戦術機

登録日:2009/05/27 Wed 08:44:05
更新日:2024/02/25 Sun 03:48:45
所要時間:約 6 分で読めます




『戦術歩行戦闘機(Tactical Surface Fighter)』

戦術機とは、マブラヴシリーズに登場する架空の兵器の通称である。
パイロットを『衛士(英語だと恐らく「Guardian」)』と呼ぶ。

概要

BETA大戦初期に出現した光線属種により、それまで人類側の主力であった航空兵器群が戦場から駆逐されたのを切っ掛けに、宇宙開発用のMMUを原型に開発された。

戦略的には戦車と航空機の中間に位置し、非常に柔軟な運用が可能。特に限定的な空間で三次元機動が重要視されるハイヴ内や市街地での戦闘で真価を発揮する。
近年では戦闘ヘリに代わって航空支援を担当することも多い。
構成要素は人間と同じだが「人間に出来て戦術機に出来ないことは無い」までの汎用性を持ち、緊急脱出(ベイルアウト)時には操縦シートが後方に積載された強化外骨格とドッキングして機械化歩兵装甲にもなる。
データリンクシステムが標準装備されているので、友軍機と瞬時に情報を共有することも可能で、歩行時振動から岩に入った亀裂を計測できるなど、分析能力も高い。

設計思想

現在までに第一世代機から第三世代機までが派生しており、それぞれに運用思想などの違いが見られる。

設計段階では最終局面であるハイヴ突入・攻略を目的とした『決戦兵器』だったが、その特性である高い三次元機動能力と任務適応力はハイヴ内のみならず、地上での通常戦闘でも有用であったことから設計時以上の評価を受け、各国の運用思想の下、様々な種類のものが開発・生産・配備*1され、対BETA戦に於ける主力兵器となった。

被弾率が最も高いのが肩部であるという第一世代の戦訓から、二世代以降はより速く走行する為に前に重心を置くよう設計され*2、電子制御で無理矢理安定させているので、戦闘機動の加速で身体に掛かる負荷は死に至る危険もあるほど凄まじい。
適性試験で初めてシミュレーターを使用する大抵の訓練兵が平衡感覚を失ったり吐き気を催すとされるが、操縦システムである強化装備の耐G機能で一応は緩和もできる。

操縦システム

機体操縦はシート左右(機体両腕と連動)の操縦桿と強化装備内蔵のスロットルペダル*3で行い、電子制御伝達方式にOBWやOBL*4を採用している。レバガチャでは硬直時間は減少しない。
頸椎などの間接保護も行い、身体の一部がシートに触れている状態であれば強化装備が間接思考制御やバイタル監視などのモニタリングに加え、外部カメラの映像を直接衛士の網膜投影する*5上にこのハイテクどスケベスーツの感覚欺瞞と筋電関知機能で一部操縦システムを補っているので、そもそもこの装備が無いと操縦することはできない。

オルタネイティヴ本編では横浜の魔女のよる演算装置と新規開発された新型OS『XM3(エクセムスリー)(ゲームのコンボやキャンセルなどの概念)を搭載することで、即応性・柔軟性が飛躍的に上昇。この他にも様々な機能が搭載され、多様な戦況に対応できるように工夫が凝らされている。

戦術機の世代別特徴



第一世代機は防御力重視で重装甲だったが、どれだけ強固にしようともBETAは容易く装甲ごと叩き潰してくるわ、統計的にレーザー照射よりも此方の撃墜率が高いわで、電子制御、os等の発展と共に第二世代へ移行した。

第二世代機は耐熱耐弾複合装甲の使用を主要部に限定し、軽量化と肩部の巨大化で重心を高くする機動性を重視。また、電子機器の進化によりコンピュータ制御の比率が増大したOBW(Operation By Wire)が導入された。

第三世代機は新素材や複合装甲を用いた更なる軽量化と、信号配線を光ファイバーに置き換えたOBL(Operation By Light)の実装やデータリンクの高速大容量化等の第二世代機コンセプトをさらに押し進めた。
電子装備で操作は簡略化されているが、それでも相当複雑らしく、教本はうんざりするような厚さらしい。




本編登場の戦術機

余談だが、マブラヴ アンリミテッド、及びマブラヴ オルタネイティヴ本編にて登場した戦術機を紹介する。
戦術機名称は実在の戦闘機や駆逐艦などから名称を引用されている。海外機は設定も元ネタ機から多く流用されており、多少設定に齟齬がある。


  • F-4 ファントム
  • F-4J 撃震(げきしん)




  • 97式戦術歩行高等練習機 吹雪(ふぶき) (TSF-TYPE97)
アンリミテッド編全編、オルタネイティヴ序盤から中盤にかけての主役機。

第二世代機が少ない帝国軍が機体特性がF-4Jとかけ離れた第三世代機の新兵教育と機種転換用の訓練用として開発した高等練習機。
不知火の試作機をベースに開発され不知火のパーツの流用も前提に再設計され、97年に正式配備。
練習機という扱いながらもその性能は撃震に勝り、機体表面に不知火と同レベルの対レーザー蒸散塗膜加工が施されるため、武装を施せば実戦にも十分耐えられる。
耐用年数が迫った撃震の代用機として、主機を換装した本機を実戦配備する計画が既に始まっている
不知火開発実験機の直系にあたるため、本機を“帝国初の純国産戦術機”とする軍関係者も多い。
名称は吹雪型駆逐艦から(異説あり)

項目先を参照。

項目先を参照。




ぶっちゃけ現用兵器群だけで余裕で戦術機を完封できるなんて、口が裂けても言ってはいけない。
あくまでも対BETA戦に特化した兵器であり、他兵器との戦闘は想定していない(ラプター等の対人類を想定した例外もあるが)
作中でも『航空機>>>>戦術機』と明言されているため、BETA殲滅後は確実に戦術機の時代は終わるだろう。

…とか言ってたら、公式で(未だ地球圏外での対BETA戦は終わってないけど)約50年後は第8世代機とかまで行ってしまう事が明らかになった。
その性能はその一つ前の第7世代機で10年間無補給活動・ラザフォードフィールドの展開・外装式荷電粒子砲搭載、*6単独ワープも可能。
そこに更に3G化までの戦闘運用・完全な循環型の生命維持装置の搭載・単独惑星間展開能力が付与されている。
また2019年に発表されたオルタの続編やアンリミテッドの第5計画移民船団ではそれぞれ独自の進化を遂げており後者では第6世代機が存在しているとのこと。



プラモデル

コトブキヤより発売。
ガンプラのMGと同等サイズ、ボリューム、値段であり変態コトブキヤクオリティも当然の様に仕込まれ、武器も設定がある物はほぼ全て付属してくるバカ仕様。
ノンスケールだが後述のA3シリーズと並べるとこちらが若干大きいもののそこまで違和感はないためA3では出ていないF-18などと並べることは出来る。
その後1/144スケールもシリーズ化されこちらではトータルイクリプスで登場した不知火・弐型Phase3が初立体化されたり、
桜花作戦時の装備やTDAで実戦投入された仕様の、電磁投射砲装備の武御雷なども販売されている。
またYF-23はフィギュアでは監修ミスによって兵装担架が2つしかつけられなかったが、こちらでは設定どおり4つ付けることが可能になっている。

現在は生産終了しており入手困難だが、2019年にオルタネイティブのリメイクとアニメ化が発表されたので、もしかしたら再生産が決定される可能性があるかもしれない。


…と言っていたら2021年4月に1/144武御雷の再版が告知された。その後も不知火やストライク・イーグル、ラプターの再版が告知されており、今後も期待したい。


フィギュア

ボークスよりA3シリーズ、海洋堂よりリボルテックマブラヴシリーズとして発売。A3は稼働こそリボルテックに劣るもののディテール、武器の付属が凄い。
リボルテックはディテールや付属武器に物足りなさが若干残るものの相変わらずの変態稼働により劇中のポージングも難なく可能。
ボークスはその後値上がりを続けるA3とは別に、劇中再現に必要な最低限の武装と整形色を機体と同じ色にしてコストダウンを図ったTMCというシリーズも展開したが
こちらはA3の末期に展開されたこともあり短命に終わっている、多くはA3で出ているが唯一新規として国連の軌道降下兵団所属の青いF-15が立体化がされている。

A3シリーズは一時期は入手できるのがボークス実店舗か公式販売サイト、イベント出店のブースと入手ルートが限られていたこともあり唯依の武御雷などは5万円
というプレミアがついていたが、シリーズ展開が停滞したこともあり徐々に値崩れをおこし、多くの商品が未開封でも定価や半額以下で買える状況が続いた。
リボルテックは流通ルート的には入手が容易だったが、武御雷だと紫・山吹は一般・赤や白は限定など一般と限定の線引きがよく分からない展開をしていた。
2019年にオルタ続編の新作とオルタ本編のアニメ化告知に伴いかつてプレミアがついた機体を中心にまた戦術機の需要が増え始めている。

リボルテックは再販の可能性が見込めるが、A3・TMCはトータルイクリプスが放送されていた一番売り時があった時ですらあまり大きな展開をしていなかった。
というのもそれまでA3などの責任者を務めていた社員が既に退職済、ボークスが美少女フィギュアなどの完成品フィギュア事業から撤退を始めていたため蔵出し
販売やガレージキット販売キャンペーンでカラーレジンキット配布に留まり再販などもなかったためこちらはかなり絶望的。



資料集は度重なる延期も2009年12月26日ついに発売。
300ページ以上の超特大ボリューム。価格も約5000円とヘビー級。





全機、追記・修正、自由ッ!

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最終更新:2024年02月25日 03:48

*1 米国製戦術機は戦闘を最終局面として射撃戦に重点をおいており近接大型兵装を所持していない、帝国製はハイヴ突入作戦での反応炉破壊を最終目標としており指向性を操作出来る核並の威力を持つ電子励起爆弾『S-11』を携行可能など

*2 厚く巨大な肩部の装甲でバランスを取っている

*3 機体側にはロック用コネクタしかない

*4 戦闘機に搭載される電子制御伝達方式であるFBW(Fly By Wire)や、FBL(Fly By Light)が元ネタか

*5 自機から離れた状態であっても外部カメラの映像を確認することは出来る。

*6 荷電粒子砲自体は第4世代から携行型での運用が始まっている

*7 ((;゜Д゜