金田一少年の事件簿(テレビドラマ)

登録日:2010/06/18 Fri 01:40:07
更新日:2024/01/22 Mon 19:44:47
所要時間:約 17 分で読めます




本項では、『金田一少年の事件簿』を原作にしたテレビドラマシリーズについて述べる。
いずれの作品も日本テレビの制作で放送された。




概要


95年にスペシャルドラマとして第1作『学園七不思議殺人事件』が放送された。
これが好評だったことから、続編として連続ドラマ版が製作決定。本格推理サスペンスを漫画で描くことでヒットした原作を、テレビドラマにすることで相乗的なヒットとなる。

このドラマのヒット、及びその前のドラマ『家なき子』の大ヒットにより、「日テレ土曜ドラマ」はジャニーズアイドルや若手俳優を起用したティーンズ向けドラマといった路線となる。

堂本版の一部を除き明智警視が不在、ミス研の真壁(ワカメ)、友代(ゴム手袋)、佐木(盗撮魔)が準レギュラーとして旅先に同行する事があるなど、原作との相違点や改変が多々ある
これは、1回しか登場しないゲストキャラの役割をなるべく準レギュラーに兼任させる事で、参加する役者の人数を減らしてオファーやスケジュール調整の手間、ギャラなどを減らす為だと思われる。
その為、特に真壁と友代に関しては完全に別キャラと化しており、前者は金田一の親友ポジションとして散々酷い目に遭い、後者に至っては……。

時間帯の問題から原作にあったお色気方面の描写は完全に規制されている。
堂本版の『学園七不思議殺人事件』に登場した桜樹先輩が「実在のAV女優と名前が被っていた」という理由で名前が変えられる*1など、細かな部分まで自主規制の対象になった。

前述のようにゲストキャラが削られたり、放送された季節の都合で真冬の話が夏の話になっていたり、ロケ費用削減のためか物語の舞台が変更されていたり*2、話によっては原作に登場したゲストキャラの性別が変更されていたり*3
挙句の果てには主人公の一やヒロインの美雪がそれぞれほとんど出ない回まであったり……。
映像化する際に多かれ少なかれ改変せざるを得ないのはどのメディア作品にも言える事とはいえ、以上のように原作再現という観点から見るとほとんど別物といっていい程の大幅な変更・アレンジは多数存在する。とはいえ怪人のおどろおどろしさや緊張感を煽る演出及びBGM、実際の映像で再現されるトリックの描写といった原作の魅力はしっかりと描かれており、前述のように劇場化される程の大ヒット作品となった。
特に、次回予告や番組開始前のアバンタイトルにて、メインテーマ『the mysterious mallets』に乗せて映し出される怪人や容赦なく殺されていく被害者の姿が非常に強烈な印象を残しており、連載初期の怪奇性・ホラー性が全編に渡って色濃く出ているのが特徴である。

本作に出演した俳優(主に犯人役)は後年のシリーズでレギュラー、あるいは主演作を多数抱える人気俳優となった人も多く、その意味で一種のお宝映像的価値をなすこともある。特に2代目・5代目の七瀬美雪役は両者とも旧シリーズにゲスト出演の実績がある。
その他、ミュージシャンやスポーツ選手など異業種からのゲストも多い。こちらは大抵被害者役だが。
ちなみに1,3,4シーズンでは主演の所属するユニットの他のメンバーも出演している。

また、当時日テレで放送されていた『スーパーJOCKEY』にて、たけし軍団がこの作品のトリックを再現するというゲーム企画があった。
ちなみにやっていたのは『飛騨からくり屋敷殺人事件』のどんでん返しトリックと、『金田一少年の殺人』のドア渡りトリック。
後に『水曜日のダウンタウン』で、上記2つのトリックに『鬼火島殺人事件』での擬似首つりトリックを加えた3つのトリックを、本当に実行可能なのかどうかを『SASUKE』出演者に実際にやってもらうことで検証した。なお、結果は3件全て成功だった。

なお、連続ドラマ第一シリーズの第1話は『異人館村殺人事件』だが、トリックが他作品と極似していたことが問題となり、現在は欠番となっている。
その為、同エピソードを正規の方法で視聴するにはテレビ放送を録画したものかVHS版の初期に発売されたものを手に入れるしかない。
また『異人館村殺人事件』と劇場版以外はDVD化されているが、実は2017年まで1990年代この放送枠で制作された作品でDVD化されているのはこのドラマのみだった*4
つまり、ジャニーズ系関連の作品はおろか、ジャニーズと関係の無い『家なき子』第一シリーズもVHSと有料配信だけであり、同作よりも前の一般ドラマ作品も1980年代の水谷豊主演作品・『池中玄太80キロ』シリーズを除いて皆駄目。
ちなみに、この枠でDVD化作品が増えるのは、2001年の『明日があるさ』からである。

なお、アニメシリーズは同じ日本テレビ系の読売テレビ制作ということもあり、両者の放送時期が重複する時期には相互で告知放送が行われることもあった。


主な登場人物


演:堂本剛(ドラマ1,2シーズン)、松本潤(3シーズン)、亀梨和也(『吸血鬼伝説』)、山田涼介(『香港九龍財宝』、『獄門塾』、『Neo』)、道枝駿佑(5シーズン)
不動高校二年生。IQ180の天才だが普段はさえない高校生。ちなみに、正確にはドラマ版での名前表記は「金田一はじめ」である。原作でもキンダニだのキンダイチイチだの言われてるし、誤読されるのを避けたのだろうか。

横溝正史の推理小説シリーズの主人公「金田一耕助」の孫。
原作と違い髪は短髪で、特に第2シリーズではカッチリ固められた尖ったもみあげが特徴になっている。

堂本版では初登場時に他校から不動高校へ転校してきており、じっちゃんの形見である自転車で通学している。
考え事をしている時によく首の後ろをかいている。これはじっちゃんのオマージュだと思われる。
初期は剣持警部を「刑事さん」と呼んで敬語を使っていたり(後に原作通りの「おっさん」に変更)、
犯人に対する二人称の使い分けが原作より細かかったり(年下なら「君」、年上なら「あんた」、許せないような悪人や親しかった人間なら「お前」)と、原作に比べると少しだけ礼儀正しくなっている。
原作より頻繁にじっちゃんの名にかけたため、作品を代表する名台詞となった。
また、じっちゃんの名にかける際の無駄にグルグル回るカメラアングルは堂本版金田一のお約束である。
じっちゃんゆずりのマジックができるのは堂本版のみ。ただし披露したのは速水玲香にだけ(雪夜叉伝説殺人事件にて)。

松本版では当時の松潤のキャラに合わせたクールな性格となっているが、毎回話の最初に妄想をしている。そして回を重ねるごとに内容が変になっていった。Mr.オクレ「(五木)ひろしや……」
原作よりもナイーブな性格で、『黒死蝶殺人事件』で少女が殺害されてしまった時には、守りきれなかったと思い詰め塞ぎ混んでいたほど。

亀梨版では陸上部に所属している(ただし幽霊部員)。原作より軟派な性格で、何よりの特徴はじっちゃんを嫌いなこと。

山田版ではSP1弾のみ初めて原作と同じ「後ろで小さく髪を結っている」髪型が再現され(短髪なので本当にちょっぴりだが)他の一と比べて運動神経が良いように描かれている(ただし高所恐怖症なのに逃亡の為にビルからビルに飛び移ったりする)。またおっぱいが大好き、かつ他のドラマ版の一よりも美雪と一線を越えたいという思いが強め(原作の暴走している時に近い)である意味一番原作に近い一と言えるかもしれない。

道枝版では「成績が悪い」「大食い」など原作の設定はそのままだが、現代のコンプラ及び道枝氏の淡麗なルックスもあってかスケベな一面はほぼなく、美雪に素の冗談で「一緒に寝るか!」という美雪の思いに気づかない鈍感な一面がある。また、推理に打ち込むと周りの気遣いも受けなくなる所があり、犯人にそれを指摘されたこともある。山田版とは違い運動神経は悪いようで、投げたサッカーボールが全然違う方向へ飛んでいき、小学生に「ノーコン」と馬鹿にされていた。

演:ともさかりえ(ドラマ1,2シーズン)、鈴木杏(3シーズン)、上野樹里(『吸血鬼伝説』)、川口春奈(『香港九龍財宝』、『獄門塾』、『Neo』)、上白石萌歌(5シーズン)
一の幼馴染。ヒロインらしくほぼ全ての事件で登場しているが、一部事件では同行してない。
堂本版、松本版では金田一とは子供の時以来久々の再会であり『学園七不思議殺人事件』でのみ『金田一君』呼びだった。
第2シリーズの『異人館ホテル殺人事件』では一が最序盤で急病になってしまったため、美雪が推理を繰り広げ犯人を追い詰めた。
ただし最後の赤い部屋の大ネタを解明できず、復帰した一に美味しいとこ取りされたが。
また、サングラスをかけたまま日焼けしてしまい顔が大変なことになるなど、原作に比べて体を張ったギャグ描写が多い。

松本版の美雪は、子供っぽい言動が多く一への好意はあまり隠しておらず、度々一と良い仲になろうと画策していた。
だがそれが裏目に出る事もあり、『速水玲香誘拐殺人事件』ではある行動をとった事で一に厳しく当たられてしまう。
松本版のみ優等生の描写はない。

亀梨版の美雪は、原作とは違い陸上部に所属。原作よりも一にキツくあたる。

山田版の美雪は基本設定は原作とほぼ同じだが、やや勝ち気な性格となっている。

道枝版は基本原作通りだが、金田一のスケベさが削られ鈍感なイケメン度が増したからか、原作よりもムキになることが多い。また、『はじめちゃんの役に立ちたい』と健気なヒロインさが強調されてる。
ちなみに中の人は、本作以前にも別のドラマで「みゆき」役を演じていたことがある。

なお、原作でのムチムチナイスバディとは対照的にドラマ版ではほぼスレンダー体系の女優さんが演じているのは言わないお約束である

演:古尾谷雅人(ドラマ1,2シーズン)、内藤剛志(3シーズン)、加藤雅也(『吸血鬼伝説』)、山口智充(『Neo』)、沢村一樹(5シーズン)
警視庁捜査一課の警部。
熱血で泥臭い印象である原作と違ってスマートな雰囲気の非常に紳士的な人物になっており、一を「はじめ(初期は「金田一君」)」と呼ぶ点が原作と大きく異なる(原作での呼び方は一貫して「金田一」なのだが、ドラマ版では「はじめ」で定着している)。
蝋人形城殺人事件』での三億円事件との因縁、『金田一少年の殺人』での一を撃つ役など、明智警視の設定や役回りの大部分を代わりに担ったため、やたらカッコいい
本庁警部となる前は、宮城県警管轄の村で駐在勤務をしていた。

松本版の剣持は、容姿や性格等は原作とほぼ同じだが、最近まで独身だった。
また、明智{の役を担っているため、近宮玲子は古い友人となっている。最初は原作通り一を「金田一」と呼んでいたが、途中から「はじめ」と呼ぶようになる。
美雪曰く「世代を超えた友情」

亀梨版の剣持は扇子を愛用している。キャラとしては原作版『オペラ座館』の時の剣持に近い。このシリーズのみ一を「はじめ」と呼ばない。

『Neo』(山田版)は演者も相まって原作に近いコメディリリーフも担当しているが、歴代と同じく明智警視の役割を兼任しており『金田一少年の決死行』で刺されて瀕死になる役だった。

道枝版は堂本版に近い紳士的な人物として描写されており金田一達にも初対面から好意的であり、『聖恋島殺人事件』からは歴代通り『はじめ』呼びになった。
やはり今回も明智警視の役割を兼任しており、堂本版同様『金田一少年の殺人』で一を撃つ役割を担った。

ドラマ版オリジナルキャラクターの部下を連れていることが多く、原作の剣持や他の刑事の役割を担っている事もある。
(1,2シーズンは向井猛夫、3シーズンはワラガイ、『Neo』では畠山高徳という部下が準レギュラーとして登場している)

演: 原知宏(ドラマ1.2シーズン)、長谷川純(3シーズン)、有岡大貴(『香港九龍財宝』、『獄門塾』、『Neo』※竜二名義)、岩﨑大昇(5シーズン)
不動高校一年生で一の後輩。常にビデオを回しているビデオオタク。
美雪と並ぶ一の相棒であり、彼のビデオには事件の重大なヒントが隠されている。
1.2シーズンではクールな性格になっている。原作では関わらなかった事件にも登場することがあるが、他のシリーズと比べ一達と行動する機会は少なめ。

3シーズンでは美雪と同級生という設定に変更された。ただし一に対しては原作通り先輩と呼んでいる。『露西亜人形殺人事件』では犬飼高志の役を兼任した。

『Neo』(山田版)では初めて「竜二」名義での出演となった(『香港九龍財宝殺人事件』に瀬川龍太という人物が登場しており、名前を被る事を避けた為)。ただし不動高校の生徒であるなど兄の設定も組み込まれている。
こちらでも原作通り兄の「竜太」がいる可能性は高い。
性格面は良くも悪くも太太しい原作と違い、気弱で怖がっているシーンも多い。『獄門塾殺人事件』では式部清子(原作版)の立場で出演している。

道枝版では再び竜太名義で出演。容姿も原作に一番近くなっている。ハンディカメラがスマホ&自撮り棒に変更され『学園七不思議殺人事件』では鷹島友代が登場しない代わりに真壁のゴーストライターをやっていた設定が追加された。
一への心酔度&幼馴染二人の関係への気ぶり度が増しており今まで以上に舎弟感が強い。

……原作読者はこれでお察しかもしれないが、ある意味では真壁や鷹島以上に原作と異なっているキャラクターである。

その他、一と同じく歴代の演者が全員ジャニーズ事務所所属である。

演:佐野瑞樹(ドラマ1,2シーズン)、浅利陽介(『Neo』)、細田佳央太(5シーズン)
原作とドラマで別人になっている人その1。
一の同級生で腐れ縁の友人(原作では先輩だが設定が変更されている)。
原作の真壁の面影はほとんど無く、眼鏡(本人曰く「インテリっぽく見えるから」という理由の伊達眼鏡)をかけた優等生になっているなど、同じ名前の別人と考えても差し支えないレベル
様々な事件のゲストキャラの役割を兼任しているが、脚本家にとって動かしやすいキャラクターだったのか、
怪盗紳士の殺人』で和泉さくらに片思いしていたり、
『墓場島殺人事件』で緊張状態に耐えきれず暴走してトラップで大怪我を負ったりと、役割兼任と関係ない部分で見せ場が用意されていたりもする。
更に『怪盗紳士の殺人』では、なぜかオリジナルキャラの弟・実まで登場した。

余談だが、真壁を演じた佐野瑞樹は堂本と同じジャニーズ事務所所属で、その後は「最年長の『ジャニーズJr』」として一部で有名となっていた*5

『Neo』では原作通り先輩という設定だが、嫌味な部分がない少々のほほんとした好青年になっている。また、オカルト好きと言う設定が追加されポアロも彼が飼っている。
薔薇十字館殺人事件』では原作における白樹紅音のポジションとして登場し、容疑者の一人かつ高遠の兄弟候補となっている。
役は18歳だが役者は27歳。

道枝版は原作以上に粗暴で嫌な奴という描写だが、堂本版と同じく一とは同級生。他のシリーズと違いレギュラーではなくゲストキャラになっている。

  • 鷹島友代
演:三浦理恵子
原作とドラマで別人になっている人その2。
一の同級生。『学園七不思議殺人事件』がきっかけで真壁との力関係が逆転しており、彼をこき使っている*6
『学園七不思議殺人事件』では原作をイメージした根暗そうな外見だったが、真壁との力関係が逆転してからは原作と似ても似つかない勝気で高飛車だが世話焼きな女の子になっている
美雪の親友ポジションで頻繁に登場し、ゲストキャラの役割を兼任する形で事件に関わってもいるが、よりによって『オペラ座館殺人事件』の早乙女涼子と『墓場島殺人事件』の森下麗美の役割を兼任させられた為、『金田一少年』史上もっともカオスな設定のキャラクターとなってしまった。
小説書いたり恨み買ったりしている暇があるなら復讐計画もっと練っときなよ……。
演者は後にアニメ版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』でアニオリキャラである小野小町役を、『R.O.D』で読子・リードマン役を担当した。

演:池内万作
『雪夜叉伝説殺人事件』にて満を持して登場する。ロス市警ではなくFBIに出向していた。
……が、原作の明智から華麗さを引いて嫌味さを10倍したようなキャラクターになってしまい、まるで人気が出なかった
一応、美形キャラが確立される前(初登場時)の「嫌味なインテリ男」の雰囲気は良く出ていたが……。
『金田一少年の殺人』で長島滋の代役として出た事で推理力も原作より劣る事となり、頭から一を犯人だと決めつけ、解決編まで一の言い分を全く聞こうとしなかった。
この事件では、前述通り剣持に見せ場を奪われたばかりか推理シーンの始まりで部下たちに一を逮捕させようとして、
一に「待てっつってんだろ!」と一喝までされた(一応、ラストで犯人の願いを叶えるために一たちに協力するシーンはほぼ原作のまま残されていたが)。
ちなみに、設定上は一たちと年の差が10歳あるが、役者の年齢は真壁役の佐野及び友代役の三浦と1歳しか違わなかった……(ついでに言えばこの年にデビューしたての新人でもあった)
老け顔?いやいや、21歳~24歳まで高校生役やってた2人が若作……おや、誰かが来たようだ
ちなみに演者の父はホラー映画や「○○の女」シリーズを手掛けた映画監督兼日本初のエッセイスト兼マルチタレントの伊丹十三、母は伊丹映画の主演でおなじみ女優の宮本信子、叔母の夫はノーベル文学賞作家というある意味原作の明智より凄い家系。

この明智が不評で原作読者から苦情を寄せられた為か、キャラクターがテレビドラマ的に扱いづらいせいか、後のシリーズには明智は登場せず、そのポジションは剣持や李白龍が代わりに担っている。

演: 藤井尚之(第3シリーズ) 成宮寛貴(『Neo』)
通称『地獄の傀儡師』を名乗る連続殺人犯かつ犯罪プロデューサー。
堂本版では原作にまだ未登場だったので登場しなかったが、松本版ドラマ単発スペシャルで初登場し、8話、9話にも登場。最初は根暗な雰囲気だったが8話9話で再登場した際は茶髪にサングラスで猟奇的な雰囲気になっている。
『Neo』では初のSP『香港九龍財宝殺人事件』から犯罪プロデューサーとして登場、金田一に初めて謎を解かれライバルとして認め、以降『獄門塾』『決死行』『薔薇十字館』に登場している。一人称は一貫して「僕」で、原作とは違い一に敬語を使わない。成宮氏の柔らかさを纏う演技力から原作よりも愉快犯かつドライさが目立つキャラクターになっている。

なお、『Neo』での高遠と真壁の演者は『相棒』にレギュラー出演していたが、レギュラーだった時期は異なっている。

各シリーズごとの概要



初代

95年春に単発スペシャルとして「学園七不思議殺人事件」が放送され、同年の夏から土曜9時枠の連続ドラマとして放送された。
年末にはスペシャル「雪夜叉伝説殺人事件」が放送され、更に特別版も2本制作された。
さらに翌年の夏にも第2シリーズが放送され、次の年には映画「上海魚人伝説殺人事件」が公開された。

本作はグロ方面の規制には挑んでいるようなところがあり、『首無し村殺人事件』の一と美雪の生首や『墓場島殺人事件』の手榴弾爆発跡などは現在なら放送不可能なレベル
古い作品なので流石にDVD等の高画質で見ると生首などの作りは安っぽく見えてしまう部分もあるが、子供の頃にアナログ放送の粗めの画質でこれらを見てトラウマとなった人は多いだろう。
これらの演出を手掛け、ドラマの基礎を作ったのはのちに「TRICK」で人気を博す堤幸彦氏。
その「TRICK」では本ドラマのセリフ回しやぐるぐるのカメラワークなど、本作のセルフパロディといえる演出も登場する。

「雪夜叉伝説殺人事件」のエンディングでは、次番組である『銀狼怪奇ファイル』の不破耕助と銀狼が登場した。一と耕助は友人だったようだ。
「異人館ホテル殺人事件」では、耕助からの紹介という形で『銀狼』メンバーが一に調査を依頼し、美雪の推理に協力した。

歴代シリーズで同一キャストで2シーズン、そして劇場版まで制作されたのは堂本版が唯一である。今なお金田一一=堂本剛という印象が強く、『33分探偵』などでパロディされている。

また、2022年5月1日には五代目の枠に、放送予定の新作を延期して本シリーズの再放送が行われた*7。この再放送では新撮企画として、堂本と五代目金田一役の道枝がリモートで対談する企画が放送された。


放映リスト


第1シーズン



第2シーズン


特別編


劇場版



二代目

01年にはの松本潤主演で第3シリーズが放送。(美雪は鈴木杏、剣持は内藤剛志)
前番組の『愛犬ロシナンテの災難』(堂本剛主演)の後枠で剛が松本を「新金田一」と紹介する一コマがあった。
魔術列車殺人事件」から始まり「露西亜人形殺人事件」までだったので、高遠遙一(藤井尚之)がドラマ初登場したが、後述の理由からか「速水玲香誘拐殺人事件」には登場しなかった。
ふかわりょうが剣持の部下のオリジナルキャラとしてレギュラー出演していた。
原作では2作品で犯人死亡エンドを扱っていたが、これらのエピソードはいずれも犯人生存エンドの結末に変更されており、高遠が「速水玲香誘拐殺人事件」に登場しなかったのはその為だと思われる。
また、準レギュラーのいつき陽介が登場するエピソードも2作品扱っているが、堂本版とは違っていつきは登場していない。
雰囲気は堂本版よりもむしろ古谷一行氏の金田一耕助シリーズに近い。また、学校での事件が映像化されておらず、最終回の下校シーンまで制服姿はお預け。
このシリーズから容疑者の名前と職業がテロップで紹介されるようになる。

放映リスト


第3シーズン



三代目

05年にはKAT-TUNの亀梨和也主演でスペシャルドラマ「吸血鬼伝説殺人事件」が放送。(美雪は上野樹里、剣持は加藤雅也)
じっちゃん嫌いの一像などが受けなかったのか、原作ストックの問題か、視聴率は高かったものの連ドラ化には至らず長らくソフト化もされていない幻の作品となっていたが、五代目放送に伴う2022年にブルーレイ&DVDで発売されることとなった。

なお、亀梨氏…というかKAT-TUNはアニメ『金田一少年の事件簿R』第2シリーズのOP第2弾、『TRAGEDY』を歌っている。
ある意味亀梨和也R

放映リスト



四代目

13年1月にHey! Say! JUMPの山田涼介主演で日本テレビ開局60周年記念番組として「香港九龍財宝殺人事件」が放送。(美雪は川口春奈、佐木は有岡大貴)
1年後の14年1月には「獄門塾殺人事件」もスペシャルドラマ化された(高遠役は成宮寛貴)。この2本の脚本は原作者である天樹征丸が担当。
全体的に原点回帰が強く意識されており、雰囲気は堂本版にかなり近く、評判は上々。
劇中のBGMも堂本版のものをそのまま、またはアレンジして使っており、不動高校の制服のデザインも堂本版を忠実に再現している。
というか「香港九龍財宝殺人事件」で山田が着ている制服は堂本が当時着ていたもの(お下がり)である。
シリーズでは初めて一のちょんまげ頭が再現されており(香港九龍財宝殺人事件のみ)、佐木が竜二名義で初出演している。
そして2014年7月19日に「金田一少年の事件簿Neo」のタイトルで連ドラ復活を果たした。
キャッチコピーは「今年の夏は、事件が多い。」そんな夏は嫌だ。脚本は後に『仮面ライダーエグゼイド』で有名となる高橋悠也が全話執筆している。
剣持警部役は山口智充、真壁役は浅利陽介。連ドラではおなじみの剣持の部下役は元水泳北京五輪銅メダリストの宮下純一。
事件解決の手掛かりとなる言動や物品等が登場した際には、「How done it?」や「What done it?」といった文字と枠が表示される演出がある。

放映リスト


第4シーズン(Neo)


特別編



五代目

22年春になにわ男子の道枝駿佑主演で放送開始(美雪は上白石萌歌、剣持は沢村一樹、佐木は岩﨑大昇)。
4代目放送時には連載中だった「リターンズ」シリーズがドラマ化されたほか、過去に放送された作品も新たにリメイクされている。

また、これに伴い「春の金田一祭り」として四代目・Neoからシリーズを遡る形でセレクション方式での再放送が実施。また、段階を追って歴代作品のTVer無料配信及びhulu有料配信がスタート。
さらに放送期間中には初代から三代目までの作品のブルーレイBOX及びDVDの発売が決定。
これにより前述の通り封印作品となった「異人館村」以外の全作品の視聴が容易に可能となった。
ゲストとはいえ、いつき陽介(渡辺大)が堂本版以来の登場となった。

本シリーズではドラマ化された原作漫画の書影イラストを実写で再現する企画が行われている。
また、歴代『金田一』で使われていた小道具がさりげなく登場している等、オールドファンなら思わずニヤリとする小ネタも盛り込まれている。

なお、単発のスペシャルドラマが製作されず、最初から連ドラとしてスタートしたのはこのシリーズが初となる。
また、これまでの連ドラシリーズでは小説版やCDブックなど、漫画以外のエピソードも最低1回は映像化していたが、今回は全て漫画からのチョイスとなった。
その代わり、シリーズで初めて原作が短編シリーズのエピソードがドラマ化している。

堂本版以来犯人死亡エンドが扱われる。ただし、1作品だけ原作では死亡エンドだったのが生存エンドに変更されている。


放映リスト


この項目、俺が必ず追記修正してみせる。名探偵と呼ばれた、じっちゃんの名に賭けて!

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最終更新:2024年01月22日 19:44

*1 道枝版では変更されていない。

*2 函館市→横浜市、香港→川崎市など。

*3 アニメ版ではほとんど無かった。

*4 その後『ぼくらの勇気未満都市』も加わった。

*5 例外もあるが、「ユニットやグループに未所属でCDデビューもしていないタレントは全員年齢に関わらず『ジャニーズJr』」という事務所内ルールがある為、彼も事務所を退所するまでは「Jr」として扱われていた。

*6 ちなみに、「真壁と友代の関係が逆転した」という設定自体は公式ガイドブックに掲載された『学園七不思議殺人事件』の後日談にも記述があり、原作では真壁と友代の再登場の際に没になったと思われる。

*7 直近で発生した知床半島の観光船沈没事故を想起させるシーンがあったため。