スペシウム光線

登録日:2012/07/27 Fri 16:00:25
更新日:2023/12/27 Wed 23:01:16
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うむ……やはり!

スペシウム光線ですね、キャップ!

スペシウム光線とは、ウルトラマンの代表的な必殺技である。





スペシウム光線とは

スペシウム光線とは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラシリーズ』に登場する我らがヒーロー・ウルトラマン及び帰ってきたウルトラマンの代表的な必殺技である。
スペシウムの名の由来は「スペース(宇宙)」と「イウム(鉱物系元素を意味する接尾語)」から。


概要に入る前にまずは画面の前のみんな、放つポーズをやってみなさい。ググるなよ!


……はい、そこの腕をL字に組んでるキミ。君は銀のスプーンでも目に当ててなさい、失格!
腕でバツ組んでるキミも失格。それはネオスゼアスエックスに任せなさい。


正しいスペシウム光線のポーズは、腕を十字に組んで放つというもの。
『帰ってきたウルトラマン』のオープニングテーマでも「十字を組んで狙った敵は必殺技の贈り物」とあっただろう?あ?ウルトラクロス?ドラキュラスに投げつけとけ
右胸の前で、左手が自分から見て奥(敵怪獣側)にクロスしたのが正しい形となる。右手が前だとまた違うウルトラマンの光線技になるので注意。
「腕時計に馬場チョップ」と覚えよう。
今の子馬場チョップ理解できるか怪しくなってきてるけど。


シュワッ!/ \ヘアッ!



画像出展:ウルトラマン(1966年7月17日~1967年4月9日)
第1話「ウルトラ作戦第一号」、第27話「怪獣殿下(後編)」、第36話「射つな!アラシ」より
@円谷プロ


概要

ウルトラマンを知っている人なら誰でも知っていると思われる、初代ウルトラマンの必殺光線。
彼の代表する必殺技だけあって使用回数が多く、初代マン、ジャック共に数ある技の中でも最も多くの怪獣・宇宙人を倒してきた。

ジャックは中盤以降防がれる場面が増えたが、設定上の威力は2人共同じとされる。
事実、ちょっとアレな個体だったとはいえゼットンを倒している。


本来のスペシウム光線はウルトラの国宇宙警備隊見習い隊員なら誰でも最初に取得する光線技の初歩であり、必殺の威力は無い。
映画『ウルトラマン物語』におけるウルトラマンタロウのキャラソン「愛の戦士タロウ」に「キックだパンチだスペシウム」という歌詞があるのは決して作詞ミスではなくこれに因む。
しかし初代マンとジャック、そしてパワードの3人はこの技を極限まで磨くことで必殺技にまで昇華させているのだ。

初歩の光線だけあって牽制や迎撃など、様々な応用や幅広い威力の調整が出来るので、3人はこの辺りに目を付けて技を極めたのかもしれない。


どうやら光の国出身の他のウルトラマンの必殺光線はどれもスペシウム光線の発展系らしく、地球人が開発したスぺシウムエネルギーを増幅させる「スペシウム・リダブライザー」によって、
ウルトラマンメビウス・フェニックスブレイブの「メビュームナイトシュート」やゾフィーの「M87光線」も強化される描写があった。

また、スペシウム光線の応用技である「八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)」をエース80、ネオスも使用している。

映画『新世紀ウルトラマン伝説』ではあらゆる世界のウルトラマンの光線技の基礎とされ、実際に全員で撃った。
、どう見てもエフェクトがそのウルトラマン元来の光線だったりする。
ゼアスに至ってはポーズまで間違えているが、彼は本来の必殺光線の構えからしてスペシウム光線の左右逆なので仕方ない面もある。




主な使用者と発射ポーズ

発射ポーズは共通して平手を十字に組むものであり、立てた右手から光線が発射される。
手を十字にすればそれでいいのか、姿勢などは各ウルトラマンによって異なる。


ウルトラマン
軽く上半身を屈め、顔の前で腕をクロスし(これは光線を編集で合成する際に描く範囲を固定し、負担を軽くする為でもある)、指が若干反り気味。
光線の色は白だが、最初期はジャックのように青白かった。
上述の通り、初代ウルトラマンとジャックはベーシックな光線技であるこの技を極限まで磨き上げ、必殺技として用いているという渋い設定がある。
その威力は仕事率換算で50万馬力、50万度の爆発を起こすとか。

「鍛え抜いた初歩の技」なだけあって威力やエネルギー消費には細かな調整が利き、劇中では必殺技としてはもちろん、
短いスパンで連射したり、相手の攻撃を防ぐために使うなど、小技としても使うことがあり、例を挙げると、
  • レッドキングが投げようとした岩を破壊
  • エアシップコンビナート*1の大群を殲滅するために連射
  • 追尾してくるジェロニモンの羽根手裏剣をローリング発射で一掃
などなど、他のウルトラマンなら牽制技くらいの光線を使うであろう場面でもスペシウム光線で切り抜けている。
中にはジラースが早撃ちを誇示したことに対抗してスペシウム光線の早撃ちで更に上を見せる、なんてガンマンの挑発みたいな珍行動をしたことまであった。

大伴昌司センセイによると「射程距離200m」とあったが、どう見てもそれより長い(明らかに地球間=38万㎞より長い!)

効果音がジェットエンジンのような『ザー』という音であるのも特徴。
昭和客演時代は他と同じ『ピャー』だったが、平成客演では再び『ザー』に戻っている。

腕を十字に組む以外に固有のポーズはないが、惑星フェラント上で兄弟達と共にグランドキングと激突した時は腕を左右に広げるアクションをしていた。
またFERでは腰を深く下したうえで腕を左右に広げるアクションによる溜め描写が存在する。
なお、初代『マン』本編ではスーツアクターを勤めた古谷敏氏のこだわりとたゆまぬ努力により、決して顔とカラータイマーが隠れないようになっている。

楳図かずおの漫画版や『ウルトラ怪獣かっとび!ランド』では高圧電流を纏っているという設定。
『かっとび!ランド』では力を抜いて撃つと暖房にもなる。
風邪を引いたり食あたりになったりしたときには眼前で滝のようにヘロヘロ落ちていく始末であった(クシャミした時には制御不能の超威力で出ていた)。
最大威力で発射した際には山を貫通している魔貫光殺砲かよ。
なお、左右逆に組むと顔に向かって発射される。

多数のゲーム作品では、もちろんウルトラマンの最強技。
特に『FE3』ではスペースQやフォトンストリーム等、他のウルトラ戦士の隠し技と、同等の威力に設定されている。
このためウルトラマンはただ対戦で使うだけならば必殺技を開放する必要がほとんどない。


ウルトラマンジャック
指は真っ直ぐで、胸の前で腕をクロスする。身を屈める初代に対してジャックは直立気味で背筋も伸ばしている。
また多くの場合、画面外からバックステップで入る形で飛び退いた後に撃つのも特徴。
光線の発射音はウルトラセブンの「エメリウム光線」に近く、色も青白い
核兵器の直撃に耐えられる設定のタッコングやグドンを一撃で粉砕する威力を持つ。
また、初代同様に小技として使うこともあった。

ゲームに参戦すると大概装備している。
『FEシリーズ』では3と0にて使用できるが、初代ウルトラマンのものと比べて威力はかなり落とされている。
3ではこれ単体では威力がかなり中途半端。
初期装備の比較でも威力ではシネラマショットに劣る上、ほぼ同威力のウルトラスラッシュには必殺技後のふらふら値蓄積で上をいかれてしまう。
やっぱりウルトラスパークが最強技なのか……と思いきや、真の最強技はスペシウム光線(ウルトラハリケーン)という、にくいデザインになっている。
しかもこの技の解禁にもスペシウム光線が必須。

0ではランク1の必殺技にされており、威力こそ低いものの、必殺技がリアルタイム発動になった本作ではコンボパーツとして優秀である。


ウルトラマンネオス
ポーズは初代マンと同じだが、光線の色と発射音は彼固有の「ネオマグニウム光線」と同じ。
バッカクーン戦で一度だけ使用。


エースキラー
捕えた初代マンから奪ったスペシウム光線を使用する。
右手に刃物を持ったまま(握り拳)でも使用出来るが、何故か光線は黄色く、SEもジャックと同じなのが特徴。
『ウルトラファイトビクトリー』に登場したエースキラー(ビクトリーキラー)が使った際は色、SE共に初代ウルトラマンとほぼ同一の物だった。


ウルトラマンダイナ
ポーズは初代マンと一緒だが色は青白く、SEもソルジェント光線のまま。
放映からしばらくはダイナ本来の必殺光線「ソルジェント光線」の別ヴァージョンとして扱われていた。
詳細は下記で。


ウルトラマンダーク(SD)
初代マンのスパークドールズがダークライブされた存在なので、当然のように使用が可能。
ただしダークライブの影響なのか、色は如何にも闇の力らしい黒と紫で、SEも通常のものより低くなっている。
これは八つ裂き光輪やウルトラセブンダーク(SD)の光線技も同じ。


ウルトラマンギンガストリウム
パワーアップしたウルトラマンギンガはタロウが変身した新アイテム・ストリウムブレスの力でウルトラ6兄弟の能力を使用出来る。
発射ポーズ、SE共に初代マンと一緒だが、ウルトラマンのビジョンが重なる演出がある(スペシウム光線に限らないが)。
ウルトラマンギンガS』の最終回でタロウが帰還した事で使用出来なくなっていたが、
ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』でタロウと再会した際に力の一部を与えられた為、再び使用可能になった。


ULTRAMAN
ULTRAMAN SUIT及びVer.Zに搭載された機能。
右手首の制御ユニットを左手首のコネクタに接続し、十字を組む事で発射される。
本来両腕のスペシウムブレードを用いるのでこれが破壊されたら使用出来なくなるが、ウルトラマンの因子を受け継ぐ早田進次郎は自力で発射した。

変わった点として左腕側のスペシウムブレードから発射されるのが特徴。
アニメ版では見栄えの為にチャージ描写が増え、従来通りの右腕から放たれる。
ただし、こちらも右腕のブレードから放つのでややL字型に近いクロスとなっているが、エースキラー戦でウルトラマン因子が覚醒した際は本家と同様に右手の手刀から発射している。
ベムラーも同時に繰り出す場面があったりするので見比べてみよう。


ベムラー(ULTRAMAN)
宇宙の平和を乱す悪魔のような怪獣の方ではなく、銀色の装甲服を纏った自称「始まりの敵」の方。
ULTRAMAN SUITのものと異なり、指の反りなど非常に細かい点を除けば初代マンとほぼ同一の発射体勢をとる。

何故彼がスペシウム光線を放てるのか、何故発射ポーズが初代ウルトラマンに酷似しているのか。
敢えてここではその正体は語るまい。


ゾフィー
ウルトラ兄弟の長兄であるゾフィーも当然のように使用出来る。
初出は1974年に掲載された内山まもる先生の漫画『かがやけ ウルトラの星』だが、映像作品で明確に使用したのは2020年の『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』から。
色、ポーズ共に初代ウルトラマンスタイル。

劇中では初代マン、ジャックとのトリプルスペシウム光線という形でモルド・スペクターに使用した。もう誰が誰やら……


シン・ウルトラマン
『ウルトラマン』のリブート作品というだけあってやはり使用し、ポーズも完璧に再現されているが、
劇中では「スペシウム光線」ではなく「光波熱線」と呼称される。

外星人第2号ザラブによれば「スペシウム133」という原子番号133番の元素*2がウルトラマンの体を構成しており、
それを応用して光波熱線を発射したり、飛行能力を得ているのだという。

劇中の初使用シーンであり、特報・劇場予告編などの各種PVで公開されていたネロンガ戦では、
左手を横に伸ばして右手首にエネルギーを溜め、前に踏み込むと同時に手をクロスして発射するという、「スペシウム光線」としては初のチャージ動作を披露した*3
この時のスペシウム光線はネロンガを跡形もなく吹き飛ばすどころか、貫通して背後の山間の一部を消失させるほどの威力を見せている。
なお、公式で投稿されたメイキング映像によれば、この時の光線発射モーションを演じているのは脚本・総監修等も務めた庵野秀明氏。

ザラブ戦では、一射目で擬態を解除させる程度のダメージを与えたものの、
空中戦の最中に撃ち込んだ二射目は原典とは異なってザラブが防御に成功し、光線を散らされている*4
メフィラス戦では彼の光線と拮抗したが、地球人と融合している状態故にウルトラマンの方がエネルギー消耗が激しいという弱点を衝かれ、
次第に向こうの光線に圧され始め、追い詰められてしまう……が、ウルトラマンの背後に不穏な影を見たメフィラスが戦闘を中断し、引き分けに終わった。
なお、例によってアレには効かなかった。


その他のウルトラマン
上記のように殆どのウルトラマン(少なくとも光の国の宇宙警備隊員やウルトラマンコスモスまでのその他のウルトラ戦士)なら皆スペシウム光線を使用出来る。
彼らの多くは「腕を十字にクロスさせる」のは一緒だが、光線のエフェクトはバラバラであった。

使ったウルトラマンの個性が現れる技、それがスペシウム光線なのかもしれない。




原理

詳細な原理は不明だが、蓄えられた右腕のマイナスエネルギー、左腕のプラスエネルギーを交差させることでスパークさせ、破壊光線として発射するとされる。

この光線には「スペシウム」という元素が含まれており、そのスペシウムを苦手とするバルタン星人を倒した事で科学特捜隊のフジ隊員が命名したことが名前の由来である。
ウルトラマンの必殺技で名付けシーンがあるのはこれとウルトラマンガイアの「フォトンエッジ」くらい。

また、打倒ウルトラマンを狙うナックル星人の解析でアルミニウム原子3000個に対してクローム原子100個の割合で含まれる事も分かっている。

「バルタン星人がスペシウムが苦手」というのは劇中ではムラマツキャップの推測にすぎず、ナックル星人の台詞は元素とは矛盾しているため、
後の作品内にスペシウムを利用したアイテムが登場するまで児童誌設定を軽視する一部のファンからは疑問の声が上がっていた*5

ちなみにスペシウムは太陽系にも存在し、火星で採掘される。そのためバルタン星人が火星への移住を拒んだとされる。




派生技&関連技

八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)
スペシウムエネルギーを回転鋸状にして放つ切断技
初代、ジャック共通の技。更にはエース、80、パワード(パワードスラッシュ)、ネオス(ネオスラッシュ)も使用している。

「スペシウムエネルギーを固形に凝縮した~」と解説されていたため、スペシウム光線より高威力とする説もある。
一部作品では実際に高威力とされており、金城哲夫著の小説版ではスペシウム光線以上の迂闊に扱えない大技と設定されている他、
漫画『ウルトラマンTHE FIRST』ではバルタン星人(二代目)をスペルゲン反射鏡ごと両断する、
『シン・ウルトラマン』では、スペシウム光線(光波熱線)を防いだザラブに繰り出して一撃で真っ二つにする等の描写が見られる。

バリア等の防御手段には弱いらしく、初代ウルトラマンはバルタン星人二代目とゼットン、
ジャックはキングザウルス三世のバリアにそれぞれ無効化されており、パワードはゼットンに胸で吸収されている。
また、ウルトラマンはグビラとキーラに、八つ裂き光輪の穴部分をドリルや尻尾で受け止められることでも破られている。
ジャックはキングザウルス三世に破られて以降、全く使用していなかったが、webドラマ『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』にて約半世紀ぶりに披露した。

追尾、連射、分裂、防御など様々な応用が可能で、『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』では左手に発生させてキングジョーブラックの腕を直接切断する活躍を見せたり、
映画『劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』で客演した時は光輪を盾にしてゴルザの攻撃を防いだりしていた。

ちなみに80のウルトラスラッシュは初代マン直伝である。
M78星雲出身のウルトラ戦士以外ではダイナのダイナスラッシュがあるが、こちらはソルジェントエネルギーを凝縮している。

原作でジャックは2度しか使用していないが、ゲーム作品では初代ともども使用できることが多く、『光の巨人伝説』、『スーパーヒーロー作戦』、『対決!ウルトラヒーロー』、『ウルトラマン(PS2)』、『Fighting Evolution 3』などが挙げられる。
また、『ウルトラ警備隊 空想特撮ゲーム』では、ウルトラスパークどころかスペシウム光線を差し置いてジャックの必殺技に選ばれている。


ウルトラスペシウムシュシュファイナル
ウルトラマンが東映不思議コメディーシリーズの1作『有言実行三姉妹シュシュトリアン』にゲスト出演した際、
バルタン星人を倒すために使用されたシュシュトリアンとの合体必殺技。

巨大化したシュシュトリアン3名が前衛で片膝立ちになり、組んだバトンは頭上に掲げ、
その後、ウルトラマンがスペシウム光線をシュシュファイナルが交差するバトン越しに放った。
方向性としては後のスペシウム・リダブライザーに近いか。


フォッグビーム
ジャック独自の技で、冷凍光線らしい。
キングザウルス三世戦でのみ使用され、そして防がれて以後登場しなかった。
名前の通り霧状の光線で、外見からは全くスペシウム光線との関連性が見いだせないが、
『帰ってきたウルトラマン』の企画書『続・ウルトラマン』には「凍結スペシウム」という技が記載されており、
書籍『不滅のヒーロー ウルトラマン白書』によればこのフォッグビームかウルトラフロストがこれに該当するらしい。
恐らく劇中でもキングザウルス三世を凍らせようと使用したと思われる。
一応ここに載せてはみたが、スペシウム光線の関連技というには少々グレーゾーンかもしれない。
ゲーム作品でもジャックの出しやすめの光線技として採用されている例がちょくちょくある。


シネラマショット
ジャック独自の技。
見た目はワイドショットのようにスタンダードなL字型タイプで、エネルギー消費が激しい分スペシウム光線やワイドショットよりも強力という設定。
ストーリー初期のジャックの切り札的必殺光線だが、本編ではキングザウルス三世戦(初戦)でのみ使用、しかも防がれてしまい、以後本編では使わなかった。
しかし客演時の『ウルトラマンタロウ』第34話、『ウルトラマンレオ』第38話、
タイの黒歴史映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』、アニメ『ザ・ウルトラマン』では他の兄弟との一斉攻撃の際には使用*6
ゲーム作品では基本的にジャックの最強光線扱いされる事が多い。
ウルトラマン(PS2)』ではβエネルギーがMAXかつカラータイマーが赤でないと発射できないが、基本的に1発当てればどんな怪獣も撃破できる。
ウルトラマン Fighting Evolution 3』ではデフォルトのジャックの最強必殺技。
ミッションによるウルトラブレスレット、バトルモードによる投げ技各種開放まではこれをメインに使っていく事になる。


メガ・スペシウム光線
ウルトラマンパワードの必殺技。
両腕のパワードスタビライザーに気力を集中、十字に組んだ腕全体から放つ。そのため、他のスペシウム光線と違って十字架のような青いビームが発生する。
威力はダイナマイト200万本分。ウルトラマンのスペシウム光線の実に5倍もの威力があり、さらに炸裂時の温度は1億度にも達する。
その為に下手に攻撃すると核爆発を起こすガボラ(パワード)をも臨界させるより早く蒸発させて無事事件を解決した事がある。
なお、角度によっては十字というよりカタカナの「ナ」にしか見えないのは秘密だ。
ただしそんなメガ・スペシウム光線にも耐えた相手はおり、火山の化身ともいうべきザンボラーは直撃しても無傷、生体反射外骨格で身を包んだドラコと光線吸収能力を持つゼットンもそれぞれ反射や吸収で対抗した。
最終的に、ドラコは防衛チームのミサイル攻撃で傷ついた生体反射外骨格の穴に注ぎ込むようにして撃破、ゼットンは光線の反射を駆使して背中を露出させてからの背面部から腰部に掛けての直撃でかろうじて打倒した。
しかしゼットン戦ではメガ・スペシウム光線を合計四発発射(うち三発は連射)した結果、パワード自身がエネルギー切れとなって倒れてしまった。


マリン・スペシウム光線
映画『甦れ!ウルトラマン』で披露した虹色のスペシウム光線。
連戦とスランプの影響で疲労困憊のウルトラマンが怪獣軍団最後の刺客ゼットンに敗れそうになった時、
イデが開発したスタミナカプセルをカラータイマーに撃ち込まれるとたちまちパワーアップして黄金のオーラを纏いながらを発射。
これを受けたゼットンは閃光を放ちながら空中に浮かび上がり、木っ端微塵になってしまった。
長らくマイナー技であったが、SRPG『スーパーヒーロージェネレーション』では最強必殺技に採用。


スペシュッシュラ光線
ウルトラマンゼアスの必殺技。
ゼアスは『光の国』出身でないこともあって、光線そのものにはあまり関係はないのだが、ウルトラマンゼアスこと朝日勝人が、
憧れのウルトラマンのポーズを真似て鏡で練習していた結果、スぺシュッシュラ光線の構えがウルトラマンのスペシウム光線の左右逆になったという設定がある。
なおその練習の結果、勝人はポーズを取るだけで近くの自販機を誤作動させる能力に目覚めた(当人は「何やってんだろう俺……」と落ち込んでいたが)。


マルチ・スペシウム光線
ウルトラマンティガパラサイト宇宙人 イルドに使った技。
ポーズこそスペシウム光線と一緒だが、光線ではなく光弾技で威力もさほど高くない。
イルドにはあまり効かず、それどころかイルドの塔に人質として捕えられた人々に危害が及ぶことになってしまった。

ティガと同じ技を使うウルトラマントリガーも使用可能で、デスドラゴを一度は撤退させる威力を見せた。


ソルジェント光線
ウルトラマンダイナ・フラッシュタイプの必殺技。
こちらはポーズが初代のスペシウム光線と全く同じという点以外に特筆すべき事はない。

が、ギャビッシュゴルザⅡ*7に使った物はエフェクトがスペシウム光線(色は青白い)と同じになっており、
本放送からしばらくはソルジェント光線とされていたが、『ウルトラマンボーイのウルころ』辺りからこれはスペシウム光線であるとされるようになった。


カオススペシウム光線
Fighting Evolution Rebirth』におけるカオスウルトラマン・カオスロイドUの必殺技。
構えた腕に捻じれた紫の光の線が無数に延びて合わさることで放たれる。非常に禍々しい。
しかし、『ウルトラマンギンガ』の劇場スペシャル第2弾『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』で使った時は、
ウルトラマンダーク(SD)と殆ど変らない黒いスペシウム光線といった感じだった。


カオススラッシュ
こちらもカオスロイドUの必殺技。
右腕そのものを巨大な紫のウルトラスラッシュに変化させて飛ばす技。
非常に痛そう。
こちらも『ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』では色違いの八つ裂き光輪だった。


ギガスペシウム光線
『FER』におけるウルトラマンの必殺技。
プラズマスパークの光が集まることで放たれる。光線というより光の洪水。
威力は通常の光線を凌駕する。


スペシウム超光波
漫画『ウルトラマン超闘士激伝』に登場する技。
スペシウムエネルギーを右腕に集中させ、ウルトラアタック光線の型で放つ強化技「スペシウムアタック」を更に強化した技で、
発射しただけで地球が吹き飛ぶとか、着弾すれば星の2つ3つは簡単に消せるというムチャクチャな威力。しかもこれ超闘士化する前
イメージ的にはピッコロが月消し飛ばした時の気弾をかめはめ波並みのエフェクトにした感じ。


スペリオン光線
ウルトラマンオーブスペシウムゼペリオンの必殺光線。
初代マンとティガの光の力をお借りした形態であるスペシウムゼペリオンに相応しく、
自身の前面に光の輪を展開し、2人の必殺技スペシウム光線とゼペリオン光線のエフェクトを合わせたような光線を放つ。
勿論、回転鋸状にすれば光のカッター「スぺリオン光輪」となる。
フュージョンアップ形態が増えていくとかませ扱いされることが増え、戦績はよろしくない。


ES(エメリウムスラッガー)スペシウム
こちらもオーブの技。
ウルトラセブンウルトラマンゼロ親子の力をお借りしたエメリウムスラッガーの必殺技で、亡霊魔導士 レイバトスをひとまず倒した*8

見た目は「黄金に輝く凄いワイドショット」のようだが、腕の構えは浅いものの「スペシウム」の名を冠するだけあって十字に組んでいる。
また、SEも初代マンのスペシウム光線とは全く異なる(エメリウム光線やワイドショットなどのSEである。ジャックのスペシウム光線はこちらよりのSEだが)。
そもそもセブンといいゼロといい、スペシウム光線要素の薄いウルトラマン*9の力を借りているのに何故敢えて「スペシウム」なのかはだが、
制作陣曰く「ゲームにはない最終決戦に相応しいスペシャルな感じの光線技」として造られたそうなので、語呂合わせもあるのかもしれない。


レッキングバースト
ウルトラマンジードプリミティブの必殺光線。
初代マンの光の力と、ウルトラマンベリアルの闇の力が融合したプリミティブにふさわしく、
白と赤黒い光子エネルギーがひとつとなり、2人の必殺技であるスペシウム光線とデスシウム光線のエフェクトを合わせたような光線を放つ。
使用回数は非常に少ないが、一撃で敵を倒したり、月面から地球へ2人のウルトラマンを移動させたりと威力は高い。
あまりにも威力が大き過ぎるのか、ガスタンクなどの燃料施設を巻き込んでの使用ができないのが弱点。
詳しくは項目を参照されたし。


スペシウムフラッシャー
同じくジードがフュージョンライズしたロイヤルメガマスターの必殺光線の一つ。
杖モードのキングソードにウルトラマンカプセルを装填して発動する。
普通のスペシウム光線と違って、いつもの光線に電撃のエフェクトを足したエフェクトを持つ電撃光線となっている。




関連技術

先述したように、スぺシウムは太陽系内では火星で産出される。
初代『マン』の頃からマルス133の開発などに使用されていたが、『ウルトラマンメビウス』の時期には既に地球人類の火星への入植が果たされており、
輸送船で地球まで輸送する様子が描写されている。
また、ネオフロンティアスペースの火星でも「SP-1」という名前で発見されている。

現在劇中で確認されているスペシウム及びSP-1の使用法は全て兵器であるが、
ひょっとしたら描写されていないところでは希少なエネルギー資源などに平和利用、または研究が進められているのかもしれない。


マルス133
科学特捜隊のイデ隊員が2丁製作した光線銃。火星の物質であるスペシウムを使っているためにマルスと名付けられた。

第16話の脚本に記述があるため理論上スペシウム光線と同等の威力と言われる事が多いが、
あくまでスペシウム光線の原理を応用した光線銃というだけであるのでどれほどの威力なのかは不明。
まぁ、どちらにしても本編では語られてはいないのだが。

初使用時は地球に攻め込んだバルタン星人二代目(ただし等身大)を数体倒し、その後はゴモラの尻尾を焼き切ったり、ゼットン星人を倒している。

アボラスにも使われたが、アボラスがスペシウム光線3発でやっと倒せるほど丈夫な体をしていたためか、大した効果も上げられずにエネルギー切れした。
ジェットビートルがドラコに襲われた時には地上にいたギガスにこれで威嚇射撃を行い、ドラコに襲われたと思わせる事で2匹を戦わせた。
再生ドラコの肩を傷付けた事もあるが、こちらは倒すには至らず、イデのスパーク8で倒している。
ゼットンに対しては足止めにすらならなかった(脚本によればスーパーガンとマルス133以外はこの時ゼットン星人に破壊されて使用できなかったとか)。

なおこの光線銃、イデ隊員により純粋な地球の技術のみで開発されたものなのだが、
小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』ではこれが一番最初に開発されたメテオールとされている。
一応メテオールの定義は異星人の技術を利用した超絶技術のことなので、スぺシウム光線の理論を応用したマルス133は立派なメテオールだと言えなくもない。

ちなみに実相寺昭雄監督のノベライズでは、イデ以外が使うと威力を発揮できないというワンオフ兵器の欠点も見つかっている。

一方で初代『マン』の最終回以降40年間、怪獣もウルトラマンも現れなかった世界を描いた『ウルトラマン怪獣伝説 -40年目の真実-』では、
逆にスパーク8、マッドバズーカ共々40年経った2006年でも第一線で使用されていることがイデから語られている。
本当に優れた物は物持ちもいいのだ。


スペシウム砲
地球平和連合TPCの火星マリネリス基地が新鉱物「SP-1」を基に開発した新兵器。
SEとエフェクトは初代マンと全く同じ物が使われている。
総弾数はたった3発しかないが、ゼロ曰く「威力はスペシウム光線と同等」らしい。
実際、マウンテンガリバー5号が試作品を手持ち武器として使用した時は一撃で隕石群を薙払った。
……が、全てはすべてはアスカ・シンの夢オチだった。
一応、TPCの年表によれば実際に開発されたようだが、結局本編には登場しなかった。


スパークボンバー
スペシウム砲と同じくSP-1を使用した兵器。
スーパーGUTSの最新鋭機であるαスペリオルの機首に搭載されている大口径砲で、
ガッツイーグルスペリオルへの合体時にγ号のガイナーを接続して発射する。
「ネオデキサス砲」とも表記される事から、技術的にはデキサスビームの発展形である様子。
使用した際は通常のガッツイーグル合体形態の切り札であるトルネードサンダーを上回る威力を誇るであろう。
ただ、強すぎるとダイナが霞んでしまうためこちらも本編未使用。


スペシウム弾頭弾
CREW GUYSが運用するメテオールの一つ。
ガンウィンガーがマニューバモードに変形することで両脇のトランスロードキャニスターが展開、発射可能となる。
一発ではただの強いミサイルだが、全弾ヒットさせると並の怪獣くらい簡単に粉々にする破壊力がある。

GUYSオーシャン仕様のシーウィンガーの物は3発のスペシウム弾頭弾を同時に発射する“スペシウムトライデント”という微妙に仕様が違う物が装備されている。
こちらはその名の通り、同時に発射された弾頭弾がまるでトライデントのような粒子を纏っているのが特徴的。


スペシウム・リダブライザー
別名「ファイナル・メテオール」
人類がウルトラマンと共に戦う事、そしてウルトラマンへの感謝を目的としたメテオールで、
ウルトラマン達の光線に含まれるスペシウムエネルギーを増幅する機能が備わっている。

普段は軌道上に待機しているが、サコミズ隊長がキーを解除することで地球に降下してくる。

本編ではメビュームナイトシュートやM87光線に含まれているスぺシウムエネルギーを増幅させたが、
エンペラ星人の念動力によって半壊させられた状態でメビュームフェニックスを増幅し、最終的には耐え切れなくなり大破した。

メビウス、GUYS、ゾフィーVSエンペラ星人との決戦で使用され、最初で最後の役割を果たした。


スペシウムブレード
漫画『ULTRAMAN』においてウルトラマンスーツに搭載されている武装。
両腕部に設置され、スペシウムを利用したエネルギー刃を形成する。
接近戦のみならず、右手首の制御装置に左手首のコネクタを接続して、スペシウム光線を放つも事も可能。
また、攻撃のみならず加速にも用いられるなど、ウルトラマンスーツの主兵装として幅広く活躍している。
スーツが新型のBタイプに更新されてからはウルトラスラッシュの機能も追加された。


ウルトライザー
ウルトラマンX』における防衛チーム、特殊防衛チーム Xioの隊員が携帯する光線銃・ジオブラスターに、
ラボチームのファントン星人グルマンがウルトラマンエックスの力を解析して作製したアタッチメント・ウルトラブースターを装着した状態。
反動が大きく扱いづらいが、巨大化したザラブ星人を粉砕する程の破壊力を誇る。

「エックスを参考にしたのならスペシウム光線じゃなくてザナディウム光線みたいな武器だろ?」と普通なら思うだろう。
だが、その形もSEも、どこからどう見ても初代ウルトラマンのスペシウム光線なのである。
まずその形状からして初代ウルトラマンの顔と両腕だし、発射形態は左腕にあたるパーツが右腕とL字を組むように倒れるし(ザナディウム光線はX字型)。

その理由はグルマンのみぞ知る。たぶん。
まぁグルマン自身M78ワールドのウルトラマンについてわりと詳しそうなので、
もしかしたらエックスの力を解析というのは建前だった可能性もあるかもしれないが。
後に映画『きたぞ!我らのウルトラマン』にてグルマンはかつて初代ウルトラマンの戦いを見たことがあると判明した。
やっぱり建前だったんじゃ……。てか異星人の科学者並みの事をやってのけたイデ隊員って……




スペシウム光線が効かない相手

必殺のスペシウム光線も決して無敵というわけではない。
合体技や他の技で倒す例もあるとはいえ、2016年までに映像作品では初代マンは19体、ジャックは15体しかスペシウム光線単体で倒していない。
これは怪獣や宇宙人の中にも非常に強力な者や知恵を働かせて『必殺技破り』をしてくる者だっているためである。

ここではスペシウム光線を破ったいくつかのパターンを見てみよう。
画面の前の皆さん、特に新米宇宙警備隊員はよく読んでおこう。

耐久力または防御力が高い

バリヤーや吸収なんて小細工など必要のない、単純にタフだったり防御力が高いという王者のスタイル。
こういうタイプはダメージを受けても怯む程度という猛者が多い。

光線が効きにくい

格闘やミサイルなどは通用するのにスペシウム光線などの光線の類が効かない、または特定の光線に耐性があるタイプ。

特殊能力を持っている

生態の一環、またはスペシウム光線への対応策を講じてあるタイプ。
エネルギーを回復するだけならまだしも、反射したり増幅して撃ち返す場合もある厄介な方々。
しかしそれらの能力には何かしらの隙があることがあり、単に堅いというタイプと違って絶対に効かないということはない。
こういう奴らに無策で光線技を仕掛けてもまず事態が好転することはないので、画面の前の新米ウルトラ戦士は気を付けよう。

その他

何も高い防御力や特殊能力を持っている奴らだけが必殺光線を無力化する訳ではない。
自分の身体能力や頭脳を最大限に生かすことも必殺技破りの特技となるのだ。




余談

何故最初から撃たないのか?

スペシウム光線に限らず、ウルトラマンの必殺光線はその威力から、「最初から撃てばいいのに」と言われる事が多い。
だが、実際にシリーズでウルトラマンが最初から、或いは早い段階で必殺光線を使う展開では大抵の場合通用しないか妨害される。
なお、ペスターに対しては変身直後に使用しても通用したが、そもそもペスターはウルトラマンが登場する前に弱っていた。

ポーズを取る隙を衝かれて攻撃されたり、効かなかったり、避けられたりすればまだマシな方で、
吸収されて敵をパワーアップさせる結果に終わったり、反射されて大ダメージを負ってしまうこともある。
そもそも初代ウルトラマンがゼットンに敗北したのはエネルギーを吸収されて打ち返された波状光線がカラータイマーに直撃したからである。

なお、初代ウルトラマンはいきなり光線を撃ったわけではなく、格闘戦でゼットンに力負けしており、
八つ裂き光輪なども効かず、有効打がないまま時間が過ぎてカラータイマーが点滅したため、殆どダメージを与えていない状態で光線を撃っていた。

そのため、シリーズのファンからすると「開幕直後の必殺光線=苦戦・敗北フラグという印象が強く、
「最初から撃てばいい」という声には「お前は何を言っているんだ」と思わざるを得ない。
ウルトラマンサーガ』でゼットン相手に初っ端から光線ぶっ放した3人のウルトラマンに対しても、
シリーズファンからは「ゼットン相手に光線撃つなよ」とか「ダイナとコスモスはともかく、ゼロェ……」という声が挙がっていたとか。


また、確かに光線技は派手で威力も高く、決め技となることが多いが、光線を使わない攻撃が弱い、トドメを刺せないというわけでもなく、
特に昭和ウルトラマンでは投げ技や打撃技がトドメとなった話も多い。
これは故・実相寺昭雄が監督を担当した回が顕著で、ウルトラマンにスペシウム光線を使わせることを避けている*11)。
『ウルトラマン』に次いで有名な『セブン』では決め技は敵を切断するアイスラッガー(物理技)も多用されており、
ワイドショットはあまり使われておらず、ワイドショットの初使用も第13話とかなり遅い。

強力な分エネルギーの消耗も激しいというのも必殺光線の共通する特徴であり、迂闊に連射してエネルギー不足に陥り、窮地に追い込まれるパターンもある。
パワードに至っては他に方法がなかったとはいえ、メガスペシウム光線を構えを解かずに3連射した結果、カラータイマーが白濁化して倒れてしまった*12
他にも『ダイナ』に登場した人造ウルトラマンであるテラノイド必殺光線でなくても倒せるような敵を相手に必殺技であるソルジェント光線を乱発した結果、
エネルギー切れを招き機能停止してしまった挙げ句、その隙に敵に融合され奪取されてしまったという事例も存在する。
また、ゼアスやオーブのように万が一光線の制御に失敗するとあらぬ方向に暴発する危険性もあるようで、周囲への被害を考えれば光線技の使用に慎重を期しても不思議ではない。
……見習い2人とプロの宇宙警備隊員を比べるのは適切ではないかもしれないが。

戦略的な観点から見ても、相手をエネルギー消費が低い技や体術で弱らせ、トドメとして必殺光線を撃つのが正しいのである。

スーパーファミコンでリリースされたアクションゲームでは、これを再現し、
格闘戦で相手の体力をゼロにする → スペシウム光線でとどめ という流れで倒すのが基本ルールだった。
  • スペシウム光線でなければ、いくら攻撃してもとどめを刺すことはできない。
  • 相手の体力がゼロでなければ、スペシウム光線を撃っても倒せない。
  • 双方の体力は少しずつ回復する。
  • 光線技を撃つエネルギーは少しずつ溜まっていく。
というルールなので、エネルギーが溜まるのを待ちながらひたすら相手を殴り続けるのが定石であった。
また、『ウルトラマンファイティングエボリューション』などでも打撃でフラフラにしなければ光線技は使えず、
『ウルトラマン倶楽部3 またまた出撃!! ウルトラ兄弟』に至ってはHPが限界まで減らないと撃てない。しかもボス戦では使えない。鬼だ。


空想科学読本』の「ウルトラマンは、なぜ最初からスペシウム光線を撃たないのか? 全シーンを見て考察してみた。」という記事では、
筆者の柳田理科雄氏が文字通りウルトラマン全39話を鑑賞してどのようにスペシウム光線が使われているかを事細かに検証した所、
  • 全39話中ウルトラマンは26匹の怪獣相手にスペシウム光線を撃っている。
  • スペシウム光線を発射するまでの時間は平均で登場から1分40秒後。
    所謂3分制限の中の半分ちょっとで発射している。
  • そのうちカラータイマーが鳴った後に発射したのは14回。残る12回はスペシウム光線のほうが先なのでほぼ半分。
    カラータイマーが鳴り始める時間の平均が1分53秒後であり、平均値でもタイマー点滅よりスペシウム光線発射のほうが早い。
  • 1発目のスペシウム光線が致命傷となったのは26戦中12戦。「必殺率」として見ると46%。
    後は複数回発射だったり、繋ぎで使っただけだったり、そもそも効かなかったり、科特隊が倒してくれたりと多種多様。
要するにここぞの決め手の大技というよりは戦いの状況次第でいつ撃っていてもおかしくないパターンが多く、
筆者は「制限時間ギリギリになって発射する必殺光線というイメージは、番組の初期に視聴者が勝手に抱いたものだった……!」と結論付けている。
具体的に数字で見てみると『ウルトラマン』という番組が実に多様な戦闘のバリエーションを持たせていることがわかる。



その他

シン・ゴジラ』におけるゴジラ(第4形態)の「放射線流」の背中及び尾の先端から放たれるバージョンにはスペシウム光線と同一のSEが使用されている。







スペシウム光線の物真似をした、あの時の少年達は追記・修正をお願いします。

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最終更新:2023年12月27日 23:01

*1 ケロニアの開発した円盤型の飛行艇

*2 これ自体は昔からある設定で、書籍『ウルトラマン大辞典』に記載されている。また、名前自体はイデ隊員が作った「マルス133」の要素も含まれているのかもしれない。なお、現在地球人類に発見されている元素の数は118。

*3 動きとしては「右手を上に挙げないスペリオン光線」に近いか。

*4 その直後に「八つ裂き光輪」で縦に両断し、とどめを刺した。

*5 尤も、中性子2つを有する水素を「トリチウム」と言うように、特殊な元素同位体を「~ウム」という名前を付けて最も多い同位体と区別する例も現実には存在する。スペシウムをアルミニウム、若しくはクロームの同位体と考えれば一応は辻褄が合う。

*6 たまに光線の出し方や色が違ったりするため、違う光線なのか、別バージョンの出し方なのかは不明

*7 トドメとなった二発目。一発目は従来のソルジェント光線と同じエフェクトだった。

*8 完全に死んではおらず、後で人知れず再生したが、突如現れたジード・プリミティブの「レッキングバースト」(実際はウルトラマンベリアルの「デスシウム光線」だが)によって完全に滅ぼされた。

*9 先述のように、スペシウム光線は本来宇宙警備隊にとって基本技なので撃てない事はないと思われ、セブンは『新世紀ウルトラマン伝説』で実際に撃った。

*10 逆に、成長すると弱点の火以外に強い耐性を持つようになるため、スペシウム光線以上の高熱を持つアタック光線を使ったとされている場合もある。

*11 『ウルトラマン』での担当6回中2回は倒してすらいない。他の決め手は空中での頭突き2回、投げ技、ウルトラ水流。

*12 なお、パワードはそれ以前にメガスペシウムを一発、パワードスラッシュを一発撃ちこんでいる。