Ζガンダム

登録日:2009/11/30 Mon 16:09:03
更新日:2023/12/20 Wed 20:04:43
所要時間:約 35 分で読めます





遊びでやってるんじゃないんだよ!!


Ζ(ゼータ)ガンダムとは【機動戦士Ζガンダム】では後期の、【機動戦士ガンダムΖΖ】前期の主役機体を務めたモビルスーツ(MS)。

ギリシャ文字のΖ(ズィータ)が正式名称らしいのだが、公式がアルファベットのZ(ゼット)で表記しているため当記事も Z ガンダムで統一する。


型式番号:MSZ-006
建造:アナハイム・エレクトロニクス社
所属:反地球連邦組織エゥーゴ(A.E.U.G)
分類:試作機
全高:19.85m
本体重量:28.7t
全備重量:62.3t
ジェネレーター出力:2,020kw
スラスター推進力:112,600kg
センサー有効半径:14,000m
装甲材質:ガンダリウム合金

  • 武装
60mmバルカン砲×2
腕部グレネードランチャー×2
ビームサーベル×2
シールド
ビームライフル
ハイパーメガランチャー

  • 主な搭乗者
カミーユ・ビダン
アポリー・ベイ
レコア・ロンド
アムロ・レイ
ジュドー・アーシタ
ルー・ルカ
ファ・ユイリィ
アストナージ・メドッソ
ビーチャ・オーレグ
イーノ・アッバーブ


《概要》

宇宙世紀0087、エゥーゴと協力関係にあったアナハイム社はリック・ディアスの完成と同時に次世代超高性能機の開発計画『Ζ計画』を始動。
非可変機の百式、簡易可変機のメタスの試作の後、エゥーゴの象徴たる機体の開発に着手したが、可変機構と機体強度が両立出来ずに設計は難航。
可変機に必要な技術を洗い出すための技術検証機プロトZガンダムの段階で足踏みをしていた。

しかし、ティターンズが開発したガンダムMk-Ⅱが持ち込まれたことによって状況は一変*1
開発陣は可変モビルスーツに要求される機能を十分に備えるムーバブルフレームに目を付けた。
また、分割案を記していたカミーユ・ビダンの発案で、大気圏突入形態のSFS「フライングアーマー」を先行運用して、技術的ブレイクスルーを達成。
これらをプロトZに掛け合わせる事でごく短期間で完成を迎えた(『新訳Ζ』ではこの設定は無い)。
かくしてグリプス戦役時代のトレンド「第3世代モビルスーツ」を代表する存在となったZガンダムのトータルバランスは、後のFシリーズ以降の機体に近いとされる。


デザインはMS・WR形態のどちらでもカッコ良さが両立されており*2、評価も非常に高い。
……が、その代償に「頭部が収納される胴体が空洞」という致命的すぎる構造的欠陥を抱えていて、しばしばその事をネタにされる。
因みにそのカッコ良さの両立のためデザインは相当難産だったらしく、デザインが決定したのは放送開始直前であった。
そのため前期OPでは永野護の初期稿を元にしたシルエットが描かれており、実際にできあがったZガンダムとはあまり似ていない。

またへの字スリットが入っておらずシャープな印象を与える頭部デザインは所謂「Z系」と呼ばれるタイプのガンダムフェイスを生み出した。
このZ系フェイスのガンダムは成り行きは色々異なるものの、ジオンではなくアースノイドや地球連邦軍に対し戦いを仕掛けている例が偶然にも妙に多い。
これとかこれとかこれとか。
本機の開発経緯もよくよく考えると、連邦の当時の反主流派が主力兵器の開発を外された兵器会社と結託し、
主流派が正規ルートで開発した新型ガンダムを強奪して、その技術で開発された非正規のガンダムタイプという…悪役でも違和感なさそうなものである。


《性能》


カミーユのアイディアを参考にガンダムMk-Ⅱからもたらされたムーバブルフレーム技術をアナハイムが徹底解析し、
構築素材にガンダリウムγを使用して複雑な変形機構を有しながらも、MS形態で格闘戦を行っても支障のないほどの堅牢な可変型ムーバブルフレームを採用している。
このフレームは複雑ではあるものの、コピーが容易である利点もありこれによりさまざまなバリエーション機を生み出す要因にもなった。
なお複雑な可変機能を搭載している関係上、メインジェネレーターは従来の胴体部分ではなく脚部
ガンダムMk-Ⅱが脚部にコ・ジェネレータ直結式の脚部スラスターを有していた構造を進化させ、そこにフルバーニアンを開発した際の技術のスピンオフを導入することによって、
片脚が破損しても1世代前のMS数機分の出力をある程度維持ができるほどの高性能ジェネレーターである。

背部には一般MSの様なバックパックが無いが、代わりにAMBAC肢とスラスターの役割を果たす「ロングテール・バーニアスタビライザー」を装備。
さらに状況に応じて換装可能な背部左右には「フライングアーマー」モジュールを一対二基で標準搭載している。

最大の特徴として、「ウェイブライダー」*3への変形機構を備えていることが挙げられ、
変形後はZ単独ではもちろん、他のMSを上に乗せた状態でも大気圏突入飛行などが可能。
RX-78ガンダムが有していた単機での大気圏突入機能をより進化した形で実現したこととなった。

グリプス戦役よりも以前に開発されたフルバーニアンにはジェネレーター出力や総合的な推力では劣る*4
だが宇宙空間専用機のフルバーニアンに対し、Ζは宇宙空間から重力下まで連続運用を可能とする破格の汎用性を誇りながら非常に軽快な機動性*5を見せている他、
武装は充実しているし、何よりもウェイブライダー形態で地上でモビルスーツ一機を載せてSFSのように空を飛べるという凄まじい推力を発揮しているなど、
一部スペック表では劣る部分があるとはいえ、それだけで両機の優劣を決めるのは早計といえる。


可変機能の他、「大気圏突入」という性質上外装やシールドには入念な耐熱処理が施されているのが特徴。
劇中ではギャプランのビームサーベル、サイコガンダムMk-Ⅱの小型ビーム砲、
『ZZ』ではキュベレイMk-Ⅱファンネルなどの直撃場面があるが、ビーム兵器に対しては滅法強い。
ビーム兵器をまともに受けても特に傷ついた様子もなく平然と戦闘を継続しているからか、UC0093年「シャアの反乱」において、
新生ネオ・ジオンの新型NT専用機に対抗するためにかのアムロ・レイ大尉が本機を所望したという逸話もある。

ただ実際には、自在な変形を除けばΖ並みの性能を有した後述のリ・ガズィ*6がヤクト・ドーガ相手に性能不利となっていた。*7
ましてやシャアの駆るサザビーには相手にされないレベルだったので、もし希望通りΖを入手出来ていたとしても、
0093当時の最新鋭機に対抗する性能に改装などをしなければ、ネオ・ジオン軍に対抗できなかったと思われる。
また耐ビームコーティングについては、ジェガンが盾でヤクト・ドーガのビームライフルを数発跳ね返す描写があり、
0093当時には、Ζ並とはいかなくともそれなりに耐えられるものが一般機にも普及していたと推測される。


Ζ計画の当初の到達点としてかなりのハイパフォーマンスな機体に仕上がったものの、コストは高騰し、メンテナンス性も悪い上に、
機体挙動の鋭角的なピーキー特性により操作性の低下も招いてしまった。

その操作性の緩和のためか、後に簡易サイコミュである「バイオセンサー」が搭載され、主に機体制御に使われている。
これはエルメスのサイコミュを機体制御に特化させたもので、シャアがガンダリウムγと共に持ち込んだ技術であり、
キュベレイに搭載されているサイコミュシステムとは同根だったりする*8

また、完全にバイオセンサーの性能を引き出した場合には、
  • ビーム兵器の爆発的出力増大
  • 周囲のミノフスキー粒子やメガ粒子を制御しての対ビーム兵器防御力の大幅向上、つまりは謎のバリアフィールドを形成する
  • 他のサイコミュ搭載機の操作系の攪乱
等のような驚くべき不可解な現象を引き起こし、キュベレイにも劣らない性能を発揮する。
だが、そこまでの機能を引き出せる出来る人間が希少と、操作性緩和を目的にしたにもかかわらず、上手く使える人間がほとんどいない代物になっている*9

名称・デザイン共に「ガンダム」として扱われているΖではあるが、「宇宙空間から機敏に地球に殴り込んで大暴れ」という開発コンセプトを考えれば、
地球連邦軍がジオンに対抗するため、つまり「アースノイド用の対スペースノイド兵器」であったファーストガンダムとは対照的に、
Ζはスペースノイド用の対アースノイド兵器である。
量産されて戦術核装備でもされた日には、アースノイド側には超高高度迎撃機のギャプランぐらいしか対抗手段が無い*10


□武装

  • 60mmバルカン砲
左右側頭部に1対2門内蔵する。
Mk-Ⅱではオプション式だったのを、変形の際に頭部を収納するために内装化された。
Mk-Ⅱは頭部にムーバブルフレームのデータ取り用コンピューター機器が満載だったのに対し、
Ζはその必要が無いのも内装化された理由の一つである。

  • 腕部グレネードランチャー
両前腕部に内蔵された連装擲弾発射機。発射されるグレネードは誘導装置とロケットを内蔵しているため実質小型ミサイル。
普段は二回分(薬室分と次弾)しか装填していないが、マウントラッチに追加マガジンを取り付けることで、発射弾数を一個につき19発分増加可能。
代わりに変形時に干渉したりシールドなど他のマウントラッチ装備を諦めなければならなかったりするため、
変形するには使い切ってパージするか、残弾を諦めてパージしなければならない。
何気に鬼畜誘導。通常タイプとは異なるワイヤー内蔵型を使用した事も。

左右のサイドスカートに収納。WR形態時には格納部位を開いてビームガンに転用可能。
劇場版では回転させながら投擲したサーベルのビーム刃部にライフルのビームを当てることで、広範囲にビームを乱反射・拡散させる「ビーム・コンフューズ」を披露。
キュベレイのファンネルを叩き落とした。

一応防御用の盾。スライド伸縮可能。
WR形態時の機首となる部分なので、縦に細長くてスライドする下のフェアリング部分が若干膨らんだ形状をしている。
通常左腕のマウントラッチに装着される。
破損すると変形と大気圏突入機能に関わるからか異常に堅牢で、突撃した勢いがあるとはいえジ・Oの装甲さえぶち破る程。
勿論強度も高いので、普通に防御用途にも使われている。
劇場版ではシールド裏側にミサイルが搭載されていた。

専用の長銃身高威力のビーム射撃兵器。EパックはMk-Ⅱと同じものを使用。
銃口にビーム刃を形成し銃剣ビームサーベルこと「ロングビームサーベル」としても使用可能。
銃身は伸縮し、主にWR形態時に背中に載せる為に縮められる。
WR形態時には背中、MS形態での非使用時にはマウントラッチに接続*11される。

  • ハイパーメガランチャー
内部にジェネレーターとスラスターを内蔵した大型ビームランチャー。
百式の「メガ・バズーカ・ランチャー」の発展形の一つである。
Zの機動性を極力損なわないよう設計されており、ウェイブライダー形態でも下部に取り付けて運用可能で、着陸脚も付いている。
また、ライフル同様砲身からビームサーベルを発振できる。
ポジション的には前番組の『重戦機エルガイム』でエルガイムと同MkIIが使用していたバスターランチャーだが、
劇中では然程強力である様な描写はあまりなく、初陣で敵に叩き折られる等不遇。
ただし、34話ではマラサイの全身を軽く飲み込むほどの巨大ビームを放っており、この描写があったおかげでゲーム等で強力な兵器として認知されるようになった。

  • マイクロミサイル
第25話、劇場版『恋人たち』でヤザンのギャプランに対してウェイブライダー形態で使用。
ただし、どこから発射されているのか、どのようにして搭載されているのか、描写がはっきりしていない。

  • ハイパーバズーカ
ガンダムMk-Ⅱからの流用。
『ZZ』第19話のアクシズ襲撃時に使用したが、何故か発射SEがビームライフルと同じになっていた。


《劇中の活躍》

【機動戦士Ζガンダム】

初登場は全50話の第21話と、「タイトルに名前がある主役機」としてはかなり遅い。
立ち位置としてはむしろ主人公機乗り換えで後半から登場する後期主役機といったところ。

ちなみに、かのダンクーガの初登場は全38話中の16話である。

カミーユが乗っていたガンダムMk-Ⅱがジェリド、マウアーの乗るガブスレイにより小破した際、
アポリーの操縦で登場しこれを撃退。以後、カミーユの乗機として活躍する。

キリマンジャロ降下作戦ではウェイブライダー形態で百式を乗せて大気圏を突破するなど、SFSの代わりとしても活躍した。
ただ、劇場版では尺の都合によりカットされている。

メールシュトローム作戦では、カミーユのNT能力とバイオセンサーが共鳴して凄まじい戦闘能力を発揮。
ビームを弾く謎のオーラ(通称:バイオフィールド)を展開してヤザンの操るハンブラビの索敵モニターに干渉してレーダーを混乱させている。
また、グリプス戦役末期では死者の念(フォウやロザミィ)を取り込み、謎の力でシロッコのジ・Oを機能停止に追い込む。
更に謎のオーラを纏ってウェイブライダー形態で突撃(通称:スイカバー)し、ジ・Oを貫きシロッコを圧殺した。

スペックでは説明できない超常現象的な能力を何度も発揮したが、
これは設定ではカミーユの高いNT能力がバイオセンサーと共振し、周辺のミノフスキー粒子に作用したことで、
バリアの展開やビームサーベルが巨大化するといった現象を引き起こしたとされている。
死者の念については、この時点で精神崩壊が始まっていたカミーユが見た幻覚とする話もあるが、
カミーユが精神崩壊しない『新訳Ζ』でも、Ζガンダムが死者の念を取り込む描写がある他、
他のNTとその搭乗機も死者の念を取り込む描写があるため、少なくともカミーユの幻覚というわけではないと思われる。



機動戦士ガンダムΖΖ

戦力の大半を失ったエゥーゴは修理のされていないΖガンダムを乗せてシャングリラに寄港する。
そこでジャンク屋を営んでいたジュドーが成り行きでΖガンダムに搭乗。ヤザンを撃退した。

以降、ジュドーの乗機として幾度となくアクシズの襲撃を退けた。

途中、ハンマ・ハンマによって頭部を破壊された際には、
応急処置として道中で発見したザクの頭部を代用し、通称『Ζザク』が完成。
ザクの頭部がΖガンダムのシステムに対応していないせいで何回か撃たれたが。

後にジュドーは完成したΖΖガンダムに乗り換えたため、
頭部が修復されたΖガンダムはルーの乗機としてガンダムチームの一角を担った。
ただしΖΖよりも小回りが利くため、以降もジュドーは状況に応じてΖとΖΖを使い分けている。

最後はアクシズ内部での戦闘でクィン・マンサの攻撃で大破するものの、
クィン・マンサのコクピットから脱出したプルツーを回収しようとしたグレミーを、最期の力を振り絞って狙撃した所で機能を停止。
パイロットのルーは脱出に成功するものの、機体はMk-Ⅱ共々アクシズ内部に放棄された。
その後については不明だが、一説によれば連邦軍によって回収され、他のガンダムタイプMSと同様封印されたとされている。


機動戦士ガンダム サンダーボルト

アナハイムの執行役員であるアンディー・ウェリントンがイオに紹介した次世代型MSとして登場。
アナハイムにて保管されている第2世代~第3世代のMSの存在にイオが目を輝かせる中、その締めとしてWR形態とMS形態のΖが登場した。
ただし、これらのΖはまだ実戦投入は5~6年先の見込みという運用が不可能な状況であり、所謂ハリボテでしかない。
また、この時点でWR形態の構想が存在していることから、サンダーボルトではカミーユが開発に関与していない劇場版基準の設定だと考えられる。

Ζが登場した165話ではガンダムMk-Ⅱの登場は前話で示唆されていたのだが、
Ζの出演は時代設定を考えるとまさかのサプライズということで大きな話題を呼んだ。
アナハイムを破壊して歴史の流れを変えようとする南洋同盟から月を守ることを改めて決意するイオとその前に立つΖという構図は、
様々な意図を感じさせる演出とも言える。



【バリエーション】


読み方は「ゼッツー」。Ζガンダムの発展機として開発された機体。
機体性能の拡張というよりもΖガンダムのハイレベルでまとまった性能を維持しつつ、ピーキーな性質や難儀な生産性をクリアする方向に重きを置いている。
メタスの変形システムを取り入れた結果、操縦性はΖガンダムより幾分マイルドになり生産性の悪さも改善した*12
反面MA形態は宙間戦闘特化になり大気圏突入能力や大気圏内飛行能力はオミットされる形になってしまった。
だが、機体構造上クレイバズーカを二丁懸架可能になったことで、
メガビームライフルのジェネレーター直結システムの実装も相俟って、総体火力はオリジナルを凌駕する結果となった。
ΖΖガンダムの開発をアナハイムが優先したため建造直前でペーパープランのお蔵入りと化した……ハズだったが、
近年後付け設定で漫画やゲームに実機が登場する描写がある。


Ζは開発の時点で汎用性を求められていたのでほぼ全ての環境での運用が可能だったが、コストが高く量産には向かなかった。
そこでエゥーゴの地上組織カラバ、そして地球連邦軍はΖの低コスト化をある程度実現したΖプラスを採用した。
ニューディサイズ討伐のためにα任務部隊に配備されたC1型が有名。
その活躍はガンダム・センチネルに詳しい。



Ζプラス以上に低コスト化を目指した量産試作機。U.C.0093年のシャアの反乱時にアムロ大尉が使用している。
一応開発系譜的にはΖ直系の発展機ではなくΖプラスR型を経由している*13
オリジナルが持っていた変形機構を外付けのバックウェポンシステム(BWS)を装備した簡易変形で代替する事でコスト軽減を図っている。
しかしBWSの簡易変形は不可逆であり変形の度に投棄しなければならず、結局コストは高いままになってしまう。
その上、搭載したバイオセンサーも当時最先端のサイコミュシステムであるサイコフレームに比べれば旧式化著しく、ネオ・ジオンのNT専用機には一歩譲る機体になってしまった。

これに関連して、『逆襲のシャア』の劇中で、シャアがアムロ側にサイコフレームの技術を提供したことについて、
「情けないMSと戦って、勝つ意味があるのか!?」という理由を話す場面があったため、
その時にアムロが登場していたリ・ガズィが、シャアの言う「情けないMS」であるとしてバカにされることもあった。
これについて、シャアの言う「情けない機体」とは「設計段階でサイコフレームが実装がされていないνガンダム」であり、本機ではないとする意見もあったが、
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 公式記録全集 ―BEYOND THE TIME―』内に記載されているリ・ガズィのイメージイラストの項に、
「シャアにバカにされる機体」というコメントが添えられていたことで、「情けないMS」がリ・ガズィの事を指していたという事が明らかになった。
ただ、サイコフレーム実装前のνガンダムもリ・ガズィより高性能であることから、
「情けないMS」がサイコフレーム実装前のνガンダムを指していたという前提で、「『情けないMS』以下のMS」とバカにする者もいたので、
公式に追い打ちをかけられたようでいて、「情けないMS以下」という悪評は払拭されたという面もある。どのみち口さがないファンにバカにされるのは変わらないが

量産試作機としては失敗であるリ・ガズィを、ワンオフレベルのカスタム機として再設計した機体。
BWSを外付けではなく一体型にすることによって、簡易変形を可逆のほぼ完全変形に近いものに仕上げた。
武装もオリジナルのリ・ガズィに加え、ハイパー・ビーム・サーベルに変更することにより、
総体的にはオリジナルを上回っていたリ・ガズィの火力を一層盤石なものにしている。
頭部も準ガンダムタイプといえる見た目のリ・ガズィのエクステリアを完全なガンダムタイプのものに変更している。
Zガンダムタイプのモビルスーツの一つの終着点ともいえる設計で搭載されているかは不明だが、
サイコフレームが搭載されていたならばνガンダムと総合的には比肩できるレベルのスペックに仕上がっている。
アムロ用に開発されたが、νガンダムの実戦投入、並びにアムロの消息不明によってお蔵入りに。
その後はロンド・ベルによって運用されたと考えるのが妥当だが、公式作品にそういった描写は未だ描かれておらず、アムロと同様消息不明となっている。

プレミアムバンダイ限定だがMG化もされた。

同じくΖプラス以上に低コスト化を目指した機体だが、こちらはリ・ガズィの反省を生かしメタス、並びにZⅡの可変機構を参考にした。
さらにアクチュエーターや内装電子機器等の規格を、当時の主力量産機であるジェガンと共通規格にすることによって、
リ・ガズィの可変システムの不可逆性とコストの高騰を解決している。
主にリ・ガズィの流れを組むボックスタイプスラスターを装備した一般仕様機(スタンダードタイプ)と、
大気圏内飛行用のウイングバインダーを装備した指揮官機(コマンダータイプ)が存在し、
指揮官機はフレーム強度の向上やリミッター解除等の措置や仕様変更を一般機に施すことによって、「宇宙世紀90年代相当でのΖのスペック」に近づけている。

なお、小説描写より、指揮官機はウェイブライダーではないMA形態にもかかわらず単体での大気圏突入が可能。
量産化は成功し、指揮官機はノーム・バシリコック少佐含む数機が、一般機はリディ・マーセナスなどの機体が複数機確認されている。
またゼネラル・レビルにはC型という全機リミッター解除状態のタイプや、ディフェンサー・ユニットという重火器・重武装タイプも登場。
ミサイルとハイパーサーベルのaユニットとビーム兵器のbユニットに分割する形でΖΖの流れをも汲むこととなった。
ただし制作時期的な都合から時系列上後期に当たる閃光のハサウェイやF91では未登場である。


余談だが、ΖΖはΖの後継機という扱いだが、その開発にΖの開発スタッフは関与していない。
一応、開発工場の設定は無いがΖΖがグラナダ工場製なのでそれ以外の工場の可能性が高い。
Ζの開発スタッフはオプションによる汎用性を追求し「ιガンダム」ことSガンダムを開発したので本来はこちらの方が直系の後継機と言えるだろう。



◇ゲームでの活躍


【vsシリーズ】

エゥーゴvsティターンズにてジ・Oと並ぶ最高コスト機体として登場。
ライフルかハイパーメガランチャーを選択して出撃することになる。
ハイパーメガランチャーは鬼畜武器として敬遠されていた(無印のみ)。
ティターンズ側でミッションを始めた場合、その恐ろしさを体験可能。攻撃を当てても怯まない+HPが減らない上、攻撃を数回当てられると落ちる。

ガンダムvsガンダムではGP2000の中コスト機体。
ライフルとランチャーが換装式となった他、味方機が撃墜されると「体を通して出る力」が発動。
一定時間スーパーアーマー状態になり、格闘が特大ビームサーベルに変化し、WR突撃の際に現在のHPと引き換えに大ダメージを与えるようになる。
特殊格闘の変形移動で高い回避能力を有していたため、厨機体とされていた。

NEXTからは換装の廃止によるライフルモード統一、射撃チャージがビームコンフューズになった。
『体を通して出る力』が使用しなくても一定時間で解除される、などの変更を受けて火力の無い支援向き玄人機体となってしまった。
ただ弾幕量と与ダウン性能は全機体でも優秀。

EXVSではコスト2500(準高コスト)に変更。
ランチャーのリロード増大やアシスト削除など、支援機としての機能は低下したが、格闘及びグレネードが超強化。
相変わらずの弾幕も相まって、全領域万能機となった。
同コストにクロスボーンやケルディム等の尖った人気機体が多い中、じり貧になりやすい万能機にも関わらず一定の評価を受けている地味にスゴイ機体。

続くEXVSFBでは、格闘CSにメタス呼出を貰う。
これはVSシリーズでは初の『僚機の弾数を回復する』武装。これにより援護が非常にしやすくなり、他の武装も特殊格闘以外は強くなっている。
家庭用のDLCで、ルー・ルカ搭乗機とZザクが登場。前者はコスト2000でビームライフルのSEが変更・コスト相応に性能が落とされているが特殊格闘が急速変形で機動性に優れている他、
覚醒技がビームライフル(狙撃)となっていてケルディムのメイン射撃同様弾速が一瞬で届くものとなっている。
後者はコスト1000で変形不可・特殊格闘が百式呼出になっていて、覚醒技はモーションそのままにビームサーベル斬りとなった。

EXVSMBでは、特殊格闘が急速変形に変更。
メイン射撃からサブ射撃などへのキャンセルルートも追加された他、新システムのオーバードライブと相性もそれなりに良かった。

EXVSMBONでは下格闘のビームライフル投擲が切り抜けに、特殊格闘が百式呼出に変更。
更に格闘CSのメタス呼出が自分にも適用されたため、エピオンのように武装ゲージが無い味方の場合は自分の弾数回復に役立てられる。
覚醒中は特殊射撃の弾数が2発になったが、覚醒技のダメージが減少してしまった。

GUNDAM VS,ではコストが500(EXVSの3000コスト相応)に格上げ。
覚醒中スーパーアーマーの削除やアシスト一律削除に伴う特殊格闘の変更や、メイン射撃が三連射ではなく単発になるなど性能は大幅に変更を受けている。

EXVS2ではアシストがメタス(弾回復は削除)とMk-2呼出に変更されただけでなく、変形と格闘がGVS基準のものに差し替えられ、
覚醒中スーパーアーマーも削除される等、最早別機体と化しているが全体的に超強化。
今までのセット攻撃はそのままにおまけ的性能だったWR時の射撃は能動的に狙えるものとなり、特に変形解除しながらグレネードを側転撃ちする変形サブは攻防一体の万能射撃。
そして格闘はハイメガを多用する格闘機顔負けの性能に変貌。前格のハイメガ突きは胡散臭い巻き込み性能を誇る。
格闘CSはL覚醒実装に伴い、変形からのビーム連射突撃に変更された。
長期間トップだったライトニングと並んで本作を代表する可変機として君臨している。
余りに強すぎたので後に修正を受けたものの、大した下方では無かったのでほぼそのままの性能で君臨し続けた。

EXVS2XBでは、多量のお仕置きを受けてしまった。
格闘CSが変形特殊格闘に性能変更の上移設、特殊格闘からMk-Ⅱが削除されメタス三種のアシストに変更、横格闘ダメージ低下、変形下格闘にWR突撃移設など。
強化点がほぼ無いに等しく評価は落ちたが、Ζそのものが有する長所は前作から継承された部分が数多く残っているので、そこを活かしたプレイスタイルが求められるだろう。

2022年12月にルー搭乗のΖがエクストラ機体として再復活。
2連射可能なビームライフルに追撃用のサブ射撃や優秀なアシストなど使用感はデルタプラスに似ているが、あちらより素直な攻撃が多く変形機能も特殊格闘中に限定されている。
何気に腕部ワイヤーを再現したアンカー攻撃が追加された。

EXVS2OBでも続投。
下格闘に新規でプレッシャー攻撃が追加されたが、演出が最終話のジ・Oに向けて見せたオーラ展開を模したものとなっている。ここから格闘派生でWR突撃攻撃となる。
特殊格闘のメタスは攻撃方法が変わったが、突撃攻撃が2段目がスカりやすいという欠陥品だった。
2023年11月のアップデートで、変形射撃CSにハイパー・メガ・ランチャー照射攻撃の追加や、メタスの攻撃方法が再度変更、
覚醒中一回限定で百式のメガ・バズーカ・ランチャー砲撃に変更などの修正が入った。
変形射撃CSは極めて優秀で、変形特殊格闘による突撃からシームレスに出す事で苛烈な銃口補正を有したビームを浴びせられる。

ルー登場機の方はメイン射撃が3連射可能になった以外は軒並み下方修正を受けた。

機動戦士ガンダム 戦場の絆

勢力戦のサマーバトル2018の報酬として登場した連邦軍の射撃型。フライトシステム持ちでコストは280。
メイン武装は単発よろけでバックブラスト可能なビーム・ライフルと、硬直が重いが高威力のハイパー・メガ・ランチャー。
フライトモード時は双方とも弾数1となり、それぞれロック距離が長い1発ダウンか、貫通性能かつ広範囲高威力の1発ダウン武器となる。

格闘武装は、フライトモード時に連射可能で格闘のカットにも繋がるビーム・ガンとなるビーム・サーベルA、
同形態時に高ダウン値で当たり判定の広いビーム・ガンとなるビーム・サーベルBを持つ。

武装によって立ち回りが異なり、機体そのもののクセの強さもあってか支給当時は使用率も低かったが、
rev.4.26アップデートの上方修正にてメイン武装の全面的な改善に至った。
しかし、今度は逆に修正が災いしてメガランチャー持ちの本機体が猛威を振るい、
ただでさえ威力が高い同武装の発射遅延やリロードの短縮、
実質的にフルチャージのヘビーガンダムのビーム・キャノンBが手軽に撃てる点がジオン軍側のプレイヤーを悩ませ、
2019年12月のrev.4.27にて、主にハイパー・メガ・ランチャーの下方修正が決定した。

ビーム・ライフルの使用率はメガランに比べると低い傾向にあるが、格闘機体とのマンセルを組みつつ長距離の相手にはスナイプも可能なので、ポテンシャルは高い。


【ギレンの野望シリーズ】

ジオンの系譜で初登場し、以降も一年戦争しか取り扱わない独立戦争期以外では登場している。
変形で地球でも移動がスムーズで更には原作通り大気圏突入も来なさるが、その分コストも高い。

ジオンの系譜ではエゥーゴと手を組んだ連邦及びエゥーゴでZ計画イベントをこなすことで開発可能。
運動性に優れて盾ももち、限界が250%とアムロですら頭打ちせず能力をフル発揮できる。
運動性の基本値76はハマーンのキュベレイに次ぐ数値で、アムロやカミーユを乗せればハマーンのキュベレイに食らいつける唯一の機体。
ティターンズ系最高のジ・OはZより一回り運動性が低いためキュベレイやZが相手だとやや苦しい。
また、系譜ではサブフライトシステムが無いため他のほとんどのACE用機体では地上での運行に支障が出やすいのもZの使い勝手の良さを後押しする。

脅威ではエゥーゴ共闘ルート連邦&エゥーゴブレックス&エゥーゴクワトロ&テムレイ軍で使用可能。
あと、ジャミトフティターンズでもエゥーゴ協力者逮捕という寄り道イベントで開発可能になる。
アライメントが大幅に下がるが、お釣りが来る程までに安い代償である。
エゥーゴ編ではアーガマ隊がガブスレイと対決するまでにZガンダムの開発を完了させる事がグッドエンドへの鍵となる。
運動性が大幅修正され、更には限界性が200におちてしまった。ジOやキュベレイと違いサイコミュ補正が無いため、強力なNTでは性能を持て余し気味に。
格上となったキュベレイやジOやザクⅢ改の相手は厳しいが、それでも開発時期を考えれば破格の性能で、後半になっても並のエース機相手なら主戦力を担える。
これに関してはΖΖガンダムがエース相手には大分物足りない性能をしているという事情もある

新ギレンの野望ではバイオセンサーが追加され、運動性は最強クラスのNTでも活かしきれるようになった。

Gジェネレーションシリーズ

シールドと変形能力を備え、グレネードランチャーやハイパー・メガ・ランチャーと武装のバランスが良く、扱いやすい。
だが、最大火力では他の主役機よりも見劣りするため、初期の作品では戦力として使い続けるよりも開発ベースとして重宝されることが多かった。
しかし、後にファンネル武器による攻撃を無効化する「ビーム・コンフューズ」の追加で戦力としての価値が上昇。
『ワールド』で惜しくも「ビーム・コンフューズ」が廃止されてしまうが、『オーバーワールド』では「ウェイブライダー突撃」が武装に追加。
長年の弱点であった火力不足が解消、特にビーム耐性のある機体との戦闘で有利になった。
『ジェネシス』ではサイコミュ武装がウェイブライダー突撃から巨大ビームサーベルに変更された。


スーパーロボット大戦シリーズ

シリーズ初期の作品から登場。
登場作品ごとに地形適応や主力武器の威力・射程の調整がいろいろあって、基本的に1.5軍ぐらいの立ち位置。
一方でカミーユの能力は大抵上位クラスなので、機体を乗り換えないと活躍させられないことも多い。

旧シリーズでは、参戦したマップ時点では期待に応えられる強さであり、空を始めとした地形適応に優れている。特に『第4次』で顕著。
しかし主人公機の中では後発に比べて基本性能の低さや武装の使い勝手の悪さが目立ち、中盤までの繋ぎ扱いになるケースも少なくなかった*14
特に最強武器の「ハイパー・メガ・ランチャー」が、「P武器でない(射程距離は長い)」、「防がれやすいビーム攻撃(特にビームを吸収する敵には無力)」、
「火力もさほどでもない(他機体のファンネルの方が上)」の三重苦。
タイトルによってファンネルと違い切り払われない、ビームコートを貫いてシールド防御されないなどの利点は一応あるのだが、
最大射程や性能や武装の使い勝手で勝るガンダムF91ビギナ・ギナ、ZⅡ(α)の影に隠れがちだった。

しかし、『α外伝』から計算式まわりの大きな変化もあり、最初から最後まで使いやすくなってきたほか、
原作最終盤で見せた「ウェイブライダー突撃」、『第2次α』からの「ハイパー・ビーム・サーベル」と、ニュータイプ能力による必殺技に相当する攻撃が武装に追加。
特に『第3次α』では「ハイパー・メガ・ランチャー」に全体攻撃版が追加。火力不足もSPモードの15段階改造なら逆にトップクラスの火力を得る。
魂の力を体現するボスキラー的な性格を得たのであった*15

Z』シリーズ以降は特殊能力「バイオ・センサー」、←と同時に発動する「サイコ・フィールド」、ALL武装「ビーム・コンヒューズ」が追加された。
このあたりからMS系主役機が気力も重要、という流れを生み出している。
破壊力はあるが上位武装に対して、下位武装が弱くなりがちなのがネック。


【機動戦士ガンダム バトルオペレーション2】

2020年3月に実装された。コストは当時前人未到であったの600コストスタート。
実装当初こそ耐久面と足回りを中心に優れた基本性能に加えて立ち回りの幅を広げる2種格闘と変形機能で、実装から半年以上は600コスト汎用のトップに君臨していた。
しかしながら同コスト機体が増え環境の変化も加わり元々が「射撃もできなくはない格闘機」ないしは「どちらかと言えば格闘よりの万能機」と言った位置づけだったが、
後追いで実装された同コスト汎用機が射撃が得意な機体ばかりのため、「格闘戦に付き合ってくれる相手がいなくなった」と言った形で環境に置いて行かれていた。

戦績低下に伴い、調整を幾度も受けた結果、ビームライフル、グレネード、ロングビームサーベル、変形の射撃力やブースト管理には強化調整を受けた。
変形時はHPが低下すると防御力を上昇しながら、突撃時の固定ダメージが大幅強化されるというジ・O戦の再現をスキル化したものも追加された。
よろけ耐性には強化入ってないが、調整後は射撃・格闘・変形のバランス型といった地位を得ている。


また、ハイパー・メガ・ランチャーを装備した、Ζガンダム[HML]も別機体で実装されている。
こちらは650コストの支援機。武装構成的にはロングビームサーベルの代わりにハイパーメガランチャーを持っているのと、腕部グレネードの弾数が増えている。
ハイパーメガランチャーは威力の割に燃費が良く即よろけが取れる。一方で射撃時に足が止まるのと武装切り替えが遅いため射撃コンボに組み込みづらいのが欠点。
フルチャージ時には同コスト汎用機のHPを4割以上吹き飛ばす超威力を発揮するが、30秒ものオーバーヒート時間と事前に足を止めて10秒のチャージが必要なため使い所は限られる。
しかも他のロマン砲枠機体と比べるとメインの武装を焼いてしまうデメリットも無視できない。
バイオセンサー発動時には支援機としては珍しく緊急回避を行うことも出来る。もっともベース機同様その時点でHP30%を割っている上に、2種格闘も中判定もないため焼け石に水な事も多い。
基本性能はそこまで悪くないのだが武装の取り回しが実装時期相応で、今の水準で見れば劣悪に過ぎる。
現在の同コスト支援には遠い親戚であるリゼル[DbU装備]が君臨しており、しかも浪漫砲や変形は保持したまま2種格闘やらスキルやら本機が欲しいものを悉く持っている。
こちらは焼け石に水ことバイオセンサーくらいしか優位点がなく、数回にわたり強化調整を受けているもののいまだ一線級とは言い難く、汎用版相当かそれ以上の強化調整が待たれる。



ガンプラ

1/144、1/100、1/60、HG、HGUC2種、RG、PG、MG3種と様々なスケールで発売。
人気作品の主役機ともあって人気自体は非常に高いことがうかがえる。
だが問題はウェイブライダーへの変形で、デザイン時点で完全変形を考慮されていないため、
ウェイブライダー形態はあくまで"それっぽい"説得力を与えられたに過ぎない。

故に変形自体がオミットされたり、プロポーションが犠牲になったり、パーツ差し替えが前提になったり、
何とか再現しても耐久性に難を抱えていたり等…バンダイ立体化部門の苦労の程が見て取れる。
時代を経るごとに技術が進歩し、それらのデメリットは徐々に緩和されている。

人気の機体故かはたまたバンダイのプライドか、最新技術を惜しみなく投入されてはバージョンアップを繰り返し、
結果としてバンダイの技術進歩が良く分かるプラモデルとなっている。
MGのVer2.0は数量限定、RGではプレミアムバンダイ限定でアムロ専用3号機も販売されていた。


旧1/144と1/60は変形しないがプロポーションは当時の設定画に近くて良好。
旧1/100は差し替え無しの完全変形を実現した代物。アンテナはしっかり畳むことができ、シールドを外さなくても変形できる。
だが、その代償として胴体が押し潰されたような歪な形で全体的にずんぐりしており、現在の視点で見るとプロポーションは非常に悪い。
それでも80年代の技術では驚異的なキットではあり、WR状態を基軸と考えれば十分な出来である。


旧HGは1990年に発売。多色整形によって素組みでもある程度の色分けを実現している。
ただし、当時の技術ではウェイブライダーに変形出来ないということで、
代わりに新たに設定された「ウェイブシューター」と呼ばれる形態に変形するようになっている。*16
顔もやや丸っこく目が大きいので童顔に見えなくもない。


HGUCは2003年に発売。
パーツ差し替え式の変形により、劇中のイメージに近い薄さのWR形態を実現している。ハイパーメガランチャーも付属。
後述のMGよりかはマッシブな体格だが、エッジが強くデザインされている。

2017年に発売されたHGUCのリバイヴ版では薄さはもちろん、差し替え時に不要となるパーツが減っている。こちらもランチャーが付属。
フロントアーマーが大きくデザインされ、スタイリッシュに振り切らない塩梅になっている。
後にプレミアムバンダイ限定でリバイヴ準拠のウェイブシューター版も発売された。
2018年にはプレミアムバンダイ限定で更なるリニューアルVerのZガンダム[U.C.0088]*17が発売。
外装部の多くが新規造形でややマッシブになり、色分けに難のあったフライングアーマーの赤い部分が別パーツ化されて色分けが大幅に改善されている。


最初のMG(以降MG1.0と呼称する)は1996年に発売。
プロポーションは旧キットの1/100から大幅に進歩しつつ、差し替え無しのほぼ完璧な変形を実現している。
ただし、合わせ目が目立ちまくりな上に可動範囲は狭い。
さらに変形の際にロック機構を有していないので保持力が非常に弱く、自重で各部がヘタってくるという欠点がある。
…まあ要するに、今お勧め出来る代物ではない。造形も特に脚部の丸みが強めで、今見ると違和感があるかもしれない。
それでも発売当時としては驚異的なキットであり、Zのガンプラの歴史を語るには外せない一品ではある。

後にカミーユのフィギュアが付いたメッキコーティングVerも発売された。
ただしアンダーゲートになっていない為、ゲート跡が目立ちまくりなのが残念。

2005年にはMG Ver2.0が発売。
MG1.0からあらゆる面が大幅に改善され、合わせ目がほとんど目立たない構造になっているだけでなく、
変形の際にロック機構が搭載され保持力は抜群。肩や腰も可動するようになった。
細めのくびれもサイドアーマーで脇を固め、なるべく貧相にならないよう努力している。


2012年にはRGが発売。精密な造りで非常にカッコいいのだが、変形機構が仇となってしまっている。
数多くの良キットを有する同シリーズの中でも、数少ない地雷キットの1つといわれる。

悲願ともいえる史上初となる1/144での完全変形を実現したのだが、その代償として関節部が非常に脆くなってしまっている。
RG初期にありがちだったアドバンスドMSジョイントの多用により、ちょっと手足を動かすだけでも常に破損の恐怖が付きまとう繊細さとなってしまった。

HGUCとは異なり、ブンドド…もとい、ガシャガシャ動かして遊ぶのには全く向いていない。
プロポーションは悪くないので普通に飾って置いておく分には問題無いため、固定モデルとして楽しむのが吉。


2023年4月にはMG ver.Kaブランドでも登場。
当初の予定から諸事情により発売が延期されたものの、ZZやνに続いて遂にリリースされた。
TVアニメ設定画準拠を意識したデザイン*18であり、
各部の色分けの進化やモールドの増加などにより、ver2.0に比べて情報量が大きく増えた。
変形時にはしっかりロック機構で保持できる他、地味ながら変形過程でコクピット角度も変更できる粋な計らいも。
MGでは犠牲になりがちだったMS形態時の可動域も柔軟になるよう確保され、胸部・腰部の可動も可能。
WR形態はランディング・ギアが展開。そのまま置いて飾る事もできる。


幻の機体
【フルアーマーΖガンダム】
SD仮面が悪いんだよ!




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最終更新:2023年12月20日 20:04

*1 よく「カミーユが盗んだ」と誤解されがちだが、Mk-Ⅱ強奪自体はエゥーゴの作戦で、カミーユは偶発的に巻き込まれて結果的に協力行為になっただけである点に注意。ただし小説版においてエゥーゴは写真やデータだけ取れれば充分と思っていたところにたまたまMk-IIを奪ったカミーユが強引に加わってきている。

*2 Zの他の可変MSはMA形態が主役なためMS形態は異形のデザインが多く、以降のシリーズでは逆にMS形態を重視したデザインが多いため、MA形態でどこかしらに不格好な所が見られる

*3 WR形態と「フライングアーマー」の飛行特性なども似通って偶々SFSとしての性能を満たしてしまっただけの模様

*4 あくまでカタログスペック上の話であり、Ζガンダムには5年分のハードソフト技術蓄積や後述する高い汎用性といった強みもある。

*5 テレビシリーズとOVAという作画環境の違いがあれど、Zガンダムも非常に軽快な軌道を見せている板も多い

*6 ただしロンド・ベルの目的が「隕石落としの妨害」でアースノイドが結束して味方と言う戦況では、変形と大気圏突入能力は地の利を得ていると言える

*7 もっともリガズィは自由変形は失い、外付け装備BWSで重くなるという欠点があってのことだが

*8 劇中でそのことは語られていない裏設定である。エマが「Zガンダムは人の意思を吸い込んで自分の力に出来る」と、設定があることを仄めかすような発言をしていた程度だった。アニメと並行して発刊されていた小説版では「バイオ・センサー」について明言されており、フルサイコミュシステムと比べると部分的なものであること、カミーユとエマが物語終盤時点までに説明を受けていた事が明示されている。

*9 いずれも開発者が想定していない現象ではある。

*10 南極条約はあくまで『連邦対ジオン』の核・化学・生物兵器禁止条約なので、連邦内の内戦には適用されず、現にティターンズは核も毒ガスも使用している。

*11 大抵シールドの反対側である右腕側に

*12 設定上コストカットの要因となっているものの、MGのΖガンダムとリゼルを作ればわかるように、可変機構の複雑性はZガンダムもメタスもそれほど違いは無かったりする

*13 富野氏の逆シャア系小説ではセンチネル系の設定は反映されていないのでΖから直接発展した様になっているが

*14 ウィンキー時代のスパロボのMS能力値は、原作で先に開発された順に設定されていた。

*15 ただしニュータイプLvの高いパイロットでなければ真価を発揮出来ない。また「ウェイブライダー突撃」はカミーユでなければ使えないということも多い。

*16 背面のフライングアーマーを接続する細いアームに問題があったと見られる

*17 ZZの頃の姿という設定

*18 ver.Kaではカトキハジメ氏ならではのアレンジが加えられる傾向があるが、実際のところは機体ごとにコンセプトを定めてそれを踏まえてデザインを立ち上げるのが趣旨である。