ケイサル・エフェス

登録日:2010/06/06(日) 17:02:52
更新日:2024/03/24 Sun 21:15:38
所要時間:約 5 分で読めます





我はまつろわぬ霊の王にして、遍く世界の楔を解き放つ者なり。

全ての剣よ、我が下に集え。

彼の者達の意思を、その下僕達を、あまねく世界から消し去らんが為に。

我が名は霊帝。

全ての剣よ、我が下に集え。


第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河へ~に登場するキャラで、αシリーズのラスボス。



□ケイサル・エフェス


年齢:不明 (50万年位)
全長:不明
重量:不明
声優:水木一郎
戦闘曲:終焉の銀河






以下、重大なネタバレ注意




□概要

ゼ・バルマリィ帝国(エアロゲイター)の創世神ズフィルードとして伝えられている存在。
真の霊帝であり、真のズフィルードである。

本来は二体の惑星防衛システム「ガンエデン」の内の一体、ゲベル・ガンエデンの中枢であるサイコドライバー能力者「ゲベル」。
バルマー星におけるファースト・サイコドライバー「アウグストゥス」である。

50万年前、銀河に栄えた文明が滅亡に瀕した時、その中で地球に住んでいた者達が講じた人類存続の策の一つ。
滅び行く地球から旅立った2体のガンエデンは、新天地に相応しいバルマー星に辿り着くとバルマー人を創造する。
一仕事終えた後、故郷が恋しくなったナシム・ガンエデンはバルマー星をゲベル・ガンエデンに任せて、滅びた筈の地球に向かって再び旅立ってしまった。

ゼ・バルマリィ帝国創世の時より支配者である霊帝として君臨していたが、本編の約五百年前に自らをガンエデン・システムから切り離した。
そしてイデやゲッター線、ビムラー、ザ・パワー、Gストーン等に代表される「無限力」*1と相反する「負の無限力」と結びつき、ケイサル・エフェスとなった。
「無限力」は因果律を掌握している為、宇宙の運命そのものであり「アカシックレコード」とも呼ばれている。
そして宇宙に相応しい知的生命体が生まれるまで『アポカリュプシス』という災厄を起こして宇宙を滅ぼし新たな知的生命体を生み出すループを繰り返している。
この「繰り返される生と死」の無限ループの中でアポカリュプシスで滅ぼされた者達の無限といえる数の怨霊達こそが「負の無限力」である。

バルマー人が崇める霊帝ルアフ・ガンエデンは彼が身代わりとして立てた偽りの霊帝に過ぎず、ゲベル・ガンエデンの力の源は失われている。*2
普段は自身を卵に還元した状態で、バルマー星の宮殿地下、聖堂玉座の裏にある巨大な台座の上で眠りについている。
シヴァーやアルマナを含め、殆どの人物はその存在を知らない。
だが、並行宇宙の番人たるイングラム・プリスケンはその存在に気付いており、ケイサル・エフェスはユーゼス・ゴッツォを操ってその存在を縛っていた。
『α』の後、アストラナガンで直接対決しに来たので返り討ちにしてたらしい。
ユーゼスは操られながらも真の霊帝に気付いていたらしく、彼の非凡な才がうかがえる。因果律を歪める霊帝にCPSを完全にして対抗するつもりだった様だ。しかし主人公達が予想外に強くなったので霊帝打倒は主人公達に託している。

流石に霊帝ルアフはゲベル・ガンエデンの中に宿っていると勘違いはしていたものの、負の無限力と融合している事は知っており「まつろわぬ神」と呼んでいる。
バルマーの裏死海文書を解読すればその存在が示唆されるのだが、バルマー人では霊帝を除けば勝手に盗み読んで解読したユーゼス位しか正確な内容を知らない。
しかし地球だとユーゼスを通してエヴァ勢が裏死海文書を解読済みなので、冬月先生も「まつろわぬ神」を知ってたりする。


ケイサル・エフェスの目的は「アカシックレコード(正の無限力)に代わり、この宇宙を支配する事」。実にシンプルである。
だがそれは全宇宙のあらゆる生物が死滅し、代わりに宇宙が悪霊と怨霊のみが徘徊する地獄となる事を意味している。
ルアフを倒し、アポカリュプシスを乗り越えて正の無限力に認められたαナンバーズを抹殺する為に活動を開始する。
アポカリュプシスを乗り越えたαナンバーズが歓喜に包まれる中、突如として卵の姿で現れる演出は中々不気味。

会話ウィンドウ等では年季を感じさせる老人の姿だが、これは偽りの姿。
真の姿は「終焉の銀河」使用時に出現する異形の姿である。

負の無限力というだけあってその力は圧倒的で、帝国製機動兵器を無尽蔵に出現させ、更にゲベル・ガンエデンさえもコピーして出現させる。
凡そ存在その物が悪意と恐怖の塊であり、その影響力はαナンバーズの勇者達……戦闘マシーンとして育てられたヒイロ・ユイ剣鉄也は勿論、勇者王たる獅子王凱をして圧倒的な威圧感を与えた。 
その恐るべき力にαナンバーズは追い込まれ、あわや全滅という所まで追い詰められる。

しかしその時、リン・ミンメイリリーナ・ドーリアン等のαナンバーズの後援者達、ゲペルニッチ等の過去に戦い和解出来た者達、そしてシャア・アズナブル渚カヲル、イングラム・プリスケン等の過去に散った英霊達が登場。
彼等の想いを受けて立ち上がり、熱気バサラの「GONG」によってケイサル・エフェスの悪意を無力化し、打ち破った。
このシーンは他にも剛健太郎、鈴原トウジ、獅子王麗雄、兜剣造、司馬遷次郎、プリンス・ハイネル等が生死に関わらず登場しており、オーケストラアレンジのBGMとなった主題歌の「GONG」と合わさり非常に熱いシーン。
因みにアスラン曰くラスティもいるらしい*3


ぬおおおっ!!我の再生の力が…奪われる…!

我に流れ込む悪意の波動は無限ではなかったのか…!


ぶっちゃけ無限と言える程の悪霊の力全てを掌握してる訳ではなく(他にもムゲとか居たし)、だからこそ銀河中から悪霊を搔き集める為にディス・レヴを欲したりもした訳で。

元々ガンエデンはアカシックレコードに滅ぼされた古代人の生き残りの様なものなのでアカシックレコード憎しは仕方ないし、ガンエデンはアポカリュプシスを乗り越える事が第一なので、無限力に対抗出来る負の無限力と融合するのも確かに合理的と言えるだろう。
しかしアカシックレコードに人々が認められ、もうアポカリュプシスが起きなくなったにもかかわらず、認められた人々を抹殺してアカシックレコードの力を削ごうとする等、ガンエデンの開発目的からすると本末転倒。
同胞であったナシムに説得されても「アカシックレコード側についた裏切り者」として聞く耳を持たない、悪霊達の王に相応しい「妄執と怨念の権化」に成り果てている。
最後の足掻きにヱルトリウムに取り憑いて道連れを図ったりイルイ・ガンエデンを取り込もうとしたりするが、発動したイデと対消滅する形で宇宙から消え去った。
ハード最終話では悪足掻きをする事無く、


…我は滅びる…!だが、忘れるな、運命の戦士達よ!

この宇宙を縛る因果の鎖が断ち切れぬ限り、我はまた現れる!無限力と共に!


と、負け惜しみにも似たお決まりの捨て台詞を吐いて消滅した。

メカニックデザインはディス・アストラナガンと同じく金子一馬。
その為、デザインラインが機械的ながら有機的で尚且つおどろおどろしい物となっている。
流石は悪魔絵師。

声優は何とアニソン界の帝王こと水木一郎ゼェェェェェット!
GONGイベント後の戦闘前会話には、兄貴が今迄歌ったアニソンの歌詞ネタが台詞の随所に散りばめられており、探してみると面白いかもしれないゼェェェェェット!

スパロボオリジナルのボスキャラとしては、今の所ペルフェクティオと並んで一番スケールのでかい敵。
負の力を依り代とする部分は、ヴォルクルスやダークブレインにも似ている。

OG世界に登場するかは不明。一応ゼ・バルマリィ帝国の親玉という立場だが、出ない可能性も十分ある。

名前の由来はヘブライ語で「ケイサル」=「皇帝」、「エフェス」=「零」「無」「終焉」を意味するもの。



□搭乗機


ケイサル・エフェス


滅びよ、無限力…

ケイサル・エフェスが使用する知的生命体の怨霊の集合体「負の無限力」を操る台座の機能を備わった、自らと同じ名前を冠する機体。
黒き人型に怨念が交わった翼を羽織っている。
その成り立ちと行動目的は「(アンチ)イデ」とも呼べる存在。イデの輪廻の輪から外れた悪霊の意思集合体である「負の無限力」を自在に操る力を持つ。


□武装

  • 絶望の宴
MAP兵器。
典型的な放射型で、割と厄介。

  • 霊帝の福音
頭部が変形して迫り出し、口からビームを発射する。
ズドォン!と塔が倒れる様な音を立ててこちら側に顔を向ける演出はビビる。
福音(冥土の土産的な意味で)とあるのでラーゼフォンのボイスみたいなものかもしれない。

  • 終焉の銀河
古の白き祭壇……今、ここに

天よ聞け!地よ耳を傾けよ!

ふふふふ…ふはははは!

第三次αの副題にして、ケイサル・エフェスの最強武器。
古の白き祭壇*4に、黒い肌と紅い三眼、2本の角、6つの腕を生やした『真のケイサル・エフェス』が顕現。
セフィロトの樹を描いた札の様なゲートから濁流の如き無数の悪霊達「まつろわぬ魂」を呼び出し、敵を飲み込む。
強力な全体攻撃なので、下手をすると撃沈される。

スパロボオリジナルの敵キャラには珍しいトドメ演出付きの技で、撃墜されると悪霊達に纏わり付かれ、悪霊達の中に引き摺り込まれてしまう。
しかも本来攻撃シーン中は消えるHPゲージが一度復活し、少しだけHPが残った…?と思った瞬間引きずり込まれるので初見でのインパクトは抜群。


尚、撃墜時の『ハォォォォォォォ!』は兄貴の持ち歌である超人バロム1の擬音歌詞『ブロロロロ~』を加工してある。
因みにケイサル・エフェスの戦闘シーンは全く動かず、動きがあるのは超念動フィールドを使用する時に左手を動かすだけ。
攻撃は全てリアルカットインである。

以下、(ある意味で)衝撃のネタバレ注意
























物質界も自然界も、銀河の全ては我が領土

ゆえに、いずこであろうと我は存在する……




何とOGシリーズですら未出演の段階だというのに、アイドルマスター シンデレラガールズとのコラボ作品、『スーパーロボット大戦CG 奏鳴の銀河へ』においてラスボスとしてまさかの登場を果たしてしまう。
(因みに第3次α発売から換算すれば実に12年近い時を経ての再出演)

同作は飽くまでもスパロボがゲームとして存在する世界における劇中劇という設定で進行しているので厳密に言えば別人。
あの見た目且つ水木ボイスに近いそっくりさんを連れてきたってのもそれはそれで凄いことだが。

劇中劇とはいえその圧倒的プレッシャーと負の無限力の脅威は変わらず顕在であり、最終決戦に挑んできたアイドルたちをいとも容易く怯え竦ませている。
その際に

勇気を歌うか? 闘志を叫ぶか? それらとて疲弊し消え行くがこの世の定め、戦いのGONGはもはや鳴らぬわ

といった、第3次αクリア済みのプレイヤーをニヤリとさせてくれるようなセリフも発している。



イデもバサラも存在しない中でどうやって対抗するんだよと誰もが思っただろうが、作中世界で切り札となったのが高森藍子が響かせる歌声。
熱さや激しさ、勇気や闘志といったものなど一切感じられない、ただ只管に優しさに満ち満ちた歌。

嘗て自身を打ち破った戦士たちとはあまりにもかけ離れたそれにより力を取り戻していくアイドルたちにケイサル・エフェスは疑問をぶつけるも、
その力を行使している藍子自身から「よくわからない」という衝撃の答えを返されてしまう。


ぬう……! なんなのだ、その、ゆるゆるで! ふわっとした答えは!


……狼狽もご尤もな中で尚も響き続ける藍子の歌声、
それこそがケイサル・エフェスの負の無限力に対抗できる新たな力、通称ゆるふわ無限力であった。

そして最終的にはゆるふわ無限力の優しさに包み込まれるようにして敗北。
その際にも恨み言や妄執は一切見せずに、己の敗北を素直に受け入れての安らかなもの。
結果を見れば力で捻じ伏せるしか無かったαナンバーズとは違い、何とあの悪の権化の象徴みたいな存在だったケイサル・エフェスを改心させるというとんでもない展開に。
凄すぎるだろゆるふわ無限力。

とはいえ上記のような飽くまでもゲームを元にした劇中劇でしかないため、
そういった設定が前提にあればこその展開……の筈だったのだが、


……大義なり、アイドルよ。これからも、希望の灯をともし続けよ。この宇宙から、苦難が消え去る日まで……


劇中劇が無事に終わった中で突如として球美の脳裏に響いた謎の声……
これが意味することは、どこかの並行世界において今までの劇中劇とほぼ同じ形で安らかに消滅した霊帝がいるという可能性。

劇中で発した大迷言、「ゆるふわ滅ぶべし!」などと合わせ、
ケイサル・エフェスというキャラクターにデカすぎる一石を投じたコラボであった。

このため、プロデューサー界隈では名誉藍子担当P扱い受けてるとかなんとか


余談

ケイサル・エフェスの機体デザインは『悪魔絵師』で有名な金子一馬氏が担当。




我が名は霊帝ケイサル・エフェス……
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最終更新:2024年03月24日 21:15

*1 作中では第一始祖民族の意志の集合体及び死後そこに加わった人々の魂の集合体

*2 ルアフ以前にも代理の歴代霊帝を立てていたとされるが、その頃のゲベルはまっとうにガンエデンの中に宿っていた筈である

*3 出世したなラスティ

*4 ファンからの通称:兄貴のライブステージ