イリヤスフィール・フォン・アインツベルン

登録日:2009/06/12 Fri 13:18:08
更新日:2024/01/31 Wed 18:39:20
所要時間:約 20 分で読めます




やっちゃえ、バーサーカー


Fate/stay night』のサブヒロイン
CV:門脇舞以

身長:133cm
体重:34kg
3サイズ:B61・W47・H62
イメージカラー:銀
特技:特に無し
好きなもの:雪、バーサーカー衛宮士郎のエプロン姿
嫌いなもの:寒い所、納豆
誕生日:11月20日

第五次聖杯戦争におけるバーサーカーのマスター。
見た目は10歳程の少女で銀髪と赤い目を持つ。
いかにも由緒正しそうな名前から察せられる通り貴族の出身であり、実家は物凄い金持ち。
従者としてリーゼリットとセラを引き連れている。

そんじょそこらの魔術師とは桁違いの莫大な魔力量を誇り、最高のマスター適性を誇る。
そんな彼女が従えているヘラクレスもギリシャ最高の英雄であるため、第五次聖杯戦争では群を抜いて強力なコンビ。

性格は好奇心旺盛かつ無邪気。世間知らずではないが知識では知っていても実体験が無い事が多い為、何事にも興味を示す。
だがどこか歪んでおり、無邪気ゆえの冷酷さと残酷さを持つ。
バーサーカーを最強と信じ、そのマスターとしての自負も強く、
雑魚と見たキャスターには見下した態度を取り、思わぬ損害を与えたアーチャーにも苛立ちを見せている。

衛宮士郎を一方的に知っていて、「お兄ちゃん」と懐きつつ、苦しめようともしている。
士郎も、敵であることは理解しているのだが何故か憎めずにいて、どのルートでも彼女に情を見せている。

製作段階では、UBWルートと桜ルートの間にイリヤルートが予定されていた。
しかし時間が足りず(イリヤルートを作っていたら更に半年は発売延期していたとか)、桜ルートと統合されてHFルートとなった。
仮にイリヤルートを作る場合は桜ルートとかなり混ざっている為に先ずHFルートを解体しなければならないとか。
実装されていた場合、HFルートの九日目で、イリヤの味方になることを選ぶと入れたという。
イリヤルートで明かされる筈だったアインツベルンの内実も丸ごとお蔵入りになったが、
こちらはTVアニメ版『Fate/stay night [UBW]』で形を変えて復活した。これを省いていたせいで、HFルートでのイリヤの背景が見え辛かった弊害も。
ラスボスは間桐桜で、最後には死ぬことが匂わされている。

武内崇はイリヤルートのエロも色々考えていた様で、イリヤの下着を白黒のどちらか選べる案、セラ、リーゼリットを交えた4P案など出している。
実際に採用されたかどうかはともかく、『Fate/side material』などでイリヤのチョーカー、アームカバー、ガーターベルト、ストッキングはあるのに、肝心のパンツが無い変態下着や寝台のリーゼリットのラフを公開している。
しかし今では武内も奈須きのこもイリヤは嫁というより家族の立ち位置が合うと思っているとのこと。


ちなみに、担当声優の門脇舞以は『Fate/stay night [Réalta Nua]』のオーディションではセイバーと凛の役を受け、イリヤ役は受けていなかったが、
後日再度オーディションに呼ばれ、イリヤ役に決まったという。(「ひびちからじお」公開録音より)


以下ネタバレ














実は第五次聖杯戦争における聖杯の器。正確には彼女の心臓が本体で、天のドレスを纏うことで肉体全体が聖杯の器として機能する。
聖杯の器は敗れたサーヴァントの魂を集める為にあるが、サーヴァント1騎だけでも人体にとっては台風の様なもので、
5騎取り込むと寝込み、その後も手足、呼吸、人格の為に使っていた魔力を総動員して7騎を集める様にできている。
これ以外にも理由は不明だが、毎日の半分は睡眠と称して機能停止している。Fateルートで捕らえた士郎を半日も放置していたのは、多分このせい。
イリヤが人事不省になった時の為に、メイドの2人が付けられている。
色々無理のある仕様だが、これでも大容量の聖杯の器であり、アインツベルンの中で一番マスターに向いている理由とされている。

第四次聖杯戦争が完遂間近で中断された為、第五次聖杯戦争の開催が10年後まで早まった。
これに合わせ、聖杯の器であるイリヤも連日手術を受け、第五次聖杯戦争の2ヶ月前から始まったマスターとしての訓練で魔術回路も酷使させられた。
Fate/Zero』での記述を見るにイリヤの寿命は元々人並みにあったと思しいが、上述の2点によって、第五次聖杯戦争の時点で残り1年未満へと激減してしまった。

人格を持つ聖杯として、その魔力には魔術特性「願いを叶える」が備わっている。
イリヤの魔力でできることならば、イリヤ自身が方法を知らなくとも魔力を放つだけで実現する。
『プリズマ☆イリヤ』のイリヤと違い、過程を飛ばしている訳ではなく、方法を勝手に埋め合わせるだけで、
Fateルートで自分の知らないサーヴァントの存在を否定しようとした時は、
魔力弾を放って叶えようとしたものの、相手に弾き返されて失敗している。

またアインツベルンは切嗣に子供を作らせ、より戦闘向きの後継者を作り出したと言峰綺礼が語っていたもののイリヤ本人が闘う場面がなく実力は長らく不明だったが、
TVアニメ版『Fate/stay night [UBW]』で凛と直接対決を行い、終始に渡って余裕で圧倒する程の実力を見せつけた。
アーチャーの横槍のせいでしとめ損ねたものの邪魔が入らなければ完全に凛を殺せていた程である。

設定集によると大聖杯がある冬木の地では最高クラスの魔術師と言える程の力を振るえるという。
但し、その力の源はあくまで土地由来のモノなので、
一流の魔術師ならばまずイリヤと地脈のリンクを切り離すという戦略を立てる者も出てくるので敵無しとはいかず、
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト遠坂時臣レベルならば魔術戦で撃破可能とか。
また、黒桜は土地ごと汚染できる為に勝負にならない。
更に冬木市を離れると急激に弱体化する。実際、ドイツに居た時は狼の群れ相手に死を覚悟している。

その素性は、人間の父:衛宮切嗣と、ホムンクルスの母:アイリスフィール・フォン・アインツベルンの間に生まれたハーフ。
ホムンクルスでありなから人間であり、一段階上の高次生命でもある、ホムンクルスからみたら奇跡のような存在。
しかし胎児の時から改造され、人体の7割が魔術回路と母以上に人間離れしている。常人の人体の7割は水分と考えると無茶苦茶である。
その魔術回路もイリヤの寿命などお構いなしで魔力を生成する劣悪なもの。設計段階から走行を想定されておらず、成長不良も起こしている。

結果として見た目は幼いが、切嗣の養子である士郎より少し年上で、彼の義姉にあたる。
しかし本人は精神・肉体共にまだ子供なためか、はたまたからかい半分からか、士郎をお兄ちゃんと呼び慕っている。
つまり、姉属性と妹属性を兼ね備えているというとんでもないロリっ娘。
イリヤを合法ロリにする為に、切嗣が第四次聖杯戦争の9年も前からアインツベルン入りしたことになっている。
より戦闘向きの後継者、聖杯の器を作るのにそんなに時間が要るのかという疑問も。

切嗣が自分と母を捨てて士郎と暮らしていたことを恨み、士郎に復讐しようとする。
士郎をバッドエンドに叩き込みまくる上に内容も凄まじく、首だけにして死ぬまで拷問、下半身挽き肉、人形にするなど多岐に渡る。
こんだけやってもデッドエンドにならない。まさに最凶

Fate/Zero』では切嗣と仲良く遊ぶ様子が描かれ、彼のすぐにイリヤのところに帰るという約束を宝物にしている。
『Fate/stay night』でも彼に対する感情は複雑で、士郎を切嗣の代わりに甚振ろうとする一方、
士郎が持つ切嗣の思い出を聞いて喜んだり、衛宮邸のどこにも切嗣を見付けられず彼の死を実感して涙を流すなどしている。

両親と引き離されてから第五次聖杯戦争の2ヶ月まで、イリヤは一人きり、誰かと会話することもなかった。
家族を恋しがり、普通の生活に憧れているのも本当で、士郎へは復讐心を抱く共に、家族としての独占心、親愛の情も向けている。
イリヤが味方になる展開では士郎に対して非常に親しげに接し、士郎と仲が良いセイバーや凛に敵対心を燃やしている。
HFルートでは、未だ敵同士の状況にあり、夜に出逢えば殺し合わないといけないと思いつつ、昼の公園で士郎に「自分と話すより殺し合う方が好きか?」と訊かれ、
「(士郎と話すのは楽しいが切嗣の一件を許せもしないので)そんなこと言われても困る」と本気で返答に悩む様子を見せている。

当人は最後まで知らなかったが、切嗣はイリヤに何度も会いに行こうとした。
しかし第四次聖杯戦争で聖杯を破壊したことにより、アインツベルンからは裏切り者と何度も追い返され、切嗣も衰弱していた為に強行突破ができなかった。
聖杯破壊の理由もアインツベルンの過去のやらかしのせいであり、イリヤに対する本当の加害者はアインツベルンである。
イリヤ視点で見れば、切嗣が何故か聖杯を壊し、自分のところに帰ってこないのだから捨てられたと思い込むのもしょうがないが……
どのルートでも果てはギャグ時空でも、この思い込みは正されない為、何かの間違いで切嗣に遭遇したりするとえらいことになる。
劇場版『Fate/stay night [HF]』では、大河の話で切嗣が何度も海外に行っていたと知り、彼の真意を悟った様な描写がある。アニオリでしか誤解が解けないってどうなの。

またこれもイリヤは知らないが、『Fate/Zero』のドラマCDによると、そもそも両親は未来を託す子供が欲しくてイリヤを儲けており、聖杯の器云々はアインツベルンの横槍である。
切嗣がイリヤとその母に向ける愛情は本物であり、自分が母子を引き裂くという事実に苦悩していた。
どこまで公式かは不明だが、イリヤに手を出す男は容赦なく殲滅する。士郎も例外ではないとか。

Fateルートのエピローグでは藤村大河の家で世話になりながらもちょくちょく士郎の家に上がり込んでいる。
間桐慎二を殺した張本人だが、その妹の桜には親切にしており、士郎も安堵している。いやお前は安堵しちゃダメだろ。

UBWルートではギルガメッシュによって目を斬られ肺を貫かれる。絶命した後、聖杯の器である心臓を抉り出された。
この時のCGはTYPE-MOON内では最悪のCGと呼ばれているらしく、ボツ候補No.1だったのに何故かいつの間にかできていた。
劇場版『Fate/stay night [UBW]』では無傷の状態から心臓を引き抜かれていてインパクト大。尺が足りないので短縮版でお送りします。
原作では取り出された心臓は赤く毒々しい果実の様に描写されているが、
TVアニメ版『Fate/stay night [UBW]』では紫の物体に青い石らしいものが幾つも付いたものになっている。規制対策?

HFルートでは元々のイリヤルートが混ざっている制作経歴上、士郎を導いたり、助けたり、お姫様抱っこされたり(相手は言峰だが)とかなり待遇が良い。
自身と同じく生きた聖杯となった、HFルートのヒロインである桜には苦手意識を持っており、終始距離を取っている。
ノーマルエンドでは生きている筈だが登場しない。
トゥルーエンドでは天のドレスを纏い、聖杯の器として完成した姿で士郎の前に現れる。
第三魔法を不完全な形ながら行使して士郎の魂を救い出し、自分の肉体の一部を新しい器として与えた。
そして聖杯の器として大聖杯の門を閉め、聖杯戦争の幕を引いた。
記憶が摩耗しながらもイリヤが大切な存在だということは分かっていた士郎が必死に「姉」を呼び止めようとする台詞と、
綺麗な笑顔で「弟」の命を救おうとするイリヤのやり取りは涙が止まらない名シーン。

言ったよね、兄貴は妹を守るもんなんだって。
……ええ。わたしはお姉ちゃんだもん。
なら、弟を守らなくっちゃ。

『Fate/stay night [Réalta Nua]』と劇場版でのこのシーンの士郎の演技はかなり鬼気迫るものになっており、イリヤの穏やかな声色と対照的でそこもまた涙を誘う。

天のドレスは黄金製なのに純白の衣装で、人間が触ると黄金*1に変じる為、ホムンクルスなど人間以外が運用する。
リーゼリットはこの部品であり、イリヤに天のドレスを着せる役割を負っている。イリヤが聖杯として死ぬということは、彼女も天のドレスの一部として死に、セラだけが生き残る。
そして天のドレスはイリヤを聖杯の器として完成させ、大聖杯を制御する機能の他に、魂を数秒間だけ物質化させる魔術を帯びている。

バッドエンド後のお助けコーナー「タイガー道場」の弟子1号「ロリブルマ」としても登場する(正確には平行世界の別人)。


ちなみに、『Fate/Zero』でセイバーはイリヤに会っているにも関わらずSN本編で何も言わなかった。
虚淵玄曰く「あの時の娘(イリヤ)なら成長してとっくにナイスバディになっているはずなので、同一人物に似せたホムンクルスなのだろう」と思っていたからという。
イリヤも『Fate/hollow ataraxia』で同様のことを語っている。苦しいとか言っちゃダメなんだからッ。
劇場版『Fate/stay night [HF]』でのイリヤは覚えていた様子だが、10年も前のことだし覚えていなくても無理もないと結論付けている。



Fate/hollow ataraxia

シナリオの根幹に関わらない日常パートでは士郎と接している場面が多く、
一緒にテレビを見たりアフタヌーンティーを楽しんだり、一緒のベッドで眠ったりと仲良し兄妹(姉弟?)な二人の様子を垣間見ることができる。

泳ぎが大得意と判明。セラの泳ぎの練習に付き合っていたらいつの間にか上手くなっていたらしい。その気になれば荒波の中も泳げる。
実は車の免許持ち。城から森まではバーサーCARに乗って、町からはメルセデス・ベンツェ 300SLに乗って移動しているとか。

どことなく距離を置いていたHFルートとは打って変わって桜に優しい様子を見せ、
願い(士郎との晩餐会)をかなえてあげたり、相談にのってあげたり、「手のかかる妹」と呼んだりしている。
桜の方もHFルートではイリヤをちゃん付けしていたが、同作ではさん付けになっている。

聖杯の器として今回の真相を知っていたが、士郎がアインツベルン城に入れなくするなど事態解決の妨害もしていた。
添い寝イベントでは、これからずっと士郎と一緒に寝られたら、自分は幸せだっただろうかと独りごちている。
このイベントは四日目に起きる為、イリヤ視点で五日目を迎えると士郎は居なくなっていることを暗示している
それでも終盤には士郎に真相を教え、アンリマユの背中を押した。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

公式スピンオフ作品では主人公に抜擢。
こちらでは見た目通り(?)小学生。担任はタイガー
家にはいないが両親は健在で、海外にいる(母親はたまに帰ってくる)。基本的に家にいるのは義兄の士郎と使用人のリズ&セラ。
実は〇歳とか、切嗣を憎んでいるとかはなく、士郎に憧れる天真爛漫な少女。故に本編とは大分性格は違う。
身体能力も高く、走ることが得意。彼女のアイデンティティであり、かけっこで抜かれると本気で落ち込む。
また、この世界のイリヤは本編のイリヤと比べて直感力と幸運がとんでもなく良いらしい。

ひょんなことからマジカルルビーに強制的に契約を結ばされて魔法少女となり、元魔法少女の凛から奴隷宣告を受けてしまった。
おそるべし割烹着の悪魔と赤い悪魔
この悪魔コンビにより、イリヤは「魔法少女プリズマ☆イリヤ」となり、英霊の力を宿したカードを収集させられる羽目になる。



Fate/Grand Order

稼働初期からいくつかの概念礼装(装備品)のイラストに描かれていた。
『プリズマ☆イリヤ』のイリヤもサーヴァントとして実装されている。




「そうでしょ? 誰一人としてわたしの森からは逃がさないわ。
うん、リンとセイバーはバーサーカーにあげるね。追記するなり修正するなり好きにしていいわ」

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最終更新:2024年01月31日 18:39

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