヤーによる救助活動およびキャリングカーゴを装備しての99マシンの空輸が可能。


イエローアーマー

全長:26.9m
全幅:11.2m
全高:12.5m
重量:1600t
最高速度:650km/h
元警察官であるゴーイエロー/巽ダイモン専用の巨大装甲車
合体時は左脚を構成する。
パイロットの元の職業といまいち噛み合ってないのだが、一応警察官も災害対応で重機を使うことはあるので、微妙にかすっている。

△装備ショベルアーム
車体後部のコンテナから伸びる作業用アームで、障害物の除去が可能。大型建造物への突入などに威力を発揮する。


ピンクエイダー

全長:27.4m
全幅:10.9m
全高:11.6m
重量:1600t
最高速度:720km/h
元救急隊員であるゴーピンク/巽マツリ専用の巨大救急車
合体時は右脚を構成する。

△装備巨大ハンガー
車内には緊急治療室があり多人数を同時に収容可能なほか、逃げ遅れた一般人の自動車などを格納できる。後にゴリラに受け継がれた。
一般人を大量に収容可能なこのマシンが巨大ロボの右足になることはしばしば突っ込まれる。描写がないだけで戦闘時はちゃんと逃してから合体しているのだと思いたい。


中間形態

ビクトリーウォーカー

ブルースローワーイエローアーマーピンクエイダーの3機が合体した消火活動用二足歩行ロボット。

ブルースローワーをグリーンホバーが吊り上げ、ジャッキにより起き上がったイエローアーマー&ピンクエイダーの上に降ろしてドッキングする。

要はビクトリーロボの下半身だけの姿である。

車両型の99マシンでは活動できない足場の悪い場所などでの消火活動を担当する。なお、消火にはブルースローワーの装備をそのまま使用している。

下半身だけのロボが歩き回っているのはなかなかシュールではあるが、車輪では近づけない場所も踏破し、ブルースローワーでは不可能な高さからの放水が可能という点では合理的な設計である。

着ぐるみやプロップではなくCGで動かす関係上出番は少ない*1が、最終回1話前にも登場したので扱い自体は悪くない。



「ビクトリーロボ、合体完了!!」


合体時

ビクトリーロボ

全高:55m
全幅:36.8m
重量:8000t
最高速度:650km/h
出力:2300万hp/t

5台の99マシンが「緊急合体」した巨大ロボ。
救助活動よりも巨大サイマ獣との戦闘に特化しているが、元々はビクトリーウォーカーをより発展させた大災害への対応時に運動能力を高めるための形態であった。
しかしマイナスエネルギーの正体が自然現象ではなく災魔一族と判明した為、ブレイバーソードを開発し巨大サイマ獣との戦闘に特化させることになった。

1号ロボでは初めてレッドの搭乗メカが頭部パーツを構成しない合体ロボでもある。(戦隊ロボ全体として見た場合、カクレンジャー隠大将軍以来)
合体時の集合コクピットは設けられておらず、合体しても元のマシンのコクピットに乗ったままで戦う。
これは強化合体ロボであるマックスビクトリーロボも同様。

ビクトリーウォーカーにグリーンホバーに吊り下げられたレッドラダーが上部にドッキング。
レッドラダーを降下させたグリーンホバーはそのままワイヤーを巻き取りつつレッドラダーの上にドッキングして合体完了である。
但し、状況によってはレッドラダーが自らラダーアームを使ってビクトリーウォーカーの上部に積み重なる場合もある。

この手の合体ロボは飛行メカでもないのに合体シーンでは何の説明もなく自由に宙を舞って合体していることが多いが、ビクトリーロボの場合はこのようにグリーンホバー以外は飛べないことが示された上で合体のプロセスが明確に描写されているのが特徴である。

マイナスエネルギーの対となるプラスエネルギーを使用でき、これは実体を持つゴレムサイマ獣には効かないが、
マイナスエネルギーの集合体である巨大サイマ獣(死霊)に対しては非常に効果を発揮する。

おかげでゴレムサイマ獣が敵の主力だった頃は、
グランドライナーを動かすには99マシンが中に入ってないといけない」という制約の関係もあり、あまり出番が無かった。

まあ、グランドライナーの販促期間だったからしかたない。
それでも他の戦隊の一号ロボより活躍してるし。ちなみにグランドライナーは逆にプラスエネルギーが使えない。
ビクトリー(勝利)なのに11話で敗北しているじゃんと突っ込んではいけない。

その後も6番目の戦士・ライナーボーイの登場とそのスーパー合体形態であるマックスビクトリーロボのなどの登場もあり、安定して活躍していくこととなる。



装備

ブレイバーソード
腰のエンブレムから出現する特殊超硬合金ジオニックメタル製の剣。
但し、ゴーグリーンが搭乗していないと使用不可。

ラダーアーム
レッドラダーの梯子車としてのアーム部を伸ばして打ち込む鉄拳。
ビクトリーロボの格闘技はこの機能を応用したものが多く、機体を特徴付ける装備といえる。

ラダーキャノン
レッドラダーのアーム部に配置されたキャノン砲。主に敵への牽制に使われる。
また消火剤を放つことも可能である。

インパクトガン
用途はラダーキャノンとほぼ同じ。


必殺技

連続ラダーボンバー
ラダーアームを伸ばし、離れた敵に連続で繰り出すパンチ。

ラダーホイールクラッシュ
伸ばしたラダーアームで敵を捉え、そのまま放り投げる。

ウィンドミルラダー
伸ばしたラダーアームを地面につき、身体を回転させて繰り出す宙返りキック。
さながら鉄棒の大車輪のようであり、他の戦隊ロボではまず見られないような豪快な技である。

スクリュースピンラダー
ラダーアームを伸ばしたまま回転し、連続で繰り出すパンチ。

ニューライナーコンボ
ライナーボーイとの連携技。
ラダーアームでライナーボーイを押し出して死霊サイマ獣めがけて突撃させる。

ビクトリープロミネンス

「剣よ、光を呼べ!」

の掛け声と共に剣で炎の円を描き、プラスエネルギーを収束させたブレイバーソードで敵を袈裟斬りに一刀両断する。
なお、20話ではビクトリーロボの右腕が破壊されていたため、左腕で放っている。
後にパワーレンジャー・タイムフォースに受け継がれた。エフェクト込みで


その他

Vシネマ『未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ』では、ゴーゴーファイブの面々はボリピエールに苦戦するタイムロボの戦いを見守っており、
ゴーイエローは「僕たちにもビクトリーロボがあれば」と悔しがっていた。
これはゴーブルーが言及したが最終回でベイエリアが壊れていた影響でゴーライナーを呼び出すことができなかったためである。
より厳密に言えば、ゴーゴーファイブ劇中にてマックスビクトリーロボは特殊ガスの爆発から避難中の人々の盾となって大破している。*2

だがモンド博士の発案でタイムロボαの胸部に施されたタイムトンネルの機能をタックたちに無断で使い、
過去のベイエリア55から時空を超えスペースゴーライナーを呼び出すという荒技で登場。
ただし、この方法はかなり無茶であった為、3分以内に元の時代へ戻さないと質量崩壊を起こすことがタックの口から語られている。

ビクトリーロボがビクトリープロミネンスの炎(プラスエネルギー?)をタイムロボの剣に譲渡。
そのままブイレックスに乗りプレッシャープロミネンス」で宿敵ピエールを打ち倒した。

なお、タイムレッド/浅見竜也タイムファイヤー/滝沢直人の2人はビクトリーロボの事を知っていた旨の発言をしている。

最終回で登場したマックスビクトリーロボブラックバージョンが忘れられているが、
危険なものであったため最終決戦後にモンド博士により破棄された、もしくはあの一戦が活動限界だったとの説もある。


Vシネマ『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』では、ガオライオンの雄叫びに応え歴代レッドメカと共にレッドラダーが到着。
ラダーアームを伸ばし、はぐれハイネス・ラクシャーサに鉄拳をあびせた。
前作で語られたベイエリア55の事情はどうしたの? とかツッコんではいけない。
好意的に受け止めれば、『タイムVS~』から『VSスーパー戦隊』までの間に何とかレッドラダーだけでもモンド博士により再建できたと解釈すべきか。
合成とはいえ、自動車戦隊繋がりの高速戦隊ターボレンジャーターボGTカーレンジャーVファイヤーと並走する場面は必見といえる。

シリーズ第35作『海賊戦隊ゴーカイジャー』では、ゴーゴーファイブの大いなる力の一部として、
ビクトリーロボの必殺技をアレンジ込みで再現した技ゴーカイプロミネンスが登場した。

また、映画『199ヒーロー大決戦』ではスーツが残っていたため新規映像で登場。
同じ太陽イメージのサンバルカンロボと、タイトル候補が「ゴーゴーファイブ」だった縁かゴーグルロボと共闘。
ブレイバーソードで掃治大臣キレイズキーをひるませていた。
必殺技の出番こそ無かったものの、劇場スクリーンで動くビクトリーロボに歓喜したファンも多い。
ちなみに当時スーツが現存していたロボの中ではビクトリーロボが最古であり20世紀ロボでは唯一であった*3

パワーレンジャー版では映像を流用してる関係で基本的に変化はないが、
日本ではグランドライナーの影に隠れてた時期にも、後の話のシーンを流用してきて活躍の配分が調整されていた。

テーマソング:「緊急合体!ビクトリーロボ」(歌:山形ユキオ)


両手に光を呼びながら追記・修正をお願いします。

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最終更新:2023年07月23日 00:58

*1 当時は3DCGのムービー制作がかなり大変だったとのこと

*2 またグランドライナーとビクトリーマーズは敵の攻撃によって腕を切り落とされて戦闘不能状態となった。後者二機について本作では触れられていないが、ベイエリアがないことを言及していたことを考えると内部機器もやられたため破棄したというのが妥当だろうか。マックスビクトリーロボブラックバージョンが開発されていた場所に関してはブラックバージョンが触れられていないので不明。

*3 それ以前のロボと次作のタイムロボ、および旋風神は、非アクションスーツや静止画を活用しての登場