エラー猫/エラー娘(艦これ)

登録日:2013/12/26 Thu 20:54:33
更新日:2023/11/23 Thu 19:16:26
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遠征は済ませたか?

猫様にお祈りは?

PCの前でガタガタ震えてイベントに出撃する心の準備はOK?




艦隊これくしょんに…というか艦これで通信エラーが発生した際に表示される画面に登場するキャラクター、それがエラー猫とエラー娘である。


2013年4月よりサービスが始まったブラウザゲーム、艦隊これくしょん。当初は知る人ぞ知るゲームだったが、某漫画家のツイートなどの口コミによりユーザーが急増。6月には毎週1万人を超える提督が新規着任し、さらにはそのうち半数近くがアクティブユーザーとして定期的なログインを行うという大ヒットとなった。

しかし同時にある問題が発生することになる。
もともと運営側も「アクティブユーザーが2万くらいいけばいいね」くらいの考えだったらしく、これほどのヒットになるとは全く予想していなかった。
当然使用していたシステムもそのくらいのユーザー数を想定したものであり、急速に増えていく提督の数に対応しきれるものではなかった。

システムの構造にも問題を抱えていたが、一番問題を抱えていたのは現在とは異なるデータの管理方法だった。
サービス開始当時、ゲームの根幹となるサーバーで読んで字の如く艦これの全データの管理を行っており、艦これの画面上で変化が起きる度にサーバーに情報を送信→サーバーから結果を送信→画面の変化が完了するという余りにも迂遠な方法を取っていた。
そのため、サーバーには許容量を越えた負荷が掛かり続け、想定を越えた数のアクティブユーザーを抱えた状態で悲鳴を上げ始めていた脆弱なサーバーに追い打ちを掛ける事となった。

その結果何が起こったか。

エラー祭りの開幕である。

システムが捌ききれない数のユーザーが同時にログインするのだから当然だが、各所で通信エラーが頻発。スタートをクリックするとエラー、艦隊を編成しているとエラー、出撃しようとしてエラー、なんとか戦闘に勝利したらエラー…

阿鼻叫喚のエラー地獄がそこにあった。
普通に遊ぶことすら困難で、最悪の場合は出撃したぶん消費はしているのに経験値もドロップもなし、なんてケースも。

もう飽きるほど見せられたエラー画面。『通信エラーが発生した為、お手数ですが、オンラインゲームのトップよりゲームの再開をお願いいたします』という案内とともに現れる、両手で猫を吊り下げたドヤ顔の女の子。それこそが通称エラー娘とエラー猫である。

実はエラー娘はゲームを始めると表示されるチュートリアルを担当しているのだが、エラー画面の印象が強すぎてそんなことを覚えている提督はごく少数である。顔を覚えていてもボイスが付いていたことを覚えている人はなお少ないだろう。
これは、運営側がエラー画面を作るのを忘れており、稼働直前になって思い出したため、急遽チュートリアル娘を使ったからだとか。彼女の帽子の若葉マークはその名残で、新人どころかむしろ着任したての提督を取り仕切る教官様の証という訳である。(後輩たちに比べて態度が大きいのもむべなるかな…)。
そんな訳で、艦これアーケードでも個人演習や新システムの説明役として登場するのだが、エラー猫のしっぽが動くというセガの無駄な拘りを見ることができる。

運営の回答によれば、エラーの原因は猫が鯖=サーバーを食べてしまったためらしく、その原因を捕まえてきているのだからエラー娘はむしろプレイヤーの味方とも言えるのだが…
こっちはまともにプレイできず頭を抱えているというのにドヤ顔で何度も何度も猫を見せつけてくる彼女はいつしか「妖怪猫吊るし」「エラー娘」などと呼ばれるようになり、提督たちからは恐怖(もしくは腹パン)の対象として見られるようになっていった。(猫を吊るしているのは腹パンを防ぐためとの説も)
ちなみに、お気づきの方もいるだろうが、猫を捕まえて見せつけているのは当のエラー画面であり、原因を捕まえようがなんだろうが既にエラーは起きているため完全に無駄である。

エラーの襲来による主だった悲劇の舞台となったのは最初のイベントである『敵艦隊前線泊地殴り込み』。
ゲーム運営そのものに不慣れで手探り状態の公式サイド、マスクデータの多さが災いし手探り状態の提督達、推奨練度70という開始1ヶ月後に開催とは思えない難易度、
理不尽な渦潮、13年秋イベントの5倍の速さで回復するゲージ、錯綜する真偽が定かでない情報……
艦これ黎明期故の稚拙さが滲み出てしまった設計ミス等にエラーの爆撃まで降り注ぎ、特に土日祝日や平日19時以降といった必然的にプレイヤーが増える時間帯はまともにプレイできる状態では無くなった。

その後はサーバーの増強などもありエラーの発生は減少した。ついでに6月中にエラー娘も代替わりした。
しかし現在でもイベント期間やメンテナンス明けなど、アクセスが集中する時期には猫が現れることもあり、羅針盤とともに艦これにおける真のラスボスとして多くの提督に恐れられている。
エラー頻発を猫爆撃、猫オンラインと呼ぶなどもはや名物の一つと化している感さえある。
大本のDMM GAMES側のサーバー障害や攻撃的なアクセスにより発生することもままあり、その場合は運営が公式Twitterから注意喚起を行われるため、不意にエラーが頻発する場合はチェックすることが推奨されている。

最初期は想定以上のアクティブユーザーの数によりサーバーが悲鳴を上げていたが、イベントの仕様に問題を抱えていた事が原因でエラー猫が頻繁に襲来するイベントもあった。
それが15年夏イベント『反撃!第二次SN作戦』であった。
原因となったのは後段作戦として8/11オンメンテでE6と共に開放されたE7「FS作戦」。
初の装甲破砕ギミック実装となった同海域だが、「装甲値が直接下がる」タイプのギミックではなく、「装甲値はそのままにクリティカルダメージに補正がかかる」というもので確実性がなく、特定マスを複数回S勝利することで初めて効果が出るもので1回ずつS勝利では効果が薄く5回はS勝利が必要とされた。
おまけにそのギミックは同海域クリア報酬の照月が史実で没したのが深夜0時とされている事に引っ掛けて深夜0時を迎えると強制的にギミックの効果が消える為、0時を回れば再びギミックを解除しなければ極悪なボスの打破が出来ない可能性が非常に高かった。
……もうお分かりだろう。
0時を迎える前に可能な限り削ろうとする提督、0時を迎える前に攻略しようという提督、0時を超えると同時にギミック削りをスタートしようとする提督…それぞれの理由でアクセスが0時前後に集中。全サーバーが猫爆撃に見舞われた。
特にイベント前からサーバーが不調だったラバウル鎮守府の猫の襲来具合は飛び抜けており、平時は安定しているサーバー群でさえもその時間帯の攻略は戦々恐々としたものになった。
初手ランダム羅針盤や雷巡出禁を筆頭とした凶悪性も相俟ってE7は地獄と化し、サーバーへの負荷を鑑みてか、後にギミックのタイムリミットは早朝5時に変更された後タイムリミットそのものが撤廃された(難易度変更に伴うギミックリセットは実装された)。

2016年冬イベント『出撃!礼号作戦』開始直後に呉鎮守府サーバがプレイ目的外のアクセス及び国外からの攻撃性の強い不正アクセスにより陥落という事態が発生。
編成したら落ちる、補給したら落ちる、ボスを倒したと思ったら落ちる、とまともに攻略できない阿鼻叫喚の惨状が続いていたが、
運営は呉鎮守府の全艦隊を新呉鎮守府サーバに疎開させるという措置を取り、なんとか解決した。
「疎開」という表現が使われたことから、この不正アクセスによる攻撃は提督達の間では「呉大空襲」と呼ばれた

艦これ第一期最終イベントに位置付けられた2018年冬イベント『捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)』においては、後段作戦実装後に違法な多重アクセスで全サーバーで猫爆撃が発生。対策が完了するまで運営もつきっきりになり沈静化するまでまともに攻略が出来る状況ではなくなった。
更に虚偽の違反報告による艦これ公式Twitterアカウントの一時的な凍結によって運営が情報発信が困難になり提督達の攻略に支障をきたすことになったりと、災難続きのイベントとして名を残す事になった。

2019年冬イベント『邀撃!ブイン防衛作戦』は開始後に目立ったサーバートラブルやバグもなく、開始時のメンテナンスの遅延による1日程の延長があるか否かだろうと予想されていたが、イベント期間後半に差し掛かった9日夜から海外からのものと思われる全サーバーへの波状的飽和攻撃が発生。
急激な負荷とそれによる猫の襲来はあれどサーバーそのものの耐久性が向上している事もあってサーバーが落ちるということは無かったが、
全サーバーを順繰りに襲う稼働妨害目当てのアクセスは15日になってもおさまる気配を見せず、攻撃が無い日は無いといっても過言ではなく、
運悪く攻撃に居合わせた提督からは瞬間的に動作が重くなり、或いは通信が不安定になったことによる猫襲来の報告が相次ぐ。
収容人数が他サーバーより少なく「他が猫ってもここだけは平常運転」「操作ミスで多窓しないと見れない」と称されるほど安定している佐世保鎮守府でも猫に襲われるという状況に。
そして日付を跨いだ15日0時頃、「攻撃が執拗すぎるので、流石に頭にきました」とこれまで表立って声を荒げる事が少なかった運営Twitterが声を荒げ*1、必要な処置に踏み切ると発言する事態にまで発展。
1週間近い防戦と警戒を土日祝日返上で続けた運営の怒りを爆発させるに至った業務妨害と攻略妨害による被害を鑑みて、イベント期間の若干の延長が予定されている。

ちなみに二代目エラー娘は猫に対して土下座をしており、初代に比べて弱体化していると言われる。
まあ実際エラーは既に起きているのでこちらの方が正しいとも言えるが。
初代を懐かしむ声もちらほら。
日が進むごとにエラー娘の仕事も細分化し、新規着任枠・メンテナンス枠とことなるエラー娘等も別の娘が担当することになり後輩も増えた。並べると初代のインパクトの大きさがわかる。


帰ってください。
ゲーム内での出番こそ少なくなったが、コラボグッズやリアルイベント場内での書下ろしイラスト掲載など、今でも提督がトラウマにならずに目にする機会は多いのであった。


なおエラーが発生しても補填はない。せいぜいあんまり酷いとイベント期間を延長してくれるくらい。
なので某スマホゲーみたいにわざとエラーを誘発しようとしても無駄(元からやったらいけないけど)。むしろ「ふざけるな!死ね!」と漏れなく全提督から罵倒されます。



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最終更新:2023年11月23日 19:16

*1 「頭にきました」は加賀の小破時ボイス。当時の運営Twitterアイコンが加賀さんだったのでそれに合わせたのもあるのだろう。