マークデスティニーのパイロット

登録日:2013/04/13 Sat 21:13:59
更新日:2024/03/15 Fri 21:07:47
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今の俺にはみんなを守る力があるんだ…!

マークデスティニーのパイロットとは、『蒼穹のファフナー』の登場人物・飛鳥真のことを指す。
かつてザフト軍に所属していた彼は、オーブ首相カガリ・ユラ・アスハの命で恋人の鷹月真理亜と共に竜宮島のアルヴィスに出向し、フェストゥムと戦うことになった。

愛機のファフナー・マークデスティニーは、ノートゥングモデルではないため皆城総士が指揮するジークフリード・システムの恩恵を受けることはできない。
しかし、VPS装甲や読心対策を前提とした長距離兵器などを搭載しており、対フェストゥム兵器として大いに役立っている。

ファフナーのパイロットが背負うデメリット「同化現象」を、真は敢えてそれを利用して愛機を最大限に活用している。



追記・修正をする!そのためには…!


















…というスパロボネタである。



ん?意味が分からない?



OK、では本題に入ろう。


Life Goes On 燃え上がる命がある限り

真実の自分さえ見失いそう、それでも

Life Goes On 守りたくて、心は砕かれて

本当の哀しみを知った瞳は、愛に溢れて


マークデスティニーのパイロットとは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公シン・アスカのことを指す。
ここからは、その由来である『スーパーロボット大戦UX』におけるシンについて解説する。
以下、ネタバレ含むので注意!


【ホントの概要】

今作の種運命は原作終了後の設定で、最序盤から『蒼穹のファフナー』とのクロスオーバーが展開される。
しかもキャラクターデザインが同じなので、ファフナーのキャラと間違われるレベルで馴染んでいる。

その中でシンは、歴戦の戦士としてファフナーのパイロット達を導く兄貴分ポジションとなった。
過去にステラ・ルーシェレイ・ザ・バレルを救えなかったことから、「もう誰も失いたくない」という強い信念を持っている。
前大戦の経験からか考えも老成しており、キレる場面も少ない。だが、許しがたい敵を目の前にした時には激しい怒りを見せる。
ハザードとかハザードとかハザードとか

恋人であるルナマリア・ホークとは長年連れ添った熟年夫婦のごとくお互いを理解し合っており、たしなめる場面はあっても反目しあうことはない。
元々面倒見の良い姐御肌であることも手伝い、シンと二人でファフナーの少年少女を見守っているその様はお姉ちゃん通り越してもはやお母さんである。
独断でマークエルフを持ち出した一騎(と成り行きで付いて行ったチャム)を追跡する場面のやり取りは『おまえらは一騎の両親かなにかか』と突っ込みたくなること請け合い。
今作における二人の存在は、前日譚「もしも僚と祐未が生き延びていたら」を体現したもの、という意見もある。

愛機のデスティニーガンダムはプロローグでフェストゥムにより大破し、しばらくはかつての愛機インパルスガンダム(通称ファフナー・マークインパルス)に搭乗することになる。
だが第二部序盤で修復が完了し、シンと一騎の窮地に目覚めた皆城乙姫の導きで乗り換えをする。
更にフェストゥム化が進行する春日井甲洋に一騎達が呼びかける面では、ルナマリア搭乗インパルスとの合体攻撃「コンビネーションアサルト」も習得した。
キラさんとアスラン版のコンビネーションアサルトは初登場からお馴染みの合体攻撃だったが、シンに合体攻撃がついたのはUXが初である。中の人同士が結婚した影響もあるのかもしれない。

そして、これらのイベントは全て竜宮島で展開される。特にデスティニー乗り換えイベントは、本作でも屈指の燃えイベントの一つとして挙げられている。
「大丈夫。運命はあなたの味方だよ…」
「それが、あなたの選んだ答え…。あなたが望んだ…運命の翼!

本作のモビルスーツは、プロローグでカガリが「対フェストゥム用兵器」と公言している。
デスティニーもアルヴィスで修復されていたため、ファフナーの部品を使っている可能性も高い。
その結果、付いたあだ名が「ファフナー・マークデスティニー」。
ファフナーの名前がドイツ語で統一されていることから、それに倣って「マークシックザール(運命)」と呼ばれることも。

ゲームシステムとしても今回のフェストゥムは「同化・気力減退の特殊効果持ち」かつ「バリア貫通」という厄介な特性を持つ武装を使って来るが、種系ガンダムが持つVPS装甲は「特殊装甲」なのでバリア貫通の攻撃も装甲が高ければ無効化出来る。
故に「種系ガンダムは攻撃を食らっても同化されにくい」仕様になっており、ストフリと∞ジャスティスの参戦が遅い事もあってカガリの言う「対フェストゥム用」というのもシステム的な裏付けがある。
一番弱いグレンデル型の攻撃力は低いためインパルスorデスティニーなら連タゲ補正で被弾しても無効化しやすいだろう。

その他シナリオの絡みも多い一騎がマークエルフに乗ってる頃はインパルスと組ませるとかなり相性が良い。
また、TV版マークザインとデスティニーガンダムも相性が良い。
シンが先輩として未熟な一騎を導くコンビも中盤までかなり使いやすいだろう。
劇場版マークザインとデスティニーの相性はあまり良くないが、デスティニーの修理が完了する頃には一騎と相性がいいカノンが仲間になり、条件を満たせばショウ・コハ・ザマが「ここに帰ってくる」ので問題はない。

また、シンの瞳が赤いことと、種割れ(SEED発動)時が同化現象時と似ていることも加え、「マークデスティニーのパイロット」の称号が与えられ、(いい意味で)ネタにされるようになった。

さらに、今回シンとルナマリアのBGMとして種運命2期EDテーマ「Life Goes On」がまさかの採用となっているが、
それが種運命での戦いを終え、新たな戦いに身を投じるシンの心境に絶妙に一致しているとも。
そして、歌詞を含めてファフナー勢とのシンクロ率が高い曲でもある。
実際、某動画サイトにて「Life Goes On」を使用した有名なファフナーのMADがある。
しかもファフナーのシリーズ構成及び後半のメイン脚本担当の冲方丁氏も巡回済みで、
投稿されたのは『UX』発売から6年も前でタグには「預言者」と付けられたことも(因みにファフナーのMADでは二番目に古い)。
おまけに『UX』でも当然のようにファフナーのイベントで流れる。
挙句の果てに、デスティニー乗り換えイベントでは一騎がこの曲を流す

スパロボシリーズに種運命が参戦した際には「シンの扱いがどのようなものになるか」と常に懸念されており、
今作では(『Z』シリーズを除いて)初の原作終了後の設定で参戦するため、「影が薄くなるのでは?」と不安がるプレイヤーもいた。
しかし蓋を開けてみると、クロスオーバーの面で大いに活躍することとなり、プレイヤーの胸を撫で下ろさせたのだった。
『L』のナタクのファクターを彷彿とさせるポジションに付いたと言えよう。
その上、本編では高山版の台詞も発しているため「もしかして高山版終了後じゃね?」という声もあるとか…。

『Z』シリーズや『L』といった「多くの理解者・友人に恵まれ、救われるシン」を見てきたプレイヤーにとって、本作の「敗戦経験のあるベテランパイロットのシン」は新鮮に見えたことだろう。
ステラやレイとの別離を経て、人の痛みや誰かを失う哀しみを一番に理解しているからこそ、一騎達を導くポジションに適ったと言える。
逆に言えば、スパロボ補正を受けてステラやレイを救うとこのポジションになれないという事でもあるが…。

また、総士にかつての上司ギルバート・デュランダルと彼が遂行しようとしたデスティニープランのことを話す場面があるが、その計画内容や思想を(遠回しだが)否定するような発言をしている。
前大戦において、シンが一体どのような戦いをしてきたのか考えさせられる場面でもある。

ちなみに「マークデスティニー」はうますぎWAVE内でも使われている
つまりある意味スパロボ公式側が認めたネタになってしまった。
例によって杉田のせいである。

加えてSEED DESTINYとファフナーは大抵の分岐で一緒になることが多い
別行動なのは第二部の分岐あたりくらいか。
ただ、よりにもよって翔子復帰時には分岐の問題で同行しないので、ファフナーを追っていると分岐時のシンの印象が若干地味になるのも事実ではある。
(逆ルートだと合流時に翔子と再会して喜ぶシンとルナが見れたりするのだが)


余談だが、竜宮島には祭を取り仕切る「鈴村神社」があり、続編の『EXODUS』ではが巫女として働いている。
シンの中の人のことも考えると、これは何かの偶然か、それとも…?

ちなみに今までのスパロボで扱いが微妙だったアスランも本作ではいい味を出している。
当初はアレックスとして裏方で活動していたが、第一部クライマックスにおいてハザードの策略で自軍が世界の敵にされた時には
グラサン大尉のパロディばりにハザードの悪事を暴き、メンバーの士気を高めて彼らが「正義の味方」である事を間接的に示すために重要な役割を果たす。
また乙姫が目覚めた時にはアスランもまるでファフナーのキャラのように彼女に接し、一騎ら仲間を守ろうとするシンに「昔のお前とは違うはずだ」と激励を飛ばしマークデスティニー復帰イベントを盛り上げた。
なお、乙姫をおんぶしたことについては「アスランごふっしろ」とか言われている模様

なお、本作のキラさんはというと、新人ガンダムマイスターとして頑張っていた。
もうELSが宇宙クジラの正体だったんだよって事でいいんじゃないかな……。

余談だが、UXから10年以上の時を経て公開された『SEED FREEDOM』の描写から、フェストゥムの読心能力に対抗できるMSパイロットとしてはシンが最適解だった事が判明。
竜宮島にシンを連れてきたカガリの彗眼が光る結果となった。
そんなメンタル的には『SEED FREEDOM』並に万全と思われ、SEEDも発動したシンをデスティニー大破にまでせしめた読心Lv4持ちのスフィンクス型の恐ろしさである
同時に、UXのシンは無理して兄貴分キャラを作ってた疑惑も生まれてしまった。UXのシンにとって「真実の自分さえ見失いそう」が嘘偽りのない真実だったとは誰も思わなかった

とはいえ、今回のシンやルナマリアの年齢については20代になっている可能性があり、憶測の域ではあるが共演した00の時間経過が原作通りかつDESTINYと00一期が同時期とすれば今作はDESTINY本編から6年後という事になる。
その6年の間に『SEED FREEDOM』に相当する出来事があり、それをも乗り越えて精神的に成熟したのが本作の「兄貴分」シンなのかもしれない。
ただし、このルートを通ってしまうとデュランダルリボンズがまともに対決できないという最大の問題があったりする


【主な関連人物】


後輩の一人で、大切な仲間。時に深く語り合い、兄貴分として導いていく。一騎本人からも「アスカさん」と呼ばれ、人生の先輩として慕われている。
おかげでアスカ病を併発したものの、総士病が原作よりやや軽くなった。やっぱりアスカさんってスゲェ
「だったら、アスカさん……、俺にとっては、あなただって守るべき大切な仲間だ!」(BGM「Life Goes On」

後輩の一人。不器用ながらも、指揮官として冷徹に振る舞う彼を何かと気に掛ける。
「たとえ明日、散るとわかっていても花を植え続ける…。人って、そういう生き物なんだ」

誰かに言われるがまま戦う姿からステラの面影と重ね、フェンリルで自爆しようとした所をマリー達と共に説得した。
「昔、君みたいな子がいたよ…。命令されるまま戦ってさ。俺はその子を助けてやれなかった…」
「だけど、君は違う!君にはまだ、意志がある!君自身の想いで…力で!運命を選ぶことができる筈だ!」

彼女が目の前で自爆した際には「どうしていつもこうなるんだ!」とやり場のない怒りを露わにした。
…が、後にとんでもない方法で生還した彼女と再会を果たした時には「後ですぐお母さんに会いに行こう!」とルナと一緒に心から喜んでいた。

  • 来主操
メッセンジャーとして生み出されたフェストゥムの少年。
ミールの命令と自身の願いに押し潰され、苦しむ彼を救おうと必死に手を伸ばす。
「痛いなら、苦しいなら、お前の中にある何かが傷ついているんだ!お前が伸ばすんだ、その手を!自分自身を救ってやれ、来主!」

  • ルナマリア・ホーク
恋人。
結婚こそしていないようだが、公私ともにパートナーとして前大戦時からずっと付き合っているらしく、
平時からほとんど行動を共にしており、シンがファフナー組の兄貴分なら、ルナマリアは姉貴分のような立場にいる。
「シンの背負ったものを私にも背負わせてほしい」と言われるほどに、ルナマリアからは強い愛情を向けられており、
デスティニーとインパルスの合体攻撃も、その演出からプレイヤーに「ダイナミックケーキ入刀→ダイナミックお色直し」と揶揄されたりしている。

かつての上司。
自分も若い部下達を指導する立場になってかつてのアスランの苦労が実感できたようで*1
合流時には「どれだけ苦労したと思ってるんですか」「これからはあなたにもたくさん苦労してもらいますからね」と発言している。
なお、アスランは操の「俺はもう選ばされたんだ!君たちを傷つけて…今さらどう変われるんだ!」という言葉に「変われるさ!何度だって、変わればいいじゃないか!」と諭しており、
上記の通り高山版を経由しているとすると、シンの「今さら何を!俺はもう選んだんだ、この道を!なら、行くしかないじゃないか!!」へのアンサーになる。
おそらく、かつてシンに対して「何度でも選びなおせばいい」と言えなかった事をアスランは後悔していたのだろう。

かつての宿敵。
よっぽど酷い目に遭わされたらしく、キラが援軍として戦場に介入した*2際には「ま、間違いない…あれは!」と慄く発言をしている。
原作の世界線とは違い、同じ部隊に配属される事がなかったのでゆっくり和解する余裕がなかったようだ。
しかしわだかまりもある程度解けているのか、中断メッセージでは「いつまでも花が咲き続ける世界」*3を作り続けることを誓っている。

自身の欲望のために多くの人々を苦しめ、後輩の命を奪った男。
当然シンが許す訳もなく、対峙した際には人一倍激しい怒りをぶつけた。
「許さない…!お前みたいな、戦争を広げるような奴は、絶対に!」

ホウジョウの王である元特攻兵。
戦闘会話では冨野節満載な台詞で立ち向かう姿を見せ、『どこまで同化するつもりだ』とファンから突っ込みを入れられた。
「サコミズ王!自分の行動で誰が死ぬことになるのかちゃんと考えたのかよ!?」

  • 石神邦生
JUDAの社長にして、加藤機関一番隊隊長。
フラグを満たせば、自らの命と引き換えに敵の転送フィールドを破壊しようとした彼を絶叫を上げながら真っ先に止め、生きて自らの意思で運命を掴んでみせろと説いた。
その想いにキラとアスランも同調し、更にそれはUX全体へと広がって行き…かくして彼、石神邦生の死という変えられなかった筈の悲しき運命は、
かつて運命に翻弄され続けて何もかもを失った少年の切実な叫びを発端とする想像不可能な怒濤の大展開により、跡形も無く打ち砕かれる事となった。
おかげでマークデスティニーのパイロットだと思ってたら、マークデスティニーのファクターだったというツッコミも。てかこれもう先輩越えたんじゃね?
「ダメだぁぁぁーッ!」
「あんたって人は!どうしていつもそうやって、ひとりだけわかったつもりでいるんだ!」
「そうじゃないだろう!未来を創るなら、生きろよ!生きて運命を掴んでみせろよ!」
「石神社長!あんたが運命に囚われるなら…そんなもの、俺たちが断ち切ってやる!今日、ここでッ!」


【主な台詞】


「死んだ人はもう帰ってこない…。だから、失わないために戦うんだ!」

「一騎、お前はそこにいるのか!?一発殴ってやるから、出てこい!」

「痛いか?そりゃ痛いよな!今回はその痛みに免じて許してやる。けど、少しは周りに頼ることも覚えろ!俺達は、皆で戦ってるんだからな!」

「一騎、これは命令だ!今ここでマークザインを…お前を失う訳にはいかないんだ!お前には、本当に命をかけて守るべき人達がいるはずだろうッ!」

「行くぞ、デスティニー!この力で…今度こそ俺は、大切なすべてを守ってみせる!一騎、俺達で切り拓くんだ!俺達の運命を…この命が、ある限り!」

「一騎の言葉を思い出せ!残っているはずだ!お前の耳にも、あいつの声が…!」

「信じてたぞ、一騎…!」

「初めから間違ってたんだよ!世界を望む形で定めて動かす方法は!未来を決めるのは、運命じゃないんだから!」




追記・修正はデスティニーガンダムのBGMを「Shangri-La」or「蒼穹」に設定するか、マークザインのBGMを「Life Goes On」に設定してからお願いします。

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最終更新:2024年03月15日 21:07

*1 ファフナー勢を援護する際には「保護者って柄じゃないけど…!」と自嘲している。

*2 ELSに90%侵食されたダブルオーライザーを(おそらくドラグーンフルバーストで)ELSのみをふっ飛ばす離れ業を披露した

*3 恐らくこれは『L』でのキラの台詞「いつまでも花がきれいに咲き続ける世界を作らなくちゃ…」のオマージュと思われる。