それいけ!アンパンマン

登録日:2012/09/24 Mon 07:07:36
更新日:2024/02/20 Tue 20:35:41
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そうだ!嬉しいんだ生きる喜び

たとえ胸の傷が痛んでも



「それいけ!アンパンマン」とは、やなせたかし氏の絵本「アンパンマン」を原作としたアニメ作品である。
テレビアニメは1988年10月に放送を開始した。
企画制作は日本テレビ、アニメーション制作はトムス・エンタテインメントが担当。


●概要

日本テレビ系列のアニメでは最長寿を誇る作品で、劇場版も30作以上制作されており日本人ならほぼ全世代が知っているであろうアニメ作品の一つ。

元号が昭和、平成、令和と3つの時代をまたいで現在も続く長寿アニメのひとつでもあり、アンパンマンを見て育った子が親になり生まれた子もアンパンマンを見て育った人も多いだろう。

内容は基本的に1回の放送でAパートBパートを2話に分ける1話完結型。
放送が始まった10月初週や放送回数が100の倍数、クリスマスなど時折30分で1話の構成もあり主要キャラが多数登場する事も多い。
かつてはクリスマスなど1時間スペシャルが放送されており、24時間テレビ内でスペシャルが放送されたこともある。
作風は幼児向けゆえ分かりやすい勧善懲悪ものが多いが、たまに重いテーマを扱う事も。
また、制作の都合から時折過去作の再放送が行われることもある。

放送開始の1年前の1987年の時点には第1話(パイロット版)が作られていたが、アンパンマンは現在と造形が異なり、身長が高く、顔も丸形ではなく四角形だった。このデザインには原作者のやなせも苦言を呈したことから、お蔵入りとなった。
なお、この第1話は2008年7月29日に放送された『スッキリ!!』の特集で公開されており、製作したのは東京ムービーではなく亜細亜堂で、アンパンマンの声を担当したのは山田ふしぎだった。

開始時は昭和天皇危篤の自粛ムード、あるスポンサーが放送開始直前で降りるなど逆風の中で始まり当初は2クールで終了予定だったが、文化庁の表彰を受けるなど高い評価と人気を得たことから放送続行となり現在に至っている。
第48話B「アンパンマンととぶ木馬」は最終回の予定で作られており、第49話でばいきんまんと敵対しないのはこの名残である。

当初から全編ローカルセールスの扱いで、現在は大半の局で平日の昼前または土日の早朝に放送されているが、地域により放送時間は異なる。
日本テレビでの放送時間は開始から1996年9月までは月曜夕方、1996年10月から2016年3月までは20年にわたり金曜夕方で放送されていたが、2016年4月から金曜の午前中に移動となっている。
地方でも日テレ同様夕方時間帯に放送することがあったが、夕方ニュースの拡充に伴い現在夕方に放送している地域は山形県のみ。
2011年以降は佐賀県以外の全都道府県で視聴可能。

BS日テレでは開局した2000年12月から本作のスピンオフとして「それいけ!アンパンマンくらぶ」という教育番組が平日朝の帯番組として放送されている。
番組は過去作4話の再放送とアンパンマンにちなんだ工作・体操・クイズなどの企画で構成される。この企画パートには過去に野中藍がお姉さん役で出演していたこともあった。

1989年からは2020年を除いた毎年夏に劇場版の長編作品が公開されており、その数も30作以上に上る。劇場版に登場するゲストキャラには、作品の性質から子持ちの女性芸能人が声優に起用されることが多い。

本作は同じ放送局・制作会社の組み合わせである「ルパン三世」とは多くのスタッフが共通しており、本作のSEがルパンに使われて一瞬戸惑ったという人も居るだろう。


●登場キャラクター

非常に多くのキャラクターが登場しており「登場キャラクターが最も多いアニメシリーズ」としてギネスに認定されている。
あまりに多すぎるので、ここではメインキャラ及び出番が多いサブキャラのみ記載。
その他のキャラクターは本家のWikipediaで。
なお下で挙げられる「メインキャラ」の担当声優は舞台経験者や元子役・元アイドル、劇団主宰等皆「顔出し」経験のある面々(他にもカツドンマン・おむすびまん・ナガネギマン等の担当声優も該当)。
長寿アニメのため年月の経過とキャスト交代の影響で、メイン級キャラのキャスト内で「元夫婦」が2組存在することに…。


レギュラー

●アンパンマン
CV:戸田恵子
言わずと知れたあんパンのヒーロー。
友達は愛と勇気だけとネタにされるが、それは正義の味方の孤独さを表しているのである。
詳しくは本人の項目で。

●ばいきんまん
CV:中尾隆聖
アンパンマンと終わりなき戦いを繰り広げるバイ菌のライバル
いつも傍若無人だが、たまにいい一面も見せる。
詳しくは本人の項目で。

●ジャムおじさん
CV:増岡弘→山寺宏一
アンパンマンの生みの親。
パン作りに留まらず何でもこなせるハイスペックな方。
詳しくは本人の項目で。

放送開始から30年以上が経ち、初回からジャムおじさんを担当し続け、レギュラー陣では最年長だった増岡弘氏は2019年8月に83歳を迎え、高齢のため卒業を発表(増岡氏はその翌年3月に逝去している)。
後任は同じく放送開始から30年以上めいけんチーズ、かまめしどんやカバオくんをはじめ、ゲストやモブを複数担当している山寺氏が引き継いでいる。

●バタコさん
CV:佐久間レイ
ジャムおじさんの助手の女の子。第1話では「ジャムおじさんの孫」と言う設定だった。
もっともアンパンマンの新しい顔を投げており、その精度は著しく高い。
めいけんチーズの食欲に関してよく通訳している。
放送初期はおむすびまんといい感じだったり、現在はたぬきおにから想いを寄せられている。
EDの歌詞から「バタバタ走る」キャラだと思われがちだが、実際に慌てて走るという事はあまり無い。

●めいけんチーズ
CV:山寺宏一
幼少のアンパンマンに拾われて以降、パン工場で飼われている
二足で立ったり乗り物を操縦したりと明らかに名犬以上のスペックを誇る。
設定上で実は喋る事も可能だが、この世界ではその必要がないので敢えてそのままらしい。
ウサ子が飼っているレアチーズというガールフレンドがいるリア充でもある。
増岡氏が番組を卒業した後は、前述の通りジャムおじさん役も引き継ぎ、キャスト表記は途中からジャムおじさん/チーズと兼役になっている。

●ドキンちゃん
CV:鶴ひろみ冨永みーな、佐久間レイ(代役)
ばいきんまんを助けるためバイキン星からやってきた女の子のバイ菌。
…だったのだが、次第に彼を尻に敷く扱いが増え今は完全に立場が逆転してしまった。
しょくぱんまんに片思いしてしまうが、やなせ氏曰くパンと菌なので絶対に結ばれる事はないとの事…。
叶わない恋とは知らず彼女は現在もしょくぱんまんにアピールを続けている…。
ばいきんまんと一緒に悪戯に加担したり彼のサポートをする事も多いが、しょくぱんまん絡みで単独行動する事も多くその時は基本的に変装するが極稀に変装してない状態でもアンパンマン達と割と仲良く接している。

長年、ドキンちゃんを担当していた鶴ひろみ氏が2017年11月16日に急逝したためクリスマスSPのみバタコさん役の佐久間レイ氏が一時的な代役を務めた後、2017年11月17日からロールパンナ役の冨永みーな氏が後任&兼役となった。ドキンちゃんを引き継いで以降、冨永氏が演じていたしろかぶくんやレアチーズなど他のサブキャラの役は降板している。

準レギュラー

●カレーパンマン
CV:柳沢三千代、冨永みーな(代役)
短気で熱血カレーパン戦士。
口から激辛カレーを出して攻撃するが、出しすぎると力がなくなってしまう。
この世界においてギャグなどの三枚目な扱いが多い。
詳しくは本人の項目へ。

●しょくぱんまん
CV:島本須美
紳士的でナルシストな食パン戦士。
名前が平仮名だったりジャムおじさんから作られてなかったり明確な弱点がないなど、アンパンマンやカレーパンマンと違い異なる部分が多い。
ドキンちゃんから想いを寄せられているが、彼が彼女の事をどう思っているかは30年以上経った現在も不明で前述の件からこれからも判明される事はないと思うが、彼女の手作りを受け取る時はいつも感謝しているので少なくとも満更でもないのは確かである。
詳しくは本人の項目へ。

●ホラーマン
CV:肝付兼太矢尾一樹
ボロボロな服を着ている骸骨
ドキンちゃんに好意を寄せているが、ストーカー気味な行動が多いため彼女からは嫌悪されている。
不意討ちのように何の前触れもなくいきなり登場する上、しょくぱんまんとフォルムが似てるのでドキンちゃんの妄想から割り込むように登場する事も多い。
アンパンマン側にいたりばいきんまん側にいたりとこの世界では中立ポジションだが劇場版では後者、テレビ版では前者の傾向が強い。
作者曰く1回で消えると思ったらいつの間にか人気になっていたとの事。

長年、ホラーマンを担当した肝付兼太氏が2016年10月20日に逝去したためしばらく登場しなかったが、翌年の劇場版で少しだけ再登場。
ちょうちん平次やノリノリのりへいを担当していた矢尾一樹氏が後任になり、テレビ版では1376話「アンパンマンとどろんこ魔王」で再登場。現在は再びテレビ版、劇場版共に定期的に登場している。
何の因果かドキンちゃん後任とは元夫婦である。

●メロンパンナ
CV:かないみか
200話から登場したアンパンマンの妹分として誕生した初めての女の子であるメロンパン戦士。
メロメロパンチが得意技で彼女のパンチを食らうと一時的にメロメロになってしまう。
初めて登場するとあっという間に準レギュラーの地位を確立するほどの人気キャラになり、90年代はほぼ毎回登場していた。
2000年代に突入して人気が落ち着いた現在もサブタイに名前が載ってなくても比較的登場する事が多い。
後に姉であるロールパンナ誕生を境に終わりなき苦悩を抱える事になるが、現在もたまに会える姉と束の間の幸せな時間を過ごしている。
詳しくは本人の項目へ。

●ロールパンナ
CV:冨永みーな
メロンパンナの姉である覆面のロールパン戦士。
作中随一の強さと重い運命を持つ。
詳しくは本人の項目で。

●クリームパンダ
CV:長沢美樹
パンダのような顔をしたクリームパン戦士。
自己紹介をしてゲストキャラにパンダ?と言われるのがお約束になっている。
グーチョキパンチが得意技だが基本的にグーが多い。
パン戦士キャラでは最後の登場でもっとも幼く、アンパンマンを尊敬してメロンパンナとロールパンナを慕っている。
登場初期は上手く飛べず精神的に未熟な一面も多いが、努力家でもあり現在は比較的安定して飛べるようになった。

●コキンちゃん
CV:平野綾(テレビ版)、乙葉(劇場版)
ドキンちゃんの妹分である青いバイ菌の女の子。実の妹であると紹介したものもあったがどちらが正しいのかは不明。
嘘泣きが得意で彼女の涙を浴びると悲しくないのに涙が出てしまう。
ドキンちゃんよりわがままだが、悪行はしてないのでアンパンマン達とも仲良し。
もともと映画短編出身のキャラクターだが、人気になったからかその翌年からテレビ版にも登場しており昨今は劇場版にも短編、2015年版では映画本編にも登場したり2011年以降のアンパンマンたいそうやサンサンたいそうのEDにも登場している。

●かびるんるん
CV:柳沢三千代、萩原えみこ、津久井教生、佐久間レイ、山寺宏一 他
ばいきんまんの代表的な手下。「カビカビー!」としか喋れないが知能は高く、スパイ活動からバイキンメカの製造までばいきんまんの悪事を全面サポートする頼れる部下たちである。
アンパンマンの顔に取り付いて腐らせることで力を奪うこともできる。

その他のキャラクター

●カバオくん
CV:山寺宏一
カバの子供であり、子供キャラの中ではムードメーカー的な存在。
放送初期から登場しているが彼の名前がサブタイに載ったのは実は2回ほどしかない。

●ピョン吉
CV:原えりこ
ウサギの男の子であり、ウサギの住人の中ではもっとも出番が多い。

●ウサ子
CV:中村ひろみ
ウサギの女の子であり、レアチーズの飼い主でもある。
ED曲のひとつでもあるサンサンたいそうの1番の歌詞で何故か名前がある。

●ちびぞうくん
CV:坂本千夏
小さな象の男の子で、クリームパンダと同時期に登場。
子供キャラの中ではサブタイに載る事も多い。母親にバイキンマンの苦手キャラでおなじみでかこ母さんがいる。

●みみせんせい
CV:滝沢ロコ
カバオくん達が通っている学校の先生。
悪事を働くばいきんまんに対しても先生らしく指導するため彼から苦手な人物のひとりに数えられている。

●バイキン仙人
CV:矢田稔
ばいきんまんと同じくバイキン星出身で魔法を操る仙人。
アンパンマンに負け続けているばいきんまんに厳しい修行をさせることが多い。ばいきんまん以外には温厚で女の子に弱く、ドキンちゃんやコキンちゃんから「おじいちゃん」と呼び慕われつつ甘えられている。強力な魔法アイテムをばいきんまんに貸すこともある。

●項目があるキャラクター




●エピソード項目



●劇場版


それいけ!アンパンマン キラキラ星の涙
記念すべき最初の映画作品。挿入歌は屈指の名曲。

それいけ!アンパンマン ばいきんまんの逆襲
ばいきんまん大活躍であり、様々な姿に変身するが…。

それいけ!アンパンマン つみき城のひみつ
異なる種族同士の対立をテーマにした作品。

それいけ!アンパンマン 勇気の花がひらくとき
お馴染みの楽曲がサブタイトルを飾った作品。本当の勇気を探す物語。

それいけ!アンパンマン ハピーの大冒険
強さとは何かが問われる作品。ゲストは映画シリーズでは珍しい男の子。

それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ
「アンパンマンのマーチ」の歌詞に込められた真意にスポットを当て、「生命」をテーマとした作品。最高傑作との呼び声も高い。

●関連項目

アンパンマンたいそう
過去に勝俣州和が所属していたCHA-CHAがこの曲を歌っていた。

おそ松さん
デカパンが第3話で「ほれいけ!DEKAPAN-MAN」というパロディを行ったのだが、内容が完全にオリジナルに失礼であると判断されたため、BSジャパン放送版では修正、映像ソフトでは収録見送りになっている。




嗚呼アンパンマン優しい君は
行け!皆の夢守る為

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最終更新:2024年02月20日 20:35