カプコンファイティングジャム

登録日:2011/05/28 Sat 22:25:09
更新日:2023/10/24 Tue 13:32:21
所要時間:約 5 分で読めます




『カプコンファイティングジャム』は、2004年にカプコンが開発・発売したアーケード・PS2用2D格闘ゲーム
略称は「CFJ」「カプジャム」

カプコンの2D格闘ゲームのキャラクターが戦うドリームマッチになっている。
参戦作品は『ストリートファイターⅡ』『ストリートファイターZERO』『ストリートファイターⅢ』『ヴァンパイア』『ウォーザード』。

そして2002年に発表されるも翌年に発売中止となった幻のタイトル『カプコンファイティングオールスターズ』に登場する筈だった少女・イングリッドが登場した事で話題を呼んだ作品でもある。



登場キャラクター

  • オリジナルキャラクター
イングリッド(CV:城雅子)

超・萌ゑる。
銀髪のストレートロングに金色の髪飾りを着け、薄紫色の制服を着て黒タイツを履いているその姿は反則的。
スリーサイズはB78・W54・H80と一見平凡に見えるが、彼女は152cmの39kgとちっこいので、
そこから考慮すると、かなりの巨乳。所謂トランジスタグラマーちゃんである。
(スリーサイズ、および身長体重はZERO3↑↑オープニングデモ内の数値から)

その可愛らしい見た目には似つかわしくない、のじゃ系の口調もまた非常に素晴らしい。カプコンらしからぬ萌えキャラクターである。ちなみにこの口調は『カプコンファイティングオールスターズ』時から設定されていたもの。
勝利メッセージや掛け合い台詞などからは、実年齢も相応に高いであろうことが窺える。
「コードホルダー」(神なる力を持つ者)のひとりで、左右にその紋章の髪留めを付けている。

出演予定のゲームが開発中止になる憂き目に会うも、プライズなどでの出演を経て躍り出る壮絶な生き様まで備えている。
あまりにも人気が高いために『ZERO3↑↑』や『鬼武者Soul』、『PROJECT X ZONE 2』にも参戦できている。

その他、『タツノコ VS.CAPCOM UAS』でも参戦候補の一人になっていた。
イーカプコン限定特典の小冊子「カプコンシークレットファイル Vol.27」には画面写真と「ミステリアスな美少女」「ヘンな言葉使いの美少女」といったフレーズが掲載。
後に電撃オンラインの開発者インタビューでもポリゴンモデルのテストタイプについて触れられている。

後述の『シャドルー格闘家研究所』によると長命で生まれながらの「ナチュラルコードホルダー」らしい。
同ページでは上位互換だが小さい胸がコンプレックスの「暗黒イングリッド」も初公開された。


  • ストリートファイターⅡ


  • ストリートファイターZERO
ローズ・ガイ・さくらかりん


  • ストリートファイターⅢ
アレックス春麗ユン・ユリアン


  • ヴァンパイア
デミトリ・アナカリス・フェリシア・ジェダ


  • ウォーザード
レオ・ムクロ・ハウザー・ヌール


  • ボスキャラクター
パイロン(ラストボス/システムはヴァンパイア)
神人豪鬼(裏ボス/システムはストリートファイターⅡ+その他ゴチャ混ぜ)

この2名は家庭用にて隠しキャラクターとして使用可能。



見ての通り、独特なキャラクター選出が見られる。
ケンサガットモリガンなどの常連キャラクターは未登場。
これらは波動昇竜だからいてもしょうがないという意見もあるが……

それにしたって、『ウォーザード』が主人公のタバサとタオ、中ボスのブレイドをスルーしていて、なぜかヌールとハウザーが参戦。
タバサは『ポケットファイター』や『SVC』に出てるからまだしも、タオはコラボゲーで完全にスルーされてしまっており、外部出演は『ポケットファイター』でのタバサの盾程度のものになってしまっている。
『III』にいたっては春麗がいる始末。

しかし、デミトリやレオ、アレックスなどは影の薄い主人公キャラクターの貴重な外部出演である。
それどころか『ウォーザード』は作品単位で貴重な外部出演だった。

だが、各作品から4人というのはさすがに物足りない。せめて5人だったらもう少し豊かだっただろが。
MVCシリーズ』の様なバラエティ性のある採用はされず、『MVCシリーズ』に登場したストライダー飛竜、キャプテンコマンドー、『ロックマン』シリーズのロックマン、ロールちゃん、『サイバーボッツ』のジン・サオトメ(本来はパイロットだが)、『スターグラディエイター』シリーズの神崎ハヤト、『ロックマンDASH』のトロン・ボーン、『バイオハザード』のジル・バレンタイン、『CVS2』に登場した『ジャスティス学園』シリーズの鑑恭介はドット絵やパターンが存在し、流用が出来たのに未登場。
また、当初は『元祖ストリートファイター』からサガット、烈、イーグルの参戦も検討されていたがお流れになってしまった。
仮にこれらのキャラクター達が参戦していたら本作の株は上がっていた事は想像に難くない。
というか、『MVC2』が56人のキャラを出し、うちCAPCOMキャラが28人いることを考えると負けてる。
その他、『マッスルボマー』シリーズからの参戦も一切なかったが、ボマーシリーズに関してはキャラクターデザインに原哲夫氏を起用していた都合上、権利関係で難しかったと思われる。

なお、神人豪鬼は『CVS2』でルガールに暗黒パワーを注がれた存在なのだが、そのルガールがいないのでなぜいるのかよくわからないことに。
「普通の豪鬼を出せば良かったのでは?」という指摘もある。

ちなみに各キャラにエンディングは存在するが、全員共通のBGMと共にマンガチックな一枚絵が降りてくる……終わり。
意味は分かるものの台詞一つないあからさまな手抜きで哀愁を誘う。
更にハガーやガロンなど、多数のキャラクターが登場しているのもまた悲しい。
パイロンのエンディングはケンを筆頭に、タオ、ダルシム、ナッシュ、ショーン、ダッドリー、レイレイ、オルバス、ビクトル、バレッタといった本作に参戦できなかったキャラクター達が君臨するパイロンに挑んでいるもので、自虐にすら思える。

「格ゲー冬の時代」の「カプコン久々の格ゲー」に「キャラの少なさ」と「後述する微妙な出来」(遺産や人員少なそう、もしくは手抜き感)で格ゲーマー達はガックリし、
もうカプコンは格ゲーを本気で作る・売るつもりはないんだなと痛感した。

システム


このゲームでは、各キャラクターの出演タイトル毎にシステムが固定されている。
そのため、「ZEROのシステムでリュウを使う」とか「Ⅱのシステムで春麗を使う」などが出来ないのが残念なところで、自由度が低い。

  • ストリートファイターⅡ
●パワーゲージは1本だが、スーパーコンボの威力はLV3相当で高い。
●飛び道具以外の技は空中ガード不能。
●時間差起き上がりが出来る事以外にサブシステムは存在しない。シンプルイズベスト。
●その代わり単発火力がかなり高い。体力差があれば相討ち覚悟で立ち回るのも一つの手。


  • ストリートファイターZERO
●パワーゲージは1本。半分消費でLV1スーパーコンボ・全部消費でLV2スーパーコンボになる。オリジナルコンボも使用可能。
 『X-ISM』と『Z-ISM』を混合させた様なゲージ周りだが、スーパーコンボの性能はまちまち。
●ゼロカウンター・空中ガード・受け身が使える。


  • ストリートファイターⅢ
●パワーゲージは2本。スーパーアーツの選択はないが、どのキャラクターも2~3個は持っている。
●ブロッキング・EX必殺技・ターゲットコンボ・スーパーキャンセル・クイックスタンディング・リープアタックとシステムが豊富。
 しかしブロッキングはいまいち頼れない性能。


  • ヴァンパイア
●パワーゲージは3本。
●移動起き上がり・ダウン追撃・空中ガード・チェーンコンボ・ガードキャンセル・ダッシュが使える。
 単発火力の低さを補えるチェーンコンボでの基礎火力の高さと、鉄壁のガード関連の仕様によって最強のシステムとされている。


  • ウォーザード
●パワーゲージは2本。
 ゲージ1本でレベルアップして性能アップ・スーパーコンボ増加。最大レベル6まで。
●移動起き上がり・アルティメットガード・ダウン追撃・ハイジャンプが使える。
●性質上、ラウンド数がキャラクターランクに大きく関わる。


  • イングリッド
●曰く、「ワシだけのムネキュンでドキワクなシステムじゃ」
●パワーゲージは1本で3段階に分かれており、イングリッドは1段階消費・2段階消費・3段階消費のスーパーコンボを持っている。
 元ネタは開発中止になった『CFAS』の「プログレススーパーアーツシステム」。
●移動起き上がり・ガードキャンセル移動・回り込み・ダッシュ・空中ガード・大ジャンプが使える。
●イングリッド自体の性能がアレなのに火力に欠けるシステムのため、システムの中では最弱。

  • 神人豪鬼
●システムのベースこそ「ストリートファイターⅡ」だが、それに加えて一人だけ『CVS2』由来のシステムを併せ持っている。
●空中ガード不能攻撃と時間差起き上がりに加え、ダッシュ・ハイジャンプ・小ジャンプ・空中ガード・ブロッキング・チェーンコンボ・スーパーキャンセル・回り込みが使用可能。
●スーパーコンボも5種類使用可能。


また、「スイッチタッグシステム」を採用している。
2人のキャラクターを選択し、ラウンド開始時にキャラクターをどちらか選択し、選択したキャラクター同士で戦う事になっている。
システム的には『ジャスティス学園』の交代とほぼ同様。
1VS1のゲームになるが、故に読み合いはゲーム前から始まっているとも言える。
しかし体力ゲージは全回復した状態になるため、いまひとつ戦略的に機能していない面も。

それ故かキャラクター間のバランスはいいとは言えず、特定のキャラクター間によっては詰みに近い戦いになる事もある。
イングリッドのシステムが際立って弱く、基礎火力の高いヴァンパイアのシステムが最強。
なのでシステムと性能に恵まれたジェダが最強キャラクターで、かりん・ユリアン・アナカリスが続く。
折角登場したイングリッドは悲しい事に下位キャラクターである。



ミッドナイトブリス


デミトリは相手を女体化させるこの技のせいか、長らくクロスオーバー作品には出演出来ていなかった。
しかしカプコンキャラクターのみしか登場していない本作ではこれが問題なく十分に使える様になっている。
詳細は項目を参照。

アレックスやユンのは中々評価が高かったり、ヌールは『くじびきアンバランス』の会長っぽく、ローズは『ジョジョの奇妙な冒険』のリサリサそのものになっている。
特に神人豪鬼のメイド姿は「メイド」と「冥土」をかけたのか非常に可愛らしく、他にも多数がフィギュア化もされている。



余談


●本作のエンディングは、マンガチックな一枚絵が上から降りて来る物となっている。
 ギルと戦うベガ、ジェダの所を訪れたダンテなどサービス精神は旺盛。
 ちなみにダンテの格闘ゲーム参戦は『MVC3』までお預けとなっている。

●『カプコンファイティングオールスターズ』に登場予定の新キャラクターのD.D.とルークは行方が知れずのままだった。
 しかし2014年1月、『オトレンジャー』に「CODE HOLDER」と言うチームでイングリッドと共におよそ11年ぶりの参戦。
 今となっては「誰?」「イングリッドのオマケ」程度の扱いであるが、あのまま見捨てられなかっただけよしとしておこう。

 そして2016年8月になり、カプコン公式サイトの『シャドルー格闘家研究所』にて「キャラ図鑑番外編」としてコードホルダー3人組も紹介。
 プロフィールや経歴、使用技の詳細が明かされた他、D.D.の本名が「DAISUKE DEJIMA」(出島大介)と判明。日本人だったのか!
 また、「お宝資料館番外編」では『CFAS』が2回に分けて紹介され、これまで未公開だった資料も初公開されている。
 ある箇所をクリックするとナチュラルコードホルダーのデス(アヴェル)も見られる。

●上述の通り参戦が検討されていた『元祖ストリートファイター』のサガット、イーグル、烈は、カプコン公式サイトの『シャドルー格闘家研究所』のブログによれば、イーグルはカプエス2からドットを流用し、サガット(傷無し)と烈は新たにドットを書き起こす形で参戦が検討されていた。
 しかし、仮に参戦していたら現状よりも更にストリートファイター製の偏りが増していたため、非参戦は致し方がないと言える。

●『スターグラディエイター』シリーズや『ジャスティス学園』シリーズといった3D格闘ゲームのキャラ達が参戦出来なかったのは、新しくドットやパターンを用意する手間が掛かる為であったとも言える。


●家庭用はPS2とXboxに出ており、追加要素としてパイロンと神人豪鬼が使用可能。
 しかしそれだけの移植なのであっという間にワゴン送り。


●『ストリートファイターⅢ 3rd』のPS2移植に貢献している。
 これは本作はPS2と互換する基盤で作られており、不可能だと思われていた『ストⅢ』キャラクターの移植が可能だと言う事が判明したため。


追記・修正はザンギエフのブリス姿が可愛いと思う人のみお願い致します。

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最終更新:2023年10月24日 13:32