スーパーロボット烈伝

登録日:2016/01/05(火) 20:49:56
更新日:2023/06/28 Wed 11:47:29
所要時間:約 9 分で読めます





『スーパーロボット烈伝』とは、原作・永井豪、作画・石川賢の黄金タッグによるダイナミックすぎる漫画である。

◆概要

本作は1999年に発売された、マーミットによるフィギュア「小合金」シリーズに付属していたオマケ漫画を一冊に纏めたものであり、
2002年には双葉社のアクションコミックスから単行本化され、また2009年には小池書房のキングシリーズからも再販された。ともに全1巻。

1970年代で活躍したダイナミックプロの5大ヒーローが勢揃いし、宇宙から来る悪の使者を迎え撃つ! という超簡単な内容になっており、
速い話がガンダムの出ない初期スパロボ」「ロボットガールズZモノホン版」「スーパー(ダイナミック)ロボット大戦みたいなノリである。

なお余談であるが、知っての通り石川が版権を有しているのは「ゲッターロボ」シリーズだけである(コミカライズの作画としてマジンガーを手掛けたことはある)が、
永井もマジンガー三部作はともかく鋼鉄ジーグは安田達矢との共著なので「見ないで描けと言われたら無理」と後に語っている。

ネタバレ:武蔵は死なない




◆あらすじ

半年前に発見された流星群が、再び進路を変えて地球に接近した。
光子力研究所はこれを訝しみ解析を続けたが、まるでそれを嘲るかのように、突然地球に隕石・流星の雨が幾度となく降り注いだ。
そして流星群の奥深くに潜んでいた謎の怪物は、自らを「破壊神バロン」と名乗り、光子力研究所に宣戦布告。
地球を滅ぼすため、使徒となる隕石獣たちを次々と送り込む。
これに対しマジンガー、ゲッター、ジーグといったスーパーロボット軍団は、隕石獣を迎えうっていく…。

ネタバレ:武蔵は死なない

◆登場人物

言わずと知れたマジンガーZのパイロット。

グレートマジンガーのパイロット。戦闘のプロ

  • 司馬宙
鋼鉄ジーグの頭部に変形するサイボーグ。その割には、明らかに変形する時巨大化しているようにしか見えない。
唯一機械の身体を持っているため、第1次バロン迎撃戦では切り込み隊長を自ら買って出た。

三人揃ってゲッターチーム。外見はどう見てもサーガ版だが、性格などはやや口は悪いもののアニメ準拠。
相変わらず武蔵はあの恰好である。
なお、武蔵のみ第1次バロン迎撃戦で重傷を負って入院し戦線離脱するが死なずに済む

  • 車弁慶
武蔵の後釜を務める。

  • デューク・フリード
UFOロボグレンダイザーのパイロット。スペイザーの機動力を活かした戦法で敵を翻弄する。

  • その他
弓教授やさやかさん、剣蔵パパやミッチーなどもほぼモブではあるが登場。
早乙女博士もやっぱりサーガ版なのでフケ顔。司馬博士は金髪になっており、胡散臭さが倍増している。
彼ら天才陣によって、スーパーロボットたちは更に強化されていく。


◆スーパーロボット及び追加武装

空にそびえる鉄の城。スーパーロボットの顔とも呼べる存在であり、単行本表紙でもセンターを飾っている。
放つ鉄拳「ロケットパンチ」、眼からの閃光「光子力ビーム」の他、胸から放つ熱線は「ブレストバーン」になっている。
これは本来グレートマジンガーの武装であり、単純な誤記ではなく恐らく強化武装なのだろう。
隕石獣軍団の先鋒・ナバロを真っ先に迎撃に向かうが著しく損傷を受け、ジーグとの共闘で倒すも修繕せざるを得なくなる。
その後は富士山編、第1次バロン討伐編に参加。クエーサー戦ではグレート共々石にされるハメに。

群がる敵をぶっ飛ばすを流さないロボット
悪を貫く螺旋の拳「ドリルクラッシャーパンチ」*1、深紅の刃「グレートブーメラン」、前述した「ブレストバーン」、
口から放つ大嵐「グレートタイフーン」、更には雷を呼ぶ「サンダーブレーク」で敵を焼き尽くす、まさに歩く要塞。
格闘武器は大剣「マジンガーブレード」。
クラブギロン相手に苦戦するゲッターチームを助けるためさっそうと登場し、サンダーブレークとゲッタービームの同時攻撃で葬り去った。
東京氷河期編ではアッサリ氷漬けにされてしまい、なんとゲッタービームで解凍している
「ゴッドグレートマジンガー」とかグレートマジンカイザーとかグレートマジンガーエンペラーにならないことを祈ろう。
富士山編と第1次バロン討伐編でもZちゃんと共に活躍したが、クエーサー編では二人仲良く石の塊にされる。
バロンとの最終決戦では破壊神に引導を引き渡した。

風より早い科学の力。宙が頭に変形してくっついて動く。
そのため原作では「10m」という設定なのだが、どう見てもゲッタードラゴン(50m)の胸くらいまであるデカブツに見える。
全身をバラバラにして磁力でくっつくというシステムにより、相手を翻弄する。
必殺技は腕が飛び出す「ナックルボンバー」、腹から打ち出す磁力線「スピンストーム」。
体が小さすぎるせいかジーグブリーカーとかは披露する場面が無かった。
ナバロに捕まってしまったマジンガーZを救い出し、続くドゴラ戦では溶岩熱線を受けて敗北。
第1次バロン討伐編では機械の身体と体の小ささを活かしてバロン内部への切り込みを行うが、誘爆に巻き込まれて頭(宙)以外のパーツを失ってしまう。
その後何とか地球に帰り着き、バロンの正体を伝えた。
バロンとの最終決戦においては新たなパーツを得て月面に向かう。

若い命が真っ赤に燃えて、三つの心が一つになった100万パワー。
三機のゲットマシンと呼ばれる万能戦闘機が合体し、
空中戦が得意な「ゲッター1」(必殺技は胸から放つゲッタービームと手斧ゲッタートマホーク)、
地中を掘り進む 「ゲッター2」(左腕のドリルで敵を穿つ)、
水中戦が得意な「ゲッター3」(両肩のゲッターミサイルと剛腕で敵をぶん投げる「大雪山おろし」で戦う)に変形する。
素早いゲッターチェンジにより様々な状況に応じた戦闘スタイルに切り替えることができるのが利点。
海から出現したクラブギロン討伐戦においては(沖だったのでゲッター3だと沈んでしまうからか)ゲッター1で空中戦を仕掛けるが、
強酸性の体液に苦しめられ、ゲッターチェンジシステムが一時停止して大ピンチに。
しかしグレートの助太刀で何とか脱出、最後は手動で強引に合体しゲッタービームでクラブギロンを倒した。
続く東京氷河期編では氷漬けにされたグレートを助けるべく単身(?)これに挑み、ゲッター2のドリルで粉砕。
ゲッタービームでグレートを解凍してあげた。余計なことすんなし
富士山編では高い防御力を持つ敵をゲッター3の怪力で投げ飛ばし、マジンガーコンビとジーグのトリプルアタックへ誘い込み撃破した。
しかし第1次バロン討伐において隕石弾を受けてしまい、3号機(ベアー号)が半壊。あえなくリタイアとなった。

ネタバレ:武蔵は死なない

ゲッターの後継機。平和のために悪を討つ不滅のマシン。
ゲッター1の後継であるゲッタードラゴンはダブルトマホークと最強技・シャインスパークを有し、
2と3に当たる ゲッターライガーゲッターポセイドンも…出番は少ないもののそれぞれ進化している。
暗黒神クエーサー迎撃のために出撃し、真っ向からの力押しでこれを撃破。
海中に潜伏していたバロンをポセイドン形態で見つけ出すと地球から追い出し、最終決戦時にはリーダー格として獅子奮迅の戦いを見せた。

悪の望みを跳ね返すUFOロボ。
スペイザーという円盤形態に変身(正確に言うと収納)し、猛スピードで宇宙を飛び回る。
必殺武器は命を刈り取る形をした「ダブルハーケン」。両角からは稲妻「スペースサンダー」を放つ。
今までどこに行ってたんだか、第1次バロン討伐でやっと登場し、その機動力でスーパーロボットチームを支援。
バロンとの最終決戦においてはロボットチーム中最速の飛翔速度を活かしてバロンの居場所を突き止めた。


  • コスモナイザーウェポン
本作オリジナル武装。ゲッター、マジンガー、ジーグのサイズに合わせた超大型ビームライフル
背中にドッキングした超巨大ブースター(地球の引力を自力で振り切るロケット)付きの宇宙戦闘用スペーススーツも合わせて装備する。
まるでガンダムとかテキサスマックだが、実は『ゲッターロボサーガ』書き下ろしシナリオでは初代ゲッターが巨大な重火器でマシーンランドと戦う話がある。
まあ、宇宙空間でルストハリケーンとかゲッターサイクロンは使いようが無いしな。
各研究所共同で製作されたが、仕上げは4時間位の突貫工事。
活躍するかと思ったが1発撃っただけでバロンに即効でぶっ壊された。突貫工事では耐久性に難があったか・・・。


  • ムーンベース コンボイ
私にいい考えがある!
バロン迎撃のために月面に作られた移動要塞。スーパーロボット達が乗って動かすレーザーフォトン砲座が内蔵されている。


  • ハイパーロボ ダイナミックサーガ
コンボイにマジンガー兄弟、グレンダイザー、ジーグ、ゲッターロボGが乗り込むことで変形する超絶巨大ロボット。
その身長は1000m近くあり、腹部には超巨大レーザー砲が内蔵されている。
外見は最早「悪魔」「修羅」と言った感じの禍々しいもの。
なんと、ダイナミックサーガのコックピットに乗り込んだスーパーロボットが操縦桿を握って操縦するという
シュールかつすっごくパイロットが面倒臭そうな操縦方法を取る。
猛烈に強いが、防御力はそれほどでもなかったらしく、最後はロボットチームが脱出しバロンの爆発に巻き込まれて消滅した。
スパロボやロボガのファンの間では「いつ参戦するのだろうか」と言われて久しい。
仮に実現しようものなら、主役級7人乗りスーパーロボットの完成である



◆敵

  • 破壊神バロン
宇宙を渡り歩き、あらゆる文明を破壊し尽くさないと気が済まないろくでもない「自称」
自ら隕石獣を作りだして地球に送り込み、破壊と殺戮を繰り返した。
顔だけで100mほどもある途轍もない巨体ではあるが、実は体内のコアが岩石や生命エネルギーを吸って肉体を作り上げているため、
コアさえ残っていれば何度でも復活する。
一度はスーパーロボットチームに爆砕されたがコアだけで地球まで逃げ延び、バミューダ海域で船舶や飛行機を喰らい復活を遂げる。
巨大なヤマタノオロチのような姿で完全復活を遂げ、宇宙空間でスーパーロボット軍団との最終決戦に挑む。

  • 隕石獣ナバロQ7
バロンの最初の尖兵。マジンガーZの3倍近い巨体を有する岩石型の怪獣。両手の鎌から電撃を放つ。
マジンガーZを捕まえ破壊しようと目論むが、駆けつけたジーグのスピンストームを受けてひるんだすきに
顔面にロケットパンチを受けて粉砕された。

  • 破壊獣ドゴラ
バロン軍団第2の刺客。蛇のような姿をした鉱石生命体で、自在に分離合体する能力を有するためコアさえ無事ならば何度でも蘇る。
口からは強力な熱戦を放ち何千mもの範囲を瞬時に焼き払い、1000℃に耐えるジーグスーツすら焼き焦がした。
ジーグを焼き尽くして撤退に追い込むが、口の中にゲッタービームを撃ちこまれてコアが破壊され死亡した。

  • 隕石獣クラブギロン
バロン軍団第3の刺客。カニやクモに似た姿をしており、水中戦を得意とする。
体液はスーパーロボットの身体を溶かすほどの強酸で、更に自己増殖まで可能とする厄介者。
グレートとゲッターを苦戦させるが、サンダーブレークとゲッタービームにより倒される。
見かけによらず登場シーンで名乗りを上げている(ような気もする。第一発見者のセリフかも知れないが)。

  • 第3の隕石獣
名前が無い。恐竜のような姿をしており、肩から放射する冷凍光線で東京を氷河期に変え、グレートマジンガーをも凍て付かせた。
巨体の割に動きが素早く、ゲッタートマホークも難なく躱すほど。
しかしその体型ゆえに足元はお留守であり、地中からゲッター2の猛攻を受け、
更に瞬間分離合体で背中をぶち抜かれて絶命した。

  • 第4の隕石獣
肉団子かのクソのような姿の巨獣。富士山のすぐ近くに落下した。
強力なバリアと、無数の短剣を放つ能力により高い防御力を有する。
機動力は無いも同然であり、そこを突かれてゲッター3に投げ飛ばされ、最後はマジンガーとジーグのトリプルアタックで焼き尽くされる。



  • 暗黒神クェーサー
バロンとは別の「神」を名乗る大迷惑な宇宙人
全長1kmほどの鬼瓦のような姿をしており、あらゆる攻撃を呑みこんでしまう。
また、口からは石化ガスを放ち、マジンガーコンビをたちまち石にしてしまった。
チートな強敵だったが最後はゲッタードラゴンのシャインスパークを強引に呑まされて爆死し、
呑みこまれていたグレンダイザーと石になったマジンガーも元に戻った。
何だったんだコイツ。





「さあ! 宇宙最大の追記・修正の始まりだぜ!!」
「「「オウ!」」」

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最終更新:2023年06月28日 11:47

*1 原作アニメでは「ドリル“プレッシャー”パンチ」。単なる誤記だろう