サウスショアー線

登録日: 2012/11/11(日) 02:49:30
更新日:2024/01/08 Mon 23:24:23
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サウスショアー線とは、アメリカ合衆国を走る鉄道路線である。
イリノイ州シカゴからミシガン湖のほとりを走り、インディアナ州サウスベンドまでを結ぶ。


★歴史
1903年に最初の路線が開通後、1908年に電化が行われた。当初は交流電化だったが、1926年以降は直流電化路線となる。

この路線の特徴は、郊外路線は普通の線路だが、市内部は路面の上を走る「路面電車」となる所。
この方式は「インターアーバン」と呼ばれ、高速電気鉄道の形態としてアメリカ各地の都市で運用されていた。
その影響は世界各地に及び、現在日本を走る大半の大手私鉄も元はこの方式から始まっている。

日本ではその後も高速化が行われ、都市基盤の一部として現在も盛況を見せているが、アメリカではそれと正反対の様相を見せてしまう。
急速な自動車化の波に押され、第二次世界大戦後の1950年代には大部分の都市で廃止され、1960年代には数えるほどしか残らなくなってしまった。
線路が残されても、貨物専用になったりディーゼル機関車のみが運行するようになり、かつての姿とは異なるものになってしまっている。
そんな中で、このサウスショアー線は根強い通勤客の需要などで生き残る事に成功した。昔のインターアーバンの姿を今も残す貴重な路線と言えるだろう。
ただ、それでもやはり経営が厳しかった時期は長く、現在はインディアナ州が設立した「NICTD(North Indiana Commuter Transport District)」が旅客列車を運行している。
それ以外にも貨物列車が現在も走っており、かつての電気機関車に代わってディーゼル機関車がたくさんの貨車を牽引している。


★車両

シカゴの都心部は都市鉄道であるイリノイ・セントラル鉄道と直通運転をしていたため、路面電車区間があるにもかかわらず、普通の鉄道と同じサイズの車両が投入されてきた。
直流電化後は食堂車までつく豪華編成も投入されたが、現在は通勤運用を主体とした車両が投入されている。

その中で、1981年以降の主力となっている電車は、全て日本車輌製のステンレス車輛となっている。
ちなみにこれが日本車輛初のアメリカ向け車両であり、それ以降のお得意様ともなっているようだ。
25m級と車体は長いが、そのスタイルはどこか日本の地下鉄を思わせる。ただ決定的に違うのは前述の通り、そのまま路面の上の軌道を走るという事である。
現在でも日本では福井鉄道でこういった普通の鉄道車両が路面電車区間に乗り入れているが、さすが豪快な国アメリカ合衆国、時には8両編成の列車がそのまま悠々と路面の上を走るのだ。
例えて言うなら、これこれが道路の上を走っているようなものである。

さらに近年は利用者が増えて混雑が進んだため、2008年以降は二階建て電車まで登場している。
当然アメリカのビッグスケールの客車、これが道路の上を堂々と走ると言う凄まじい光景が展開される事になったのである。
こちらも日本車輌製だが、車体から日本っぽい感じは全くしない。


★余談

シカゴはこれ以外にも多くの通勤路線が走っており、かつてのイリノイ・セントラル鉄道の路線では現在メトラ(METRA)と呼ばれる企業が旅客営業を行っている。
こちらは全旅客車両が二階建てとなっており、スケールはかなり大きい。
また、市内には「L」と呼ばれる市内電車が走り、アメリカの長距離旅客列車を担う「アムトラック(Amtrak)」の拠点となっているなど、現在も鉄道が重要な役割を担う都市となっている。




追記・修正は道路の上にこれを走らせてからお願いします。

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最終更新:2024年01月08日 23:24