マッチポンプ

登録日:2011/08/29(月) 12:06:03
更新日:2024/03/24 Sun 11:11:24
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マッチポンプとは何かしらの騒動等が起きた時、その原因となった(原因を作った)のは自身であるにもかかわらず、
何食わぬ顔で巧妙に立ち回り、事態の収拾を担う役どころに立つことで利益を得ようとする自作自演を指す言葉のことである。


これは「マッチで火をつけ火事を起こし、それを自分(ポンプ)で消す」という意味の比喩であり、実際にはこんな英単語は存在せず日本独自の和製英語である。

この言葉が生まれたのは1966年頃で、発端となった不祥事は「黒い霧事件」と呼ばれている。
当時、政界の決算委員(長)のポジションに居座っていた田中彰治という男は「決算委員会の爆弾質問男」の異名を持っていた。
彼の投じる質問は、誰もが知る大企業などの問題ばかりであったためだ。

しかし、それらの問題が国会で言及されることはなかった…何故か?

それもそのはず、実は裏で田中が「国会で追及されたくなかったら…」と相手に脅しをかけ、金品を受け取った後にその問題を揉み消していたからなのだ。

(表で問題提起裏で金のやり取り表で問題消失(裏で揉み消し))を
「金利目的で自分で火を付けといて自分で消してる」と例えたのがマッチポンプなのである。
なので本来は金品の不正取得を指す言葉だったが、転じて偽善的な自作自演を指す意味となったようだ。
では次にマッチポンプに似た例を紹介する。先ずは以下の例を見ていただきたい。


「今ここに俺が来なかったか!?」

「なんだと?」

「馬鹿野郎そいつがルパンだ!俺に化けて潜り込んだんだ!でっかい図体して変装も見破れんのか!!」


おなじみルパン三世。
彼は騒動を起こした犯人でありながら、銭形(警察)に変装して巧妙に立ち回ることでお宝を盗み、利益を得ている。
ざっくり解釈するとマッチポンプの例に見えるが、正しくは「火事場泥棒」のことになる。
火事場泥棒は火事などの災害で混乱した場所で盗みを行うことを言い、転じて混乱を利用して利益を得るもの、ことを指す。
つまりマッチポンプとは似て非なるものなのである。
ではなぜ今火事場泥棒の説明をしたのか?ここまでの話をちゃんと理解した人はもうお気付きだろうが、
マッチポンプと火事場泥棒の相違点は、その騒ぎをいかに収拾するかというところにある。


火事場泥棒の場合、騒ぎが派手なるほど紛れるのが容易になる為、混乱した現場を収めることはない。
しかしマッチポンプの場合、混乱した現場を収拾づけることによって周囲から「あの人が火を消したんだ」といった形である一定の絶対的評価を得るのだ。
つまり消火作業こそマッチポンプの本質といえるのである。

代表的な例だと鉄血のオルフェンズのおなじみラスタル・エリオンである。
彼は作中で数々のマッチポンプを行ってきた。
紛争を意図的に誘発したり、禁止兵器を敵対勢力に潜りこませた間者に使用させたことで使用の大義名分を得たりなどである。
パッと見ただけでは騒ぎを拡大させたようにしかみえないが、実態は大きく異なる。
紛争の誘発は彼の所属するギャラルホルンの世界警察としての存在意義を維持するためと危険思想を抱いた政敵排除といった目的がある。
前者に関しては誘発した紛争の鎮圧もまたギャラルホルンの功績として世間に認知されている。
禁止兵器の使用も戦火を拡大したように見えるが、実際は戦火の早期鎮圧に成功しており、余計な犠牲を生まず、多くの血が救済された。

では次にマッチポンプの特徴等を考察しよう。
まず『目的は何か』。これはマッチポンプを行う者の欲するモノによって大きく異なる。


例えば上記のルパン三世のような金品。
意図的に騒動の対象が決定されているので弱みを握って問題等を公にすることで脅しをかけ、金をむしり取った後に鎮静化を謀る。

例えば上記のラスタル・エリオンのような賞賛。
こちらは金品とは逆で、どう騒動を起こすかよりもいかに騒動を収拾するかがメイン。
悪事を自作し、鎮火を自演するだけで賛辞が貰えるわけだからやる者にとってはたまらんのだろう。

例えば好意。
自分を好きにならない奴は全て邪魔なので炎上の対象となる。
その目的から非常に巧妙な立ち回りをするが、自身は燃えずに灰となる。

例えば信者。
ブログを態と炎上させた後にうまく鎮火することでファンの心を掴む。


他にも色々あるので考えてみるといいだろう。
また『(社会的)地位・権力』というのもマッチポンプを行う上では重要なポイントとなる。
なお、西の某大陸国家はその歴史上で大規模なマッチポンプを幾度も行ってきているため、参考にしてみてもいいかもしれない。


そして最後にネットの中でのマッチポンプ。
そこは非常に匿名性の高い世界のため、程度の低いものから高いものまで幅広く蔓延っている。
当然ながら集いの中でもそれは存在しているのだ。
IDあるから特定出来る?否。特定されないように立ち回るからマッチポンプなのだ。


ただ、マッチポンプ行為を行う人間は概ね共通して後ろめたい噂がある上、最終的には必ず何らかの罰があたるようだ。
実際、この言葉が生まれるきっかけを作った田中彰治は後に悪事がバレて逮捕され、最終的に実刑判決を受けている。


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最終更新:2024年03月24日 11:11