百式(MS)

登録日:2009/06/01(月) 12:30:26
更新日:2024/04/24 Wed 15:43:12NEW!
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100 HGUC_005 MS Z計画 Ζガンダム あぶない刑事 あぶ刑事コンビ そんなモビルスーツ ぬふぅの被害者 アナハイム・エレクトロニクス社 エゥーゴ ガンダム ガンダムZZ ガンダムチーム ガンダム・チーム クワトロ・バジーナ グラサン ゲームでは優遇 ザンダクロス シャア・アズナブル ジュドー・アーシタ デミガンダム デルタガンダム デルタ一族 バリエーション豊富 ビーチャ・オーレグ ピーキー プラモはだいたい黄土色 モンド・アガケ ロマン 不遇 柴田恭兵 機動戦士Ζガンダム 機動戦士ガンダムΖΖ 永野護 理不尽 百式 百式正宗 目立ち過ぎる機体 紙装甲 赤い彗星 赤い彗星だけど金色 赤金赤 達磨 金ぴか 金ピカ 金メッキ 非可変MS 黒目




まだだ、まだ終わらんよ!



百式(ひゃくしき)とは『機動戦士Ζガンダム』や『機動戦士ガンダムΖΖ』などに登場するモビルスーツ(MS)。
シリーズを通して数多く存在するMSの中でも、全身の装甲が金色というインパクト抜群のビジュアルから高い知名度を誇る機体となっている。




機体緒元


型式番号:MSN-00100(MSN-001)
建造:アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態:試作機
所属:エゥーゴ
全高:18.5m
機体重量:31.5t
全備重量:54.5t
出力:1,850kW
推力:18,700kg×4
装甲材質:ガンダリウム合金
センサー有効半径:11,200m

武装:
60mmバルカン砲×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
クレイバズーカ
メガ・バズーカ・ランチャー

搭乗者:
★1号機
クワトロ・バジーナ
★2号機
ビーチャ・オーレグ
モンド・アガケ
ジュドー・アーシタ


機体概要


宇宙世紀0087年にエゥーゴとアナハイムが共同で推し進めたMS開発計画「Ζ計画」の一環として生み出された機体。
アナハイム(AEアンマン工場)製であり、開発コードは「δ(デルタ)ガンダム」。
正式にはガンダムタイプではないが可変MS・デルタガンダムの開発から派生して生み出された機体であり、所謂デミガンダム的な存在。


当初の計画ではM・ナガノ博士により開発コードの名を冠した可変MS「デルタガンダム」として設計されたが、変形に伴うフレームの必要強度が不足しているという致命的な欠陥が発覚。
この欠陥は構造的なものであり、可変機能を維持したうえでのフレームの補強は機体全体の再設計を要し早期の解決は見込めない状態となってしまった。
このため結局デルタガンダムの製造は断念され、非変形型に再設計された試作一号機が「百式」と名付けられロールアウトし、この時点でデルタガンダムの開発計画は中断することになる。
なお、このフレーム強度問題はあくまでも全体に多大な負荷が発生する「可変MS」としての欠陥であり、再設計後シンプルな「非可変MS」へ生まれ変わった百式にMSとしての欠陥は無い。
作中でも、MK-Ⅱを「肩車」するシーンが有ったがフレームの不調などは発生しなかった。


ちなみに「百式」という名は開発者のM・ナガノ博士が「百年経っても戦える機体になって欲しい」という願いを込めて非可変型に再設計された際に「δガンダム」から改名された物。*1
しかし後のシリーズを見る限りでは、進歩著しいMS業界においてはさすがに無茶な願いであったと言わざるを得ない。実際クワトロ機は1年も持たな(ry
そもそもグリプス戦役の時点で百式より性能の高いMSなどゴロゴロいたし、シロッコ「そんなモビルスーツでこのジ・Oと対等に戦えると思っているのか!シャア!」とか言われてるし。
第二次ネオ・ジオン抗争時に至っては、本機の性能は当時のロンド・ベルの主力量産機であったジェガンにすら劣っているが、アムロ「決して悪い機体では無い」と欲しがっていた。
仮にアムロが百式に乗って目の前に現れたら、シャアの胸中にはどのような思いが去来するのだろうか…

また、クワトロ(=シャア・アズナブル)専用機唯一のガンダムタイプMSという主張がされる場合も有る。
ただしあくまでδガンダムとしての名も姿も失った後なのでノーカンと解釈するファンも少なくないが。
……とはいえ後に正式にδガンダムが設定された際には見た目が百式そっくりであったため、「名」はともかく「姿」に関してはガンダムタイプの範疇と見て良さそうである。

ちなみにTV版ではリック・ディアスを失ったクワトロが一時的にガンダムMk-IIに搭乗した事はあったが、これはあくまでも「一時的」であり、百式がロールアウトした後はすぐに乗り換えている。
劇場版ではリック・ディアスからすぐに百式に乗り換えている。


性能


本機はティターンズから強奪されたガンダムMk-Ⅱのデータを元に、リック・ディアスの物より更に完成度を高めた「ムーバブルフレーム」を導入している。
『Ζ』本編の視聴者からすると「Mk-Ⅱ強奪からロールアウトまで早すぎない?」と思われるかもしれないが、劇中描写が少ないだけで間に2か月程経っている*2

12基の姿勢制御バーニアやバックパックのバインダー(任意で切り離し可能)によるAMBACの向上により高い運動性を誇る。
敵の攻撃やビームは機体の機動性で回避するというスタンスを取っている故かシールド装備しておらず、脚部に至ってはフレームを剥き出しにする「ネイキッドスタイル」を採用し軽量化を行っている。
とはいえ劇場版では、ハイザックのシールドや艦艇の装甲板らしきものを鹵獲して使用していた。
赤い彗星といえども、流石に時と場合によっては盾が無いのは不安になるのだろう。*3

またビームが直撃した時の保険なのか、機体の至る所に対ビームコーティング仕様エマルジョン塗装がなされており、百式が持つド派手な金色の装甲はこの塗装によるもの*4
これは一種のプラスチック皮膜を利用したものとされ、一説には資源衛星で偶然発見された特殊材料を調合し生成された皮膜材が用いられていると言う。
つまり別段見る者の目を引くためとかそういう目的ではなかったのだが、当然こんなカラーリングでは戦場では敵味方問わず非常に目立ってしまっていた。
ガンダムをあまり知らない人は、超兵器の数々が登場する世界なので、当然レーダー探知が発達している=カラーリング効果は薄いと思う人も居るかもしれないが、
演出の不自然さを無くすためにも『ミノフスキー粒子によって超遠距離戦に対応する為のレーダーは頼りにならなくなり、有視界戦闘を強制されている*5』設定なので、バカにできない。
そのため、百式を初めて見た敵からは「馬鹿か余程自信があるのか…」みたいな反応をされていた。

加えて施工する際のコストや上記の実際の効果の低さなど実用面での課題も多かったため、このタイプのエマルジョン塗装は極少数の例外を除いて百式系列の機体以外では採用されなかった。

ある種の妥協の下に完成した形だが、ガンダムタイプとして開発されただけのことはあり基本性能は非常に高く、当時の最新鋭の量産型MSに引けをとらない。
スペックだけを見るとガンダムMK-IIやリック・ディアスとほぼ同等だが、パイロットのクワトロ・バジーナの力量もあって、特に接近戦で驚くべき戦果を上げることになる。
これは機体の限界性能が他の量産機よりはるかに高かったからである。そのためティターンズ兵からは「金色のMS」の呼び名で恐れられた。
その反面、操縦はややピーキーな機体でもあったといわれている。

頭部カメラアイはガンダムタイプMSでは珍しい「黒目」のようなデザインとなっている。
その理由は、デュアルセンサーを保護するシールドバイザーが偏光グラスだった為。別に中の人と同じ「サングラス」仕様にした訳ではない。
ちなみにバイザーを除いて露になる本来のアイカラーは「」と、これまた珍しいタイプである。
これはIDEシステム(画像管理型符号化装置)というセンサーを採用したもので、精密照準時などに発光する走査パターンが見られる。


武装


  • 60mmバルカン砲
側頭部に2門内蔵する。
余り使われていないため地味な存在だが、最後の最後で大きな見せ場を与えられる。

  • ビームサーベル
リック・ディアス、ネモと同型のサーベル。
ただしグリップの色は金色。
後腰部に2基装備している。

  • BR-M-87 ビームライフル
主武装その1。
後にディジェも同型のものを使用する。
使用するEパックはリック・ディアスのビームピストルと共通。
ただしこちらはフルサイズのライフルで出力も高い反面、若干だが速射・連射性でビームピストルに劣る部分が有ったとの事。
ΖΖ』では小改良がなされたのか(型式番号も「BR-M-87BB」に変更されている)サーベルの発振機能が搭載されていた。

  • AE/ZIM.C-BAZ-531 クレイバズーカ
主武装その2。
リック・ディアスと共通の武器。実体弾兵装。
カートリッジの変更で榴弾や散弾などさまざまな弾頭を発射する。弾速は遅いが破壊力は推して知るべし。
『ΖΖ』では調達が難しかったのか未使用。
散弾ではなァ!

  • メガ・バズーカ・ランチャー
百式のオプション装備として開発された機体とほぼ同じ全長を持つ大型メガ粒子砲。
MSに、MA並の火力を持たせることを目的に開発された。
収納・運搬用の形態と発射形態を切り換えて使用されており、これ自体にスラスターが搭載されているため宇宙空間では収納形態のままSFSとして扱える。
一撃で艦船や巨大建造物を消滅させる程だが、発射に必要なエネルギーをチャージするのに時間がかかる上、
莫大なエネルギーを必要とし随伴機(レストアされたゲルググメタス(劇場版))による再チャージを用いても連射が不可能になるなど運用が難しかった。
ただし後者に関しては数回発射している。
加えて大型故に敵に接近されると保持したままでの反撃は困難であり、基本的に超長距離からの砲撃戦に徹することになる。
『Ζ』最終決戦時にガザCの大軍を一掃するも、キュベレイのファンネルの一斉掃射を受けて大破。
その後メガ・ライダーと役割が被るためか再生産されず、『ΖΖ』には登場しなかった。

しかし『UC』(OVA版)終盤においてまさかの再登場。劇中では銃架としてネェル・アーガマの甲板上に設置され、エコーズ920隊副司令のコンロイ・ハーゲンセン少佐が駆るジェガンD型(エコーズ仕様/コンロイ機)がガンナーとなる形で使用した。
こちらではエネルギーをネェル・アーガマの主砲動力系統から供給することで使用しており、袖付きリゲルグに直撃させて撃墜するなどの戦果を挙げている。
しかしローゼン・ズールに対して撃った際に回避されてしまい、拡散メガ粒子砲による反撃を受けて破壊された。
ちなみにコンロイ少佐と彼のジェガンは退避して無事であり、その後も戦闘に参加している。



劇中の活躍


U.C.0087(『Ζ』)

第9話から、クワトロの新しい乗機として登場。

機体の高い性能と、クワトロの操縦センスもあり、アーガマの主力として活躍する。

次々と新型機を投入してくるティターンズに対し、カミーユ・ビダンの操縦するMk-ⅡやΖガンダムと共にこれ等を退け、グリプス戦役を駆け抜けていく。
最終決戦では、メール・シュトローム作戦でメガ・バズーカ・ランチャーを用いガザC部隊を殲滅した後、
パプテマス・シロッコジ・Oハマーン・カーンキュベレイと交戦する。
機体性能で圧倒的に上回る両機を相手にしながらも粘り強い戦いで、コロニーレーザーの防衛に成功する。
最終的にはキュベレイとの戦闘中に機体が大破してしまい、
テレビ版のラストシーンでは大破した百式がコクピットのハッチを開いた状態で宇宙を漂流しているカットが映し出され、その最後を飾る。

戦争初期に開発されたにもかかわらず、後期に開発され性能的に上回っていたジ・Oやキュベレイと戦えたのは機体性能の良さを表している。
キュベレイ戦では周囲へ展開されたファンネルによる至近距離からの攻撃をすべて回避するなどの離れ業を見せた。
勿論クワトロの腕あってのことではあるが。*6
だが、Ζ後半になるとクワトロの腕でカバーできてはいたものの機体スペック的に苦しかったと言いたくなる面もあり、ガンダムマニアの間でもそこは評価が分かれる
(「百式の基本性能の良さを示している」のか、「百式のせいでクワトロは苦戦を強いられた」と見るかで、印象は大きく変わるので)。


U.C.0088(『ΖΖ』)

ビーチャの愛機としてデチューンされた2号機が活躍。
性能は落ちたがマイルドな操作性になった。ライフルでサーベルを発振できたりΖを踏まえた技術の進歩が見える。
たまにモンドやイーノ、ジュドーも使用。エル曰く「オシャレなMS」とのこと。
普段は余り活躍しないがΖΖガンダムをビーチャに使われてしまった際に一時的にジュドーが搭乗した際は巧みに使いこなしドライセン部隊を一蹴する活躍を見せている。
シロッコには「そんなMSで~」と言われ、ドライセンに乗るオウギュストにも貧弱呼ばわりされていたが、何気にデチューンされた上でも百式がネオ・ジオンの新型MSとも互角以上に戦える性能を持っている事を証明している。
第一次ネオ・ジオン抗争の中もガンダムチームの一員として戦い抜いた。
ガンダムチームの機体の中で唯一大破せずに無傷で残った機体だったのだが、終戦後に連邦軍に回収され、他の機体と共に封印された。


映像作品で直接登場するのは上記2作。
その他の派生作品でも度々言及されており、小説版『ハイ・ストリーマー』ではシャアの反乱に対しアムロΖガンダムが手に入らなかった時に「百式も悪い機体じゃない」と発言している。



余談


メカデザインは『重戦機エルガイム』『ファイブスター物語』でお馴染み永野護……ではなく実はΖガンダムと同じく藤田一己。
実は永野がデザインしたのはあくまで百式の基になったラフデザインのMSの設定画稿までであり、
永野当人も「アレは100%藤田君の機体」とコメントするなど、自分のデザインした機体ではないと認識している事を語っている。
ヘビーメタルっぽいデザインと開発者であるM・ナガノ博士の設定などがややこしくしているような気もするが。

百式のデザイン時にはバンダイから、“赤い”モビルスーツよりもインパクトのあるカラーにしてくれという通達が来ており、最終的に金色に落ち着いたとか。
なお、TVアニメ版と近年発表されたデザインは多少異なっている
(主に頭部デザイン。TV版はシンプルだが、最近では前頭部こそ同じだが側頭部から後頭部にかけて「王冠」の様な装飾がある)。

型式番号にNがあるが、百式の場合「ナガノ博士が開発した」という意味であり、NT専用機を表しているわけではない。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のアカツキがこの機体同様金ぴかで、対ビーム防御機能を持つ(その性能は百式の比ではないが)。


ガンダムエースの作品「追憶のシャア・アズナブル」では、とある一件の後に赤にするか聞かれたが、過去の自分との決別として金色のままにしている。


コミックボンボンで連載されていた四コマ漫画「元祖!SDガンダム」では、当時人気を博していた「あぶない刑事」ネタを披露。
百式は柴田恭兵演じるユージこと大下勇次役で、口癖は「カンケーないね」。
舘ひろしが演じたタカこと鷹山敏樹役のヘビーガンダムを相方としていた。
ヘビーガンダム&百式の「あぶ刑事」コンビは『SDコマンド戦記』シリーズにも登場している。

サガフロンティアにはこの百式がモデルとなったと思われるメカドビー百式が敵として登場する。
やはり金色

ちなみに『ΖΖ』1話の「最新!モビルスーツカタログ(ナレーション:池田秀一)」のコーナーにおいてはベストワンモビルスーツとして紹介されている。




バリエーション機


その知名度や「ガンダムに近いがガンダムではない」という設定のためか、元々少数の試作機でありながら多くのバリエーション・関連機体が存在する。

宇宙世紀系列

『Ζ-MSV』出身。
オリジナルの百式に比べ、延長された後頭部が特徴的な機体。
なお、後頭部はレドームになっており、策敵能力が向上。通信能力も高く、まさに「指揮官機」らしい高性能機体。
非可変MSとして再設計された為、ランダムバインダーを廃止し、高機動デバイス(プロペラントタンク兼ブーストポッド)を採用している。
追加武装として肩部にビーム砲、ビーム・ガトリングガンを装備している。

  • 量産型百式改
『Ζ-MSV』出身。
百式改から頭部と肩部以外のパーツが百式に戻され、コストダウンを図る目的もあってかウイングバインダーが廃されている。
武装もメガ・バズーカ・ランチャーが使用不可能になっているが、装甲は原型機と同じく金色基調のままと量産機にしては豪華。
ガンプラではMG_Ver.2.0の百式をベースにしたプレバン限定商品として発売。余剰パーツで百式も再現可能な他、成型色が非メッキ仕様になっている。

  • 陸戦用百式改
『M-MSV』出身。
大気圏内用に改良された百式改。機体各所に防塵・防湿加工が施され、バックパックも高機動デバイスを廃してホバリングや自由落下戦闘に重きを置いたものに変更されている。
武装は、頭部パルス・レーザー砲が実弾のバルカン砲に、グレネードランチャーが肩部付け根へ移動しミサイルポッドやビームキャノンを携行可能。
ビームサーベルはバックパック基部へ移行し、ビームライフルは下部にレールガンを装着でき、臀部にはハンド・グレネードを携行できる。専用のシールドも用意されていた。
機体色は濃緑色を中心としているが金色部分も多く残している。設定画の色合いがだいぶトーンを落としているため、金色っぽくは見えないが。

  • フルアーマー百式改
『M-MSV』出身。
百式改に更に追加アーマーを装備した機体。
百式は運動性が売りなのだが追加武装である炸裂ボルトやメガ粒子砲、ロングメガ・バスターなど重火器、追加アーマーなどで機動性が低下してしまった。

型式番号:MSN-001
「Ζ計画」により開発された可変MS。
百式の開発コードであり、百式の完成形。
百式と同じ金色でその姿はまさに変形する百式。
本編では機体強度の問題で可変機構が廃止された百式が開発された。
運動性を重視したためシールドを装備していない百式だが、この機体はプロトΖのものと酷似したシールドを装備。

デザインは2006年に発売されたサンライズ監修の本「MSグラフィカ」が初出。
UC-MSVに改良機のデルタカイが出た関係で最近再設定&HGUC化した。すごい値段です。

型式番号:MSN-001A1
所属:ロンド・ベル
機動戦士ガンダムUC』に登場する可変MS。
機体強度の問題で開発を断念されたデルタガンダムが十年越しに再開発された試作機。
Ζ系列の機体のノウハウを生かし完成した。
カラーリングは金色……ではなく、灰色である。

ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場する百式の技術で改良されたジェガン。
フレームから再設計されているので、ジェガンなのは見た目だけで中身は百式の派生機とも言えるらしいが、
カラーリングは金色……ではなく、白と青を基調としている。
前記の通りスペック上は百式よりジェガンの方が性能が上なのだが、アムロの言葉通り一概には言えないようだ。

  • 零式(ぜろしき)
『機動戦士Ζガンダム Define』に登場した百式に相当する機体。
作者の北爪宏幸がもっとΖ計画の系譜に沿るべきという思案の元にリック・ディアスから発展した事がわかるデザインにされている。
機体カラーは金ではなく赤系統。
Defineはアニメより地上にいる期間が長いため地上戦仕様の零式弐型に改修されており、随時バージョンアップすることでDefine独自の百式になるとのこと。
また零式弐型は2体目が作られてアムロがディジェの代わりに搭乗している。

  • 九十九式(つくもしき)
型式番号:MST-99
『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』に登場。
コスモ・バビロニア建国紛争によってMS開発が激化したが、サナリィよりも技術的に後れを取ったアナハイムが、
過去の自社MSの技術を再編してフォーミュラ計画に対抗しようとした際に社内コンペで提案された機体で、
かつての百式を時代に合わせてアップデートするという意図があった。
名前はニホンにおいて「永劫とも思える時間・経験」や「多様性」の意味を持つ「九十九」から取られた。

  • 強襲用九十九式
型式番号:MST-99A
『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』に登場。
脚部が変形した九十九式にブースター・ユニットを増設した。兵装はアサルトガトリングなど実弾兵器が中心となっている。


その他の作品

  • 白式(びゃくしき)
模型戦士ガンプラビルダーズビギニングG』に登場。
白く塗装した百式なので白式である。
元のキットはメガバズ版なのでメッキ落としはしていない。

  • 百万式(メガシキ)
型式番号:MSN-001M
ガンダムビルドファイターズトライ』に登場。
メガライダーとメガバズーカランチャーを複合させた「メガライドランチャー」を装備する。
厳密にはデルタガンダムがベースの改造機であり、カラーリングはデルタプラス風の紫系だが、名前は百式から取られているというややこしい機体。

更にその百万式をベースに、百式をイメージした仕様に再改造した煌式(ギラシキ)も存在する。
百式の元ネタのデルタを改造した百式(&デルタプラス)モドキを更に百式に近付け……と最早新手の禅問答みたいな遍歴である。

  • 百式J(イェーガー)
ガンダムブレイカー3』に登場したオリジナルガンプラ。
カラーリングはシルバーであり、右腕にビームスマートガン、左腕にグレネードランチャーが追加されており、
バックパックがビームキャノンとウイングを搭載した大型のものとなっている。(見た目の印象はGディフェンサーに近い)

  • シャア専用百式
『サンライズ英雄譚2』に登場するオリジナル機体。名前の通り赤い百式。
エゥーゴから盗んだデータを基にアクシズが作った機体で、自軍入りしたハマーンの指示でクワトロの元に送られることになる。

百式にスゴく似ているが、別物。黒歴史の遺物。
つか、記憶から消せ!!
因みにデザインした人は百式を元にしたらしい……。
またこれは偶然だがリメイク版では武者頑駄無元気丸声の頭脳が搭載され、ドモン声の少年が1シーンだけ操縦するという珍しい事になった。

貴殿の記憶違いだ。無視しろ!絶対だ!



立体化


ガンプラ

1/144、1/220、HGUC(2回)、MG(2回)が発売。
人気機体故にかなり売れたようだが、初期のキットは可動範囲が狭く、出来は正直あまり良くない。
因みにHGUCとMGはTV版準拠のバイザーありのガッチリ体型でHGUCリバイブとMGver2.0は劇場版準拠の紅目モデル体型になっている。
HGUCとMGは、バンダイさんが「己が技術の威信を賭けて造りあげた」滅茶苦茶金が掛っているトンデモモデル。「全身金メッキ」仕様。
更に、

「ランナーの切口が絶対に表に出ない様に。尚且、金メッキパーツは塗装しなくても良い様に」

等、非常に厳しい条件で造られている。
MGはΖのブルーレイ発売に合わせてメッキのギラつきが抑えられ、他の外装パーツもグロスを効かせたHDカラー版が出た。
更にver.2.0はメッキパーツが大幅に仕様変更されており、工程の都合からクレームも出ているそうだが、とても上品で高級感ある仕上がりに。
ちなみに、NAOKI氏によると好みのゴールドに塗り替えたいモデラー達がいることを考慮して、メッキは意図的に剥げやすくしてあるとか。
HGUCのメガバズーカランチャー装備とMGのバリュート装備は非メッキ仕様となっている。

2016年にはHG REVIVEにてリメイクされた。
劇場版準拠のバイザー無しかつ細身のデザインアレンジの方向性は人によって好みが分かれるだろうが、
キット自体の出来は最新の技術と素材で完全新造されただけあって合わせ目がほとんど出ず、可動範囲も広い。
カラーの再現は成型色でメッキではないが、装甲部分のパーツは全てアンダーゲートなので、後々メッキ版を出すことも想定していると思われていた。
その後2018年にガンダムベース東京の限定品としてメッキ版が発売された。
残念ながら一般販売はされていないが、ガンダムベースのオンラインショップを利用すれば店に足を運ばなくても購入可能。



ゲームでの性能


Ζガンダムが空気参戦の時も含め多く登場している。
かつてはMAP兵器のお陰でそれなりに活躍したが、現在はなぜ今更と思わざるを得ないタイミングで登場し、残念な性能なことが多い。
クワトロ(シャア)専用にしようとしてもサザビーが登場することが多い。FA百式改になると乗る機体のないオールドタイプの救いとなることもある。

Z』では序盤の終わり頃から登場する。移動後攻撃可能な全体攻撃のビームライフルが強力(アニメは劇場版Iアッシマー戦の再現)であるが、
条件を満たさないとメガバズーカランチャーの追加がかなり遅くなってしまうため注意。
また、今作ではMk-IIの改造がΖに引き継がれるため、そちらに資金を回されやすいのもネック。

第2次Z』では引き続きクワトロ機として登場。アポリー、ロベルトの搭乗するリック・ディアスとの召喚攻撃「モビルスーツ隊連携攻撃」が追加されたが、
それ以外はほぼアニメ使い回しであるため1機相手にビームライフルを連射する情けない光景も。
また、再世篇のとあるステージでは敵になる場合もあるので、νガンダムの格闘で殴り飛ばすことも可能。

V』ではスパロボ初のΖΖ名義で、ビーチャ機として登場。メガバズがないため、序盤以外で使われることはないだろう。
X』ではCCA時代のシャアが自軍入りするため、百式に乗るシャアというスパロボ的には珍しい状況を作ることも可能。実用性は皆無だが。
(『D』や『第3次Z』といった、過去のCCAシャアが自軍入りするスパロボでは百式が入手できなかった)


高威力・長射程の実弾武器とビーム兵器、マップ兵器を備えているのが魅力。
正直、原作と違ってキュベレイやジ・Oよりも使いやすく強力。

しかし、「メガ・バズーカ・ランチャー」の燃費の悪さが大きな弱点
まともに使い続けるなら、オプションパーツや改造などの強化は必須である。
だが、『オーバーワールド』では大分燃費が良くなり、初期状態でも3発撃てるように。
さらに、同作では「耐ビームコーティング」でビーム武器のダメージを3割軽減できる。
原作では気休め程度の設定なのに。

と、登場した時代や原作での扱いの割に意外と戦力になる機体であるが、
より強力な百式改やガンダムデルタカイの開発ベースとして使われることが多い。


  • ガンダムvsΖガンダム
エゥティタから強化されて宇宙空間のダッシュ格闘が三段蹴りになったり、居合い抜きが往復になった。
ろ獲カラーはシャアらしく赤銅色(10円玉本来の色みたいな感じ)。
格闘モーションに蹴りが入るのもお約束。

機動性は高いがやや装甲は薄く、盾もない。何より射撃角度にかなり癖がある(常に半身の構えをしているため、射角が極端に右寄りで、左方向への射撃に角度がつきにくい)ため、
ハイスペック機ながらかなり使いこなすのは難しい、上級者向けの機体である。
ガチで勝ちを目指して選ぶときは、絶対に武装はビームライフルにしよう。クレイバズーカは弱すぎて話にならないので、選んで勝つのは茨の道である。散弾ではなァ!
実は根性補正が全機体中でも最高クラス。死にかけの百式の一撃は大きなプレッシャーになる。まだだ!まだ終わらんよ!


コストは2000GP。
ブースト速度は標準くらいの性能だが、ブーストの量は高コストに匹敵する。
他にも、背面撃ちの出来るBR、近距離に有効なサブのクレイ・バズーカ、優秀なアシストのリック・ディアスと、射撃戦が得意。

そして何より、百式の能力でもある「まだ終わらんよ」は自コスト2000以下で耐久値が0になった場合、耐久値が100増える。後半でも事故に強いのは魅力的。
特射のメガ・バズーカランチャーも、発生こそ遅いが威力は凄まじくサテライトキャノンに匹敵。

ただ復活機能があるとはいえ、耐久値は中コスト中最低で、楯も無いので慎重な立ち回りを要する。

やっぱりアカツキと機体が似ている為、キラがアカツキと誤認するセリフがある。

  • EXVSシリーズ
歴代シリーズの特徴を反映してか、低耐久&復活持ちというピーキーな調整をなされている。
また、MB中期以降は度々強機体となる時期があるのだが、その理由が大体百式本体によるものではないため本体なのにアシスト扱いされる事も…。


  • 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2
2020年1月1日にコスト550の強襲機として参戦。*8地上、宇宙ともに出撃可能。
エマルジョンコーティングのおかげかビームに対する耐性が高く、カスタムパーツで補えば割と容易にカンストに持っていける。
旋回能力は高く、通常移動はそこそこだがブースト移動速度205が(兵科としては)劣悪な部類に入る。
狩るべき同コスト支援機スーパーガンダムとは差が5しかなく全力で逃げられるとまず追いつかない上、
コストが50低いシュツルム・ガルスに至っては通常移動で百式のブースト移動より早い始末。*9
そのブースト移動のパラメータから誰が呼んだか205式。
主兵装は所持していれば専用ビームライフル*10、クレイバズーカ、クレイバズーカ[散弾]の三種から選択可能。
副兵装は命中させるとよろけ+5秒間スピード低下を付与するトリモチ・ランチャー、ちょっと威力が高いだけの頭部バルカン[改修型]。
下格闘では切りつけた後に蹴る整備士激怒不可避。
幾度かの(地味な)上方修正を受けた後、2023年5月25日のアップデートでの大幅な上方修正で一気に評価が向上。
移動面ではブースト移動速度の強化こそ受けられなかったが(高レベル機体のみスキル追加でのフォロー有)、通常移動速度の強化を受け軽快な足回りを獲得。
攻撃面では下格闘の倍率強化とクールタイムの短縮により高いコンボ火力を獲得し、バルカンも専用の高性能なものに差し替えられた。
軽快な足回りと優秀な格闘で戦うシンプルな強襲機として立ち位置を確立した。金ぴかなのにいぶし銀。
なお専用ビームライフルは装備できる機体が多すぎるためかノータッチであった。

  • ガンダム無双シリーズ
格闘のモーションが非常に独特で、縦横無尽に動き回りながら敵機を斬りまくり、最終段は居合い斬りで走り抜ける。
しかしそれ故にトリッキーな機体であり、使いこなすには慣れが必要。

勘違いされやすいが初期のシリーズでは専用機ではなく、クワトロ専用機となったのは「アクシズの脅威」以降である。
パイロットを乗せないと平凡なユニットであり、耐久値も低めなので簡単に撃墜される。
だが限界性能が滅茶苦茶高いので、優秀なパイロットを乗せると化け物じみた強さを発揮する。
キュベレイやジ・Oにはさすがに歯が立たないが、キュベレイはともかくジ・Oはほとんど終盤の機体なのでまぁしょうがない。
ハンブラビとかメッサーラバイアラン辺りなら運動性や限界の差で優位に立ち回れる。
隣接専用のビームライフルと間接攻撃可能なクレイバズーカを両方装備しているが、クレイバズーカの攻撃力はライフルよりも低いのにCPUはなぜか間合いをとって射程2から百式に攻撃させる傾向にあるので、間接射撃系を充実させればクワトロが載ってる場合でもさほど脅威ではなくなる。むしろ迂闊に近寄ると豊富なパラメーターでライフルとバズーカを同時使用して火力を底上げしてくるので、そっちの方が痛い。

アクシズの脅威からはクワトロ(含む4種類のシャア)の専用機となり、ネオ・ジオン(キャスバル)で生産出来れば一年戦争の機体を百式で蹴散らす、まさに敵無しの機体になりうる。
玄人向けの運用だが、メガバズーカランチャーの百式にクワトロを乗せると、専用機補正により凄まじい命中率を叩き出す。
脅威Vから都合追加された陸戦用百式改は、連邦系勢力において極めて貴重かつ優秀な水陸両用ユニットである。
アクアジムも水中型ガンダムも性能的に頼り無いので、連邦系勢力にとっては冗談抜きで救世主になり得る機体。

  • SDガンダム X・GX・ GNEXT・GCENTURY
Xでは連邦所属でMk-Ⅱよりは強いがΖよりは弱いという強さ。XにはMAP兵器はないためメガバズーカランチャーは通常戦闘で使うチャージビーム扱い。

GXからはメガバズーカランチャーが宇宙専用のMAP兵器となる。GXにおいてEN100消費するMAP兵器で攻撃時に範囲内にいるユニットを味方敵関係なく消滅させる一撃必殺兵器。百式そのものは連邦TEC2レベルの中堅上位の機体だがMAP兵器を使えばハイザックだろうが最強MAのラフレシアだろうが脱出機構付きのデンドロビウムだろうがラスボスユニットのXガンダム&Xザクだろうが問答無用で消し炭にする。

GNEXTでは前作までは同じ勢力扱いだった連邦から離れてエゥーゴ所属。MAP兵器は同じくEN100消費で射線上の敵に200ENダメージを与える。これはMAや今作初登場のGガンダム系やWガンダム系でなければ十分に吹き飛ばせる。一方で戦闘能力そのものは時代相応なので、イベント戦闘MAPでは極力直接戦闘はさせず相手を雑魚の撒き餌などでおびき寄せて吹き飛ばすようにしたい。

GCENTURYではエゥーゴのTECレベル4で登場。そしてENが150に上昇しメガバズーカランチャーの消費もEN60に抑えられ連射が可能&一発だけ発射した後も戦闘可能。そしてなにげに戦闘能力も高くTECレベル3クラスのユニットではほとんど相手にならないし、一部TECレベル4のユニット(覚醒値がないとファンネルが使えないキュベレイ含む)とも互角以上に立ち回れる。



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最終更新:2024年04月24日 15:43

*1 「MSN-00100」という型式番号の由来も同様だが、5桁の型式番号は扱いづらくあまり使われなかったらしい

*2 強奪が3月2日、百式の初陣が5月初頭

*3 この場面はアクシズがゼダンの門が衝突した際に発生したでデブリが飛来している最中であるため尚更である

*4 試験塗料の為、効果は殆ど気休め程度だったらしいが

*5 ミノフスキー粒子では音波や振動は防げないので、それらに関するものは使われることがある。

*6 また不手際があったもののハマーンのキュベレイの背後を完全に取っており、ビームサーベルを突き立てていれば結果が変わった可能性もありえた

*7 弱い上にレバー配置のせいで突進攻撃から化け易く、これすら強化に見せかけた弱体化と言われた

*8 余談だが翌2021年のフルアーマー百式改、さらに2022年の百式改と百式派生機体はなぜか毎年1月に実装される例が続いている。デルタガンダム系列はその例に含まれないが…

*9 シュツルム・ガルスがスラスター量5と言うデメリットと引き換えに得た白兵戦プログラムスキルにより通常移動にバフがかかっていると言う背景はあるが

*10 といいつつ原作でも使っていたディジェとその派生機とかΖプラスA1とか果てはメタス改とかも使用可能なのでもはや全然専用じゃないのはナイショ