クロム・ディザスター(アクセル・ワールド)

登録日:2012/03/28(水) 16:02:14
更新日:2023/10/13 Fri 20:05:11
所要時間:約 4 分で読めます






YOU EQUIPPED AN ENHANCED ARMAMENT


《THE DISASTER》



クロム・ディザスターとは、川原礫のライトノベル『アクセル・ワールド』に登場するキャラクター達の通称である。

嘗て作品の舞台である加速世界に、《クロム・ディザスター》と呼ばれる伝説的プレイヤーが存在した。
圧倒的戦闘力を持って数多のプレイヤーを地に這わせたが、その戦い方は苛烈かつ残忍の一言であり、降参する相手の手足をもぎ、首を跳ね、暴虐の限りを尽くしたと言う。
しかしその残虐ぶりを見かねた他のハイランカー達により集中攻撃を受け、自身も加速世界を追放される事となる。

だが、彼は今際の際に哄笑と共にある言葉を残した。


「俺はこの世界を呪う。穢す。俺は何度でも甦る」


その言葉は真実だった。
彼本人は退場したものの、使用していた装備――《災禍の鎧》は残り、討伐に参加した一人の手に渡った。
興味本意か誘惑に負けたか、彼はその鎧を装着し――乗っ取られた。
それまでは高潔なリーダーとして慕われていたにも拘らず、一夜にして残虐な狂戦士に変貌したのだ。
その荒ぶる姿は、《初代》と全く見分けが付かなかったと言う。

以後、《クロム・ディザスター》とは鎧の創造者だけで無く、鎧を装着し狂戦士と化した者達の二つ名ともなった。

装着すれば乗っ取られるのは解り切っているのだが、その強大な鎧の力に魅せられ、初代以降実に四人ものプレイヤーがこれを装着し、クロム・ディザスターとなった。

以下ネタバレ注意


















ならば――――――――――――


応えよう。

  • 《クロム・ファルコン》
CV.加藤英美里(加速の頂点)
災禍の鎧《ザ・ディザスター》の創造主にして、初代《クロム・ディザスター》その人。
メタルカラーの一人だが防御と耐性は中途半端、特殊なスキルや強化外装を持っておらず、単純に手足で戦うタイプ。といってもプレイヤー自身が特殊な格闘技能を修めているわけでもない。
そんな彼が生き残ってこれたのは、防御能力は弱いが特殊なサポート能力を持つ《サフラン・ブロッサム》をパートナーとして戦ってきたからである。
大した特徴の無いファルコンは優秀なブロッサムに見捨てられることを恐れており、同時に自分を見捨てない彼女に感謝している。

とっいてもクロム・ファルコンは本当に特徴が無いというわけではない。
まずプレイヤー自身は、物心ついてから怒るということをしない超特殊な人間である。普通は怒るような場面でも、怒りの総てを自分の中に押し込み溜め込んで、怒らずにいられるという凄まじい才能を持っている。
アバター自体は、使い手が少ないせいで目立たないものの腐食攻撃への強い耐性という特徴を持つ。
またレベル5に上がった時には、必殺ゲージを消費して自身を粒子化し超高速直線移動する《フラッシュ・ブリンク》という特殊な必殺技を取得している。
自身を粒子化するため狭いところを通り抜けられる上、なんと発動中は一切の干渉を受けない。格闘ゲームでいうところの阿修羅閃空

《フラッシュ・ブリンク》という特殊な能力を得たファルコンはそれを使い、製作者の意図していないであろう方法で
ブレインバースト史上初めて最高難易度ダンジョン《帝城》への侵入に成功し、そこからブレインバースト内に7つしかない超高性能強化外装の一つ、鏡の装甲を持つ鎧型の強化外装《ザ・ディスティニー》を持ち帰ることに成功する。
見事に自分の優秀さを証明したファルコンは、常日頃の感謝と戦術的な理由から強化外装をブロッサムに譲渡した。

ファルコンとブロッサムは互いに一目惚れであり、ブレインバースト内に家を買って同衾するレベルの深い仲だが、リアルのブロッサムは遺伝子性の不治の病を患っており、大人になる前に死んでしまう運命を持つ。
しかしブレインバースト内は1000倍の速度で時間が流れているため、現実時間1年でプレイ時間1000年、普通の人間以上の人生を得ることが可能なのだ。彼女は自分と同じように多くのプレイヤーがブレインバーストで安心して遊べるよう、ブレインバーストを遊ぶためのポイントを互助する組織を作りたいという夢を持っていた。そしてファルコンより超高性能強化外装を貰ったことで組織を作れるだけの強さを手に入れたため、夢を実行に移すことを決意し、互助レギオンの設立を宣言。賛同者もそれなりに現れ、30人強のプレイヤーが彼女の基に集った。

しかし、それは罠だった。
無制限中立フィールドで待ち合わせを行ったが、顔を合わせるや否や二人は何者かにより拘束される。
そして、ブロッサムは拘束されたまま神獣級エネミー《ヨルムンガンド》の縄張りに放り込まれ《無限エネミーキル》状態に陥り、ファルコンもまた拘束された状態でそれを延々と見せ続けられることとなった。

痛覚まで再現されているブレインバーストで、ボス敵に延々と攻撃されるという拷問にかけられているサフランの元へズタボロになりながらも辿り着いたファルコンだったが、実力的に彼にできるのは、もはや彼女を楽にしてやることだけだった。
ポイント0になり全損でブレインバーストから退場したサフランは、ブレインバーストの記憶を消去、つまり拷問されたこともファルコンへの愛も忘れ、病により余命幾ばくもない人生へと帰還した。
ブロッサムにトドメを刺したことで、鏡の装甲を持つ鎧型の強化外装《ザ・ディスティニー》は再びファルコンの物となった。

「お前たちだって、ブレインバーストプレイヤーである以上、現実世界では多かれ少なかれ異物扱いされてきたはずだ。
集団から弾かれ、心に傷を抱えてこの加速世界に来たはずだ。なのに、そこでもまた誰かを弾くのか。
自分たちと違う者を囲んで石を投げるのか。フランは…そんなお前たちのために…居場所を…作ろうと…
お前たちが…ずっと、この世界で遊べるように…全損の恐怖に怯えなくてもすむように…
フランは、ただ、それだけを…それだけを願って…いたんだぞ!!」

権力なんて求めてなかった。《鎧》の力で加速世界の覇権を握ろうなんて、少しも思ってなかった。
ただ皆と一緒に、いつまでもこの世界に居続けられさえすればよかった。
鏡のような《鎧》の表面に、支配や破壊を見たのなら、それは見る者自身の欲が映っていたに過ぎない。力を望んだのは彼らだ。
サフランの理想も、優しさも、思いやりも拒否し、共存ではなく闘争を。手を繋ぐのではなく、命の奪い合いを。親愛よりも怒りと憎しみを望んだ。

ならば、応えよう。

ファルコンは物心ついた時から今まで貯めこんできた総ての怒りを解放、その結果イメージによって世界を書き換える力、心意を発動させる。
(…僕が変わってしまったら、きっとフランは悲しむだろう。…でも、もう彼女はこの世界にはいないんだ)。
恐るべき負の心意によって神獣級エネミー《ヨルムンガンド》を屠り、ザ・ディスティニーを書き換えてザ・ディザスターを産み出し、プレイヤー達が望んだ闘争を具現化した存在へと変貌した。

  • 《獣》
「サア!我ガ名ヲ呼ベ!」
クロム・ファルコンの怒りと憎悪によって産み出された、鎧に巣食う疑似人格。
《獣》と言うのはハルユキによる仮の呼び名であり、本名と呼べる物は存在しない(そもそも彼と意志疎通を図れたのはハルユキだけである)。
鎧の装着者の精神を乗っ取り狂戦士に豹変させていた張本人であるが、装着者を気遣ったりと結構ツンデレ
最終的にはぬこに転生する。何を言っているかわからない?読めばわかるさ。

  • 《開陽》 全身鎧 -ザ・ディスティニー-
クロム・ディザスターが纏う強化外装、ザ・ディザスターの本来の姿の片割れ。
詳細は七星外装を参照。

  • 《スター・キャスター》
サフラン・ブロッサムを無限EKし、全損寸前まで追い込んだ神獣級エネミー《ヨルムンガンド》が倒された際にドロップし、クロム・ファルコンの負の心意によりザ・ディスティニーと融合した剣形の強化外装。
原作二巻(アニメ11話)にてイエロー・レディオを貫いた剣であり、その際はザ・ディザスターの一つとなっている。
作者の公式ツイッターにて原作9巻の表紙で黒雪姫が持っていた剣が本来の姿であると判明している。

歴代装着者

  • 《クロム・ファルコン》
初代。前述。

  • 《マグネシウム・ドレイク》
2代目。竜頭の戦士型アバターで、口から火を吐く固有アビリティ《焔色吐息(フレイム・ブリーズ)》を持つ。
心傷殻理論により生み出された人工メタルカラーと噂されている。
前述の通り高潔なリーダーであり、《アクア・カレント》とはライバルだった。しかし、鎧に手を出して以降は見る影もなくなり、集中攻撃の末に討たれた。

  • 《セントリア・セントリー》
3代目。古風な口調で話す長い銀髪の騎士型アバターで、剣に関する様々な技能を有し、《オメガ流合切剣》なる謎の流派を打ち立てた。
ディザスターとしては《ブルー・ナイト》に討たれたのだが、セントリーの残留思念のようなものが加速世界に残存している。ハルユキが《ルシード・ブレード》を取得し剣士の道を歩み始めてから彼にだけ声が聞こえるようになり、《オメガ流》の後継者と見込んでアドバイスを入れている。

  • 《???》
4代目。《貪食者》と呼ばれている。王を中心とした討伐部隊に討たれた。

  • 《チェリー・ルーク》
5代目。ニコの《親》であり、アバターもニコによく似た姿をしている。《鋼線鉤(ワイヤー・フック)》アビリティを持ち、疑似飛行にも似た長距離ジャンプや対象の引き寄せなどに使用する。
2巻でハルユキたちに撃破された。

「クロム・ディザスタァ――――!!!!」
6代目。2巻で五代目を討伐した際に背中に残っていた欠片が原因で寄生され、五巻で自身の怒りにより鎧を呼び覚ましてしまう。その時は何とか押さえ付けるものの、後に鎧と完全に一体化してしまう。
装着者がハルユキということもあってか、今までのクロム・ディザスターと違ってある程度冷静さを保ちながら戦闘を行う。
その戦闘力は凄まじく、以前の装着者の技を自由に使用でき、未来予測による回避力、ハルユキの反射神経と相俟って自分より上のハイランカーすら撃破できるほどのポテンシャルを発揮。
ハルユキ自身も「完璧な戦闘体」と評価し、浄化に成功したあとにもその脅威な性能を回想するときはまるで最強装備をアピールするようにはっちゃけていた。
短い間ではあるが相棒として戦った事で愛着もある様子。

最終的に鎧を浄化することに成功し、七千年に渡り加速世界を侵食していた呪いに終止符を打った。 




僕は、このWikiを呪う、穢す。 たとえここでいっとき消えても、僕の項目は――何度でも、甦る。

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最終更新:2023年10月13日 20:05